箱庭の世界で サイドストーリー 空、封印師
これはサイドストーリーである、空と封印師を合わせた物です。
これ一つでちゃんと流れになるように一部改変された部分がありますが、
外伝 空であったレスタとの会話がなかった事になった訳ではありませんのでご容赦お願いいたします。
ニコ生で使う方へ
二つの台本を合わせた形になりますので、長めとなっております。
一枠では収まりきらない長さ、セリフ配分も元台本よりちょっと悪くなってます。
空に関しては中間出番がないので、その辺りもご了承お願いいたします。
空♀ | 10歳 | (そら) |
シィル♂ | 18歳 | |
次弦♂ | 32歳 | (じげん) |
未来♀ | 30歳 | (みらい) |
ケイオス♂ | 22歳 | |
シャドウ♂ | 22歳 |
簡単なキャラ設定はこちら
世界設定や技説明等はこちら
空♀:
シィル♂:
次弦♂:
未来♀:
ケイオス♂:
シャドウ♂:
空N「これは、私が幼かった頃の話、今の、私に繋がるお話」
シィル「箱庭の世界で サイドストーリー 空、封印師」
次弦「・・・・であるからして・・・、空、おい空、ちゃんと聞いているか?」
空「聞いてなーい、魔術の勉強なんて面白くないよー」
次弦「はぁ・・・、次期後継者であるお前がそんなことでどうする」
空「知らないよっ、私はそんなのになんてなりたくないんだもん!」
次弦「おい空!どこに行く!まだ授業は・・・、はぁ・・・」
未来「あなた、また逃げられちゃったの?」
次弦「未来・・・、あぁ、どうやらやはり俺の授業は面白くないらしい」
未来「仕方ないわよ、私も分かるもの、あの子の気持ち」
次弦「そうか、そうだったな、未来も同じ道を歩んだのだからな」
未来「そうよぉ、私だってあの子くらいの年の頃は何が面白いか分からなかったもの」
次弦「今ではスペシャリストだがな」
未来「そりゃああれから20年経ったし、12,3の位の時にはもう楽しかったしね」
次弦「丁度俺と会った頃、だな」
未来「うん、シィル君が、私にとってのあなたになると良いんだけどね」
次弦「年が遠いからな、不安ではあるが、上手くは行っているみたいではないか」
未来「そうね、シィル君には期待ね」
空「もー!つまんないし面白くないしムカツクー!もぅ親父なんて大嫌いだ〜!」
シィル「空、また抜け出したのか?」
空「うわわ、シィル、いつのまに!」
シィル「うん、ついさっきね」
空「そ、そっか、ねぇねぇ、今日もまた教えてよ、抜刀術!」
シィル「もう、剣だったら次弦さんからも教えて貰えるだろ?」
空「知らないよ、親父の剣は私好みじゃないし、それに親父嫌いだし」
シィル「そっか、それじゃ仕方ないな、じゃあこの後未来さんの授業もあるんでしょ?」
空「う、うん」
シィル「じゃあ、次の授業をちゃんと聞くんだったら、教えてあげてもいいよ」
空「え、えぇ〜、んぅ、んー、わ、分かったよ、シィルの言うことだったら聞いてあげる」
シィル「でも、次の授業が次弦さんだったら約束守らないでしょ?」
空「ぅ、そ、そんなことないもん」
シィル「どうだか、ま、いいけどね、ほら、修練場に行こうか」
空「うん!」
未来「空ちゃん、シィル君、元気でやってるみたいね」
シィル「未来さん」
空「あ、お母さん」
未来「やっほ、どう?体動かしてすっきりした?」
空「うん、とりあえず・・・ね」
シィル「そろそろ時間ですか?」
未来「残念ながら、ね、空ちゃん」
空「はぁ〜い・・・、じゃあ先に部屋行ってるねぇ、準備してるから後から来てー」
未来「はいはい、行ってらっしゃい」
シィル「うん、行ってらっしゃい、ふぅ、でもやっぱり、あの子は青空の下で笑っていて欲しいですね」
未来「そうだねぇ、刀振り回してた方が楽しそうだもんねぇ」
次弦「だが、そういう訳にも行かんだろう」
未来「あなた・・・」
次弦「別に剣にうつつを抜かすのは構わんが、あくまで本分は魔術だ、それに、家としての宿命だ」
未来「日陰に生き、世のために生き、分かってはいるんだけど、あの子には向いてないわよね」
