Arc Jihad(アークジハード)-想いとイシの交わる時-

渡来 克巳♂ (わたらい かつみ) 24歳 関東支部、探索ニ班の班長、組織の正構成員。
一箇所に留まってられないタイプ、口が悪いが活発な好青年。
以前の登場から二年経っており、戦闘の経験も積み、槍の扱いも一人前になっている。
雷 伸太郎♂ (あずま しんたろう) 以前、聖剣の契約者である幼馴染と引き分け、リベンジする為に修行の旅をしている。
昔の自分を嫌っている。ヤンキー口調。
以前の登場より一年経っており、現在ではミスティオン魔剣派に所属している。
クー・フーリン♂ 異世界から来た黒髪イケメン、魔槍ゲイボルグの担い手。
基本面倒くさがりだが、戦いを好む。
以前の登場より一年経っており、現在ではミスティオン魔剣派に所属している。
赤阪 彩瑛♀ (あかさか さえ) 17歳 契約者。ポンヤンペの前契約者であった秋弥の妹。
理知的で、兄思いの少女。謎の病により失明状態であったが、ポンヤンペの治癒能力で回復。
自分を救う為、また、世界を救う為契約者となった兄の遺志を継ぎ、自分自身も契約者となる。
こちらを参照。
趙雲子龍♀ (ちょううん しりゅう) 26歳 三国志の英雄のパーソナリティをインストールされた女性。
快活で感情のはっきりした性格、切り替えも早い。
以前の登場より二年経っており、戦いを通し克巳ともより親しくなっている。
ポンヤンペ♀ 聖剣クトネシリカの担い手。ポンヤンペという名前だが、
正確にはポンヤンペの人格をインストールされた異世界人。
男勝りな性格で、姐御肌。何があっても人を守り、
魔剣を滅ぼすという信念を持ち、がさつなようで実は思いやりに長けた人間。
前契約者である秋弥を守れなかったことに自責の念を感じている(前回参照)。


※キャラ説の一部にリンクを張っております、前回登場回などへ飛べますので、
  参考にしたい方はどうぞ。



克巳♂:
伸太郎♂:
クー♂:
彩瑛♀:
子龍♀:
ポンヤンペ♀:




克巳「はぁ・・・、ちゃんと出来っかなぁ・・・」

子龍「どうした克巳、珍しく物憂いじゃないか」

克巳「ものうい?」

子龍「私が悪かった、憂鬱そうだなって意味だ」

克巳「あぁ、そういう事か、あぁ、まぁな・・・」

子龍「ん、いつもなら、珍しくってどういう事だー!とか言いそうな物だけど、
   今日はかなり真剣に悩んでいるみたいだな」

克巳「そりゃな・・・、今日人に戦い方を指導しにいくって話したじゃん?」

子龍「あぁ、まさかちゃんと教えられるかが不安、とかか」

克巳「それもある、それもあるんだけど、これさ、志光(しこう)さんに頼まれたんだよ」

子龍「ふむ、それで?」

克巳「・・・教える相手、秋弥(あきや)の妹さんなんだって」

子龍「・・・・なるほどな」

克巳「担い手も、ポンヤンペなんだってさ」

子龍「なら、明るく行かなきゃな」

克巳「なんでだ?」

子龍「また志光さんと同じ事を言われるぞ」

克巳「それは、イヤだな・・・」

子龍「だろ?」

克巳「よし、分かった、切り替える!」

子龍「それでこそ我が相棒だ!」

克巳「よっし、張り切っていくぞー!」

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彩瑛「ここで待っていればいいんだよね?」

ポンヤンペ「俺はそう聞いたが?」

彩瑛「そう、だよね。うん。ならいいんだ」

ポンヤンペ「どうした?落ち着きがないな?」

彩瑛「えっ!?そ、そうかな?」

ポンヤンペ「今日の訓練のことを聞かされてから、ずっとそわそわしてるぞ?」

彩瑛「いや、そんなことないって」

ポンヤンペ「なら、座って待てばいいだろう?」

彩瑛「そ、そうだね」

ポンヤンペ「・・・・・」

彩瑛「・・・あ、飲み物。取ってこようか」

ポンヤンペ「飲み物なら、ほら、そこに用意してあるだろ」

彩瑛「あ、ホントだ」

ポンヤンペ「訓練する時はいつもこうだろ。・・・どうした?サエ。今日のお前はなんかおかしいぞ?」

彩瑛「えっと、その・・・本当のことを言うとね?」

ポンヤンペ「うん?なんだ?」

彩瑛「笑わない?」

ポンヤンペ「笑わない」

彩瑛「本当に?」

ポンヤンペ「大地に誓って。ほら、言ってみろ」

彩瑛「緊張・・・してるんだ」

ポンヤンペ「緊張?」

彩瑛「そう、今日、訓練付けてくれる人、克巳さんって人なんだけどね。私、会ったこと無くって。
   その人については兄さんから話を聞いてるだけだからどんな人か分からなくて」

