箱庭の世界で　第一話　基点

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焔♂：
火炎♀：
空♀：
少女♀：





焔M「一寸先も見えないような漆黒の闇、その中で、俺は恐ろしいまでに
禍々しい門の前で立っていた」

焔「さて、そろそろ行くか・・・」

少女「待って！」

焔M「くっ、今だけは、こいつには会いたくなかったのに・・・
　　　決意が鈍ってしまいそうで、揺らいでしまいそうで・・・」

少女「本当に・・・行っちゃうの・・・？」

焔「あぁ、もぅ、決めたことだから・・・」

少女「なら、なら私も・・・」

焔「連れてかねぇよ、お前まで、道連れにはできねぇ」

少女「なら・・・生まれ変わったあなたでも良い・・・、また、会おう？
　　　　その時まで、私、忘れないから、待ってるから、あなたも、私を忘れないで？」

焔「・・・・あぁ、忘れないよ、絶対」

少女「うん・・・うん・・・、待ってるから・・・、いってらっしゃい」

焔M「あぁ、行ってくる・・・」

焔「箱庭の世界で　第一話　基点」

火炎「焔・・・焔・・・おきて？焔！」

焔「ん・・・、火炎・・・か、おはよ・・・」

火炎「うん、おはよっ、ご飯、もう出来てるよっ」

焔「あぁ、すぐ行くよ、先行って待ってて・・・」

火炎「はぁい、それじゃ、待ってるね、二度寝は禁止だよっ」

焔「分かってるって、寝ないよ」

火炎「ん、じゃあ、食卓でね」

焔「おっけ〜ぃ・・・、はぁ、また、この夢か・・・」

焔M「度々見る夢、やけに鮮明で、記憶に焼け付いている夢・・・
　　　でも、最近は見る頻度も少なくなってきた夢・・・」

焔「でも、思い出せないんだよなぁ、あの子の事・・・」

火炎「焔〜！ご飯冷めちゃうよ〜！」

焔「あいよ〜！まぁ、思い出せないものは仕方ないか・・・、ごめんな、約束守れなくて・・・」


焔「ん、お待たせ〜」

火炎「ううん、いいよ」

焔「お、今日は純和食だな、カレーがあるのを除けば・・・」

火炎「じ、実は、昨日のカレーが残ってるのを忘れてて・・・つい」

焔「い、いいって、むしろ栄養取れて良い感じじゃね？」

火炎「そ、そうだよね、それじゃ、食べよっか」

焔「だな、それじゃ、いただきます」

焔M「しかし、どうやって食おうか、せっかくの和食なのにいきなりカレーぶっ掛けるのも
　　　あれだし・・・、納豆ご飯もねこまんまも捨てがたいし・・・」

火炎「どうしたの？・・・食べないの？」

焔「いや、どーやって食おうかなぁ・・・って、うん、これは朝からご飯３杯だな」

火炎「は、張り切るね」

焔「任せとけ、余裕だって」


焔「ごちそうさま」

火炎「お粗末様でした」

焔「いやいや、満足だぜ」

火炎「それじゃ、私歯磨いて、そろそろ行くね」

焔「おっけぇ、頑張ってなぁ」

火炎「うんっ、焔も頑張ってね」

焔「はいかしこまり〜」

焔M「ここからは別行動、火炎はコンビニでバイト、俺は街の巡回、まぁ治安保持だな、
　　　俺のはほぼボランティアみたいなものだから収入はほとんど火炎のものだったりする、
　　　という訳で、恥ずかしながら主夫も若干こなしているわけだ」

火炎「それじゃ、行って来るねぇ〜」

焔「あいよ〜、いってらっしゃ〜い！」

焔M「さて、俺も行くとするかな・・・」


焔M「街の治安保持、と言ってもそう忙しい仕事ではない、理由はいくつかあるのだが・・・
　　　ひとつは抑止力が強力すぎるってことだろう、ひとつは俺な訳だが、一番は封印師の
　　　存在だろう、強力すぎる存在を封印する者、そんな力に捕まったら・・・想像するだけで
　　　もおぞましいな」

