箱庭の世界で 第九話 愛から生まれる憎

焔♂(ほむら)18歳
イン♂    21歳
イト♀     20歳
ブレイド♂  38歳

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焔♂:
イン♂:
イト♀:
ブレイド♂:


焔N「前回の終幕より少し時間は遡る・・・」 遡る(さかのぼる)

ブレイド「ここが、邪学か・・・、斬界刀・アウト・・・、ぜぇい!」 斬界刀(ざんかいとう)
     
焔N「男が10mほどもあろう剣で邪学の校舎を両断しようとしていた」

ブレイド「ぐっ・・・、ちぃ、寸分も斬れんか・・・、ならば・・・これで!くっ、これでも・・・」

イン「おぉ〜い、そこの兄ちゃん!何物騒なことしようとしてんだぁ!」

イト「っていうか、どんだけ大きくても剣で学校が両断できるわけ無いでしょ〜」

ブレイド「フン、斬れなければ倒壊させるだけの話、もちろん、邪魔をするのであれば、
     お前たちも斬ることになるのだが・・・・、なんのようだ?」

イン「いやいや、なんでそんな事を・・・、それ壊したら大惨事だって、何人死ぬと思ってんの?」

ブレイド「さぁな、ヒトなんぞ有象無象幾千に溢れてるんだ、多少死んだ所で問題ないだろう」

イト「お兄さんに問題なくても、問題ある人が沢山いるんだよねぇ、そこ、僕の友達もいるからさ」

ブレイド「だから・・・なんだ?」

イン「だから、そのデッカイ得物背負ってお家帰れって言ってんだよ、そんな事もわからねぇのか?」

ブレイド「お前らも分からなかったか? 邪魔をすると、斬ると言っているんだ」

イト「あぁ〜もぅ!メンドクサイ!アンタ悪者決定!ソード・オン!」

イン「だそうだ、どうせ平和に終わらせるつもり無かったんだろ?
   俺たちが一番平和に終わらせてやるよ」

ブレイド「剣士か・・・、ストレージ」

イン「っ!? 剣が消えただぁ・・・?」

イト「どういう、つもり?」

ブレイド「剣士では俺に勝てない道理がある、故に最初から本気では面白くない、
     最初は手出ししないでやる、掛かって来い」

イト「くっ、人のこと舐めやがって、イン行くよ、あいつぶっ飛ばす!」

イン「あぁ、言われなくても・・・、ソード・オン、やってやらぁ!」

イト「先任せた!」

イン「オーラィ!うらぁ!」

インM「っ、マジでよけねぇのかよ!?」

イン「ぐっ!硬ってぇ!?」

イト「えっ、金属音!? えぇい、止まるな僕・・・、はぁ!」

ブレイド「っと、だから言っただろう、剣士では、俺に勝てない」

イン「ちっ、なんなんだあいつ・・・」

イト「分からないけど、確かなのは、あいつが生身に剣を三回受けて無傷ってこと」

イン「あぁ、でもまだ三回だ、たたむぞ」

ブレイド「出来るものならやってみろ、もうワンチャンスだけやろう」

イト「ちぇ、言ってくれるよねぇ」

イン「このワンチャンスで決めればいいだけだ、行くぞ!」

イト「オッケィ!んじゃ、ノンストップだよ!」

イン「あいさ、・・・・うらぁ!」

イト「それそれそれぇ!」

ブレイド「ふん、無駄な頑張りを・・・」

イン「ちぃ、いったい何だってんだよテメェはよぉ!!」

焔N「インは思いっきり振りぬき、ブレイドを吹き飛ばした」

イト「あ、バカ!連携途切れちゃったじゃんか!」

ブレイド「あぁあ、折角のラストチャンスを棒に振ったな?」

イト「そうだよ、これで無抵抗のうちに攻撃できるチャンスもうないよ?」

イン「だからって、あのままでも勝てると思えんしな、テメェ、マジで何モンだよ?」

ブレイド「機族戦闘隊長、刃のブレイド、って言えば、有名だろ?」

イト「あぁ〜、聞いたことある気がするぅ・・・」

イン「機族、ねぇ、そりゃ剣が効かないはずだ、体が鉄で出来てるんじゃなぁ」

ブレイド「そういう事だ、そして、剣士が俺に勝てない決定的な理由・・・」

イン「ぁ? まだなんかあんの?」