次弦「全く、誰に似たんだか・・・」
シィル「くすっ、お二人の向いていない所を合わせ持ってるだけですよ」
未来「あら、言い得て妙ね」
シィル「未来さんの明るさ、次弦さんの剣へ対するこだわり、あの子は魔術師向きじゃない」
次弦「ふむ、なるほどな、そう言われればまごうことなき我らの娘だな」
未来「それなら、きっと2・3年後には好きになってくれるわね、きっと」
次弦「そうそう全く同じ道を歩くとは思わんがなぁ」
シィル「大丈夫ですよ、空はきっともっと早く真面目に取り組むようになりますよ」
未来「あら、その自信はどこから?」
シィル「なんとなく、予感、ですかね」
次弦「予感、かね、またあやふやなのだな」
未来「いいじゃない、良い予感なら」
次弦「それもそうだな、ならば、シィルを信じ、期待するとしようか」
シィル「き、期待ですか」
未来「そうそう、第二の次弦になれると良いわね」
次弦「俺と未来、空とシィル、よく似ているからな」
シィル「それじゃ、将来はおしどり夫婦ですね」
未来「ふふっ、間違いないわね」
次弦「ま、あのじゃじゃ馬を扱えるのはお前くらいだ」
シィル「ふふっ、お任せください」
空「お母さ〜ん!は〜やく〜!気が持ってるうちにぃ〜!」
未来「はいは〜い、今行きますよ〜」
次弦「では、頑張ってこい」
未来「はいは〜い」
空「あぁ〜!わっかんないよぉ〜!難しいよ〜!」
未来「大丈夫よ、あなたは私の娘だもの、出来る出来る」
空「簡単に言ってくれるよねぇ・・・」
未来「だって、私も空くらいの時はお勉強なんて大嫌いだったもの、本の虫ではあったけどね」
空「へぇ、お母さんも嫌いだったんだ」
未来「そうそう、私も毎日こんなのいやだぁ〜って泣いてたくらいなんだから」
空「じゃあ、どうして?」
未来「それがねぇ、ある日次弦が「ん、未来っていつもこんな本読んでたのか、面白そうじゃないか、
俺も一緒にやってもいいか?」なぁ〜んて言うのよぉ、もぅあの時の次弦はかっこよかったわぁ」
空「あの堅物親父がそんな事をねぇ、人って変わるもんだね」
未来「そうね、気をつけないとシィル君も堅物になっちゃうわよ、あの子、若い頃の次弦にそっくりなんだから」
空「いやぁ!それはいや!断固阻止!」
未来「それじゃ、力をつけてシィル君より強くならなくちゃね」
空「う、うぅ〜、いいよっ、頑張るんだもん!」
未来「その調子その調子、それじゃ、頑張りましょ」
空「うん!」
未来「うん、そろそろ時間ね、お疲れ様」
空「うな〜!やっと終わったぁ〜!」
未来「さてさて、それじゃ、ご飯作ってくるわね」
空「あ、うん、じゃあ私はシィルと遊んでこようかなぁ」
未来「また居合いの練習?」
空「うんっ、文字と向き合ってるより、剣でギリギリのやり取りしてた方が楽しいんだもん」
未来「ふふっ、そー言う所は次弦にそっくりなのねぇ」
空「うっさいなぁ、いいのー、私は抜刀術が好きなのー」
未来「はいはい、分かった分かった、それじゃ、頑張っといで」
空「むぅ・・・、まいっか、それじゃまた後でね〜」
未来「んー、青春ねぇ〜」
空「シィ〜ッルっ、あ〜っそぼっ!・・・ってもうお相手がいたのか」
次弦「おぉおおおおおお!」
シィル「はぁあああああああ!」
次弦「フン!その程度か、シィル!」
シィル「くっ、まだまだぁ!」
空「ちぇ、面白くないなぁ・・・」
次弦「ん、どうやら主賓が来たらしいぞ、さっさと終わらせるとしようか」
シィル「同感です、それじゃ、決めますよ!」
次弦「さぁ、行くぞ!」
シィル「はぁ!」
次弦「フン、甘い、そこだ!」
シィル「ぐっ!・・・・はぁ、やっぱり次弦さんにはまだかないませんか」
次弦「いや、詰は甘かったが途中は良かったぞ、そのまま精進するといい」
シィル「はいっ!」
空「ねぇねぇ〜、終わったぁ〜?」
シィル「うん、ごめんな、じゃ、次は空の番だ、やろうかっ」
空「うん!待ってました!」
次弦「はぁ、それでは、邪魔者はお暇するとしようか」
空「イーッダ!そんな嫌味いらないってのー!」
次弦「ふん、勝手にそう思ってるといい」
シィル「はぁ・・・、素直じゃないな・・・」
