箱庭の世界で 第三十五話 二人の死神

フィオ♀ 18歳
ジェノ♂ 33歳
レリクム♂ 25歳

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フィオ♀:
ジェノ♂:
レリクム♂:


フィオN「ある日、死神の先輩で、統轄でもあるアンナから電話が入った、
     内容は当然ながら仕事のこと、魔界を裏切ったとある死神の情報が入り、
     それの調査を、との事、内容が内容だけに、皆に話すわけにも行かず、
     私は単身、調査に乗り出した・・・」

ジェノ「箱庭の世界で 第三十五話 二人の死神」

フィオN「目撃されたとタレこみがあったのは邪教のとある教会、
     困った時の神頼みだなんて死んでもやりそうに無いやつだから、
     ここに行けと言われた時は耳を疑ってしまった」

フィオ「ここか・・・、あいつがこんな所にいるとは考え辛いんだけど、
    仕事だし、行くとしますか・・・」

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フィオ「氷雪達の話もあるし、極力ばれない様にした・・・」

レリクム「おや、覚えの無い気配を辿って見れば不審者、ですね」

フィオ「っ、誰だ!?」

レリクム「それは本来であれば、私の台詞なのですがね」

フィオ「うるさい、今はそんな常識は必要ないでしょ」

レリクム「常識が必要ない?ここをどこだと・・・」

フィオ「紛い物の教会でしょ、このエセ神父」

レリクム「ふむ、どこまで知っているやら、さすがは死神ですね」

フィオ「そちらさんこそ、どこまで私たちの個人情報が行き渡ってる事やら」

レリクム「教えて欲しければ教えて差し上げますが?」

フィオ「遠慮しとくわ、そんな趣味悪い情報に興味ないわ」

レリクム「そうですか、残念です」

フィオ「でも、やっぱりここは外れみたいね」

レリクム「外れ?外れといいますと」

フィオ「あいつがいれば気配を感じるはずだもの、それを未だに感じ、っ」

ジェノ「よぅ神父、こんな所で何やってんだ?」

レリクム「あぁジェノ、侵入者ですよ、元同業者、ですよ」

フィオ「久しぶりね、ジェノ」

ジェノ「よぅ、久しぶりだなフィオ」

レリクム「ん、知り合いでしたか」

フィオ「探したわ」

ジェノ「ハッ、天下の死神様も暇ばかりかよ、俺なんぞよりやることはあるだろうに」

フィオ「当たり前でしょう、仲間を皆殺しにして、裏切って・・・・・、
    それに、私にした事、忘れたわけじゃないでしょう!」

ジェノ「為になったろ、って言ってやりてぇが、その様子じゃ生かせてねぇようだな」

フィオ「うるさい!あんたには関係ないでしょ!」

レリクム「はいはい、痴話喧嘩は見苦しいですよ」

フィオ「痴話喧嘩なもんか!」

ジェノ「ま、古い知り合いの馴れ合いだ、気にすんなよ」

レリクム「そうですか、ただ、ここで重要なのはそこのお嬢さんが侵入者だということ」

フィオ「私は、ジェノを探しに来ただけよ、私情は抜きにして、私はあんたを連れて帰る」

ジェノ「やれるもんならやってみろよ」

レリクム「ここで貴方がいなくなるのは困りますからね、手助けしますよ」

ジェノ「あぁ?」

フィオ「あんたには関係ないでしょう、これは死神の問題、首をつっこまないで」

レリクム「大局が見えないタイプですね、いいですか?彼はここの支部長です、
      どこかに組している以上、責任は付きまとうものなのです」

ジェノ「ククク、アーッハハハハ!」

レリクム「ん、ジェノ、何が可笑しいので・・・」

ジェノ「おもしれぇ!前々からテメェにも興味あったんだ、纏めて相手してやるよ!」

フィオ「は?」

レリクム「纏めてって、敵は一人では・・・」

ジェノ「二人で小娘相手は苛めになっちまうだろうが!だから纏めて遊んでやるつってんだよ!」

レリクム「・・・・・・作戦変更です、フィオ、とか言いましたね」

フィオ「気安く呼ばないで」

レリクム「協力してジェノを止めましょう」

フィオ「私にはその必要がない、あんたもジェノも倒して連れて帰る」

レリクム「不可能ですね、貴方はジェノより弱い、そして私よりも」

フィオ「そんなのやってみなきゃ・・・」

ジェノ「ハッ、こそこそと作戦会議かよ!」

レリクム「だそうですよ、ま、あなたがここで朽ちたいというのであれば止めませんが」
            ナンバーゼロワン
フィオ「くっ・・・、ゲートNo.01デスサイズ、ジェノの次はお前だ」