ブレイド「デュアルソード・アウト、それは、俺自身が剣だからだ!」

焔N「ブレイドは双剣をどこからとも無く取り出し、駆け出した」

イト「っ、なるほどね、確かに道理かも・・・」

イン「攻撃はきかないし、そもそも自身が武器じゃあねぇ」

ブレイド「そら、どうした!さっきの勢いはどこへ消えた!」

イン「ハン、熱が抜けて冷静になっただけさ」

イト「その通り!それに・・・、よっ!」

ブレイド「ほぅ、俺の剣を捌ききるか!」

イト「舐めないでよね、剣技には自信あるんだからねっ!」

ブレイド「ふん、ならばこれでどうだ!」

イン「イト伏せろぉ!っだらぁ!」

ブレイド「ぐっ、なるほどな、並では無いようだ」

イン「初代セイントナイツを舐めてもらっては困るな」

イト「超えた死線は誰よりも多いんだからっ」

ブレイド「・・・ほぅ、ただの真似事ではなかったか、その金髪は」

イン「けっ、んな訳無いだろう、正真正銘地毛だっつうの」

ブレイド「そうか・・・、まさか地上で天界人に会えるとはな、風は俺に向いているようだ!」

イト「イン、来るよ」

イン「みたいだな、なんかが琴線に触れたらしい」

ブレイド「もはや手加減は無用!さぁ、行くぞ!」

イト「あはっ、凄い怒気だ」

イン「おかげで見え見えだぜ!そぅら!」

焔N「インが胴を薙ぐが、ブレイドは止まらない」

ブレイド「はぁぁぁああああああ!」

イト「ぉおっと!?」

イン「あぶねっ!それマジカよ!?」

ブレイド「ハッ!生き物としての作りが違うんだよ!」

イン「ちぃ、地上戦じゃ不利か、よっ!」

イト「そうこなきゃねっ、たぁ!」

ブレイド「ふっ、翼という大きな弱点を晒して空中に逃げか、天使よ!」

イト「逃げ? まさか、これは攻めの体勢だよ?」

イン「そういうこと、斬れないなら、砕いてやるぜ!はぁぁぁぁあああああ!」

ブレイド「ストレージ・グレートソード・アウト、ぜぃりぁあ!」

イン「うおぉ!っっっととと、ちぃ、空じゃ踏ん張る所が無いから飛ばされるな」

イト「バカッ、パワーで勝てるわけ無いでしょ!最初の剣見たでしょ!?」

イン「分かってるって!」

イト「休んでる暇はないよっ、Ready・・・」

イン「Go!」

ブレイド「ちっ、周りをブンブンと五月蝿い羽虫だ・・・」

イト「羽虫?スズメバチの間違いじゃない!?」

イン「刺されると痛いぜぇ!」

イト「そらそらそらぁ!」

イン「うらぁ!」

ブレイド「蜂とて羽虫に変わりあるまい!」

イン「当たるかよ!そろそろ沈めよ鈍重!」

イト「そぉれっと!つぅ〜、肩外れそうだよぅ!」

イン「俺も、いい加減手痺れて来たぜ」

ブレイド「ストレージ・斬界刀・アウト、そろそろ決めるぞ・・・、ソードビット・シュート!」

焔N「ブレイドから大小様々な剣が射出され、中空に待機する」

イン「げぇ・・・」

イト「遠隔操作、って・・・」

ブレイド「さぁ、この乱舞を捌き切れるか?行けェ!」

イン「くそっ、詰め将棋じゃねぇかよこんなん!」

イト「くぅ、キリがない、よぅ!」

ブレイド「ククク、剣だけで終わると思うなよ?ランスビット・シュート!」

イン&イト(代表イン)「増えたぁ!?」

イト「うわぁあああん!こんなんかわせるかぁ!」

イン「だ、誰か助けに来ないかなぁ・・・」

ブレイド「無駄だ、助けなど間に合わぬ、貴様らは籠の中の鳥だと言うことを忘れぬことだ」

イン「ちょっと、使い方違うんじゃねェの!?」

ブレイド「同じだ、飼い主は鳥を逃がすも殺すも、自由なのだからな」

イン「あぁそうですかー」

イト「そんなことよりっ、どうすんの!?」

イン「耐える」

イト「そんなノンキなぁ〜!」

イン「他に何があるってんだよ!玉砕覚悟で攻めても待ってるのは一刀両断だぞ!?」

イト「そんなの分かってるって!でも・・・っ!?」

ブレイド「鳥の鑑賞もそろそろ飽きた、終わらせてやろう」