未来「ごちそうさまぁ」
空「ごちそうさま」
次弦「うむ、今日も美味かった」
未来「はい、お粗末さまでした」
シィル「やっぱり未来さんのご飯は美味しいなぁ」
未来「本の虫を舐めちゃいけません、お料理の本だって丸暗記してるんだから」
空「だからって料理が出来るのはまだ別の話の気がするんだけど・・・」
次弦「まぁ、出来るものは出来るんだ、それにケチをつける必要なんぞあるまい」
空「あぁ、そうですかー」
シィル「まぁまぁ、空も突っかからない」
空「むぅ、シィルの言うことなら聞くー」
未来「あはは・・・、っと、そろそろ行く?」
次弦「それもそうだな」
空「なに、また仕事?」
シィル「またって言うか、こないだからの仕事が長引いててね」
未来「なかなか尻尾出さないのよね、今回のターゲット」
次弦「だが、逃げ、隠れ、隠匿するにはあまりにお粗末だ、その内ボロをだす」
シィル「早く出してくれると良いですね」
空「待ってよ、私最近ずっと夜一人なんだよ?シィルぅ、今日は一緒に残ってよぉ」
シィル「空・・・」
次弦「空、貴様・・・!」
シィル「次弦さん」
次弦「・・・・あぁ、分かった、ここはシィルに任せよう、行くぞ未来」
未来「う、うん・・・」
空「えっと、今日は残ってくれる・・・んだよね?」
シィル「ごめん、今回の仕事はそういう訳にも行かないんだ」
空「え・・・、なんで?」
シィル「まだ、正確なことはわからないけど、ターゲットは取り返しの付かないことをしようとしてるらしいんだ」
空「なにそれ、私分かんないよ、今日一日くらい良いじゃんかぁ」
シィル「でもね、世界が滅亡するかもしれないことをやろうとしてる人を追っているんだ、
彼らを止める事は、空を守ることにも繋がるんだよ」
空「イヤだ!今日一緒にいてくれなきゃヤダ!」
シィル「空・・・」
空「お願い、なんかいやな予感がするの、一緒にいてぇ・・・」
シィル「・・・・・・・ごめん、でも」
空「もぅいいよ!シィルは私のことなんて大切じゃないんだ、行ってよ・・・、
そんなに行きたいなら早く行けばいいじゃんかぁ!」
シィル「空、待って、話を・・・」
空「聞きたくない!早くでてってぇ!」
シィル「分かった・・・・」
空「・・・・・・・・・・・・ばかぁ」
未来「大丈夫?」
シィル「はい・・・」
次弦「仕事に支障はないだろうな、我らの仕事は命にかかわるのだぞ」
シィル「大丈夫です、仕事は、別ですから、公私混同するつもりはありません」
次弦「そうか・・・」
未来「それじゃ、行きましょう」
シィル「はい」
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空「くすん・・・シィルのばかぁ・・・、でも、どうしよう・・・、ケンカしちゃった・・・
本当に嫌われたらどうしよぅ、やだやだ、そんな事になったら生きていけないよぉ、
・・・・うん、気にしてたって仕方ないや、シィルの部屋で待ってよ・・・」
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次弦「落ち着いたか?」
シィル「え?」
次弦「顔付きが普段通りになってきている」
シィル「・・・ありがとうございます」
未来「ふふっ、接近前に集中できてよかったわね」
シィル「そうですね、公私混同しないって言った以上この感情を持っていく訳には行きませんしね」
次弦「立派な心がけだな、忘れるなよ」
シィル「はいっ」
未来「っ、次弦、この気配」
次弦「あぁ、間違いない奴らだ、油断するなよ」
未来「えぇ」
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ケイオス「今日も来てるね」
シャドウ「だな、どうする?」
ケイオス「・・・・今日コンタクトを取ろう、準備は整ったからね」
シャドウ「こっからが計画の本番って訳だな」
ケイオス「そうだね、これを開戦としよう、本当の戦いの」
シャドウ「あぁ、やるぜ、邪神復活への第一歩だ」
ケイオス「さ、餌をちらつかせながら移動しよう」
