Night/Knight 第28話 守りたいもの  作:福山漱流

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マシュー・フランクリン:22歳。聖十字協会の魔術師。爵位は無し。
            新米魔術師であり、ブランドンの部下としてヘブリニッジに派遣された。
            使用魔術は基礎的なものを幅広く扱い、威力も平均的。典型的な知性派であり、近接戦闘には向かない。
            優等生タイプで、頭もよく回るが、ルールに縛られやすく、柔軟に対応できない面を持つ。  

夜巳鎮(やみ まもる):純血の吸血鬼。見た目17歳くらいだが、実年齢は200オーバー。感情の起伏が浅く、常に怒っているように思われる。

ダレル・ハイド:吸血鬼であり、マルリスの側近。ヘブリニッジの治安維持を務める『アヴィラ家』の重役。筋骨隆々の大男。
          見た目30代後半。荒事対応や事件現場整理などの外役の責任者を務める。
          荒っぽい口調だが、身内に対して義理人情の厚い人物。

♂マシュー:
♂鎮:
♂ダレル:

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マシュー:もう・・・。なんで、僕一人が留守番なんだろう。
     ブランドンさんは支部に出頭で、狩屋さんは定期健診って・・・。
     あー!僕にも休暇をくださいよぉぉぉ!・・・って叫んでも無駄か。

鎮   :・・・お前だけか。

マシュー:はひぃっ!?って・・・よ、夜の王!?どうやってここに!?

鎮   :転移した・・・。ブランドンはいるか。

マシュー:い、いえ。今、ここには居ません。
     ・・・っていうか、どうしてここに・・・?

鎮   :用があったからに決まっている。
     ・・・仕方ない。

マシュー:え、えっと・・・。用がお済みでしたらお帰りいただけないでしょうか。ここには機密もあるんで・・・。
     というか、今度からはちゃんと玄関からですね?

鎮   :お前、少し付き合え。

マシュー:は、はい!?何にですか!?

鎮   :それは現地で話す。では、いくぞ。

マシュー:え?いや!僕はまだ行くとは言って・・・

鎮   :転移術式解放。

マシュー:ま、待ってくださいってぇぇぇぇ!?

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ダレル :Night/Knight第28話 守りたいもの

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マシュー:あのぅ・・・。

ダレル :・・・・。

鎮   :フン・・・。

マシュー:一体、コレはどういうことなんでしょう?

鎮   :どういうこととは?

マシュー:つ、つまりですね。なぜ、僕はいきなりこんなとこに連れてこられているのかと・・・。
     転移魔術で飛ばされた先が、アヴィラ家の尋問室で、しかも外回り役の皆さんが勢ぞろいって・・・。

ダレル :(怒気を孕ませながら)心配すんな。手は出さねぇ。お前の返答次第でな。

マシュー:ひぃっ!?

鎮   :ダレル。止せ。まだ決まったわけじゃない。

ダレル :だが、夜の王!俺は早くケリをつけてぇんだ!

マシュー:えっと。なんの話で・・・?

鎮   :マシューとか言ったな。先日、マンハントの時に起こったこと。知っているだろう。

マシュー:あ・・・。はい。魔術師が暴れたというやつですね?

ダレル :その魔術師、お前らの差し金か?

マシュー:そんな訳ないですよ!そもそも僕たち、聖十字協会が、魔族側に大きな被害が出るようなことをするわけないじゃないですか!

ダレル :だが実際に起こっただろうがッ!マンハントで狩られる人間はお前らが用意した!仕込めるのはお前らしかいねぇんだよ!

マシュー:だから、仕込んでないですって!そもそも、聖十字協会にメリットがないじゃないですか!むやみやたらと魔族を殺したって、恨みを買うだけじゃないですか!

ダレル :メリットならあるだろうが!俺らを皆殺しにして、この土地から追い出そうって腹だったんだろう!

マシュー:本当にそうだとしたらもっと大がかりな人員が動きます!それこそ、僕やブランドンさんが戦場に狩り出されることになる訳で・・・

ダレル :じゃあ、コレはどういうことだ!(机に写真を叩き置く

マシュー:はい?・・・なんですか、コレ・・・。

鎮   :ブランドンが接触している人物。コイツは獲物を連れてきた輸送業者だ。
     奴はそいつに何かを渡している。これは、なんだ?

ダレル :賄賂使って、魔術師を紛れ込ませたんだろう!?

マシュー:そんな訳・・・!

鎮   :ダレル。決めつけに走るな。
     ・・・マシュー。部下であるお前なら、この日、ブランドンが渡した物知っているんじゃないか?

マシュー:・・・知りません。この日、僕は研修でヘブリニッジには居なかったんです。
     ブランドンさんも、何も言ってませんでしたし。

ダレル :テメェ!隠そうったってそうはいかねぇんだからな!