イン「待てって、冗談じゃねぇ・・・」

ブレイド「さぁ・・・、死ねェ!!!」

イト「イン・・・、ごめん!」

イン「なっ、イト!?」

ブレイド「無駄だ!」

イト「約束守らなくてごめん、やっぱりあなただけでも・・・」

イン「よせ!イトぉおおおおおおおおおお!!!」

ブレイド「斬!」

イト「ッっっっああああああああああ!!」

焔N「ブレイドの刃は、イトの翼を両断する」

ブレイド「ちぃ、一匹斬り損ねたか・・・」

イン「イト・・・、イトォ!お前なんで・・・」

イト「っは・・・ぐぅ・・・、なんでって・・・そんな野暮なこと・・・
   聞いてないでさっさと逃げてよね・・・」

イン「バカヤロウ!お前一人置いて逃げられるかよ!それにお前、
   血が、血が・・・、早く、早く病院に・・・っ!」

ブレイド「連れて行けると思っているのか?安心しろ、すぐに同じ場所に送ってやる」

イン「ぐ・・・・」

ブレイド「一人で、勝てると思っているのか?」

イン「しらねぇよ、どうせ逃がしてくれないんだろ、だったら最後まで戦ってやるよ」

イト「バ・・・カァ・・・、なんで・・・」

イン「約束したろ? 死ぬときは一緒だって」

ブレイド「ならば、二人仲良く俺が空の上に送り返してやろう」

イン「そう簡単に、出来ると思うなよ!」

ブレイド「ハッ、ならば止めて見せよ、この斬界刀の一太刀を!はぁああああ!」

焔「エクスプロォォォォォォド!!!」

ブレイド「なっ!? うぉお!?」

イン「焔!?」

イト「ほむ・・・ら?」

焔「悪い、遅れたな、お前はイト連れてさっさと逃げろ」

イン「バカいってんじゃねぇ!お前一人で敵う相手じゃねぇ!」

焔「バカはテメェだ!ほっといたらイト死んじまうだろ!それに、
  ウチの保険医の腕は世界一だ、その傷だったらまだ間に合う、早く!」

イン「っ・・・、分かった、すまない・・・、本当にすまない!」

焔「さぁてっと、カッコつけたは良いけど、俺大丈夫かなぁ・・・」

ブレイド「づぅ、新手か・・・、少々時間をかけすぎたか、今度は次が来る前に殺すとしようか」

焔「ハン、出来るならやってみな、言っとくけど、俺もハラワタ煮えくり返ってんだからなぁ・・・」

ブレイド「怒りでの伸びなんぞ知れたこと・・・、一太刀で終わりだ!」

焔「ソード・オン、断ち切る力を爆ぜる力に、モード・エクスプロード!」

ブレイド「はぁ!」

焔「そらぁ!」

イトN「二人の剣が交差した瞬間、爆発が起こりブレイドの刃を弾く」

ブレイド「なっ!?」

焔「懐頂きぃ!」

ブレイド「ぐ・・・、うぉおおおおお!?」

焔「へへっ、隙だらけだぜ? おっさん」

ブレイド「がはっ、ごほっごほっ・・・、づ、貴様、ただの剣士では無いな?」

焔「剣士? 俺は生まれてこの方一回も剣士だって名乗った記憶は無いぜ?
  俺はただの炎使い、剣だって術の一部、バリエーションの一つさ」

ブレイド「なるほどな・・・、ならば、俺がダメージを食らうのも道理か・・・」

焔「そら、グダグダ言ってねェで続きだ、行くぜ!」

焔M「さっきの二人を見て、改めて思った、俺も傷ついたら火炎が泣くんだ、
   だから、どんなに敵が強くても負ける訳には行かない・・・、
   でも、二人は助けたはずなのに、まだ、ざわつきは収まらなかった・・・」

イン「次回予告」

ブレイド「貴様なんぞに、貴様なんぞに俺のことが分かってたまるかぁ!」

焔「あぁ、そうか、なんでか分からないけど、これだったんだな・・・」

イト「次回 箱庭の世界で 第十話 ざわつきの訳」

焔「悲劇、それはこの世でもっともありふれた運命なのかもしれない・・・」


とぅーびー・こんてにゅー



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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w