ポンヤンペ「なるほど、だからか」

彩瑛「どんな人なんだろう?」

ポンヤンペ「アキヤと交流があったのなら悪いヤツじゃないさ。そんなに気を張る必要はないだろう」

彩瑛「そ、そうだね」

ポンヤンペ「それにしても、俺と会った時とはえらく違ってるな。俺と初めて会った時はそんなに緊張してなかっただろ」

彩瑛「それは、ポンヤンペは女の人だから・・・」

ポンヤンペ「はっはーん。もしかして、サエ。お前は奥手なんだな?」

彩瑛「奥手っていうか・・・男の人と喋ったことがなくて・・・」

ポンヤンペ「それを奥手って言うんだよ。ま、気楽にいろよ。なんだったら、俺が助け船だしてやるから」

彩瑛「が、がんばってみる・・・」

克巳「お邪魔しまーす!」

彩瑛「ひゃっ!?(驚きの声)」

ポンヤンペ「どうやら来たようだな」

子龍「克巳、それを言うなら失礼します、じゃないか?」

克巳「そ、そうとも言う!」

ポンヤンペ「なんだ、面白そうな奴が来たな。ほら、サエ」

彩瑛「え、えっ?」

ポンヤンペ「挨拶しなって」

彩瑛「あ、そ、そうだね。は、はじめまして」

克巳「はじめまして!よろしくな!」

子龍「私は担い手の趙子龍(ちょうしりゅう)だ、よろしく、
   そうか、二人は初対面なのか、てっきり面識があるものだと思ってたよ」

彩瑛「子龍さんですね。よろしく、おねがいします。私は、赤阪彩瑛といいます。
   私、兄から話を聞いてただけなので、今日初めてお会いしました」

ポンヤンペ「しれっと会話する相手を替えたな?」

彩瑛「そ、そんなことないよ!」

子龍「君が秋弥の妹か、よろしく、彩瑛、
    ほら、克巳も名前を」

克巳「あぁ、俺は渡来克巳だ、よろしく!」

子龍「・・・・まぁ、何も言うまい」

彩瑛「よ、よろしくおねがいします」

ポンヤンペ「これは後々苦労しそうだな。・・・俺はポンヤンペ。クトネシリカの担い手だ」

子龍「よろしくな、さてと、この様子だとお互い色々と大変そうだし、話を進めるとしようか」

克巳「そうだな、よっし!まずはどうする?」

子龍「まさか克巳、何も考えてなかったのか」

克巳「・・・・・あぁ」

子龍「はぁ・・・、ポンヤンペ、そなたの武器はなんなのだ?」

ポンヤンペ「俺か?俺はこの短刀、クトネシリカを武器にしている。後は、こっちの世界で手に入れた弓矢だな」

子龍「となると私達が槍で相手をしては訓練にはなりづらいな、
   克巳、槍に慣れた所ですまないんだが、他に扱える武器はあるか?」

克巳「コンバットナイフなら、仕事で使ってたから多分体が覚えてると思うけど」

子龍「うん、それなら丁度良い、型も応用できそうだ、
   とりあえずどれ程動けるかも知りたい、一度外に出ないか?」

彩瑛「え?でも、訓練はここでやるって・・・」

ポンヤンペ「別に何処で訓練しても変わりゃしないさ。いいぜ、移動しよう」

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伸太郎「どうだクー・フーリン、見つかりそうか?」

クー「いや、全然だ、気配の残り香はあるんだが肝心の大本が見つかりゃしねぇ」

伸太郎「そうか、はぁ・・・、これなら関東の方が簡単に相手見つかったんじゃねぇか?」

クー「あいつら曰く、こっちの方の支部も聖剣派だって話だが・・・、ん?」

伸太郎「あ?どうした」

クー「聖剣の臭いだ、しかも二本」

伸太郎「へぇ、おもしれぇ、暇潰しどころか修行にもなりそうじゃねぇか」