鎮   :ダレル!止せ!・・・なぁ、マシュー。お前の知っていることを話せ。
     それで納得がいくのなら、こいつらは手を出すなんてことはしない。

マシュー:・・・どう言われたって知らないものは知らないんです。
     騒動があったことを知ったのも研修から帰ってきてからですし、その日、ブランドンさんが何していたかも、聞かされてないんで。

ダレル :じゃあ、なんで今日あいつはこの街に居ねぇ。犯人だから雲隠れしたんだろう!

マシュー:違います!今朝、突然、門の向うにある支部から出頭命令が出て、そっちに。

鎮   :なぜ、そんな命令が出た?

マシュー:・・・わかりません。理由も何も書いてない手紙でしたから。

鎮   :じゃあ、質問を変えよう。マリアン・グロリア・シサリーザ。コイツにおかしな動きはなかったか。

マシュー:シサリーザ卿に!?それこそありえません!あの人は、この街が揺れる事を避けたがっているんですから。

ダレル :あの狐女のことだ。俺らを騙くらかすことなんて容易いって思ってんだろ。

マシュー:シサリーザ卿を悪く言うのはやめてください!あの人は本当に・・・!

ダレル :本当にこの街を思ってるってか!?だったら、何でこの事件が起こった!
     本当にそう思っているなら、先に潰すだろう!

マシュー:それは、シサリーザ卿にも読めなかった不慮の事故で

ダレル :事故だぁ!?何十人も死者が出るかもしれなかった騒動を事故で済ませるのか、テメェ!

鎮   :落ち着け。コイツはそこまで言っていない。言葉のあやだ。

マシュー:・・・どんなに問い詰めても答えは出ませんよ。僕は知らない。
     多分、ブランドンさんもシサリーザ卿も今回の件に関しては思いもよらないことだったんです。

鎮   :・・・わかった。ダレル。もういいだろう。ここまで聞いても口を割らないんだ。本当に知らないんだろう。コイツは。

ダレル :・・・仕方ねぇ。おい、お前ら!ここは解散だ!ジョン、あとカーター。お前らで事件当日のホシになり得る人物の洗い出しをしろ。ケイトはベギーと協力して全ユニットを指揮して現場で遺留品捜査。行動開始。

マシュー:・・・はぁ。

ダレル :すまねぇな。マシュー。怒鳴ったりしてよ。

マシュー:え?

ダレル :ぶっちゃけ、俺は別にお前を疑ってるわけじゃねぇ。ただ、部下の手前じゃ。ああやるしかなかったんだよ。

マシュー:そう、ですか。

ダレル :なぁ、マシュー。・・・マンハントの日。何があったか全部聞いたか?

マシュー:いえ、魔術師が暴れて、四名家が総出で鎮圧したとしか。

ダレル :総出か。えらい脚色したんですなぁ、夜の王。

鎮   :マルリスの言葉を借りるなら、「そうでもしないと面子が立たない」

ダレル :違いない。そうか、詳しくは知らないんだな。だったら余計に悪かった。この通りだ。

マシュー:あ、いえ!頭を上げてください!・・・僕も、大して知らずに・・・。

鎮   :被害についてはどれだけ知ってる。

マシュー:観客が何人か転んでけがをしたとしか・・・。

鎮   :よし、情報統制はとれているようだな。

マシュー:情報統制?・・・あの、何があったんです?

鎮   :それを聞くなら、二つ条件がある。聞くか?

マシュー:・・・はい。お願いします。

鎮   :一つ。ここで見たことは口外しない。特に、他の魔術師に。
     二つ。こちらがいいと言うまでこの一件に介入しない。

マシュー:二つ目のそれは、聖十字協会全体がってことですよね?

鎮   :もちろんだ。余計な手出しはしてほしくない。

マシュー:独断では判断できません・・・と、言いたいですけど。わかりました。条件をのみます。

鎮   :わかった。・・・ダレルもいいな?

ダレル :アンタが決めたんだ。俺は文句ない。

鎮   :よし。・・・被害についてだが、一般人の被害はさっきお前が言った通りだ。
     しかし、それ以外に被害者はいる。

マシュー:被害者・・・ってことは、戦闘で負傷した人が?

鎮   :ああ、魔術師との戦闘で、二名。

マシュー:それは・・・このヘブリニッジの外にも影響が及ぶくらいの人ってことですよね?

鎮   :・・・戦闘によって負傷したのは、「バー・ファンタズム」オーナーのサンタナ・A・スミス。
     そして・・・アヴィラ家当主代行 マルリス・アヴィラ。

マシュー:なっ!?マルリスさんが!?

鎮   :知ってるだろうが、サンタナの本体は霊体だ。やられたのは外をうろつくときに被る殻の肉体だけ。本人は、弱っちゃいるが、今もバーを開いている。だが・・・

ダレル :ああ、ウチのお嬢は・・・。四肢を持っていかれた。

マシュー:えっ・・・四肢って手足をってことですか?

