箱庭の世界で 第三十一話 父親

ブレイド♂ 38歳
マリス♂ 42歳
レイル♀ 22歳

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ブレイド♂:
マリス♂:
レイル♀:


レイル「来たね」

ブレイド「あぁ、決して見紛うまい、あの悪意に満ちた存在感、フレイの、仇・・・」

レイル「ここで断ち切るんだ、憎しみと悲しみの連鎖、あいつを止めよう、必ず」

ブレイド「もちろんだ、行くぞ」


マリス「箱庭の世界で 第三十一話 父親」


ブレイド「久しぶりだな、マリス」

マリス「っ、何故貴様、ここにいる」

ブレイド「ここは俺の故郷だ、いてもなんらおかしくあるまい」

マリス「チッ、ケイオスの奴だな、余計な事をしおって・・・」

レイル「あら、昨日と違って一人なのね、どうしたの、手先の化物ちゃんは」

マリス「ふっ、奴らなら今頃里の方に行っている、魔砲部隊を引き連れて、な」

ブレイド「残念だったな、こちらとて昨日と同じではない、あちらは氷雪らに任せてある」

レイル「今頃全滅してるんじゃないかな、あんたの手勢」

マリス「・・・・そこから予定外かよ、ケイオスめ・・・」

ブレイド「そういう訳だマリス、最後の予定外を教えてやろう」

マリス「なんだと?」

ブレイド「貴様の命も、ここまでだ」

マリス「クッククク、クッハハハハハハ!」

レイル「何が、可笑しいの」

マリス「先日私に一蹴されたことをもう忘れたか、いくらシャドウの元で鍛えようと、
     貴様如きが私と同じ域に到達できたとでも?付け上がるな下郎!」

ブレイド「貴様には一生分かるまい、今の俺はあの時とは違う、行くぞレイル、
     グレートソード・アウト!」

レイル「うん、ウォーハンマー・アウト!」

マリス「ハルバード・オン、一生分かるまい、か、ふん、そんな物は、とうに味わっている!」

ブレイド「味わっているだと?目の前で、我が子を犯されているのにもかかわらず、
     何もできなかった父親の気持ちが、分かるとでもいうのかぁ!」

マリス「その程度、我が地獄に比べれば大した物ではないわ!」

レイル「うるさい、うるさい!だからって、その不幸を他人に押し付けるな!
    勝手に見とけ、一人で勝手に地獄でもなんでも落ちとけよ!」

マリス「ククク、道連れなんぞ甘いことは言わぬ、全て、全て滅べばよい、
     手始めが貴様らというだけだ、ぬぅぅん!」

レイル「くっ、本当に人かよあいつ、一薙ぎで機族を二人同時にふっとばすなんて・・・」

ブレイド「諦めるな、人の身なればいつか限界が来る、それまで攻めるぞ、はぁ!」

レイル「うん、分かった、だぁああ!」

マリス「ハッ、この身が人であれば、私はここにおらぬわ!」

ブレイド「ぐぅ!なんて重さだ、ストレージ、斬界刀・アウト、これで!」

マリス「ふん、忘れたか、それを使って一蹴され・・、っ!」

レイル「フレイル・アウト、見え見えだってぇの、ぜぇい!」

マリス「がっ!」

ブレイド「よくやった!これで、貴様との因縁も仕舞いだ!一刀、両断!」

マリス「ぐぅぅ!」

レイル「や、った?」

ブレイド「あぁ、やったぞ、ついに、ついにフレイの仇を・・・!」

マリス「まだ、だ、まだ終わっておらぬぞ・・・・・」

ブレイド「な、に・・・・・」

レイル「なっ、再生してる、だって!?くっ、させるかぁ!」

マリス「ぐぁ!」

レイル「はぁ・・・はぁ・・・、頭を潰したんだ、今度こそ・・・っ、嘘でしょ・・・」

マリス「あ゛ぁ・・・、さいぎんの、わがいのは、手加減がない、な・・・」

ブレイド「なんなんだ、いったい、貴様はなんなんだ!」

マリス「クックック・・・、神の子、だ、よ・・・、正真正銘、神の血を、継ぐ者だ・・・」

レイル「は・・・、あぁ・・・、そんな、ありえないでしょ・・・、あんなグチャグチャの所から・・・」

マリス「づ・・・、流石に、痛むな・・・、ククッ、素晴らしいであろう、死にたくとも死ねぬのだよ、
     この身こそが、至上最凶の拷問道具だ、一度味あわせてやりたいものだよ、俗物である貴様らにも・・・」

