箱庭の世界で 第5話 闇を見ろ

焔   ♂ 18歳
火炎 ♀ 18歳
刑事 ♂ 不問
犯人 ♂ 20以降
空   ♀ 15歳

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焔♂:
火炎♀:
刑事♂:
犯人♂:
空♀:


焔「あー、もぅ3時か・・・、さすがに寝てるだろうなぁ・・・、ただいまぁ・・・」

火炎「焔!おかえりぃ!」

焔「うぉ、っと、火炎、まだ起きてたのか?」

火炎「ううん、ついさっき起きたの」

焔「そっか・・・、今日は遅くなってごめんな?」

火炎「いいの、遅くなるって聞いてたし、焔も、お疲れ様」

焔「ありがとな、とりあえず、話さなきゃいけないこともあるし、リビング行こうか?」

火炎「うんっ」


焔「っと言うわけで、本当に申し訳ないんだが、今日は付いてきて欲しい」

火炎「謝る必要なんて無いよ、むしろ頼ってくれて嬉しいくらいだもん」

焔「火炎・・・」

火炎「そんな事より今日は疲れたでしょ?背中流してあげるっ、それで早く寝よ?」

焔「ん、さんきゅ、悪いね」

火炎「いえいえ」


空N「箱庭の世界で 第5話 闇を見ろ」


空N「その日、二人が目覚めたのはお昼ちょっと前だった、焔は出現パターンを確認すべく、
   先日、いなかったの方の公園に、火炎と二人で向かった・・・」

焔「案の定、か・・・」

火炎「昨日の夜に、ここで人が死んだんだね・・・」

焔「多分、な・・・、ちょっと見に行ってみよう」

刑事「ん〜?今日は助手の方だけですかぁ?まぁいいでしょう、お見事ですねぇ、
   二分の一で外すだなんて、よっぽど運がいいんですかねぇ?」

焔「みたいだな、でも、今日は100%外すことは無いはず、だろ?」

刑事「そうですねぇ、今日逃がされると、次を絞り込むのが大変ですからねぇ、頼みますよ?」

焔「言われなくても、ンな事よりあんたらも、念を入れてこっち張るとかしなかったのかよ」

刑事「私は提案したんですがねぇ、上が取り合ってくれなかったんですよ、それに、
   封印師殿に依頼したのは私の独断ですからねぇ、上はそれが気に入らないんですよ」

焔「なるほどな、まぁいいや、とにかく、昨日はここで犯行があったんだな?」

刑事「そのとおりです、間違いなく同一犯ですねぇ、まぁ、くれぐれも被害者にならぬよう、頑張ってください」

焔「当たり前だ、んじゃ、残務頑張れよ」

刑事「ふっ、どうも、それでは・・・」

火炎「えっと・・・話についていけなかったや」

焔「悪い、まぁとりあえず、次の犯行現場の絞込みが出来た、今日こそは、かならず・・・」

火炎「そうだね、私達で止めよう、絶対に」

焔「あぁ、絶対にな・・・、でも、その前に腹ごしらえしよう、さすがに・・・ね」

火炎「そ、そうだねっ、確かにお腹すいたかも」

