箱庭の世界で 第4話 初めてのお仕事

焔  ♂ 18歳
空  ♀ 15歳
イン  ♂  20歳
イト  ♀ 20歳
刑事 ♂ 不問歳
警官 ♂ 不問歳 被り推奨
店員 不問     被り推奨

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焔♂:
空♀:
イン♂:
イト♀:
刑事♂:
警官♂:
店員不問:




インN「朝6時、焔はとある公園へ空に呼び出されていた、
    普段は人一人いないような時間、だがこの日は警察によって厳重に囲まれていた・・・」

焔「しっかし、なんでわざわざこんな所を集合場所に・・・」

空「だって、依頼はあの事件の解決ですもの」

焔「うわぁ!」

インN「焔が振り返ると、そこにはお嬢様ルックの少女が一人」

焔「あぁ〜、すまない、えっと、仕事の事知ってるってことは・・・」

空「はい、ご察しのとおり・・・」

焔「依頼主さん?」

空「ガクッ、私だよ!空だよ!」

焔「え、空だって!? ちょ、キャラちげぇ!いつもの地味なローブは!?」

空「な、なんか超失礼な事言われてる気がする、けどまぁいっか、掻い摘んで言うとね、
  カップルを狙った殺人事件が多発してるのよ、それもちょっと危なげな感じのね、
  んで、警察の方から私のところに依頼が来たの、そこでおとり捜査のための変装って奴だね」

焔「なるほど、確かにあの格好じゃカップルには見えんわな、それにしても、
  見事な化けっぷりだ、どっかのお嬢様かと思ったぜ?」

空「仮にも由緒正しき封印師の後継者だって〜の!お嬢様であってますぅ」

焔「それもそうか、あんなデカイ城に住んでるんだしな」

空「そうそう。そんなことよりも、私世間様では男で通してるから、これは変装ってことで
  よろしく、焔は助手で、今回はオトリの彼氏役、って設定ね」

焔「えぇ〜、面倒だなぁ」

空「文句言わないの、さぁさ、それじゃ、現場見に行くわよ」

警官「あぁ〜君たち、見て分からないのか?今ここは閉鎖中だ、
    野次馬はとっとと帰りたまえ」

空「僕は封印師だ、現場の担当に聞いてみな? 
  今日は依頼を受けてここに来てる」

警官「ハッ、封印師様でしたか!? し、失礼いたしました!
    どうぞ御通りください!」

空「はぁ、これだから公僕は・・・」

焔「ちょ、それを公僕のど真ん中で口に出すかなぁ?」

空「まぁ、気にしないの、さて、あのコートが依頼主だよ」

焔「あのいかにも刑事っぽいの?」

空「そ、やぁ、また僕に依頼なんて、職務怠慢かい、刑事殿」

刑事「おやおや、これはまたお手厳しい、だが今回は事件に魔の臭いがしましてなぁ、
    我々公僕では少々荷が重いかと思いましてねぇ」

空「へぇ、皮肉に対するあてつけかい? まぁ、我慢してあげるけど、
  そんなことより、仏さんどこ?」

刑事「それもそうですなぁ、無駄話はこれくらいにして・・・、こちらですよ」

焔「う・・・、ヒデェ・・・」

空「確かに、これは・・・」

イトN「そこには歯で肉をこそげ落としたような痕のある骨が、二人分・・・」

刑事「でしょ?公僕には荷が重いと思いませんかぁ?」

空「そうだね、間違いなく人の仕業じゃない・・・ね、これは」

刑事「そぅそぅ、今更ですがぁ・・・、誰ですか、その男は?」

空「僕の助手だ、今回のオトリを手伝ってもらうことにしたんだ」

焔「焔だ、よろしく」

刑事「くっくっく、上司が上司なら助手も助手ですねぇ、いいでしょう、嫌いじゃありませんよ?
    あなたみたいな人間、精々、我々のお世話にならぬようお気をつけを・・・」

焔M「くっそ、こいつ舐めやがってぇ・・・!」

空「焔、落ち着きな」

焔「分かってんよ、こっちも暇じゃねぇんだよな?」

空「そういうこと、で、あてはあるのかい?」

刑事「いいえ、証拠はゼロ、証言は被害者の悲鳴のみ、一般市民の周りへ対する無関心、
    ここに極まる、って感じですよ、全く、嘆かわしいですねぇ」

空「ふむ、で、僕に話振ってきたってことは、多少なり餌はまいたんだろ?」

刑事「えぇもちろん、ただ、網にばれたのか、見当はずれな所で被害が出ましたがねぇ」

焔「封印師に依頼するくらいだ、次の犯行現場は割れてんだろうな、もちろん」

刑事「くっくっく、ただの態度がでかいだけの助手じゃないみたいですねぇ、
   まぁ、当たらずとも遠からずって所ですかね、行動パターンから絞込みはしましたよ、
   人通りがなく静かで、恋人が逢瀬しそうな場所で、同じ場所は現場にならない、           逢瀬(おうせ)
   これが、犯行現場に印を打った地図です」