クー「あぁ、生半可じゃ通用しねぇ事が分かったしなぁ」

伸太郎「そんじゃ、行くとするか」

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克巳「よっしゃ!はじめようぜ!」

子龍「よし、言うからには移動中に何かプランを考えたんだよな?」

克巳「・・・・・・・」

子龍「そんな事だろうと思ったよ、では彩瑛、一度お前の動きが見たい、
   相手は私がしよう、本気で来てもらっても問題ないぞ」

彩瑛「本気でって、多分相手にならないんじゃ・・・」

ポンヤンペ「動きが見たいって言ってるんだ。本気で戦う訳じゃないさ。
      胸を借りるつもりでやってこいよ」

彩瑛「そうだね。うん、がんばってみる」

克巳「お、俺は何をしたら・・・」

子龍「とりあえず見ててくれ、それじゃ私はこの短刀で行かせて貰うとしようか、
   さぁ、来い、彩瑛!」

彩瑛「じゃあ、こっちも模造刀で行かせてもらいます。それでは。・・・はぁぁぁっ!」

子龍「よっ、初撃は中々、そのまま続けてみろ!」

彩瑛「はいっ!・・・ふっ!せいっ!」

子龍「よっ、ほっ、っと、なるほどな、そらっ」

克巳「おぉ、敵の攻撃をいなしてそのまま首に・・・」

彩瑛「なっ!?」

ポンヤンペ「俺が教えた通りの型でやってるな。上々上々。・・・だが」

子龍「そうだな、型に捕らわれ過ぎている節があるな、そのせいで守りが疎かになっている、
   しかし筋は良いぞ、まぁ弱点も分かったし、収穫にはなったな」

ポンヤンペ「よし、それじゃ早速、戦闘だな」

彩瑛「ちょ、ちょっとまって!戦闘訓練するにしても、まだ息が・・・」

ポンヤンペ「しかたないな。・・・って言いたいが、どうやらそうは言ってられないみたいだ」

彩瑛「?(困惑)」

伸太郎「ハン、契約者は腑抜かよ」

クー「反面、担い手は女なのに血気盛んなようで、まぁその方がこっちも楽しいから別にいいけどよ」

子龍「何かいると思ったが、早速実戦の機会がお出ましという訳か」

克巳「まさか、魔剣!?」

ポンヤンペ「それ以外になにがあるってんだよ」

伸太郎「ハッ、間抜けな奴らだ、これなら遠距離から雷の投擲(ガイ・ボルガ)でぶち抜いちまった方が良かったな」

クー「いや、担い手の方は中々やるみてぇだし、いい特訓にはなりそうだ」

伸太郎「そうか?お前がそう言うなら間違いねぇな、そんじゃ、始めようぜ」

クー「はいよ、出でよ我が無限の稲妻…ゲイボルグ!」

ポンヤンペ「集え。大地の力、クトネシリカ!行くぞ。使え!サエ!」

彩瑛「う、うん!」

克巳「子龍、俺たちも!」

子龍「あぁ、生涯に敵う者なし、来たれ、涯角槍(がいかくそう)!克巳!」

克巳「サンキュ!」

クー「槍と小刀か、好都合じゃねぇか、シン」

伸太郎「あぁ、あいつらの使ってた武器と似てる、こいつらに勝てれば、やれる!」

彩瑛「すごい・・・プレッシャー・・・」

ポンヤンペ「怖じ気づくな。ひいたら負ける。大丈夫だ。サエの事は必ず俺が守る」

彩瑛「ううん。大丈夫。私もやる!」

クー「あちらさんもやる気みたいだぜ」

伸太郎「望む所だ、初発貰うぜ、そらぁ!」

彩瑛「こっちにくるっ!?」

ポンヤンペ「避けろ!サエ!」

克巳「させるか、はぁ!」

伸太郎「くっ、っと、邪魔くせぇ、どいてろ、よ!」

克巳「うぉ!?」

伸太郎「もう、一発!」

ポンヤンペ「克巳!上手く避けろよっ!?踊れ!雷の刃!雷撃斬!」(らいげきざん)