シャドウ「了解」
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次弦「大分近づけたな」
シィル「そうですね、まだ気付いたような素振りはないようですが」
未来「えぇ、でもこれだけの事をしようとしてる人達がその程度だと思えないけど」
次弦「我々としてはその方が助かるのだがな」
シィル「そう上手くはいかないのが世の流れですけどね」
未来「油断だけはしないようにしないとね」
次弦「あぁ、当然だ、邪神を復活させようとしてる連中だ、
まともな連中な訳がないからな」
未来「ん、動くわよ」
シィル「追いましょう」
次弦「あぁ」
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未来「この動き、誘われてるわね」
シィル「待ち伏せてる仲間でもいるんですかね?」
次弦「今までずっと二人で行動していてか?」
未来「気配はないわね、・・・・乗る?」
次弦「あぁ、このままケリをつけよう、この仕事に」
シィル「はい、もう、空を待たせない為にも」
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次弦「そこまでだ!」
シャドウ「ケイオス、来たぜ」
ケイオス「みたいだね」
シィル「なんだ、この余裕・・・」
未来「袋小路まで追い込んだ、逃げ道はもうないはずなのに」
ケイオス「逃げ道がないのはお互い様でしょ、それに僕は最初から逃げるつもりなんてないよ」
シャドウ「逃げるつもりなら痕跡だって全て消していくさ」
次弦「なんだと、ならば俺達が集めたこの情報は・・・」
未来「ガセ?」
ケイオス「いいや、本当さ、準備が整ったからね、君達には証人になって貰おうと思ってね」
シィル「証人・・・?」
ケイオス「そうさ、残念ながら他人の認知なくては成らない計画だからね」
シャドウ「お前たちだけじゃどうにもならないって事を、ここで叩き込んでやる」
次弦「ふん、その思い上がりが命取りだ、貴様らがたくらんでいる計画とやら、
ここで叩っ切ってやる」
シャドウ「ケイオス、頼む」
ケイオス「言われなくても、我が邪悪なる血の元に命ず、この空間を切り取り、
不可知、不可侵の界を作りたまえ、ダークフィールド!」
シィル「なっ、これは!?」
未来「空間結界!?」
次弦「なんと邪悪な気・・・、やはり危険だ、貴様らは!」
シャドウ「危険、ね、分かってるならなんで踏み込んでくるかね、
あんたら、迂闊にも程がある、救えないぜ」
未来「危ないと分かっても退く訳には行かないのよ、貴方達のような輩がいる以上ね」
ケイオス「退路が無くなってから言ってもかっこつかないよねぇ」
次弦「退路がないのはお互い様だろう、それに、無ければ・・・・」
シィル「切り開くまで!」
ケイオス「あーっははははは!良いよ、この力を見て気後れしない、
その胆力に実力が伴ってるか見てあげるよ!スタッフ・オン!」
シャドウ「ランス・オン」
未来「っ、なんて禍々しくて暗い気なの・・・」
次弦「気に惑わされるな未来、シィル、行くぞ!」
シィル「はい、次弦さん!」
シャドウ「前衛二に後衛一か、余裕、そぅら!」
次弦「早いが、予測の範囲内だ、はぁ!」
シャドウ「っ、へぇ、俺についてこれるんだ、面白い」
シィル「不注意、こっちだ、抜刀・封刃殺!」
シャドウ「よっ、居合いか、早い、そう思える程度の早さが・・・、
あっははは!面白い、ケイオス、こいつら面白い!」
ケイオス「前衛はよし、か、ならこれは受けれるかい?
カオスレイズ!」
未来「遠結界・発!二人に手は出させない、貴方は私が封じてあげるわ」
ケイオス「へぇ、これが封印師の結界か、素晴らしい」
シャドウ「あぁ、素敵だ、戦えるっていうのは素敵だ」
シィル「狂ってる」
シャドウ「あぁ、狂っているだろうさ」
シィル「何?」
ケイオス「そうさ、狂っているのさ!あの時からとっくに!」
未来「あの時、あの時って・・・?」
次弦「言葉に惑わされるな!例え真実だとしても、あ奴等に人を見るな!