空「へぇ、まだ被害は東区だけなんだ」

焔「被害が他地区に広がる前にってことか」

刑事「そういうことです、どうやら魚は公園が好きらしいですからねぇ、
   残った公園は2つ、タイムリミットは2日、確立は50%です」

空「分かったよ、リミット内に釣り上げて見せようじゃないか」

刑事「くっくっく、頼みましたよ?それでは、私はここでの仕事があるゆえ・・・、
   おっと、ところで封印師殿、「女装」は完璧のようですがぁ、お淑やかに、
   なぁんて出来るんですかぁ?あなたの性格では無理があるのでは?」

空「あら、そんなことありませんわ、これでも良家の出身ですもの、
  ご安心くださいませ、刑事の、お・じ・さ・ま」

刑事「あっはっは!これなら平気そうですねぇ、それでは私はお暇(いとま)いたしましょう、
   後は若い二人に任せるとしましょうかねぇ」

空「あいつ、僕が女だって気付いてんな・・・」

焔「ちぇ、敵だったら思いっきりぶっ飛ばしてやんのになぁ」

空「でも、我慢してくれたんでしょ?ありがと」

焔「おぉ!?お、おぅ、まぁな」

空「それでは、早速参りましょうか?」

焔「あ、あぁ、で、どうすんだ、こっから」

空「そうですねぇ・・・、犯行は深夜に行われるみたいですし・・・
  それまでは、その、カモフラージュといってはなんですけど、
  その、で、でぇと、でも・・・しませんか?」

