箱庭の世界で 第三十四話 真剣勝負の結果

氷雪♂ 18歳 (ひゆき)
フィオ♀ 18歳
イン♂ 21歳
イト♀ 20歳
メッサー♂ 24歳
レイル♀ 22歳

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氷雪♂:
フィオ♀:
イン♂:
イト♀:
メッサー♂:
レイル♀:



メッサー「勝った、勝ったぞ!見てくれてましたか、レイ・・・」

レイル「氷雪!大丈夫!?」

氷雪「いっつつ・・・、ありがと」

フィオ「あ、あぁ〜もぅ・・・」

イト「フィオちゃん、いいの?」

フィオ「な、何が?」

イト「んー、白切るならいいんだー」

イン「おい、あんまりいじめてやるなよ」

フィオ「いいよ、気使わなくても」

イン「ん?まぁお前が言うなら使わないけど」

フィオ「あ、あっさりしてるのね・・・」

メッサー「ど、どういうことですか!勝ったのは俺ですよ!?」

レイル「傷ついた人を介抱するのが優先、勝者をねぎらうのは後でも出来るでしょ」

メッサー「そ、それも、そうですね・・・」

氷雪「大丈夫だよ、傷ついたって言っても今回は擦り傷くらいだし・・・、よっと、いっつつ」

レイル「無理は駄目よ、機族は人間よりも重量あるんだから、
    押し倒されて何にも無いわけないんだから」

フィオ「鍛えてるからよっぽど大丈夫だと思うけど、内臓傷ついてたら一大事だよ」

氷雪「そんな重傷だったら血吐いてるって、平気平気」

イト「でも安静は安静だよ、見えない傷の方が怖いんだから」

氷雪「分かってるよ、死んでなきゃケア先生がなんとかしてくれるから」

イン「その慢心も怖いんだって、大人しくしてろ」

氷雪「ちぇ、分かったよ・・・」

メッサー「く、なんか納得行かない、勝ったのは俺だって言うのに・・・」

イト「仕方ないよ、強いだけが男じゃないからね」

メッサー「じゃあなんだよ、俺があいつに男として劣ってるって事かよ?」

イト「そういう事じゃないよ、でもね、レイルさんみたいな面倒見のいいタイプは、
   氷雪みたいなの、ほっとけないんじゃないかな」

メッサー「どう言う事だよ?」

イン「なんか抱えてそうな所、とかな、普段おちゃらけてるくせに、
    いざという時はしっかり相談乗ってくれたり」

イト「その癖、自分の弱いところは見せなくて、それでも隠しきれて無かったりとかね」

メッサー「・・・・・わかんねぇ」

イト「分かんなくていいと思うよ、そういうのがいい人ばっかりじゃないからね、
   正直僕はなれて友達までかな、恋人には絶対無理なタイプ」

フィオ「あぅ〜、ね、ねぇ、もう良いでしょ?早くケア先生に見てもらお、何かあったら大変だよ、
    それにほら、私達だって沢山時間がある訳じゃないんだし、ねっ?」

