Night/Knight 第10話 龍の一撃 作:福山漱流

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♂夜巳鎮(やみ まもる):純血の吸血鬼。見た目17歳くらいだが、実年齢は200オーバー。感情の起伏が浅く、常に怒っているように思われる。

♀水原 裕美(みずはら ひろみ):夜巳に仕える吸血鬼。20代の見た目をしている。人間との混血である故に、捨てられて居たところを鎮に拾われる。
                瀟洒で人付き合いの良いタイプ。

♂鬼島涼(きじま りょう):鬼の一族を統率する組織『鬼島組(きじまぐみ)』の組長。人間界では17歳と偽っているが200歳を優に越えている。
             楽観的で浮ついた性格だが、仲間思い。ヘブリニッジを統括していた鬼の一族、鬼島家の現当主。

♂犀魏拓臣(さいぎ たくみ):鬼島組直系 犀魏組 組長。30代の見た目。
              脳筋という言葉が似合う気性の戦闘狂。横柄な態度で人と接する事が多く、周囲から反感を買うことが多い。
              刃向かうものは全て力ずくでねじ伏せてきており、『鬼島の暴龍』のあだ名が付くほど。龍の由来は右の肩から腕にかけて彫られた刺青から。

♀マルリス・アヴィラ:純血吸血鬼であり、吸血鬼界の名家『アヴィラ家』の子女。見た目18歳くらいの少女だが、実年齢は200オーバー。
           生粋のお嬢様であり、口調もお嬢様。しかし、怒ると地が出てしまい荒い口調になる。

♂ダレル・ハイド:吸血鬼であり、マルリスの側近。ヘブリニッジの治安維持を務める『アヴィラ家』の重役。筋骨隆々の大男。
          見た目30代後半。荒事対応や事件現場整理などの外役の責任者を務める。
          荒っぽい口調だが、身内に対して義理人情の厚い人物。

♂鎮:
♀裕美:
♂涼:
♂拓臣:
♀マルリス:
♂ダレル:
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涼   :前回までのNight/Knight

鎮   :ヘブリニッジで起こる連続殺害事件。

マルリス:犯人は別にいるとは知らず。

裕美  :鬼達は吸血鬼を。吸血鬼達は鬼を犯人として疑いあう。

涼   :両陣営が衝突する日は着々と迫っていた。

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ダレル :よし、ここも問題なし。っと。帰るかねぇ。

裕美  :あ、あなたは確かダレルさん・・・でしたね。

ダレル :ん?おー、あんたか。確か夜巳んとこの使用人。

裕美  :お久しぶりです。先日の事件の日以来ですね。

ダレル :そうだな。今日はこんな所に何用だ?

裕美  :はい。先日壁の外へ出た時、魔術師の皆様にご迷惑を掛けたので、そのお礼に。

ダレル :お、おう・・・そりゃあ、また律儀な・・・。

裕美  :友好関係はこのような所から生まれるので。

ダレル :なるほどねぇ。お嬢にも見習って欲しいもんだ。

裕美  :ダレルさんは、見回りですか?

ダレル :ああ。ここのところ、小競り合いが多くてな。
     ただ救いなのは、境界線を挟んでにらみ合いってだけなのが救いだ。

裕美  :ご苦労様です。

ダレル :おう、ありがとな。

拓臣  :うぉぉぉらぁぁぁっ!

ダレル :なんだ!?

拓臣  :そぉぉぉらぁぁぁっ!

裕美  :戦闘音!?隣のブロックですね。

ダレル :おいおい。隣って20区と40区の境目じゃねぇか。
     まさかウチが手ぇ出したんじゃねぇだろうな!?

裕美  :向かいましょう!

ダレル :待った!向こうには俺が行く。裕美ちゃんはウチのお嬢に伝令を頼む!

裕美  :わかりました。ご無事で。

ダレル :ありがとなー!・・・ったく、本当にツいてないぜ。

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涼   :Night/Knight 第10話 龍の一撃

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ダレル :な、なんだよ・・・コイツ・・・

拓臣  :オラァ!どうしたどうしたァ!吸血鬼のヤツらはこんなモンかァ!?