焔「そ、それもそうだな、んじゃ、行こうか」

空「そうですね」

焔M「ちなみに、ちょっと可愛いとか思ってしまったのは秘密だ・・・」


刑事「箱庭の世界で 第4話 初めてのお仕事」


空「そろそろ、お腹すいてきませんか?」

焔「それもそうだなぁ、もぅ昼時だしな」

空「なにか食べたいものとかあります?」

焔「んー、出来れば腹に溜まらんものがいいなぁ・・・、あぁ、ハンバーガーとかは?」

空「はんばーがー・・・、かぁ」

焔「ん?お好みでない?」

空「え、ううん、そんなこと無いですよ? ただ、滅多に食べないので、懐かしいなぁって思いまして」

焔「そっか、ならいいんだけどな、じゃ、そこ入ろうか?」

空「はい」

店員「いらっしゃいませ!お持ち帰りですか?食べていかれますか?」

焔「食ってくよ、エッグバーガーのセット一つ、飲み物はコーヒーね、空は?」

空「えっと、じゃあチーズバーガーのセットで・・・、ミルクでお願いします」

店員「かしこまりました!では、そちらにずれてお待ちください!」


店員「お待たせいたしました!」

焔「ありがと、さて・・・どこ座ろうか?」

空「そうですね・・・あ」

焔「げっ・・・」

焔M「窓際の席に天界人のバカップルを発見、出来たら今は絡みたくない」

焔「あ、あっちの奥の席にしようか?」

空「私は窓際の席がいいな・・・」

焔「て、テメェ・・・」

イト「あれ・・・、あ、焔じゃん!こっちおいで〜」

空「ほら、呼ばれてますよ?」

焔「あぁ、分かってますよ・・・、あいよ〜」

イト「今日は火炎ちゃんじゃないんだねぇ」

焔「仕事だよ仕事」

イン「ほぅ、浮気が仕事とは、良いご身分だ」

空「え、私とは仕事で、付き合ってたんですかぁ・・・?」

焔「ちょ、何馬鹿なこと言ってんだよ空ぁ」

空「こ、恋人の名前を間違えるなんて・・・もしかしてその空って子も・・・」

イト「うわぁ、空ちゃんにも手出してたんだ・・・」

イン「お前が、そんな最低な奴だったなんて・・・」

焔「ちょっと待って!?何このアウェイな空気!空、マジでもぅ勘弁してあげて!?」

空「くくく・・・あっはっはっは!もぅ、ダメ、我慢できないよ〜!」

イン「・・・・は?」

イト「ちょ、イン気付いてなかったの?」

イン「いや、ガチで最悪だと・・・」

焔「ってかイト気付いてたのかよ!?」

イト「いやいや、気付かない訳ないでしょ〜」

空「でも、焔も最初気付かなかったもんねぇ?」

イン「いや、だってこれは別人でしょ?」

焔「だよなぁ?」

イト「これだから男って奴はぁ・・・」

空「やれやれだよねぇ」

イン「なんだよぉ、面白くねぇなぁ」

焔「なぁ?」

空「まぁ、過ぎたことだしっ」

イト「ねっ?」

焔「ちぇ〜、まぁ良いけどさ」

イン「まぁ、まぁな、それは置いといてよ、浮気じゃないならどういう状態?」

空「それはね、かくかくしかじか・・・って訳なんですよ」

イン「なるほど〜、って分かるかぁ!」

イト「お、ノリ突っ込み?」

イン「え、だって、それ以外にリアクション取りようなくね!?」

空「そこを何とかするのが芸人だよ〜」

イン「芸人じゃねぇよ!てかお前マジで昨日とキャラちげぇよ!」

イト「まぁまぁ、落ち着いて〜」

焔「お、俺が説明してやるからさ、な?」

イン「お、おっけぃ、じゃ、今度はちゃんと頼むぜ」

焔「おけおけ、まぁ、仕事って言うのは・・・」

空N「説明た〜いむ!」

焔「っと言う訳なんだ」

イトN「おしまい!」

イン「なるほどねぇ、それで女装を・・・」

空「いや、女装じゃないから!私女の子だから!」

イン「え・・・」

焔「お前そっからかよ・・・」

空「焔も最初わかんなかったくせにぃ」

焔「なっ!あれはお前が!」

イン「なぁ、目立つからもう止めようぜ・・・」

イト「えぇ〜、面白いのにぃ?」

焔「俺は面白くない!」

イン「まぁまぁ、ここは俺らが落ち着こうや」

焔「ちぇ、お前だけ大人なふりしやがって」

イン「まぁ、なんだかんだ一番大人だしな」

空「まぁ、間違っては無い」

イト「だね〜、そんな事よりも、面白そうな事してるね!」

イン「却下だ」

イト「えぇ〜」

イン「却下だ、今日はオフなんだ、働きたくない」

イト「ぶぅぶぅ、いいもん、家でたっぷり働かさせるもん」

イン「それはいつものことだろ?」

イト「あははっ、それもそうだねっ」

焔「出たバカップル・・・」

空「焔も人のこと言えないじゃんかぁ〜」

焔「俺と火炎は良いんだよっ」

空「ほらキタコレ、面白くないでやんの〜」

焔「ま、まぁ、これは置いておこう、おぃイント」

イン「纏めるなよ〜」

イト「偽名で呼ぶなよぉ〜」

焔「わりぃわりぃ、まぁ、お前ら、この後どうするんだ?」

イン「適当にぶらついてるわ、お前らは?」

焔「もぅちょい時間潰す、そしたら仕事してくるわ」

空「犯行時刻は深夜12時すぎだからね」

イト「頑張ってね!メインディッシュまでに体力使い切っちゃダメだよっ」

焔「言われなくても」

空「任せてください、私は体力使いませんから」

イン「んー・・・、やっぱりもったいないよなぁ」

焔「だよなぁ・・・」

イト「いいのっ、それも魅力の一つだよっ」

空「ありがとうございます」

焔「それじゃま、そろそろ行こうか?」

空「はいっ」

イン「じゃあなぁ〜」


焔M「俺たちが適当にぶらついて公園に着いたのは、11時半頃だった」

空「そろそろ、いい時間ですね」

焔「あぁ、いつでも来いって感じだな」

空「そうですね・・・、あ、あのベンチで少し休みませんか?」

焔「あいよ、そうしようか」

空「・・・・・・・・・・・・・・・」

焔「・・・・・・・・・・・・・・・」

空「・・・・・・・えと、今日は楽しかった・・・ですね」

焔「あぁー・・・・、そうだな、うん、楽しかった」

空「・・・・・・・・・・・・・」

焔「・・・・・・・・・・・・・」

焔M「会話続かねぇ〜」

インN「そして、1時間後・・・」

焔「こねぇ、なぁ・・・」

空「こない、ねぇ・・・」

焔「あー、きっと3時とか4時なんじゃね?」

空「そ、それもそうね」

インN「さらに、2時間後・・・」

焔「・・・・・外したな」

空「うん、2分の1なのにね・・・」

焔「はぁ〜、チックショウ、敵さん、カップル探知機でも付いてんじゃねぇの?」

空「それだ・・・」

焔「・・・・・・・・は?」

空「うん、決定、きっと偽者だからこなかったんだよ、明日、火炎と二人でここに来なさい」

焔「いや、火炎に危ない橋渡らせるわけには・・・」

空「焔が守ってあげれば良いでしょ!いい!もぅ私帰る!」

焔「ちょ、待てよ!・・・・・・・はぁ、憂鬱だ」

焔M「こうして、俺の最初の仕事、初日は幕を閉じた、仕事はまだ終わってないんだが・・・、
   火炎なら話せば喜んで手伝ってくれるのだろうが・・・、やっぱり、男として巻き込みたくないのが本音だ、
   何はともあれ、俺は、火炎の待つ、愛しの我が家へ足を向けるのだった・・・」


刑事「次回予告」

店員「いらっしゃいませ!次のご注文は焔と火炎があ〜んなことや、
   こ〜んなことをするお話でよろしかったでしょうか!?」

刑事「そうですねぇ、今回みたいな下手なコントを見せられるよりは建設的かもしれませんねぇ」

店員「次回 箱庭の世界で 第5話 闇を見ろ」

刑事「あれぇ?焔と火炎が××するお話はどうしたんですかぁ?」

店員「あれ、オーダーミスですかね?」

焔「ドアホ!この話は健全なファンタジーだ!」

イト「えぇ〜、不健全な展開は〜?」

焔「でねぇよ!期待するなよ!」

とぅーびー・こんてにゅー

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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w