鎮   :ああ、そうだ。無理やり引きちぎられた形だ。

マシュー:引きちぎる!?そんなこと・・・。

鎮   :やったんだ。俺が見た。

マシュー:そうでしたか・・・。それで!マルリスさんの容体は・・・

ダレル :意識不明の重体。四肢の欠損箇所は塞がった。
     魔力を使い果たして、自己修復まで回せてない状態・・・らしい。

鎮   :三日目か。そろそろ回復してもいい頃だが。

ダレル :そうなんだが・・・。

マシュー:心が死んだ状態・・・ってことですか。

ダレル :ああ、そういわれた。まぁ、こっちはお嬢の事を信じて待つしかねぇ。

マシュー:ですね・・・。

鎮   :ダレル。少し席を外すが、いいか?マルリスの様子を見てくる。

ダレル :あ、ああ。済まねぇ。行ってみてくれ。その方が、お嬢も喜ぶ。

鎮   :・・・ああ、じゃあな。

ダレル :はぁ・・・。なぁ、マシュー。

マシュー:は、はい!なんでしょう。

ダレル :ほんと、すまないな。さっきは。

マシュー:いえ、大丈夫です。さっきも言いましたけど・・・。

ダレル :知ってるか?マシュー。

マシュー:・・・なにをでしょう。

ダレル :お嬢が、しょっちゅうブチ切れる理由。

マシュー:・・・わかんないですね。

ダレル :なぁに、簡単なことだ。ウチは血の気が多い奴らが多くてな。
     ちょっとやそっとじゃ収まらねぇんだ。
     だからなのかねぇ、なんかあったらお嬢は速攻ブチ切れる。

マシュー:それは、周りの代わりにってことですか。

ダレル :ああ、そういうことだ。お嬢がブチ切れるとこっちはそれを抑えるために否が応にも落ち着かなきゃならなくなる。
     ・・・全く、手がかかるにも程があるってんだ。

マシュー:そうだったんですね・・・。

ダレル :・・・だからよぉ。マシュー。わかるだろ?
     俺は、いや俺だけじゃない。このアヴィラ家全体はな。今盛大にブチ切れてんだよ。
     だれが何と言おうがかまわねぇ。どんなことをしてでもお嬢をこんな目に合わせた奴を殺す。それだけだ。

マシュー:っ!・・・はい。

ダレル :なんでもいい。わかることがあったら教えてくれ。俺は、お嬢のためなら命だって投げ出すつもりだ。
     だから・・・

鎮   :すまないが、それはできない。

ダレル :っ!夜の王!?・・・戻ってたのか。お嬢は。

鎮   :マルリスはまだ寝ていた。やはり、奴の精神力次第だな。

ダレル :そう、だよな・・・。

鎮   :そして、さっきの話だが。ダレル。しばらくアヴィラ家は活動を停止しろ。

ダレル :は・・・?それって、どういう・・・。

鎮   :今回の一件。捜査など一切するな。後はこちらがやる。

ダレル :ふざけんな!夜の王!勝手が過ぎるぞ!アヴィラ家は死んじゃいない!
     それなのに活動停止とはどういうことだよ!?

鎮   :今後に支障が出るからだ。燃え上がった火を前にただ眺める訳にはいかないからな。

ダレル :だから今俺たちが捜査を・・・

鎮   :その捜査とやらはマルリスの仇討ちのためだろう。
     怒りに曇った目では、目的には至らない。

ダレル :俺らをバカにしてんのか!!来いっ!ブラッド・・・

鎮   :ブラッドエッジ。(のど元に突きつける

ダレル :ぐっ・・・

鎮   :遅い。この程度では、見つけたとしても返り討ちが関の山だ。

ダレル :・・・夜の王。解ってるんだよ。ここでアンタに対して足掻いたってどうにもならねぇことは。
     けどよ!俺は許せねぇんだ!お嬢をあんな風にした奴を!そんな奴から守れなかった俺自身が!

マシュー:ダレルさん・・・。そんなに、あの人の事を・・・

ダレル :俺は、お嬢に拾ってもらった恩がある。
     魔界で、自分を見失いながら過ごす毎日から抜け出させてくれた義理がある。
     そんな恩に報いる機会を、奪うのかアンタは!

鎮   :お前がマルリスを守りたかったのはわかっている。だが、それだけでは承服できん。

ダレル :なんでだっ!

鎮   :俺が守りたいものじゃないからだ。

ダレル :アンタは、お嬢を見捨てるのかっ!

マシュー:違います。夜の王が言いたいことは、そうじゃないはずです。

ダレル :なに?