克巳「いぃ、マジかよ、くぅ!」

伸太郎「どいつもこいつも、ちぃ!」

ポンヤンペ「やっぱり避けたか!」

クー「ついでで当たる程、腑抜けちゃいねぇよ、そぅら!」

ポンヤンペ「流石に感付かれたか、はっ!」

クー「ちぃ、これくらいじゃ奇襲にすらなりゃしねぇか、
   だがまだ、止まらねぇ!」

ポンヤンペ「ちぃっ!速いなっ!ぐうっ!?(受け止める」

彩瑛「ポンヤンペ!」

ポンヤンペ「大丈夫だ!」

クー「何が、大丈夫だってぇ!」

子龍「それ以上はさせないさ、そら!」

クー「っ、ちぃ!」

ポンヤンペ「加勢、済まないっ!」

子龍「いや、こちらこそ出遅れた、あいつ、思ったよりやるようだ、
   気を抜かずに行こう」

克巳「大丈夫だったか、彩瑛!」

彩瑛「は、はい。大丈夫です。ごめんなさい」

克巳「気にすんなって、仲間なんだから当たり前だろ」

彩瑛「はいっ!」

クー「チッ、邪魔くせぇ・・・」

伸太郎「クー・フーリン、お前も邪魔されたのかよ」

クー「あぁ、このままだと数で押される、やるぞ」

伸太郎「あぁ、マージ・・・」

クー「ウェイク!」

ポンヤンペ「来たか、マージ・ウェイク・・・」

彩瑛「なんとかしないと・・・」

ポンヤンペ「サエ、下がってろ。此所は俺たちで時間を稼ぐ」

子龍「マージウェイクなしだろうと、担い手二人ならなんとかなるだろう、
   その間に二人は突破口を」

彩瑛「分かりました!」

克巳「任せろ!」

クー「へぇ、あいつらはマージ・ウェイク無しか・・・」

伸太郎「舐めやがって・・・、行くぞ!はぁぁあああああ!」

ポンヤンペ「おぉっと、先にはいかさねぇっ!吹き荒れよ大気の咆哮!旋風撃(せんぷうげき)!」

伸太郎「そんなもんで止まるかよ!」

ポンヤンペ「なっ!?とまらねぇ!?」

子龍「ならこれで、砲龍滅牙槍!」(ほうりゅう めつがそう)

クー「ペオース! エオロー!」

ポンヤンペ「やったか!?」

子龍「くっ、身代わり人形か!」

彩瑛「この音・・・右です!」

伸太郎「ハッ、おせぇ!」

克巳「っ、こっち!?」

彩瑛「させません!ポンヤンペ!」

ポンヤンペ「分かってる!雷撃獣砲!(らいげきじゅうほう)」

クー「シン!」

伸太郎「ちぃ!っだらぁ!」

ポンヤンペ「雷撃獣砲をはじくかよ!」

克巳「だがチャンスだ、足が、止まってんぜぇ!」

伸太郎「っ、くっ!」

克巳「よし、今だ、彩瑛!」

彩瑛「はいっ!はぁぁぁっ!」

伸太郎「何!?っ、づぅ!」

彩瑛「かわされた・・・」

ポンヤンペ「気を抜くな!サエ!」

伸太郎「ってぇなこのヤロウ!もう許さねぇ!」

クー「一回下がれ、囲まれてるぞ!」

彩瑛「逃がさないっ!」

克巳「待て!誘いだ!」

クー「シン、あれを撃つぞ」

伸太郎「っ、あぁ、分かった!いよっ!」

ポンヤンペ「サエ!危ないっ!」

伸太郎「雷の投擲(ガイ・ボルガ)!」

彩瑛「しまっ・・・!」

ポンヤンペ「間に合えぇぇっ!」(彩瑛を抱きかかえ回避)

克巳「よし、かわした!」

伸太郎「まだだ!」

克巳「なっ、曲がった!?」

子龍「くっ、克巳!マージ・ウェイクだ!」

克巳「っ、分かった!マージ・・・」

子龍「ウェイク!行くぞ、長坂疾駆!」(ちょうはん しっく)