ダレル :おい、テメェ!ここは俺たちのシマだ!それを分かって・・・

拓臣  :じゃかぁしいわボケェ!

ダレル :っ!?

拓臣  :先に手ぇ出して来たんはそっちじゃろうが!
     この時分でシマがどうのっちゅうモンは関係無かろうが!!

ダレル :んなこと、信じられるか!

拓臣  :ごちゃごちゃ喧(やかま)しいんじゃ!(ダレルに向かって殴りかかる

ダレル :うおっ!?

拓臣  :ちっ!避けたか。

ダレル :あっぶねぇ・・・なぁっ!いけ!ブラッド・エッジ!

拓臣  :ぬるいわぁっ!

ダレル :なっ!?弾かれた!?

拓臣  :だぁぁぁらぁぁぁっ!

ダレル :がっ!?

拓臣  :もういっちょ・・・だらぁっ!

ダレル :ぐぁぁぁぁっ!

拓臣  :ふん。口先だけの雑魚が。

ダレル :な、なんだよコイツ・・・。力が・・・段違いだ・・・

マルリス:随分と品の無いデカ物ね。

ダレル :お嬢!?

マルリス:大丈夫・・・じゃなさそうね。下がってなさい。ダレル。

拓臣  :小娘・・・か。

マルリス:ふぅん・・・随分とワタクシの部下をやってくれたわね。
     このツケはしっかりと払って貰わないといけないわ。

拓臣  :ほぉ?お前さんがコイツらの上司っちゅう訳か。
     雑魚共で飽きとったとこじゃ。お前さん。少しはやるんじゃろうなぁ?

マルリス:その腕の入れ墨・・・。あなた、『鬼島の暴龍』ね?

拓臣  :ワシを知っとるヤツが居ったか。そうよ。ワシこそ『鬼島の暴龍』。犀魏拓臣じゃ。
     そういう、お前さんはアヴィラん所の代理じゃのぅや?

マルリス:フン。面(めん)は割れてるってことね。

拓臣  :そりゃあ、お互い当たり前じゃろう。えらいこと昔から鍔迫り合ぅてきたんじゃけぇな。
     にしてもや・・・大げさな口を効くガキが居ったもんじゃなぁ?このワシにツケを払え言うてきたんは初めてじゃ。

マルリス:いい加減にしろよ?デカブツ。テメェのやったことの落とし前。
     キッチリつけさせてもらうからな?

拓臣  :良いツラするじゃねぇか。実力があるかどうかは知らんが・・・。
     ヤる言うんなら、掛かってこいやガキ。

マルリス:その首、はね飛ばしてこの街の壁に飾ってやる。

拓臣  :クククっ・・・ハハハハハ!出来るもんなら・・・やってみやがれぇぇぇっ!

    (拓臣、突進し思いっきり殴りかかる。マルリス、ガードする)

マルリス:ふん。力にものを言わせるバカが・・・。調子に乗るな!

    (マルリス、カウンターの掌底をたたき込む)

拓臣  :がはっ!?

マルリス:どうした?その程度か?暴龍。

拓臣  :くっ・・・ハハハハハ!
     ・・・ええわ。お前さん。ぼれぇ、ええわ。楽しめそうじゃ!

マルリス:ふん、戦闘狂め。だが、そうでなくてはツケには届かないからな!

拓臣  :来いヤァッ!

マルリス:はぁぁぁっ!たぁっ!せあっ!

拓臣  :フン!だらっ!はぁぁっ!

ダレル :す、すげぇ・・・お嬢が・・・戦ってやがる・・・。

鎮   :初めてか?ダレル。

ダレル :あ?ああ、こんな所見たことが・・・って、夜の王!?どうしてアンタが此所に!?

鎮   :裕美に聞いた。厄介なことになる前に介入したかったが・・・もう遅いか。

ダレル :じょ、助勢に来たって訳じゃねぇのか!?

