箱庭の世界で 第七話 感動できない再会

焔   ♂  18歳
火炎 ♀  18歳
空   ♀  15歳
氷雪 ♂  18歳
会長 ♂  19歳
藍   ♀  19歳
校長 ♂  44歳

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焔♂:
火炎♀:
空♀:
氷雪♂:
会長♂:
藍♀:
校長♂:



焔「はぁ?邪学に行くって?なんでさ」

空「うん、少し思うことがあってね・・・・」

火炎「でも、久しぶりだし、いいんじゃないかな?」

焔「まぁ・・・・でも、一回行ったら通いたくなっちゃう気がする」

空「うん、その辺りは校長に交渉してみないとね」

火炎「その口ぶりだと・・・・、もしかして事情知ってる?」

空「多少ね、それじゃ行こうか、これから忙しくなるよ・・・」


火炎「箱庭の世界で 第七話 感動できない再会」


焔「いやぁ〜!なっつかしいなぁ、この無駄にでかい校舎!」

火炎「本当だね、そんなに長いこと離れてないはずなのにね」

焔「本当だよ・・・・・って、あれは・・・」

藍「あら、いらっしゃい、久しぶりね、本当に来るとは思ってなかったわよ」

火炎「藍ちゃん・・・、まだやってたの?それ」

藍「ふふ、当然じゃない、生徒会の義務にして、校内校外両方のためのボランティアじゃない」

焔「まぁ、確かにな、普通の人を迂闊に受け入れるわけにはいかないからな、ここ」

藍「そういう事よ、まぁ再会の挨拶はここまでにしましょ、そこのお嬢さん、どなた?」

空「お嬢さんって・・・僕のこと?」

藍「そうよ、あなた以外に誰かいるかしら?」

焔「・・・・お前、スッゲェのな、よく化けの皮被った空を話す前から見破れるよ」

火炎「そ、そうだね、見ただけで分かるのは凄いかも」

空「待って待って、何気に酷いこと言われてるって私」

藍「確かに、褒められてはないわねぇ、そんなことより、ご用件は?」

空「詳しいことはお偉いさんに話すわ、校長室に通してくれない?」

藍「あら、そんな簡単に謁見できると思ってるのかしら?」

空「へぇ、いい度胸じゃん・・・」

焔「ちょ、ちょっと待てよ!空、ケンカ売りに来たわけじゃないんだろ!?」

空「ケンカ売ってるのはあちらさんでしょ、私は買っただけよ」

火炎「ちょっとぉ、藍ちゃんも落ち着こうよ〜」

藍「ふふふ、ごめんなさい、私が悪かったわ」

空「どういうこと?」

藍「少し試させてもらったわ、校長室に案内するわ、お客様としてね」

焔「はぁ・・・・、相変わらず物騒だぜ・・・」

火炎「普通に焦っちゃった・・・」

空「私は逆に安心したわ、これなら・・・」

火炎「これなら?」

藍「どうしたの、置いていくわよ?」

空「だって、それじゃ行きましょ」

焔「・・・・・なんなんだあいつ?」

火炎「・・・・・・さぁ?」


藍「ここが校長室よ、どうぞ」

焔「ん、藍はこねぇの?」

藍「私は邪学の受付嬢だから、また校門を見てくるわ」

焔「そ、そうか、頑張れよ」

藍「えぇ、ありがとう、では、皆様ごゆっくりと」

空「ありがと、さて、失礼いたします」

校長「よく来たね、待っていたよ、焔、火炎もね」

焔「どうも、お久しぶりです」

火炎「先生も、お元気そうで何よりです」

校長「二人もね、さて、立ち話もなんだ、掛けてくれ」

空「ありがとうございます」

校長「さて、封印師が私に相談とは、穏やかではないね、どうしたんだい?」

空「さすがは邪学のトップ、話が早い、では率直言わせて貰います、貴校のお力をお借りしたい」

校長「ふむ、やはり穏やかではないね、噂だけは聞いていたが・・・、
   そんなに強大なのかい? 今度のお相手は」

空「そうですね、最小限の戦力で密やかに済まそうと思っていた私が愚かでした、
  ですが、予想が正しくば、あまりに知れるは喜ばしくない案件ゆえ、
  ご内密に、かつ最大限に助力をこいたい次第です」