レリクム「そういうのは、終わってから言うことですね」

ジェノ「さぁて、準備は良いみてぇだな、行くぜぇ!」

レリクム「えぇ、始めましょうか、ふっ」

フィオ「っ、速いっ」

ジェノ「おぅらぁ!」

レリクム「ふふっ、そこです!」

ジェノ「ハッ、あめぇ!」

レリクム「っと、危ない、そこから切り返してきますか」

ジェノ「テメェこそ、相変わらず小手先だけはうめぇじゃねぇの!」

レリクム「お褒め頂、光栄ですね」

ジェノ「おいフィオ!突っ立ってねぇでテメェも来やがれ!」

フィオ「っ、そうだ、私だって昔とは違う、本番にビビってどうする、っはぁ!」

ジェノ「そうだ!来い、俺を殺しに来い!」

フィオ「また、そんな事言って!」

ジェノ「止めさせたかったら殺してみろよ!」

フィオ「っ、なら、全力で抵抗しないでよね!」

レリクム「知り合いならどんな人間かも知ってるでしょうが!」

ジェノ「よっ、人聞き悪いじゃねぇか、テメェこそ本気でこねぇと遠慮なく殺すぜぇ!」

レリクム「あなたこそ、どういう人間か、知ってるくせに、いいますか!」

ジェノ「テメェの事情なんか、しるかよ!」

フィオM「速い・・・、私とは比べ物にならないくらい、でも、でも・・・」

フィオ「今までと一緒じゃ、ダメなんだ!うぁぁああああああああ!」

ジェノ「ハッ、いい女になったじゃねぇの、フィオ!」

フィオ「はぁ!」

ジェノ「いよっ、っと、うらぁ!」

フィオ「ひっ、っ見えた、行ける、行けフィオ、あぁぁああああ!」

ジェノ「いいじゃねぇの、その殺る気!」

レリクム「やっと動き始めましたか・・・、さて、私も行きますよ」

ジェノ「お、初対面の人間で即興コンビネーションか、おもしれぇ」

フィオ「貴様・・・」

レリクム「勝手に合わせます、気にせず好きなように戦ってください」

フィオ「言われなくても、そうさせてもらうわ、よ!」

レリクム「ふっ、これで!」

ジェノ「さぁ来い、俺を殺してみろ!」

フィオ「っ、くぅ!」

レリクム「やはり、小細工じゃどうしようも無いですかねぇ」

フィオ「だからって、力じゃどう頑張っても勝ちようがないじゃない!」

レリクム「そういう貴方が雑になってますが?」

フィオ「うるさい!」

ジェノ「仲間割れか?」

フィオ「っ!?」

レリクム「あぁ、言ったこっちゃない、はぁ!」

ジェノ「ハン、見え見えだぜ、そぅら!」

レリクム「づぅ!」

フィオ「きゃぁ!っくぅ、ダメだ、私のままじゃ勝てない、ゲートNo.02 死の羽衣・・・・」

レリクム「辺りに殺気が・・・、へぇ、ジェノと同じ系統のバトルスタイルですか」

フィオ「ジェノ、あんたの口癖、ここで叶えてあげるよ!」

ジェノ「いい気になるな、テメェにその戦い方を叩き込んだのを、誰だと思ってやがる!」

フィオ「私が戦い方を教わったのは、あんただけじゃ、ない!」

ジェノ「っ、ちぃ、そう来るか、おもしれぇ!」

レリクム「ジェノが受けた、チャンスですね」

ジェノ「テメェもかよ、っだらぁ!」

レリクム「ふっ、ジェノらしくない、焦りましたね、はぁ!」

ジェノ「っ!?」

レリクム「脳です、頭揺らせば頑丈な貴方でもまともではいられないでしょう」

フィオ「取った、せぇい!」