鎮   :ああなったマルリスを、中途半端に止めたら逆にこっちが殺される。

ダレル :でも、だからって見てる訳には・・・

鎮   :心配するな。危なくなったら止めに入る。それより、お前は自分の傷を心配しておけ。
 
裕美  :はい。魔力活性剤です。飲んでください。すぐに良くなります。

鎮   :治癒術も掛けてやれ。

裕美  :はい。ジッとしておいてくださいね。

ダレル :ぐ・・・。す、すまねぇ。

マルリス:だぁぁぁぁっ!

拓臣  :うらぁぁぁっ!

    (お互いが拳を止め合い、組み合いになる)

マルリス:少しは効いたか?クソヤロウ。

拓臣  :ハン!この程度でワシが沈む訳が無かろうが!

マルリス:なら、すぐに墓穴(はかあな)に沈めてやる。
     ブラッドエッジ!串刺しになれ!
     
    (血で作った剣を射撃。拓臣に直撃する)

拓臣  :ぐあぁぁぁぁぁっ!

マルリス:ハリネズミになったな。

拓臣  :ふはははははっ!

マルリス:なっ!?

拓臣  :この程度じゃあ、墓穴(はかあな)は遠いのぉ!

ダレル :お嬢のブラッドエッジが・・・効いてない!?

鎮   :鬼どもの表皮は俺たちのそれとは違う。魔力が高ければ高いほど硬質化する。

裕美  :厄介ですね。参入しますか?

鎮   :止めておけ、裕美。コッチに飛び火するのは避けたい。

裕美  :わかりました。

拓臣  :ワシは、鬼の一族の中で一番の硬化能力を持っとる。つまり、魔力もそれだけ高いっちゅうこっちゃ!

マルリス:ハン!だからどォしたってんだよォ!ブラッドエッジ!

拓臣  :芸がないな!同じ事をしようってか!

マルリス:同じかどうか、受けてから判断してみな!

    (マルリス、ブラッドエッジ射出)

拓臣  :ぬるい!ぬるいぬるいぬるいィッ!

マルリス:爆ぜろ。

拓臣  :があっ!?

ダレル :ブラッドエッジが・・・。

裕美  :爆発した・・・。

鎮   :あれは、マルリスの得意技だな。暫く使って居るところを見てなかったが。

拓臣  :が・・・はぁぁぁっ。ま、まだまだぁっ!

マルリス:しぶといな。デカブツ。エッジ・エクスプロージオを真正面から受けて立っていたのは、お前が初めてだ。

拓臣  :クハハハ。言うたろうが。ワシは鬼の中で一番硬い!そして、強い!力で上ってきた犀魏の名は伊達じゃネェっ!

ダレル :あ、危ねぇ!

マルリス:なにっ!?

拓臣  :うおあぁぁぁぁぁっ!
    
    (拓臣、突進し、マルリスを殴る。マルリス、避けきれず直撃、壁にたたき付けられる)

マルリス:が・・・はっ!?

ダレル :お、お嬢!

鎮   :動くな、ダレル。お前が行ってもどうにもならん。

ダレル :だが!

鎮   :大丈夫だ。アイツはまだ行ける。

拓臣  :どうした?さっきの威勢は?

マルリス:(血痰を吐く)・・・うるせぇ。少し効いたぞ。クソヤロウ。

拓臣  :なんなら、もっと味あわせてやる!

マルリス:ちっ!くっ!しょうがっ!

拓臣  :おらおらおらおら!どうした!さっきまでのスピードもでねぇか!

マルリス:調子に乗るなと言っているだろうがぁっ!

拓臣  :ふん!そんな拳が効くかよぉ!(マルリスにカウンターをたたき込む

マルリス:がはっ!なっ!しまっ・・・

拓臣  :捕まえたぜぇ?おらっおらっおらぁっ!

鎮   :そろそろ潮時だな。ダレル。ここで待て。
     裕美は救護を続けろ。

裕美  :わかりました。

ダレル :す、すまねぇ

鎮   :もう少し行けると思ったが・・・案外効いていたようだな。
     マルリスのやつ、頭に血が上りすぎて防御がおろそかになったか。

拓臣  :どうした、お嬢ちゃん。もう終わりか?

マルリス:が・・・あ・・・この、デク野郎が!

拓臣  :あ?なんだ?

マルリス:諸共になろうが、沈めてやる。エッジ・・・

拓臣  :っ!?いつの間に剣を出してやがった!?