焔「じゃ、どこ食いに行く?」

火炎「私は何でも良いよ?焔が一緒ならねっ」

焔「だから、ハードル上げんなって」

火炎「えぇ〜、どこでも良いって言ってるんだからすっごく低いハードルだと思うんだけどなぁ」

焔「ったく、分かって言ってるだろ?」

火炎「なんのことでしょ〜?」

焔「ちぇ〜、まぁ、とりあえず、さくっと食えて腹に溜まらない物だな、んーラーメンとか?」

火炎「じゃあラーメンで決定!」

焔「マジで何でも良いのな」

火炎「だって焔と一緒だもん」

焔「ははっ、それもそうだな、俺も火炎がいりゃなんでもいいや」

火炎「えへへ」

焔「じゃ、行こうか」


空N「そして、夕方頃、二人は目的地である公園に到着した・・・」

焔「ふぅ、ちょっと疲れたな、火炎は大丈夫か?」

火炎「大丈夫、って言いたいところだけど私も疲れちゃった、
   夜までは少しあるけど・・・、もぅここで待っちゃう?」

焔「そうだなぁ、さすがにはしゃぎすぎた、このままだと体力持たないかも」

火炎「久しぶりのデートだもんね」

焔「あぁ、最近なんだかんだで忙しかったしな」

火炎「うん・・・、ね、あのベンチで休も?」

焔「ん、いいよ」

火炎「えへへ、焔の体、あったかぁい」

焔「そりゃどーも、でも、火炎も、暖かいぜ?」

火炎「ありがと、・・・・ねぇ、少し不謹慎なこと言ってもいい?」

焔「ん?不謹慎なことって?」

火炎「こうして、夕暮れの公園で寄り添ってると、なんだかドキドキしない?」

焔「そうだな、なんか、ドラマチックだよなぁ・・・、これから仕事だって、忘れちゃいそうだ」

火炎「ふふっ、そうだねっ」

火炎M「私たちは、日が落ちてからもずっと寄り添っていた、沈んでいく夕日、家路に着く子供たち、
     それをずっと見つめて・・・、世界に二人だけしかいないみたいだった・・・」

刑事N「そして、時計の針が十二時を刺す」

焔「っ・・・・・!なんだ、これ・・・」

火炎「っぁ・・・、空気が、変わった・・・?」

刑事N「全身をねっとりと包み込むように、空気が重くなっていく、
     世界が急に冷め、当たりの気配も途切れて、世界から、切り離されたような・・・」

火炎「ほむらぁ、私、怖いよ・・・」

焔「しっ、静かに・・・・」

火炎「ほむ・・・ら?」

焔「ヤバイ・・・、く、ちぃ!」

火炎「きゃあ!」

犯人「ヒャッハハハハハ!ドノーマルにしちゃぁいい感度じゃねぇか・・・
   初めてだぜぇ?俺サマの一発目で無傷だった奴はよォ・・・」

火炎「なに・・・あれ・・・」

焔「人語を使う、バケモノ?」

犯人「バケモノォ?アッヒャハハハァ!どっからどう見ても人間サマだろォ!?俺サマってばヨゥ!
   あっれ、違ったけぇ?あっそうそう!ヒト超えちゃったんだっけぇ!?ヒャハハハハァ!!」