ブレイド「神・・・、まさか、邪神、の・・・」

マリス「あぁ、そうだ、我が名はマリス、生まれながらに悪意を冠し、邪神の直系、業を告ぎし者だ!」

ブレイド「なんて事だ、俺達は神にケンカを売っていたと言うのか・・・」

マリス「クッククク、まさかこの私が傷付けられるどころか、両断され頭を砕かれるとは思ってもみなかったぞ、
     褒美だ、良い物を見せてやろう、手加減なしの、神の動きを・・・」

レイル「っ、消えた!?」

マリス「後ろだ」

レイル「えっ、きゃぁ!」

ブレイド「レイル!」

マリス「ふん、他人に気をやっている暇があるのか?」

ブレイド「なっ、ぐあぁ!」

マリス「その程度か、貴様の娘を守りたいという気持ちは、その程度か?」

ブレイド「ぐぅ・・・、まだだ・・・、まだおわら、ぐはぁ!」

マリス「ふん、そこで見ていろ」

レイル「狙いは、私って訳か、来るなら来なさいよ、神だかなんだか知らないけど、
     負けてなんて、上げないんだからね!」

マリス「ふっ、大した威勢だ、だが、いつまで持つか見ものだなぁ」

レイル「言ってなさいよ、はぁ!」

マリス「っと、この程度か?」

レイル「素手で止められた?えぇい、ならこれで!」

マリス「っ、ふん、受けずとも止められるが」

レイル「うるさい!はぁああああ!」

マリス「ククク、凶暴な娘だ、だが、そぅら!」

レイル「きゃあ!」

マリス「さて、そろそろ、トドメと行こうか・・・」

レイル「くっ、舐めないでよ、ね、くっ、はぁ・・・はぁ・・・」

マリス「ふん、今ので足をやっているな」

ブレイド「づぅ、気を失って・・・、っ、レイル!」

マリス「気を戻したか、頃合だな、さぁ、逝け!」

レイル「は、あ・・・、フレイ、ごめん、私も、すぐに・・・」

ブレイド「レイル、レイルゥ!うぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!」

レイル「え、きゃあ!」

マリス「な、んだと・・・、貴様・・・」

ブレイド「あ・・・、レイル、無事、だった、か・・・?」

レイル「と、父さん、父さん!なんで、なんでぇ!?」

ブレイド「よか、った・・・、それだけ大声を出せるのだ・・・、傷、も、ないな・・・」

レイル「私なんかより、父さん、体が半分・・・に・・・」

ブレイド「すま、ない・・・、本当に・・・、お前に、家族を失う悲しみを、二回も・・・」

レイル「ばかぁ!そんな泣き言なんて聞きたくないよ!」

ブレイド「すまない・・・、これからは・・・、氷雪や、みんなを・・・」

レイル「とう、さん・・・、だから言ったじゃない・・・、復讐の末路は、大抵酷い物だって・・・」

マリス「こんな、はずでは・・・、これでは、予定が、予定が・・・、予定がぁ!」

レイル「・・・・・・・マリ、ス」

マリス「っ、なんだ」

レイル「殺しなさいよ・・・」

マリス「立ち上がってこないのか、向かってこないのか」

レイル「良いわ、もう、復讐の末路なんて・・・」

マリス「・・・・いや、今回は、予定が全て狂った、帰らせてもらう」

レイル「え・・・・」

マリス「私の目的は、お前を殺し、故郷を滅ぼし、そいつの全てを奪うことだった、
     標的がいなくなっては、仕方ないのでな・・・」

レイル「あ・・・・・、私・・・これから、どうしたら・・・」

レイルM「ひとまず、里の危機は去った、けど、私の一番守りたかったものは・・・」


マリス「次回予告」

レイル「邪教による機族の里襲撃は、ひとまずの終焉を迎えた」

マリス「だが、残した遺恨は、決して小さいものではなかった」

ブレイド「次回 箱庭の世界で 第三十二話 戦いの後で
     みんな、後は、頼んだぞ・・・」


とぅーびー・こんてにゅーど


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w