そうなれば、足元をすくわれるのは我らだぞ!」
未来「っ、えぇ、ごめんなさい」
シャドウ「敵とは分かり合えませんってか、悲しいじゃないの、仲良く、しようぜぇ!」
シィル「それが、仲良くしようって言う人の、する事か!」
ケイオス「そんな冷たい事は言わないであげてくれないかなぁ、
シャドウはそれしか知らないんだからさ」
シィル「なっ、後ろ!?」
未来「シィル君、危ない!遠・結界、発!」
ケイオス「ふふん、迂闊、フルレンジ・ダークスプレッド!」
次弦「全方位攻撃か、舐めるなよ、魔破斬、ぜぇい!」
ケイオス「っ、術を斬ったのか、やる」
未来「あなた、フォローありがと」
次弦「ふぅ、敵の言うとおり迂闊だぞ、他人の心配ばかりで自分の守りが留守になってる」
未来「ごめんなさい、気をつけるわ」
シィル「一人も欠けずに帰るんです、空のためにも」
未来「そうね、それじゃ二人もなるべく自分の事は自分で守ってね」
シィル「努力します」
シャドウ「ちっ、思ったように行かないな、煩わしい」
ケイオス「さっきまで面白いって言ってたのは君でしょうに・・・」
シャドウ「その煩わしさすら面白いのさ、そういうもんだろ」
ケイオス「それもそうだね、対等で初めて遊び相手だ」
シャドウ「いかにも、それじゃラウンド2」
ケイオス「スタート」
シィル「来ますよ」
次弦「言われなくとも、未来、あれをやるぞ」
未来「えぇ、行きましょう、簡易結界、散、設置」
ケイオス「ん、障害物のつもり?甘いよねぇ、そんな隙間だらけの結界で、
僕の力を止められると思わないでよね!」
未来「二番、五番、結!」
ケイオス「っ、止められた?」
シャドウ「へぇ、結界同士が伸びてくっ付くのか、邪魔くせぇな」
次弦「ふっ、これが防御だけのものではないという事、これから見せてやる
シィル、分かっているな、行くぞ!」
シィル「もちろんです!」
未来「一番四番結、六番八番結」
シャドウ「あんな所に結界、何のために・・・」
シィル「こうする為さ、よっ、はぁ!」
ケイオス「踏み台に、生意気な、打ち落としてやる、はぁ!」
未来「させないわよ、七番十番結!」
ケイオス「くっ、迎撃もさせないつもりか、あの女!」
シャドウ「ちっ、ならこっちから止めて・・・」
未来「一番十番結」
シャドウ「ぐっ!いっつぅ、分断されたかよ!」
次弦「よくやった未来、まずは貴様からだ、術師!」
シィル「覚悟!」
ケイオス「調子に乗って・・・」
シィル「はぁ!」
ケイオス「僕を舐めるのも大概にしてよね!」
シィル「なっ、止められた!?」
次弦「だが足も止まっているぞ、術師、ぜぇい!」
ケイオス「ふん、この距離なら邪魔もないよねぇ、ディスチャージ!」
次弦「なっ、うおぉ!?」
シィル「ぐぁあああああ!」
未来「シィル君!次弦さん!」
シャドウ「はい、あんたまた自分がお留守だよ、そらっ」
未来「きゃあ!」
次弦「ぐっ、気を放出しただけであの威力、だと・・・」
ケイオス「油断大敵、一瞬優位に立った程度でいい気になるからだよ」
シィル「ぐぅ・・・、次弦さん、未来さん・・・」
ケイオス「あぁ、君まだ生きてたんだ、そっちに返すよ、それ!」
次弦「なっ、片腕で投げ飛ばしただと、シィル!」
シィル「づ、ぅ・・・、すみません、次弦さん、ありがとうございます」
次弦「気にするな」
未来「ん、ぅ、腕、折れちゃったみたいね」
次弦「一番無事そうなのは俺か、まずいな・・・」
シャドウ「まずい?絶体絶命の間違いだろ」
次弦「ふっ、あまり自分の力を過信していると足元をすくわれるぞ」
シャドウ「過信、この俺が?」
次弦「あぁ、そうだ、試してみるか?」
シャドウ「上等、殺してやるよ・・・」
ケイオス「あいつ・・・、おいシャドウ!」
シャドウ「手出すなよケイオス!」
ケイオス「っ、ちっ、聞く耳持たずか」
未来「次弦・・・」
次弦「安心しろ、家で空が待っている、骸で帰るわけにはいくまい」
未来「信じてるわよ」
シィル「相打ち、なんてバカな事、考えないでくださいよ」
次弦「当然だ、終わって立っているのは、俺たちだ」
シィル「・・・・・絶対ですよ」
シャドウ「最期の挨拶は済ませたかよ」
次弦「貴様こそ、兄との別離はあんな会話が最期で良かったのか?」
シャドウ「チッ、クソ生意気な、すぐにその口きけないようにしてやるよ」
次弦「出来るものなら、やってみろ」
シャドウ「フン、言われなくても、やってや・・・」
次弦「フッ、甘いわ!」
シャドウ「っ、なっ」
次弦「熱くなった頭で自分のペースを保てると思うな、ぜぇい!」
シャドウ「タイミングずらされた程度で、俺を殺れると思うな!」
次弦「だから、甘いと言っている!」
シャドウ「ぐぁあああああああ!」
シィル「やった!?」
未来「いえ、まだよ、次弦!」
次弦「分かっている、まだ浅い」
シャドウ「いってぇなこのクソ野郎が!許さねぇ、もう許さねぇ!」
ケイオス「あの馬鹿、おい影!シャドウと変われ!」
シャドウ「うるせぇよ!俺でダメで、あいつに出来るかよ!」
未来「変わる、まだ他にも?」
シャドウ「いねぇよ、いても会わせてやらねぇよ、俺が殺すんだよ!」
次弦「冷静さを失い、喚き散らしてみっともないぞ、そろそろ片付けてやろう」
シャドウ「うるせぇんだよ人間!人間如きが、俺に逆らうんじゃ、ねぇ!」
シィル「なっ、消えた!?」
シャドウ「ハッ、こっちだよ!」
次弦「右だと、ぐぅ!」
未来「自分の血で目くらまし!?」
次弦「くっ、こんな子供だましが聞くと思うな、超空斬!」
シャドウ「よっ、見えてないのがバレバレだぜ、範囲撃ちゃ当たるってか?