ジェノ「づ、おりゃぁ!」

フィオ「なっ、ぐぅ!」

レリクム「あそこから反撃しますか、厄介な」

ジェノ「その程度の小細工で、止められると思うな、
    俺からしたら拷問ですらねぇんだよ!」

レリクム「意識を奪うだけでも一苦労しそうですね」

フィオ「そんな事ない、今の攻撃、明らかに芯を外してる、ダメージは、ある」

レリクム「冷静ですね、いいでしょう、その言葉信じてみましょうか、ヒュ!」

ジェノ「死角狙ったつもりかよ、あめぇ!」

レリクム「甘いのは、貴方の太刀筋です、そこ!」

ジェノ「ぐぅ!」

フィオ「おまけよ、夢の世界へ、いってらっしゃいな!」

ジェノ「がぁ!?」

レリクム「良い当たりですね、あれなら、っ、うぉ!」

フィオ「んっ、っはぁ、まだ反撃する余裕があるっての?」

ジェノ「て、めぇら、俺を甘く、見てっと、痛い目・・・見る・・・ぞ」

レリクム「・・・・・・・脳にダメージ喰らってすぐパタンじゃないなんて、タフすぎますね」

フィオ「次は、あんたよ」

レリクム「私、ですか、はぁ、今のが本気だと思っているのなら止めておいた方が良い、
      ジェノが気絶した今、私も貴方に集中できる、生かされていたのを失念しないことです」

フィオ「消耗しているのはあんたもでしょ、舞台は同じ、なら」

レリクム「はぁ・・・・、勘違いしない方が良い、貴方なんて、殺そうと思えばすぐ消せるんです」

フィオ「ならば」

レリクム「何故しない!ですか?」

フィオ「っ、なんで」

レリクム「簡単です、それが教祖様方の命だからです、でなければここがバレた時点で殺している」

フィオ「教祖の命・・・?マリス達の・・・、なんで」

レリクム「貴方達が知る必要なんてありません」

フィオ「ならっ、力尽くで・・・」

レリクム「力尽くで、なんですか?ほら、チェックメイトですよ?」

フィオ「なっ・・・、ずっと、手を抜いていたの?」

レリクム「当然です、ここで消す相手にしか本気は見せない、これだって、まだまだですよ、
      分かったのなら、ここであった事は忘れて、お家に帰ることです」

フィオ「くっ・・・・、いいわ、今日は素直に負けを認める、でも、いつか必ず、そいつを連れ戻すから」

レリクム「ふふっ、では、強くなって来る事を楽しみに待っていますよ」

フィオN「そう言って、神父はジェノを担いで部屋を出て行った、目的の一つがまた、遠ざかる、
     強くなった、つもりだった、まだまだだった、私一人じゃ、あいつの足元にも及ばない、
     でも、居場所さえ分かれば、いつだって、また・・・、
     私は、必ず強くなる、そう心に決めて、教会を後にした・・・」


フィオ「次回予告」

ジェノ「あらゆる手を使い、法をくぐり、動きを潤滑にしていく邪教」

レリクム「その魔の手は、常に彼らの周りを覆っている」

フィオ「灯台下暗し、真実はいつでもそこにあったのに」

レリクム「次回、箱庭の世界で 第三十六話 散策、錯綜、結論」

ジェノ「そこにある真に気付いた彼らは、どう動くのだろうか」


とぅーびー・こんてにゅーど


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w