箱庭の世界で 第三十八話 影と混沌

シャドウ♂ 27歳
ケイオス♂ 27歳
クレア♀ 25歳 初登場、シャドウの恋人


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シャドウ♂
ケイオス♂
クレア♀


クレア「大分良くなってきてるみたいですね、でも油断しちゃダメですよ?
    気を緩めるとまたぶり返しちゃいますからね、お薬用意してありますので、
    飲んでくださいね、ではお大事にー、
    では、次の患者さんどうぞー」

シャドウ「あ、よろしくお願いしまーす」

クレア「・・・・・・ふぅ、今日はどこが悪くなったんですか?」

シャドウ「いや、最近胸が苦しくてですね」

クレア「っ、なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」

シャドウ「息切れや動悸もありましてですね」

クレア「シャツ上げて、音聞くから」

シャドウ「・・・・・どうですか?」

クレア「確かにちょっと早いかも、何か、不調の心当たりとかある?」

シャドウ「それが一つだけ」

クレア「教えて?」

シャドウ「恋の、病って奴、かな」

クレア「・・・・・・・・」

シャドウ「治りますかね?」

クレア「異常無しです、帰ってください」

シャドウ「えー、折角会いに来たのにー」

クレア「診療所は遊び場じゃないんだから!もぅ・・・」

シャドウ「でも、予約、俺で最後だろ?」

クレア「そうね、シャドウで最後よ、急患が無ければね」

シャドウ「まぁ狙ったからな」

クレア「もぅ・・・本当に調子良いんだから」

シャドウ「あっはは、早く会いたかったんだよ、お疲れ様」

クレア「ふふっ、お疲れ様、ちゅっ」

シャドウ「あぁ、さて、片付け手伝うよ」

クレア「うん、よろしく、っとインターホンだ、ちょっと見てくるね」

シャドウ「おう、いってらっしゃい!さてと、まずは器具の片付けか」

クレア「シャドー!」

シャドウ「おぉ?なんだー?」

クレア「貴方にお客さんよー」

シャドウ「俺に?しかもここ俺ん家じゃねぇのにな、だれー?」

クレア「ケイオスさんだってー!」

シャドウ「・・・・・・兄貴、だって?」


ケイオス「箱庭の世界で 第三十八話 影と混沌」


クレア「それじゃ飲み物とお菓子でも探してくるんでこちらでどうぞ」

ケイオス「あぁ、お構いなく」

クレア「いえいえ、シャドウのお兄さんだもの、何か用意させてください」

ケイオス「ん、それじゃあ好意に甘えさせてもらおうかな」

クレア「はい、では行ってきますね」

ケイオス「申し訳ない、ありがとうね」

シャドウ「・・・・・・・何の用だ、兄貴」

ケイオス「久しぶりに弟の顔を見に来た、じゃダメかい?」

シャドウ「信用できると思うか?」

ケイオス「実の弟に信用してもらえないのは悲しいな」

シャドウ「もう一度言う、信用できると思うか?」

ケイオス「・・・・出来ないだろうね」

シャドウ「何の用だ、兄貴」

ケイオス「久しぶりに弟の顔を見に来た、じゃダメらしいからね、
     色々ヒントを上げるよ」

シャドウ「ヒント?」

ケイオス「これからの、ね、争いに来た訳じゃない、それだけは信じて欲しい、
     なんて、どの口が言う台詞だろうね」

シャドウ「兄貴・・・」

クレア「お待たせー、はい、どうぞ」

ケイオス「ありがと」

シャドウ「あ、あぁ、ありがと」

クレア「飲み物、コーヒーで良かったかな?」

ケイオス「大丈夫だよ」

シャドウ「ん、さんきゅ」

クレア「シャドウはブラックだよね」

シャドウ「分かってるぅ」

クレア「ふふっ、お兄さんは・・・」

シャドウ「クリーム一さじ、砂糖二さじ、だろ?」

ケイオス「よく覚えてたね、ちょっと驚いたよ」

シャドウ「当然だろ?」

クレア「お話はよく伺ってましたよ、自慢のお兄さんみたいですね」

シャドウ「お、おいやめろって!」

クレア「いいじゃない」

ケイオス「はぁ・・・彼女に家族自慢か、成長しないね」

シャドウ「うっせ」

ケイオス「あははっ、っとそうだ、久しぶりにチェスでもしない?」

シャドウ「は?」

クレア「お兄さん、強いんですよね、チェス、知り合いの間じゃ負け無しだとか」

ケイオス「・・・・そんな所まで話してたのか」

シャドウ「別にいーだろー」

ケイオス「僕は構わないけどね、えっと、そうだ、お名前、聞いても良いかな?」

クレア「あ、自己紹介がまだでしたね、クレアです、よろしくお願いします」

ケイオス「よろしく、僕は・・・」

クレア「ケイオスさん、ですよね」

ケイオス「ふふっ、最初に名乗ったんだったね」

クレア「ですね」

シャドウ「兄貴ー、チェスやるんだろ?」

ケイオス「ん、そうだったね」

クレア「もぅ、お兄さんに妬かないの」

シャドウ「妬いてねーよ!うるせーよ!」

クレア「ふふっ、家でもこんな感じだったんですか?」

ケイオス「いや、昔とは大分変わったよ、明るくなったかな」

クレア「そうなんですか?」

ケイオス「うん、多分君のおかげかな」

シャドウ「兄貴!止めろって!恥ずかしい・・・」