克巳「よし、うぉぉぉおおおおおおお!」

クー「なっ、速い!?狙いは・・・!」

彩瑛「えっ!?」

克巳「大丈夫か、二人とも!」

ポンヤンペ「二人を抱えて回避するとは、流石だな!」

子龍「まだだ、この速さならこのまま契約者を!」

伸太郎「なっ、戻れ、クー・フーリン!」

クー「あぁ!」

伸太郎「っ、よし!」

子龍「なんてな」

伸太郎「なっ!?」

克巳「え、行かなくて良いのか?」

子龍「あぁ、頼むから人を抱えたまま深追いだけはやめてくれ」

ポンヤンペ「もう大丈夫だから、とりあえずおろしてくれ・・・」

克巳「あ、あぁ、よっと」

子龍「さて、そちらはどうするかね?
   こちらには、こんな奥の手がある訳だが」

伸太郎「くっ・・・!」

クー「奥の手の相性がよくねぇか・・・」

ポンヤンペ「まだ、やるってんならどうなってもしらねぇぞ?」

伸太郎「まだ、まだだ!技の相性が良くなくても力なら!」

子龍「マージ・ウェイクした今なら、速さも力も負ける気はしないがな」

克巳「そうだ、もう好きにはさせねぇぞ」

伸太郎「チッ、舐めやがって!」

クー「退くぞ」

伸太郎「だからまだ出来るつってんだろう!」

クー「あの時と同じ事を言わせるつもりか?」

伸太郎「・・・分かった、テメェら、覚えてろよ!」

彩瑛「・・・去ったみたいですね」

ポンヤンペ「なんとかなったか」

子龍「脅しが効いたみたいだな」

克巳「え、追撃は・・・」

子龍「まさかとは思うが、本気で形勢逆転出来ると・・・、
   いや、何も言うまい」

ポンヤンペ「ったく、肝が冷えたよ。・・・にしても、ありがとな」

克巳「いや、今度こそちゃんと守れて良かったよ、
   これでまた何も出来なかったら、俺、自分が許せなかったと思う」

彩瑛「今度こそ?・・・どういう意味ですか?」

克巳「志光さんの時も、秋弥の時も、俺は何も出来なかった、守れなかった、
   だから、今度こそちゃんと守らなきゃいけないんだ」

子龍「・・・・克巳、それは・・・!」

克巳「だからごめん!あの時、俺が一緒にいれば秋弥は死なずに済んだかもしれないのに、ごめん!」

子龍「・・・・あれから、ずっと悩んでるみたいなんだ、
   私からも色々話したんだが・・・」

克巳「本当は、凄く気まずかったんだ、二人に会うって決まったとき、気まずかったんだ!
   秋弥から、大切な妹と、相棒だって聞いてたから・・・」

ポンヤンペ「だからあんなにぎこちなかったのか」

彩瑛「・・・克巳さん。ありがとうございます」

克巳「あり、がとう・・・?なんで・・・?」

子龍「感謝の言葉だけじゃ、納得できないか?」

克巳「当たり前だろ!俺は、俺は何も出来なかったっていうのに!」

彩瑛「そんな事ありません。兄が二年間生き延びられたのは克巳さんの指導のおかげです。
   それに、今日だって私たちを助けてくれました。何も出来てない訳ないじゃないですか」

克巳「それじゃ、俺は、力になれてたのか・・・?」

彩瑛「あたりまえです!」

克巳「そっか、よかった、よかった・・・」

子龍「・・・・・すまない、ありがとう」

ポンヤンペ「いいってことよ。・・・にしても、サエ。喋れてんじゃねぇか」

彩瑛「えっ!?(驚き)」

ポンヤンペ「渡来とだよ。あんだけモジモジしてたのによ」

彩瑛「そ、それは・・・あの・・・(照れ)」

子龍「確かに、普通に話せてるな、少しは慣れてくれたのかな?」

彩瑛「そ、そうですね・・・。急に恥ずかしくなってきましたけど・・・」

克巳「恥ずかしく・・・?」

子龍「深く突っ込まない、克巳も相手の気持ちが分かったとは言え、
   すぐにスッキリはしないだろう?」

克巳「そう、だな、うん、少しずつ、少しずつだけど、俺も変わっていけると思うから」

ポンヤンペ「さて、そろそろ戻ろう。今あった事を報告しなけりゃいけないしな」

子龍「そうだな、また魔剣に襲われても嫌だし、戻ろうか」

克巳「あぁ、行こうぜ、っとそうだ、彩瑛」

彩瑛「なんでしょう?」

克巳「その・・・・、これから、よろしくな!」

彩瑛「・・・はいっ!よろしくお願いします!」




to be continued...






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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w


こちらの台本はコンピレーション企画「Arc Jihad(アークジハード)」にて
書かせて頂いたものです。
他の参加者様の台本はこちら