甘いのはテメェだよ!」
次弦「だが、貴様のいる場所は音で分かったぞ、次で・・・!」
未来「ダメ、逃げて!」
シャドウ「おせぇ!心臓、いただきぃ!」
次弦「ぐぅ!」
未来「次弦!」
シャドウ「クッ、あっははははは!人間の癖に粋がるからそうなる!
後二人もすぐに、っ、槍が、抜けない?」
次弦「ごふっ、にが、さんよ、無駄死にだけは、せんさ」
シャドウ「ちぃ、放せ、放せよこの死にぞこないが!」
次弦「シィル!未来!ぐっ、げほっげほっ!俺ごと、やれ!」
未来「そんな、出来ないわよ!」
次弦「どうせ俺は、もう持たん、ならばこの状況を無駄にするな!」
シィル「分かり、ました、づっ」
次弦「まだ、動ける、な」
シィル「ぐぅ、当然、ですよ」
次弦「空を、頼んだぞ」
未来「嫌よ!一緒に帰るの、諦めないでよぉ!」
次弦「み、らい、俺だって、諦めたいわけではない、
帰って、あいつの笑顔が見たい・・・・、だが、分かってくれ」
未来「ダメ!貴方が死ぬのなら私も・・・」
シィル「未来さん、二人がいなくなったら誰が空を教えるんです!
皆で帰らないといけないんです!」
次弦「ふっ・・・、シィル、お前も無茶を、げほっげほっ・・・言ってくれるな」
シィル「次弦さん・・・」
次弦「さぁ、やれ、俺が、こ奴を止めていられるうちに!」
シィル「・・・・・分かり、ました、行きます」
未来「ダメ、シィル君!」
ケイオス「くっ、させるか、失ってたまるか、カオス・・・」
シィル「なっ!」
未来「いや、皆失うのなんていや!堅結界、発!」
ケイオス「残念、狙いはそいつじゃないよ、クラッシャー!」
未来「えっ」
次弦「ぐっ、こっち、に、だと、仲間も纏めてやる、つもりか・・・!」
シャドウ「げっ、マジかよ・・・!?」
次弦「ぐぁぁぁあああああああ!」
未来「次弦!」
シャドウ「ぐっ、強引な助け方じゃねぇか」
ケイオス「フン、同じ属性だからそんなに痛くないでしょ、
出すぎた自分に文句を言うんだね」
シィル「なっ・・・生きてる、だって・・・、しかも傷も殆ど塞がってる・・・」
シャドウ「人間とは作りが違うんだよ、ハッ、ざまぁねぇぜ、あのうるせぇ親父、
木っ端微塵だ!人間の癖に粋がるからこうなる!あっははははは!」
未来「あいつら・・・・あいつら・・・・!」
ケイオス「そう思うんだったらもうちょっと冷静になってよね・・・」
シャドウ「結果よければ全て良しだ、そう怒るなよ」
シィル「くっ、あいつら・・・、ふざけ・・・っ」
未来「あ・・・あぁ・・・、じ、げん・・・次弦・・・」
シィル「未来、さん・・・?」
シャドウ「あぁ、長年付き添ってきたパートナー死んじゃったねぇ、
分不相応なことしようとするからだぜ?
