箱庭の世界で 第二十五話 新たな依頼

空♀ 15歳
レスタ♂ 23歳
ケイオス♂ 27歳
ジェノ♂ 33歳

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空♀:
レスタ♂:
ケイオス♂:
ジェノ♂:


空「んー・・・、よく寝た・・・」

レスタ「ん、やっと起きた、おはよう」

空「ひゃうぅ!レ、レスタ、何でこんなところに!」

レスタ「俺がここにくるのなんて、大体決まってるだろ?」

空「あっ、う、うん、そう言えばそうだよね、じゃ、今回の依頼は何?
  レスタ直々ってことは大きなヤマなんでしょ?」

レスタ「大きいって言うか、ちょっと手伝って欲しかったからなんだけどね」

空「あぁ、逆にぞろぞろ引き連れて行かなくても良いくらいの仕事なのか」

レスタ「そういう事、ま、さらっと説明しちゃうよ、・・・天界でこそこそ嗅ぎ回ってる奴がいる」

空「正体の判別、危険の排除」

レスタ「ふふっ、君は話が早くて助かる」

空「ふふん、任せておいてよ、それじゃ、さっそく行こうか」

レスタ「あぁ、その前に」

空「ん?」

レスタ「服を着てきなさい、それはいささか扇情的過ぎる」

空「へ・・・・、ひゃう!こー言うことは最初に言ってよぉ!」

レスタ「ふふっ、役得役得」

空「バカーーーーー!!」


ケイオス「箱庭の世界で 第二十五話 新たな依頼」


レスタ「ほら、なんかいるだろ、間違いなく」

空「そうだね、隠す気があるのかないのか、そこら中に気配を撒き散らしながら・・・ね」

レスタ「それじゃ、追おう」

空「うん」


レスタ「誘ってるね、この動きは、間違いなく」

空「うん、この先になんかあるのかな?」

レスタ「いや、人気のない広場が一つ」

空「・・・・いい度胸じゃん」

レスタ「あぁ、そこの角を曲がるとすぐ広場だ、・・・油断するなよ」

空「任せて」

ケイオスN「二人が角を曲がるとそこには、ボロいローブを羽織り、背丈以上もあろう鎌を携えた男が一人・・・」

空「っ、死神・・・?」

ジェノ「ハッ、また無粋な言葉から始まるもんだ、見て分かるだろう」

レスタ「無粋なのは君の方だろう、あの美しい街並みにどす黒い殺意なんて撒き散らして、ねぇ」

ジェノ「はははっ、それはすまない、これは生来の物なんだ、隠そうと思って隠せるものではないんでなぁ」

レスタ「ふん、密偵ごときが言うねぇ・・・、誰の指示だ、どうせ邪教の手のものであろう」

ジェノ「クックック・・・、そこまで知ってるなら言わずもがなだろう・・・、さぁ、殺りあおうぜぇ?」

ケイオスN「死神が構えると同時にあたりが殺気に包まれる」

レスタ「フッ、凄い殺気だな、戦場の中心を思い出すよ」

空「っ、これ、レベルは違うけど、フィオと一緒だ!」

レスタ「死神なんだし、そういう事もあるだろうさ」

ジェノ「ハン、ガキと違って神様は余裕そうだなぁ」

レスタ「この程度の殺気、慣れた」

ジェノ「言うじゃねぇか・・・、そろそろ、行く・・・」

ケイオス「そこまでだ、ジェノ」

ジェノ「っ、ケイオス、テメェなんでこんな所に」

空「もしかして・・・・第三勢力?」

ケイオス「古巣に忘れ物をして取りに来ただけだよ、そんな事よりも、君の仕事は殺しじゃないだろう?」

レスタ「そうでもなさそうだ」

空「残念・・・」

ジェノ「ハッ、キサマのクソ兄貴に仰せつかった仕事があんまりにも暇だったんでな、
    イイ玩具を見つけたんで遊んでやろうと思ってたところだ、見事に興を削がれたがな」