マルリス:エクスプロージオ!

拓臣  :があぁぁぁぁっ!?

ダレル :お嬢!?

鎮   :間一髪。といったところか。

マルリス:ま、鎮様・・・?

拓臣  :ぐうっ・・・やってくれたな小娘がぁっ・・・

鎮   :バトンタッチだ。マルリス。怪我の手当をしろ。

マルリス:か、勝手にしゃしゃり出て来ないでくださいます?鎮様。
     このくそったれなデカ物はワタクシの得物ですわ。

鎮   :今の負傷じゃ、相手にならない。肋骨と右腕、逝ってるんだろ。

マルリス:この程度で!このワタクシが!退く訳には!

鎮   :良いから下がれ。メンツがどうのは今までので十分だ。
     今、お前に死なれたらこまる。

マルリス:くっ・・・。

拓臣  :なんじゃあ?吸血鬼が増えとるが。しかも、『夜の王』とはな。

鎮   :犀魏。ひけ。この喧嘩は俺が預かる。

拓臣  :あぁ?何様のつもりで言うとるんじゃゴラァッ!

鎮   :この街の仲介者として言っている。兵隊をひけ。

拓臣  :じゃかぁしいわ!喧嘩をふっかけてきたのは貴様等が先じゃろうが!
     偉そうな口を効くスジは通らんぞ!

鎮   :それについては、弁解があるが・・・。言ったところで話は聴くつもりないか?

拓臣  :ある訳ないじゃろうが!今、ここで。夜の王もその小娘も、挽肉にしてやらぁっ!

鎮   :いいだろう。掛かってこい。犀魏。

拓臣  :ガァァァァッ!

鎮   :フン。

拓臣  :なっ!?・・・ワシの拳を、片手で止めよっただと!?

鎮   :どうした?挽肉にするんだろ?

拓臣  :じゃかぁしいわ!すぐに殺す!

鎮   :フン、ノロマめ。

拓臣  :くそっ!ちょこまかと・・・

鎮   :隙だらけだ!(犀魏を殴る

拓臣  :ぐあぁぁあ!

鎮   :今になって効いてきたか?マルリスの攻撃が。
     鈍ってるぞ?

拓臣  :畜生が、ちくしょうがぁぁぁっ!
     ワシは!ワシは犀魏じゃ!暴龍じゃ!負ける訳にはぁっ!

涼   :やめろ、犀魏。

拓臣  :涼・・・いや、当主殿・・・。どうしてここへ?

涼   :ここまで派手に暴れたら誰だって分かる。
     独断行動だぞ、俺はそんな指示をした覚えは無い。

拓臣  :じゃけどなぁ!こいつらが先に手を出してきたんじゃ!
     
涼   :犀魏!

拓臣  :んだよ!?

涼   :・・・ちょっと黙ってろ(威圧

拓臣  :なっ・・・か、勝手にせぇ

涼   :悪いな。鎮。

鎮   :久しぶりだな。涼。
     ・・・様になっているな。その格好。

涼   :だろ?頑張ってみたんだよ。当主としてな。

鎮   :白鞘刀(しらさやがたな)に袴か。様は良いが・・・。言う事を聞かない飼い犬が居る様だな?

涼   :それはまぁ・・・なんだ。わりぃな。

鎮   :で、なぜここに来た。

涼   :分かってるだろ?厄介ごとを片付けるためにだっての。

鎮   :そうか。なら犀魏を連れてさっさと帰れ。
     今回の件は不問に付す。

涼   :なぁ、鎮。それは被害者が言う台詞だぞ?

鎮   :何が言いたい。

涼   :勝手にコッチの所為にしてもらっちゃ困る。

鎮   :どういう意味だ?

裕美  :先に手を出してきたのはそちらでしょう?

涼   :おお、裕美ちゃんも来てたのか。お久しぶり。
     んで、その質問だけどよ。俺は、吸血鬼が暴れてるって聞いてここに来たんだ。
     
裕美  :ですが、戦闘が起こったとき、暴れていたのはそちらの鬼のかたで・・・!

涼   :それは本当に、犀魏が手を出したといえるのか?