ゴミの分際で俺らを止めようなんざ、肉片になっても当然、だ」
シィル「おま・・・」
未来「ゴミと言ったな!あの人の事を、次弦の事をゴミと言ったな!」
シャドウ「それがどうした!死ねば燃やして埋めるだけだ!ゴミとどう違う!」
未来「許さない・・・、絶対許さない・・・」
シャドウ「ならやってみろよ、そんな力もないくせによ!」
ケイオス「っ、おい影!そろそろ止せ!」
シャドウ「あぁ?何が・・・」
未来「あぁ・・・、あぁぁああああああああああああ!」
シャドウ「な、なんだ、あれ・・・」
ケイオス「感情で力が暴走してるみたいだね、これが、封印師の、血族の力・・・」
シィル「ダメだ未来さん!怒りに身を任せても・・・」
未来「あぁぁぁああああああああああ!」
シィル「まずい、このままじゃ力が暴発してもおかしくない、未来さん!」
未来「シィル君は黙ってて!」
シィル「っ、うわぁ!」
ケイオス「敵味方お構い無し、ね」
シャドウ「身内にあれじゃ、こっちにはどんなのが飛んでくるやら」
ケイオス「何かする前に止めるよ、んっ、あれ、体が・・・」
シャドウ「あぁ?・・・・動か、ない?」
未来「逃がさない、殺す、ここで殺してやる!」
シャドウ「待てって!こんなの反則だろうが!」
ケイオス「くっ、動きを封じるのは本職って事かな、
なら、僕だって、ディスチャージ!・・・・あれ」
シャドウ「おい、不発かよ!何やってんだ!」
ケイオス「・・・・・満ちてる気自体に封ずる力があるみたいだ、力の放出すら出来ないよ」
シャドウ「それって」
ケイオス「今僕らの体には気による保護すらないって事、丈夫でよかったね」
シャドウ「ふざけんじゃねぇ!」
未来「まずはあんたからだ、槍使い!」
シャドウ「げっ、マジかよ・・・!」
未来「エクスキューション、アイアンメイデン!」
シャドウ「ぐぁあああああああああああああああ!」
ケイオス「っ、シャドウ!」
未来「死ね、死ね、死ね死ね死ねぇええええええええええ!」
シャドウ「がっ!ぐっ、ぎゃああああああああああ!」
ケイオス「シャドウ、シャドウ!っ、力があっちに集中してこっちが・・・?」
シィル「あいつ、未来さん!もう一人が!」
未来「あぁぁぁあああああああああああ!」
シィル「くっ、届かない!?」
ケイオス「カオス・・・ブレイバァアアアアアアアア!」
シィル「アイアンメイデンが、崩れた!?」
シャドウ「ぐぅ・・・、と、まった・・・?」
ケイオス「シャドウ!」
シャドウ「ごふっ、ぐ、わりぃ、ケイオス、一足先に、くっ、抜けるぜ・・・」
ケイオス「なっ・・・」
シャドウ「ランス・オン、ゲホッ、ちぃ、よっ」
未来「まだ動けたのね、逃がさない」
シャドウ「ケイオス、場に穴開けてくぞ、生きてたら、また、会おうぜ」
ケイオス「待て!」
未来「逃がさないって言ってるでしょ!」
ケイオス「貴様、よくもシャドウを!」
シィル「未来さんの邪魔は、させない」
ケイオス「邪魔は貴様だ!失せろ!」
シィル「っ、ぐぁああああ!」
未来「あっ、逃げ、た、逃がした・・・」
ケイオス「けど、お前たちは生かして逃がさない!」
未来「返して、次弦を返してよぉぉおおおおおおおおおお!」
ケイオス「ぐぅ!まだ、力が・・・!」
シィル「まずい、また暴走が、けど、これなら押し切れる・・・?」
未来「お前なんて、潰れて死んでしまえ!エクスキューション、クラッシング!」
ケイオス「ぐぁあああ!ぐぅ、癪だけど、仕方ないかなぁ・・・」
シィル「なん、だ、嫌な予感が・・・、未来さん!」
ケイオス「ククッ、もう遅い、こうなったら、俺にも止められないよ、はぁぁぁ・・・」
シィル「力が、押し返される・・・!?」
未来「処刑から逃れるつもり?」
ケイオス「処刑されるのは、貴様だよ!」
未来「きゃぁ!」
シィル「ぐっ、な、未来さんの力が、かき消された・・・」
未来「くっ、もう一度・・・!」
ケイオス「さっきのが、貴様のラストチャンスだ!」
未来「えっ」
ケイオス「同じ殺し方してやるよ、あの親父と、さぁ!」
未来「ぐぁ!」
ケイオス「クックク、爆ぜなぁ!」
シィル「未来さん!」
ケイオス「ヒヒッ、ヒャッハハハハハ!こっちの方が綺麗に飛び散ったぜ!
ヒャッハハハハ!」
シィル「こんな、こんな事って・・・」
ケイオス「さぁ、後はテメェ一人だな、ガキ」
シィル「くっ、ごめん、空、僕も、帰れないかもしれない・・・」
ケイオス「空?クックク、もう一人いるのか、面白い」
シィル「なっ、まさか・・・!」
ケイオス「殺しに行くなんてしない、もっと苦しい目に遭わせてやるよ、そら」
シィル「ぐ、あぁあああああ!」
ケイオス「デス、リミット」
シィル「っ、うぐ!あ、あぁああ!?」
ケイオス「猶予をやるよ、俺らについて必死に調べてたんだろ?