マシュー:夜の王・・・いえ、夜巳 鎮 ヘブリニッジ辺境伯(へんきょうはく)。貴方は、この街全体を守るために動いているんですよね。

鎮   :フン。聞いてやろう。

マシュー:今回、起こった事件は魔術師が起こした事件です。その魔術師がどこに所属している魔術師かがわからない以上、
     今、アヴィラ家がむやみに動き、門の外側。つまり、人間サイドを挑発する事態に陥ることを畏れている。ちがいますか?

鎮   :だとしたら?

マシュー:強硬的にヘブリニッジが魔術師狩りを行っていることが知れたら、人間サイドは間違いなくこの街を戦火に巻くでしょう。
     おそらく、派遣される魔術師は聖十字協会だけでなく、封滅騎士団。魔族狩りのエリートを大隊レベルで投入するはずです。

マシュー:それを回避するため、わざと自分を悪役にし、そのようなことを言って、この街を守ろうとしているのではないですか?
     すべては、外と、内との均衡を保つため。この火薬庫に余計な火種が生まれることをさけるため。

鎮   :・・・フッ。面白い。40点だ。なかなかどうしていい目をしているな。マシュー・フランクリン。

マシュー:あ、ありがとう・・・ございます。

鎮   :わかったか?ダレル。今、このマシューが言ったとおりだ。
     今、お前たちが大々的に動くと外が荒れ始める。それを避けるためにも活動は即刻中止しろ。

ダレル :・・・それでも俺は。俺たちはっ!じっと待つことなんて。

鎮   :全てには時がある。今は動くべき時勢じゃない。なら待つ。それが家を、マルリスを守るやり方だ。

マシュー:ダレルさん。お願いします。今は落ち着いてください。
     絶対の約束とまではいきませんが、聖十字協会としても今回の一件は不快な出来事です。
     捜査に関して、こちらも協力させていただきます。ですから。

ダレル :・・・わかった。部下たちを戻す。それが、お嬢のためなら。

マシュー:ありがとうございます。

ダレル :すまなかった。夜の王。すこし、頭に血が上ってんだ。

鎮   :かまわん。これくらい、予想の範囲内だ。

ダレル :ハッハ・・・敵わねぇな。アンタには。
     俺は、部下を呼び戻してくる。マシュー、すまなかったな今日は。

マシュー:いえ、大丈夫です。お気をつけて。

ダレル :ああ、じゃあな。

鎮   :・・・マシュー・フランクリン。

マシュー:はい、なんでしょう。

鎮   :いい判断だった。それは評価する。

マシュー:あ、ありがとうございます。

鎮   :今日はこれで帰ると良い、と言いたいが最後に1つ。聞きたいことがある。

マシュー:聞きたいこと・・・?僕にですか。

鎮   :先日、ミーシャ・シモーヌが謎の魔術師と交戦した。それについて聞きたい。

マシュー:魔術師・・・。それって、マンハントに現れた奴とは別なんですか?

鎮   :ああ、別物だ。俺自身が見たわけじゃないから何とも言えんがな。
     黒いフード付きの外套(がいとう)を被った奴だ。顔には黒いカラスのような仮面をつけていたらしい。

マシュー:っ!・・・カラスの仮面、ですか?それって、ペストマスクみたいな?

鎮   :ああ、くちばしのような突起が口元にあしらわれた仮面だ。

マシュー:・・・性別は?

鎮   :不明だ。ミーシャが言うには、身長は140後半から150半ば。
     風の属性魔術を得意とするそうだ。・・・心当たりはあるか?

マシュー:少し迷って)・・・すいません。それだけじゃ、何とも。

鎮   :そうか・・・。わかった。・・・この件に関しても、何かわかったら教えろ。
     厄介の種は排除しなければならない。

マシュー:はい・・・わかりました。

鎮   :フン、見どころはあるが、まだまだ甘いな。

マシュー:えっ・・・?

鎮   :お前にも、守りたいものがあるということはわかっている。
     だが、それを隠さないとこの街では通用しない。

マシュー:・・・はい。心にとめておきます。

鎮   :今日は手間をかけさせた。近くまで転送してやる。このまま徒歩で帰れという訳にもいかないからな。

マシュー:助かります。夜の王。

鎮   :鎮でいい。

マシュー:えっ?

鎮   :夜の王などとわざわざ呼ばなくていいと言った。

マシュー:は、はい。じゃあ、鎮さん。ありがとうございました。

鎮   :ああ。ブランドンによろしく言っておいてくれ。

マシュー:はい、それでは失礼します。

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鎮   :全く、魔術師にも面白い奴がいるものだ。
     しかし、この一件。このまま終わることはないだろうな。

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ダレル :次回予告
     同時刻、聖十字協会でも話し合いが行われていた。

マシュー:魔術師の組織内部で起こる疑惑が持ち上がる。

鎮   :Night/Knight 第29話 疑いのまなざし
     暗雲は同族の中より降りかかる。



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