裕美  :それは・・・それは・・・

鎮   :たしかにこっちには状況証拠しかない。だが、それはそっちも同じだろう?

涼   :本当にそうだといいな?

鎮   :なに?

涼   :ほら、受け取れ。これが証拠だ。

鎮   :ん、これは・・・。

涼   :アヴィラ家の家紋だろ?

裕美  :これが一体なんの・・・

涼   :それはな。一番最初に帰ってきた構成員が握りしめていたものだ。
     
裕美  :その方が嘘をついているんです!騙されては・・・

涼   :死んでるんだよ。吸血鬼によってな。

裕美  :なっ・・・

涼   :これでわかったろ。コッチには証拠がある。

鎮   :・・・で?お前は一体ナニを求めている。

涼   :もう、噂は聞いているだろう?コッチのシマで鬼が吸血鬼によって殺されている件だ。
     その犯人を見つけて、こっちに引き渡して貰おう。

マルリス:いけしゃあしゃあと・・・ぐっ。

ダレル :いけねぇお嬢!傷が開く!動くなって!

涼   :ここは一旦引く。お互いにすれ違いがあったのかもしれないからな。
     1週間待つ。それまでに、こっちで起こっている連続殺害騒動の犯人を見つけること。

鎮   :それで?もし、一週間過ぎたら?

涼   :戦争をすることになる。俺らとお前等で。

マルリス:黙って聞いてりゃあナニをふざけたことを!

鎮   :やめろ、マルリス。
     ここは言う事を聞いておけ。

マルリス:だが!

鎮   :マルリス!

マルリス:く・・・、わかりましたわ。

涼   :話はすんだか?

鎮   :ああ、条件を呑もう。

涼   :ハハッ・・・。お前にしてはえらく話が通るな。何か悪巧みしてるのか?

鎮   :さあ、どうだろうな?

涼   :さて、話が通ったってことで、俺らは帰るぜ。
     ・・・よろしくな。鎮。

    (涼、拓臣退場)

マルリス:いいんです?あんな、約束して。
     こっちでも、まだ犯人が見つかってないのですわよ?

鎮   :仕方ないだろう。あの様子だと、何を言っても聞かない。

ダレル :で、結局どうするんだ?このままじゃ、戦争に・・・

鎮   :戦争にする。

マルリス:はぁ!?鎮様!?あんた、何を言って・・・

鎮   :説明なら後でする。
     ・・・ここでは、いろいろと問題だな。マルリス、場所を貸せ。

マルリス:むぅ・・・仕方ありませんわね。我が家に招待しますわ。
     ダレル。先に帰って手が空いているヤツらを連れてきて、けが人を介護するように指示して。

ダレル :了解。んじゃ、お嬢を頼みます。

鎮   :ああ、任せとけ。

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涼   :なぜ、先行した。犀魏。

拓臣  :あ?やられたからやり返した。それだけじゃ。

涼   :俺の指示を何故待たなかった。

拓臣  :指示されるまで待てッちゅうんか!

涼   :犀魏。・・・俺は何だ?(威圧

拓臣  :ぐっ・・・それは・・・

涼   :動けないだろう?この力がなんなのかお前も分かっているはずだ。

拓臣  :鬼島家頭首が代々引き継ぐ・・・『畏敬(いけい)の気』。
     
涼   :そう。どんな相手でも『敬い、恐怖させる』力だ。これを持っている人間をないがしろにして良いと思っているのか?

拓臣  :わ、悪かった・・・悪かったから止めぇ!

涼   :ふぅ・・・。とりあえず、これでもう後には退けなくなった。

拓臣  :本当に戦争するんかい。頭首。

涼   :するしかねぇ。もう、押さえは効かなくなった。今日のことで。

拓臣  :ふん、そんじゃあ、その時までワシは傷を治しておくかのぅや

涼   :この白鞘(しらさや)を抜くしかないだろうな。・・・悪いな、鎮。

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裕美  :次回予告

マルリス:急遽開かれた会談。

涼   :そこで起こるものは一体。

拓臣  :Night/Knight 第11話 レイズ・ベット

鎮   :賭けの手札は揃うや否や




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