ケイオス「あっそう、それは申し訳ない」

空「仲は、良くなさそうだけどね」

ケイオス「当然でしょ、お互いの利益のために利用しあってるだけだからね」

ジェノ「そうだ、利益ナシに、こんないけ好かない奴の言いなりになるかよ」

レスタ「そうかい、でも、こっちにはそっちの事情なんて関係ないからね、さっさと出てけよ、俺の庭から」

ジェノ「フン、仕事が終われば出て行くさ」

空「させると思う?」

ジェノ「だそうだケイオス、これでいいだろ」

ケイオス「はぁ・・・、分かったよ、ただ、殺しちゃダメだよ・・・って言っても聞きそうにないな、僕も出る」

ジェノ「はぁ?こいつらは俺の獲物だ」

ケイオス「目的のための道具だ、勝手に壊すことは許さない」

レスタ「そう簡単に殺されるつもりもないけどね」

空「売り言葉に買い言葉、話進まないんだけど・・・」

ケイオス「それもそうだねぇ、それじゃ、ジェノ、分かってるね?」

ジェノ「テメェこそ分かってんだろうなぁ・・・」

ケイオス「はいはい、行くよ、スタッフ・オン」

レスタ「ソード・オン、来るぞ!」

空「任せて!」

ジェノ「さぁ、行くぜぇ・・・」

空「っ、早い」

レスタ「でも、追いつけないほどではない、せぇい!」

ジェノ「ハッ、追いついてくるかよ、おもしれぇ!」

空「はははっ・・・、凄いな、あれ・・・」

ケイオス「どこを見てるんだぃ?君の相手は僕だよ、封印師!」

空「いいよ、遊んであげる、はぁ!」

ケイオス「フッ、そんな見え透いた太刀筋で僕を切れるとでも?」

空「さぁ、見え透いてるかどうかは、これからだよ!」

ケイオス「っ、へぇ、早いし巧い、シャドウの奴、中々良くやっているようじゃないか」

空「そうさ、私だって、あれから5年、ずっと遊んでたわけじゃない!」

ケイオス「五年前、なぁんのことかなぁ?」

空「しらばっくれるな!覚えてないとは言わせない!」

ケイオス「クックック、あーっははははは!あぁ、覚えているともさ!君の家族のことだろう!
      楽しかったよ、あぁ〜!あれは楽しかったねぇ!」

空「くっ、ふざけるなぁ!」

ケイオス「本当に強かったよ、彼らは!まさか二人がかりで手こずるなんて思ってもみなかったからねぇ!
      でも、その様子だと僕からのプレゼントは堪能してくれたみたいだねぇ?」

空「っ、どういう事・・・」

ケイオス「一人帰ってきただろう!瀕死の男がぁ!あいつの事だよ!」

空「まさか・・・シィルの事・・・?」

ケイオス「そぅさ!ワザとだよ、ワザとなんだよ息を残して帰したのも、情報を垂れ流したのも、
      狙ってやったんだよ!君の目の前で死んでいったのも!」

空「なんで、何でそんなことを!」

ケイオス「君に憎まれるためさ!それ以外になにかあると思うか、シャドウから聞いているんだろうが!」

空「そのためだけに彼を、シィルをあんな目に・・・
  許さない、絶対許さない!あぁあああああああああああ!!」


レスタ「空!?」

ジェノ「ハッ、よそ見してる余裕あるのかよ!」

レスタ「ぐっ、舐めるな、一瞬くらいなら余裕だ!」

ジェノ「あっははは!舐めてるのはそっちだろうがぁ!」

レスタ「ふん、23で神やってるんだ、半端じゃ務まんないんだよ!」

ジェノ「ケッ、ぬるいんだよ、世界がぁ!」

レスタ「づ、ぐあぁあああ!」

ジェノ「クックック、こちとら15で最狂っと謳われた死神だぜ、次元が違うんだよ、次元が」

レスタ「何故だ」

ジェノ「・・・あぁ?」

レスタ「何故それだけの力を持ちながら邪教に加担する!」

ジェノ「あぁ・・・、ふっ、面白そうだからさ」

レスタ「何?」

ジェノ「迂闊にも強くなりすぎちまってなぁ、手ぇ抜いてこの力量差、面白くないんだよ、
    奴ら兄弟なら楽しめるが、もしそれで勝っちまったら?次がいねぇだろ?
    だから、俺は、俺を終わらせてくれる奴を探してるのさ」

レスタ「そんなことのために、人々を苦しめているというのか、貴様はぁ!」

ジェノ「あぁそうだ!否定する気もないねぇ!ここにいれば敵にもこまらねぇ、
    最後にゃ邪神なんてとんでもないのも待っている!
    因果応報、全ては自らに返る、いいじゃねぇか・・・、俺を終わらせてみろよ、邪神とやらよぅ!」