焔M「お、おいおい、なんだそれ、何にも聞かされてないけど、そんな大きい話なわけ?」

火炎「ほ、焔、なんか、よく分かんないけど、凄くやな予感がするよ」

焔「予感より確かだと思う・・・」

校長「そうだね、二人の言うとおりだ、非常によろしくない状況とお見受けしたが、
    そう感じた所以はなんなんだい?」 (所以=ゆえん)

空「すでに存じているとは思いますが、先日の、連続殺人事件ですね」

火炎「この間の、公園の・・・」

空「そうだね、あの事件の裏に、強大な存在を感じました」

焔「ごめん、あん時のこと、あんまり覚えてないんだが・・・、あのイカレ野郎の単独犯じゃないってことか?」

空「うん、あの時、公園全体に結界が張られてたんだ、それも、私にも簡単には壊せないようなね」

校長「スペシャリストが簡単じゃないとなると、相手も相当の術師だね」

空「違う、そんなレベルじゃない、あんな術見たことなかった、怖くて、手も出せなかった・・・」

火炎「うん、正解かもしれない、中にいておかしくなりそうだったもん」

校長「ふむ・・・、相当の相手のようだね、生半可では死ぬだけ・・・か、
   よし、何人か呼び出そう、ちょっと待っていてくれ」


会長「失礼します、父さん、何のよう・・・って、焔と火炎じゃないか、それに謎の美少女まで!」

空「ま、またバレテル、何この学校・・・」

会長「ふっ、ヤロウがそんな甘いスメルを出せる訳がないであろう!服装ごときではこの私は誤魔化せんよ!」

校長「会長、そこまでにしておきなさい、彼女は遊びに来たわけではないんだ」

会長「っ、そうですね、あなたが私を呼び出すくらいだ、では早速本題を聞きましょう」

校長「まぁ、待ちなさい、もう一人呼び出してある」

焔「もう一人、っとなると・・・」

氷雪「失礼いたします・・・、あの何か俺粗相しましたっけ・・・って、焔じゃんか!」

焔「おぉ〜!氷雪ぃ!久しぶりぃ!」

氷雪「本当に久しぶりだなぁ!っとでも、ごめん、場所とメンツだけに素直に感動できないんだが・・・」

火炎「うん、言いたいことは痛いほど分かるよ・・・」

校長「うん、揃ったね、では空ちゃん、説明を」

空「はい、ではまずお初の方もいらっしゃるので自己紹介から、私は封印師の空です、以後お見知りおきを・・・」

氷雪「んな、封印師だって!? ヒシヒシと感じる、嫌な予感がヒシヒシと・・・」

会長「そうかね? 私は逆に心躍っているがね、これほどの非日常はなかなか体験できまい?」

氷雪「俺は日常でいいよぅ・・・」

空「こほん、続けていいかしら?」

会長「ん、すまない、続けてくれたまえ」

空「では・・・、本題に入るわ、私の予想が間違っていなければ・・・、
  この世界はとてつもない脅威に狙われているわ」

焔「また、唐突だな・・・」

空「うん、でも、先日の公園の時にほぼ確信に変わったわ」

火炎「あの、結界で?」

空「そうだね、正直、話が大きすぎるから、確かな証明が出来るまでは内容は言えないけど」

氷雪「待て待て、状況証拠から来る予想だけで動いて良いのかよ、封印師ともあろう人が」

会長「だからこそ、だろ? 我々にない経験をしているの者の予感だ、侮っていいものではなかろう」

校長「その通りだな、それに、私たちより耳は広いだろうからね」

空「そういう事、それに、予想が当たっていたとしたら、一手の遅れが滅びに繋がるから・・・」

氷雪「うわぁ、余計気のせいであってほしくなってきたぁ・・・」

焔「違いない・・・」

会長「ふむ、だが準備をしておくにこした事はないな、父さん、
    もう何人かこちらから人員を割こうと思うのですが」

校長「許可しよう、ただし、信用できるものだけにしなさい」

会長「はい、心得てます、氷雪、お前も何人か考えておいてくれ」

氷雪「はいはい、分かってますよ〜」

火炎「じゃあ、あとフィオちゃんと藍ちゃんがくるのかな?」

焔「だろうな」