その空とか言う奴に伝えてやれよ、ぼくちんは二人を守れませんでしたーってな」
シィル「はっ、はぁはぁ・・・、こんな傷で、あそこまで帰れるわけが・・・」
ケイオス「安心しろよ、後数十分、もしかすると一時間くらいは持つかもしれない、
あぁ〜、神様は再会させてくれるかもしれないぜぇ?」
シィル「どういう・・・」
ケイオス「自分の失血量見てみろよ、もう死んでておかしくないだろ?
意識があるのは俺の術だよ、ゾンビだと思えば気が楽だろ」
シィル「くっ、どういう、つもり、だ」
ケイオス「さぁなぁ、ほら、早くしないと間にあわねぇぞ、途中で死んじまうぞ!」
シィル「そ、ら・・・そらぁ・・・」
ケイオス「クッククク、アッハハハハハ!そうだ、足掻け、足掻いてみせろ!
アッハハハハハ!」
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シィル「はぁはぁ・・・、ぐっ、次弦、さん、未来、さん・・・・、ごふっ、くそ、ありえない、
このままじゃ、世界が、危ない、せめて、せめて情報、だけでも・・・」
空「っ、シィル!おかえ・・・り・・・、シィル!そ、その傷・・・」
シィル「やっぱり、ここに、いた・・・」
空「シィル!ど、どうしたの、どうしたのそれ?」
シィル「ごめ、ん、勝てな、かった、二人を、守れな、ぐ、ごほっごほっ!」
空「二人・・・、もしかして・・・」
シィル「あぁ、三人がかりでも、倒せなかった、こ、これを・・・」
空「手帳・・・?」
シィル「そこに、僕たちが集めた、情報が書いてある・・・、後は・・・」
空「やめて!もう聞きたくないよ!諦めないで、すぐにお医者さんを・・・」
シィル「無駄、だよ、僕の命なんて、とうに尽きてる・・・」
空「え・・・」
シィル「リビングデッドみたいな物だよ・・・、あいつの魔術で、仮初の命で動いてる・・・、
あいつの言うことが本当なら・・・、僕が動いてられるのも、後数分・・・」
空「いや・・・、やだょ、シィル・・・、なんで、なんでぇ・・・、いっちゃいや、私一人でなんか生きてけないよ・・・」
シィル「ごめん、悪いとは、思ってる・・・、でも、お二人の、僕の遺志を継げるのは、君だけなんだ・・・」
空「そんなの無理だよぅ!シィルが死ぬなら、私も・・・」
シィル「そ、ら・・・、ダメだ、空は、生きて・・・、じゃないと、僕・・・」
空「シィル・・・」
シィル「もう一つ、ごめん、こんな時に言う言葉じゃないのは、分かってる、でも、これだけは・・・」
空「うん・・・、なに?」
シィル「空、ずっと、好きだった・・・、愛、してる・・・」
空「え・・・、今、なんて・・・」
シィル「愛してる、空・・・」
空「やだ、今更そんなの聞きたくないよ・・・」
シィル「そう、だよね、ごめん、でも、もう時間が、ぐ、ごふっ・・・、最期に、伝えたかったんだ・・・」
空「待ってよ!まだ、まだ私だって伝えてない事がっ、ん・・・」
空M「シィルの唇が、私の言葉を遮る、初めてのキスは、血の味だった・・・」
シィル「ははっ、空の唇、柔らかいな・・・、こんな事なら、もっと、恋人らしいこと、しとけば・・・」
空「シィル?待ってよ、まだ今日のこと謝ってないよ・・・、私の気持ちだって伝えてないよ・・・、
自分ばっかり、ずるいよぉ・・・、ずるい、よ・・・、ひっく、あ、あぁあああああああああ!」
シィルM「こうして、僕達は、死んだ、今でも、空に会った事が正しいかどうか悩んでる、
あの子は優しい子だから、きっと苦しんでる、悲しませてしまう、
全てを背負わせてしまった事を、死んでからも、ずっと後悔している・・・」
空N「あれから五年、私は十五になった、未だにシィル達の仇は、討てていない、
今でもあいつは憎い、分かっていても、感情を抑えるなんて出来やしない、あいつを、殺したい、
けど、シィル達がそんな事を望んでこの手帳を遺した訳じゃない、分かっていても・・・、
長かった、一人きりの寂しい時間も、みんなと出会って、ぐっと少なくなった、
でも、私は復讐を忘れられるほど、心を、許せてない・・・、
いつか、いつか私にも心の底から笑える日は来るのかな、ねぇ、私に教えて、シィル・・・」
とぅーびー・こんてにゅーど
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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w