空「ちょっとちょっと、そこの兄さん？」

焔M「そんなとき、フードを目深に被り、杖を持った子供に話しかけられる」

焔「ん、なんだ？」

空「あんたが・・・焔？」

焔「あぁ、そうだが・・・、お前は？」

空「さぁてね、そんなことより、俺と遊ばない？」

焔「残念だったな坊主、俺はそんなにヒマ人じゃないんだ」

空「へぇ〜、そっかぁ・・・、そういえばあんたの彼女可愛いよねぇ、確か、火炎ちゃんだっけ？」

焔「テメェ・・・、火炎に何しやがった・・・」

空「もぅ一回聞くけど、俺と遊ばない？」

焔「上等だ、今すぐぶっ潰してやるよ・・・」

空「待ちなよ、ここじゃ人に迷惑かけちゃうからね、場所を変えようか」


空「ここなら人もこないし、思う存分遊べるよ」

焔「遊ぶ気なんてさらさらねぇ、一発でぶっ飛ばしてやる！
　　行くぜ、エクスプロードォ！」

空「ん、早い」

焔「はぁ！」

焔M「手ごたえあり！・・・いや、違う！」

焔「チィ！」

空「ざ〜んねん、首刎ねてやろうと思ったんだけどなぁ」

焔「は、ハハハッ！上等、やってやろうじゃん、ソード・オン！」

空「へぇ〜、ようやく本気かぃ？」

焔「ハッ！俺に抜かせたんだ、ただで済むと思うなよ！行っくぜぇ！」

空「く、ちょっとヤバイかな」

焔「おせぇ！もらったぁ！」

空「うわぁ！・・・・な〜んてね」

焔M「なっ・・・止められた、だと！？　しかもこれは・・・」

空「簡易結界、チェックメイト」

焔「マズい、チィ！」

空「あぁ〜、今のだと浅いかなぁ、頚動脈くらいイッたと思ったのにな」

焔M「やばい、死ぬ気で行かないと、殺される！」

焔「後のことは度外視だ・・・、はぁああああああああああ！」

空「ハハッ、これは凄いや、それじゃ、俺も本気で行こうかな」

焔「これで、しまいだ！うらぁあ！」

空「全力を待ってたんだよねぇ・・・」

焔M「剣を杖で受けられた、と思った刹那、俺の剣が霧散する」

焔「なっ・・・」

空「これで、いただきぃ！」

焔「く、んなとこで、終われるかよぉ！」

空「！？　踏み込んできただって！？」

焔「ぐぅ！っらぁあああ！」

空「っく、ぁああああああああ！」

焔「つぅ、これで、とどめぇ！」

空「いやぁ！待って待って！顔はやめてぇ！」

焔「・・・・・・・は？」

空「ひっく、思いっきり顔殴ったなぁ！お嫁さんにいけなくなったらどうするのよぉ！」

焔「ちょ、ちょっと待て、お嫁さん？」

空「そうよ！」

焔M「そいつは、勢い良くフードを取り去った」

焔「え・・・・・・、マジ？」

空「そう、ビックリしたでしょ？　実は、女の子でしたぁ」

焔「あぁ〜・・・じゃなくて！火炎、火炎は！」

空「何言ってるの？コンビニでバイト、でしょ？」

焔「・・・・・・・・え」

空「だって、私、可愛いよね、って言っただけでしょ？」

焔「そ、そういえば・・・、え、もしかして勘違い？」

空「ピンポンピンポ〜ン！ご名答！そして、合格！パチパチパチ〜」

焔「え、合格？え、な？」

空「私、封印師の空って言うの、よろしくね」

焔「よ、よろしく・・・ってお前みたいな子供が封印師だって！？」

空「よく言われるよ〜、そして、焔、君は私の助手に合格したのですよ、おめでとぅ！」

焔「いやいやいや、話が見えないって」

空「つまり、私の所で雇ってあげるって言ってるの、ちなみに、拒否権はないわよ」

焔「え、ちょ、それはなんの特権で！？」

空「ふふふ〜、封印師は天界ともお付き合いあるからね」

焔「あぁ〜、納得・・・」

焔M「天界って言ったら、輪廻転生を司る場所だ、こんな一個人が逆らえる規模じゃないわな」

焔「分かったよ、それは良いとしよう、でも助手って？」

空「まぁ、私の手伝いしてくれれば良いわ、悪い人を退治したり、ね、大丈夫、ちゃんとお給料も出るわよ？」

焔「さい・・・ですか・・・」

空「そーいうこと、でも危険もそれなりに伴う仕事だからね、生活費に関しては任せなさい、
　　彼女さんを働かせなくても生活できるようになるよ〜」

焔「ま、マジカ！？」」

空「うん、もちろんですとも！
　　んでは、私もヒマじゃないからさ、そろそろおいとまするわね、あ、これ名刺ね、じゃ！」

焔M「そういって、空は電話番号、住所の書かれた名刺を置いて去っていった」

焔「なんか・・・どっと疲れた・・・、帰るか・・・」


空「次回予告」


火炎「一方、その頃、私は・・・、と言うわけで、
　　　　次は、今回と平行して進んでいた私のお話・・・」

焔「次回　箱庭の世界で　第二話　火炎の長かった一日
　　本当に、２話って完成するんだろうか・・・」

火炎「しないと困っちゃうよぅ、主に私が・・・」

とぅーびー・こんてにゅーど


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・ｗ