空「インとイトも誘っておこう、あの二人の実力は知っての通りだし」

焔「あー、だなぁ、ってか、人選が凄すぎる、どんだけだよ脅威」

火炎「不安、だね・・・」

氷雪「違いない、っていうか、お前ら二人が呼び出されてるってだけで大事だよ、本当に」

会長「そうだな、っと、忘れてた、父さん、火炎ちゃんたちはどうするんです?」

校長「二人には学院に戻ってもらおうか、その方が動きやすいだろうしね」

焔「ほ、本当ですか!?」

校長「うん、ただ、事情が事情だし、楽ではないと思うよ?」

焔「もちろん、覚悟はしてます」

火炎「そうだね、私も、みんなとまた一緒にいられるなら」

校長「それなら良かった、それじゃ、会長、二人を教室に」

会長「はい、封印師殿は?」

校長「少し二人で話したい」

会長「はい、分かりました、じゃ、三人とも行くぞ」

氷雪「はいよっと」

火炎「楽しみだなぁ、皆変わってないんだろうなぁ」

焔「二人の様子を見た感じだとな」

氷雪「なんだよそれぇ」


空「先生、話って、なんですか?」

校長「ふっ、そんなに畏まらなくて良いのに、大きくなったね、空ちゃん」

空「っ!? ど、いうこと・・・?」

校長「ふふ、覚えていないのも無理はない、君と僕が会ったのは、5年も前の一回きりだったからね」

空「5年、前・・・」

校長「大変だったね、辛かっただろう?」

空「どこまで・・・、何を知ってるの?」

校長「君の父上と私は盟友だったからね」

空「親父と・・・・友達?」

校長「うん、惜しい人をなくした、だが、遺志はちゃんと引き継がれているみたいだね」

空「そん、な、立派なものじゃない、私のは、ただの私怨だから・・・」

校長「でも、立派だよ、きっとご両親も、彼も、今の君を見たら喜ぶに違いない」

空「っっっ!彼のことも・・・、知っているんですか・・・」

校長「うん、ご両親も、彼も、仕事の時にはよく頼ってきたものだよ」

空「・・・・・・・・最後の仕事の時も?」

校長「そう、あの時も」

空「そっか・・・・」

校長「いつも言っていたよ、もし、自分たちに何かあって、君が頼ってきた時はよろしくって」

空「は、あはは・・・、じゃあ、なんかあるまで、無茶するなよな・・・、心配ならさぁ・・・」

校長「君も、無理しないで、泣いたら良いじゃないか」

空「っ!?」

校長「ほら、今までずっと一人で辛かったんでしょ?寂しかったんでしょ?
   せっかく仲間も出来たんだ、一人で背負い込むことはないよ、
   僕の胸でよければいつでも貸すよ?」

空「ひっく、で、も、でも・・・」

校長「安心して、この部屋の防音は完璧だ、どんなに大声で泣いても大丈夫だよ?」

空「ぐすっ、あぁ、うわぁぁぁぁああん!!!」

空M「こんなに大声で泣いたのは、あの時以来だった、先生は、いつまでも私を抱きしめていてくれた、
   それは、厳格だった父からは貰えなかった、真っ直ぐな優しい愛情だった、でも、初めて、
   私の事を話せる人と会って、私の知らない両親を知ってる人にあって・・・、
   凄く、安心したんだ、父さんは、母さんは、彼は・・・、私以外にも根付いていると知って・・・」


藍「次回予告」

氷雪「あぁ〜、次から次へと、なんだって言うんだ!」

藍「ふふっ、新しい仲間に懐かしい仲間、いいじゃない、悪いことばっかりじゃないわよ」

氷雪「でも、これは話が大きすぎるってばぁ・・・」

会長「ふっ、私は大歓迎だがな、培った力を試すいい機会じゃないか」

藍「次回 箱庭の世界で 第八話 開戦の徴候」

会長「さぁ、新たな仲間を迎えた邪学を舐めないことだ、火傷をするぞ」

とぅーびー・こんてにゅーど

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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w