ケイオス「分かったよ、それじゃ始めようか」

クレア「あ、チェス盤持ってきましょうか?」

ケイオス「大丈夫だよ、オープン・チェス、セット」

クレア「おぉー、凄い、魔法のチェス盤ですね」

ケイオス「ほんのお遊び程度だよ、シャドウ、先行どうぞ」

シャドウ「んじゃ、お言葉に甘えまして、ほい」

ケイオス「それじゃ、はい」

シャドウ「んー、じゃあ、こいつで・・・」

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クレア「シャドウ、頑張って、あと少しで」

シャドウ「あと少しで負けちゃうな、もー、わっかんねー」

ケイオス「昔とクセ、変わらないね、はい」

シャドウ「げっ!マジで・・・?」

クレア「うわぁ・・・、確かに強いよ、これ」

シャドウ「最初からこうなると思ってたんだよなぁ・・・」

ケイオス「ふふっ、さて、この先の展開のヒントを上げようか」

クレア「ハンデ来たよ」

シャドウ「ぐ・・・舐めやがって、教えてくださいお願いします」

クレア「はやっ!」

ケイオス「素直でよろしい、近々、氷のクイーンが炎のナイトを頂きに行く」

クレア「氷に、炎?」

シャドウ「・・・・・例えだよ、そういう表現が好きなんだ、兄貴は」

ケイオス「防いでごらん」

シャドウ「んー、こうか」

ケイオス「外れ、ほら、クイーンでナイト」

シャドウ「げっ、マジでやりやがんの」

クレア「完全にもてあそばれてるじゃん、次のヒントっ」

ケイオス「ナイトを奪われた炎のクイーンは嘆き悲しみ、
     氷のクイーンを落としに行く」

シャドウ「炎の、クイーンが・・・」

クレア「こっちの手、だよね、それ以外の手を打てば阻止・・・、あれ」

シャドウ「・・・・・あれ、これ」

ケイオス「そ、それ以外の動きすると、チェックメイトだよ」

シャドウ「くっ、ふざけやがって」

クレア「つ、次は・・・?」

ケイオス「闇のビショップが顕現(けんげん)したキングを狙いに行くよ」

シャドウ「っ、兄貴」

ケイオス「どうしたんだい、キングが危ないよ」

クレア「ビショップ止められる駒は・・・」

シャドウ「・・・キングを下げる」

クレア「ちょっと!それじゃ・・・」

ケイオス「ほら、また詰まった」

クレア「ビショップ止めないと、チェックメイトだよ!」

シャドウ「分かってる、分かってるよ」

シャドウM「きっと、これがさっき言ってたヒントだ、これから兄貴たちがどう動こうとしてるかの、
      そして、このビショップは・・・・・、兄貴だ」

ケイオス「・・・・何を躊躇ってるんだい?」

シャドウ「っ、うるさい!」

クレア「・・・・シャドウ?」

シャドウ「ごめん・・・・、これで、ビショップを、落す」

ケイオス「それでいい、これで、チェックメイト、だよ」

シャドウ「・・・・・・参った」

クレア「あぁ〜、話に聞いてた以上だなぁ、完全に動かされてたよね」

ケイオス「負け知らずだったからね」

シャドウ「あぁ・・・、だな」

ケイオス「ふふっ、さて、久しぶりにのんびり出来たし、帰ろうかな」

クレア「久しぶりに?お仕事忙しいんです?」

ケイオス「・・・・そうだね、肉親の顔を見に来れない程度にね」

シャドウ「・・・・・・・・・」

クレア「そうですか、ここだったらいつでも私いるんで、また来てくださいね」

ケイオス「うん、そうさせて貰おうかな、それじゃこの辺りでお暇(いとま)させてもらうよ、じゃあね」

クレア「はい、ありがとうございました」

シャドウ「・・・・・・・・ケイオス!」

ケイオス「・・・・・・なんだい?」

シャドウ「また来いよ」

ケイオス「・・・・・・うん」

シャドウ「絶対だぞ」

ケイオス「うん」

シャドウ「絶対だからな!だから、サヨナラはいわねぇぞ!」

ケイオス「・・・・そうだね、それじゃ、・・・またね」

シャドウ「あぁ、またな!」

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クレア「お兄さん、ずっと寂しそうな目してたね」

シャドウ「分かるのか?」

クレア「うん、シャドウがぼーっとしてる時の目にそっくりだった」

シャドウ「そう、か」

クレア「お仕事で、ずっと一人なんだろうな、話してるときは楽しそうだった」

シャドウ「・・・・・なんで?」

クレア「分かるのかって?だって、ここはカウンセリングもやってるのよ」

シャドウ「そうだったな」

クレア「うん」

シャドウ「クレア」

クレア「なぁに?」

シャドウ「絶対、お前は俺が守るから」

クレア「うん、信じてるよ、シャドウ」


ケイオス「次回予告」

シャドウ「魔界から訪れた氷のクイーン」

クレア「彼女は、炎のナイトを取るべく、三年間待った」

ケイオス「満はじした、クイーンが、ついに動く」

シャドウ「次回、箱庭の世界で 第三十九話 氷の姫が動く時」

クレア「凍りついた時が、動き出す」


とぅーびー・こんてにゅーど


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・