焔「イカレテやがる・・・、テメェだろ、カップル狙って襲ってるドバカ野郎はよ」

犯人「イカレテル?違うぜェ、お前らだって肉食うだろ肉?
   俺サマも一緒サァ、食事だよ食事ぃ、美味しい美味しい、ディナーだよォ!」

焔「クッソ!」

火炎「くぅ!」

犯人「イイゼイイゼェ!狩りだカリィ!」

焔「ちぃ、ソード・・・・」

犯人「イィィィィッッッッハァァァァ!オッセェヨォ!」

焔「なっ!?」

火炎「焔!ウィップ・オン!はぁ!」

犯人「ハッ、あたらねぇよ!」

焔「ソード・オン!させねぇ!」

犯人「チィィ!ウゼェ!」

焔「ぐぅ!・・・くそっ、まだまだぁ!」

犯人「シツコイ男は嫌われますヨォ!?ヒョっとぉ、逝クゼェ!」

焔「くっ・・・、はぁ!」

火炎「は・・・ぁ・・・、私も、手伝わなきゃ・・・・、あ、れ・・・?」

火炎M「鞭がドロドロに溶けて崩れていく、鞭だけじゃなくて、全部、全部、ドロドロで・・・」

犯人「クックック、効いてきた効いてキタァ、ヤロウの方もソロソロジャねぇのォ?」

焔「何が・・・、っぅ、なんだ・・・これぇ・・・」

犯人「サァ?何でしょうねェ?俺サマはすこぶるチョーシイィけどねェ?」

火炎「ほむ、らぁ・・・、気持ち、悪いよぉ・・・・」

焔「て、めぇ・・・、何しやがった・・・」

犯人「俺サマは何もしてねぇゼェ?本当だよ、本当ダョ?」

焔「テメ・・・、ヤメロ、火炎に触れるんじゃねぇ・・・」

犯人「止めればァ?動けないだろゥけどォー」

火炎「え・・・、や、こない、でぇ・・・」

犯人「ヒヒッ、面倒がデカかった分、エサはうまそーだなァ」

焔「まさ、か・・・、やめ、ヤメロォ!」

犯人「おっとォ、ツ〜カマ〜エタァ、動くなヨォ?」

火炎「あ、れ・・・?あれ?い、や、なんで、なんで!?」

犯人「かーなーり、染みたんじゃネ?もぅなんも分かんないッショ?」

焔「やめろ!やめてくれ!俺は、俺はどうなってもいいから火炎だけは!」

火炎「焔・・・、ほむらぁ!」

犯人「びぃびぃウルサイなァ、どっちもどうにかなっちゃうのォ、俺はとか無いからサァ」

火炎「ひ、ひっく、お願いだから、お願いだからぁ・・・・」

犯人「お願いだから抱いてくださいってェ!?よろこんでェ!」

火炎「ちが、ちがぅう!」

犯人「アッハッハァ!ほんとーに旨そうだ、そろそろ、食べちゃぉー、あー・・・ギャ!」

火炎「あ・・・れ?」

焔「・・・・・・・・・・・」

火炎「ほ、むら?」

焔「ァ・・・・・・・・・」

犯人「テッメ・・・、ヨクモ・・・、コロス、コロスゥ!」

焔「ァ・・・ァア、アァアアアアアアアアアアア!!」

犯人「ッッッッゥ!?ァ、ギィィィイィイイィッィ!腕、ウデガァ!!!」

火炎「な、にこれ・・・、こんなの、違う・・・」

犯人「ァァァァァ・・・、キサマ、なんで、何でここで動けるゥウウウ!」

焔「ガァアアア!ァ、ァアアアアアア!」

犯人「ヒギィ!ガッ、ゴフッ・・・、ゲホ、ゲホッ!ヤ、ヤメ、も、モゥウゴケ・・・」

焔「・・・・・・・・・・・・・・・」

犯人「オネ、オネガ・・・・・ヒ、ァ・・・、ァァァァァアアア・・・・・・」

焔「・・・・・・・・ガァアアアア!」

犯人「ギャ!」

火炎「焔・・・、焔・・・」

火炎M「呼んでも、彼は微動だにしない・・・」

火炎「ほむらぁ・・・、返事してよ、ほむらぁ!」

焔「・・・・・ス・・・・・ノ」

火炎「・・・・・・・え?」

刑事N「その時、一瞬にして辺りの空気が正常に戻り、焔は糸が切れたかのように倒れた」

空「焔!火炎ちゃん!」

火炎「やだ・・・・・、そんなの・・・やだょ・・・・・・・」

空「く、何さこれ!火炎ちゃん!火炎ちゃん!」

火炎「ぁ・・・・ぇ・・・、そら・・・ちゃん?」

空「そうだよ、空だよ、どうしたの?何があったの?」

火炎「だめ・・・・、なんて言ったらいいか分かんないの、空気が気持ち悪くなって・・・・、
   バケモノが出てきて、焔が・・・、いや、いやぁ・・・・」

空「く・・・、これじゃ・・・、でも、でも、私の予想が間違って無ければこれは・・・・」

火炎M「私の、全く知らない存在を見て、感じて、私の全く知らない焔を目の当たりにして・・・・、
     日常が、一気に遠くなった気がして、私の、生きる理由が、支えが、遠くなった気がして・・・、
     私の、日常という名の箱庭に、新しい、闇を見た・・・・・・」


刑事「次回予告」

空「これは、私たちの目測が甘かったと言わざるを得ないわね・・・・、
  間違いなく、このままだと不足だ・・・、本当は、関係者を増やすのは喜ばしくないんだけどね・・・」

焔「次回 箱庭の世界で 第六話 ようこそ、私立邪道踏破学院へ」 (じゃどうとうはがくいん)

火炎「そっか、また、みんなに会えるんだね・・・・」


とぅーびー・こんてにゅーど

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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w