レスタ「認めない、俺は貴様のような奴は認めない・・・」

ジェノ「へぇ、認めないか、じゃあ終わらせてみるか、お前の手で、俺を」

レスタ「あぁ、終わらせてやるよ、天界の、みんなのためにも」

ジェノ「けっ、反吐が出るぜ、自己犠牲精神なんざ、だが、面白くなればそれでいい、それがいい」

レスタ「くっ、うぉおおおおおおお!」

ジェノ「さぁ、来い、俺に見せてみろ、終焉とやらを!」

レスタ「はぁあ!」

ジェノ「うぅらぁ!・・・・・・・はっ、なかなかやるじゃねぇの」

レスタ「無傷、だと、しかも、俺まで・・・・・・・貴様、何故手を抜いた」

ジェノ「お前はまだ殺すにゃ早い、上って来い、俺たちと同じステージまで」

レスタ「っ、そんな理由だけでっ」

空「きゃあああああああああああああ!」

レスタ「っ、空!?」

ジェノ「それに、興などとうに削がれていた」

ケイオス「アッハハハハハハハ!その程度か、君の憎しみは、5年はその程度か!」

レスタ「き、さま、まさか、空を!」

ケイオス「クックッ、殺してなんかないよ、勿体無いからね、それに、今日の目的は既に果たしていたからねぇ、
      さて、ジェノ、僕はもう帰る、君もそろそろキリをつけて帰るんだね、それじゃ」

レスタ「くっ、待て!」

ジェノ「ハッ、勝手なヤロウだ、行っちまいやがった」

レスタ「・・・・あんたはこれからどうする」

ジェノ「ん?帰るさ、本来なら邪魔者を消してまで続投するような仕事じゃない、言っただろ?遊びだって、
    久々に暴れてスッキリしたわ、楽しかったぜ、じゃーな」

レスタ「勝手なのはお前もだろうが・・・、そんなことより、空!」

空「ぐっ、ゴホッゴホッ、あ、はは、まだまだ早かったみたいだ、全然届かなかったよ・・・」

レスタ「喋るな!傷を見せてみろ!」

空「騒ぐほどのもんじゃないよ、ちょっと直撃して、ショックで動けないだけ」

レスタ「バカ、人間は脆いんだから、なにかあってからじゃ遅い、ケアの所に連れてくから、寝てなさい」

空「うん・・・、ごめんね、よろしく、私、疲れちゃった・・・」

レスタ「あぁ、お疲れ様・・・」


ケイオス「クックククク、本当に兄さんの言ったとおりだよ、凄い憎悪だ、殺さなくて正解だよ」

ジェノ「おぃ、テメェなんのつもりだ」

ケイオス「ん、なんの事?」

ジェノ「あんなガキいじめて楽しいかよ」

ケイオス「ふん、楽しい訳ないでしょ」

ジェノ「はぁ?」

ケイオス「目的のためなら手段は選ばない、過程にも拘らない、でも、楽しいと思えないと損でしょ」

ジェノ「ハッ、そーいうことね、やっぱり向いてねぇよ、お前」

ケイオス「そうかぃ、ま、君にはいろんな意味で言われたくない言葉だね」

ジェノ「あーそーですかー、そんじゃまぁ、夜道は後ろに気をつけて帰るんだな」

ケイオス「そっちこそ、夜道は手元に気をつけて帰るんだね」

ジェノ「あっはっは!そりゃ洒落にならねぇな、気をつけて帰るわ、あっはははは!じゃーな、クッフフフ」

ケイオス「ふん、絡みづらい男だよ、全く・・・」


レスタ「次回予告」

ジェノ「それにしても、いよいよ胡散臭くなってきたな」

ケイオス「・・・・なにが?」

ジェノ「邪教って言うか、お前らって言うか、俺らって言うか」

空「そんなの、最初ッから胡散臭いじゃない、名前から既に厨二だし」

レスタ「それは、こっち側も同じことが言えるんじゃないかな?」

空「・・・・・はっ」

ケイオス「次回 箱庭の世界で 第二十六話 邪学VS邪教」

ジェノ「うん、厨二くさい」

とぅーびー・こんてにゅーど



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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w