氷雪「それもそうだな、レイル、ごめんな、負けちゃって」

レイル「ううん、でも、分かったわ」

氷雪「わかっ・・・?」

メッサー「分かってくれたんですね!」

レイル「貴方も父さんと一緒なのね、それなら納得するわ」

メッサー「・・・はい?」

レイル「里に残って隊長を継いで欲しいのね」

メッサー「あ、いや、・・・え?」

レイル「私よりメッサー君の方が適任だと思ってたんだけど、仕方ないよね」

メッサー「いや、そうではなくて・・・」

レイル「それじゃ、私は残るから、皆を、邪教をよろしくね」

メッサー「はい?」

レイル「私は父さんの遺志を継がなくちゃいけないの、
    一つは里を守ること、もう一つは、皆を守ること」

イン「ブレイド、そんな事考えてたのな」

イト「さすがお父さん、まさか僕たちのことまで気にかけてたなんてね」

メッサー「はい、それは分かるんですが、よろしくってどういうことですか?」

レイル「私が残るんだから、貴方が皆についてって邪教と戦うのよ」

メッサー「・・・・・えぇ!?」

氷雪「マジで?そうなるの?」

フィオ「うわ、え、うわ、それはそれで複雑」

メッサー「俺がそんなに嫌かよ!?」

イト「あれ、まさかあの人も鈍感さん?」

イン「まさかどころか間違いないだろ」

レイル「氷雪、フィオ、父さんいなくなっちゃった穴、埋めなきゃでしょ?」

フィオ「・・・・・そうね、戦力的な意味でも凄く痛手よ」

レイル「それを埋めれるの、私かメッサー君くらいでしょ?」

イン「メッサーじゃ不足だけどなー」

メッサー「なっ!・・・・・・否定できないけどさ」

イト「イン、茶化さないのー」

イン「お前が言うか・・・」

レイル「うん、不足って言う訳じゃないけど、本当は私が手伝いたいのよ、
    今の見てて、氷雪の弱点も結構見えたし、それを私ならフォロー出来る」

メッサー「それは、俺じゃ無理、ってことですか?」

レイル「じゃあメッサー君、貴方は誰かに使われる事、できる?」

メッサー「無理、です、それも自分より弱い奴になんて絶対」

レイル「私は彼になら使われてもいいと思ってる」

メッサー「っ、・・・それは、あいつが好きだからですか?」

レイル「はぁ・・・、確かに私たち機族が人に使われるってそういう意味もあるけど、
     そればっかりじゃないでしょ?私たちは機族である前に武器なのだから、
     よりよい形で戦力になればいいの」

メッサー「そう、ですね・・・」

レイル「それなら、誰かがついていかなくちゃ、里に篭ってるだけじゃ守れるものも守れないもの」

メッサー「俺やレイルさん以外の奴じゃダメなんですか?」

レイル「父さんが抜けた穴を埋めれる人が、他にいると思う?」

フィオ「あ、あの!」

レイル「ん、何?」

フィオ「時間、あまりないの、学園の方にも敵来てて、多分もう終わってると思うけど、
    それでも心配だから、早く、決めて欲しい」

レイル「・・・・だって」

メッサー「・・・・分かりました、俺が無粋でしたね、戦士の決意を止めるような行為なんて」

レイル「メッサー君・・・」

メッサー「俺が、里を守ります、レイルさんの帰る場所を守ります!」

レイル「ありがとう、メッサー君」

メッサー「その代わり、レイルさんも必ず帰ってきてくださいよ」

レイル「当たり前でしょ」

イン「ま、丸く収まったんじゃねぇの、な、氷雪?」

氷雪「なんだよ、その言い方」

イト「そのまんまの意味ー、ね、フィオちゃん」

フィオ「そ、そうですねー!」

氷雪「な、何で機嫌悪いの?」

フィオ「知らない!もぅ知らない!早く先生に見てもらお!」

氷雪「ちょ、引っ張るなよ!お、おい待てって!」

イン「はははっ、これは面白くなりそーだ!」

イト「フィオちゃんかーわいんだー」

メッサー「・・・・・・やっぱり不安だな」

レイル「でも彼らが守ってくれたのよね?」

メッサー「そうですね」

フィオ「レイルさーん!早く行こうよー!」

イト「置いてくよー!」

イン「機族の皆さーん!お世話になりましたー!」

レイル「ふふっ、それじゃ、行って来るわね」

メッサー「はい、どうかご無事で!」

氷雪N「こうして、無事に、とは言い難い結果で機族の里を後にした、
     失った物は決して小さくは無い、けど別れは新しい出会い、
     なんて割り切れるほど大人でもないし、達観してない、つもり、
     だから、これ以上犠牲が出ないように、俺たちは戦っていくんだ」


メッサー「次回予告」

氷雪「いやぁ、急いで帰ってよかったなー」

フィオ「本当だよ!何が自分の体はよく分かるー、よ!バッカじゃないの!?」

イン「お、結局重傷だったの?」

イト「それが内臓が・・・」

氷雪「わーわー!聞きたくないー!」

レイル「でも、無事でよかったね」

メッサー「本当だよ、もし死んでたら目覚めが悪い」

氷雪「お前、最中はマジで殺す五秒前だっただろうが!」

イン「何歳だよ氷雪・・・」

イト「箱庭の世界で 第三十五話 二人の死神」

フィオ「待って、また私!?」


とぅーびー・こんてにゅーど


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w