箱庭の世界で 第十六話 邪教の祖

氷雪♂ (ひゆき) 18歳
フィオ♀ 18歳
イン♂ 21歳
ブレイド♂ 38歳
マリス♂ 42歳
シャドウ♂ 27歳
ケイオス♂ 27歳

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氷雪♂:
フィオ♀:
イン♂:
ブレイド♂:
マリス♂:
シャドウ♂:
ケイオス♂:


インN「天界に血の海を作り上げた日が開け、宮殿突入の日の朝が訪れる・・・」

氷雪「よっ、おはよう、良く寝れたか?」

フィオ「ん・・・、目覚めは最低だけど疲れで熟睡できたかなー」

氷雪「なっ、それどーゆーことだよー」

ブレイド「はぁ、何を遊んでいるんだ・・・」

イン「フィオ、後お前だけだぜ、サクッと準備しちまいな」

フィオ「あー、もしかして寝すぎた?」

氷雪「そうでもないさ、早いに越したことは無いけど、まだ遅すぎるって事も無い」

フィオ「ううん、昨日で把握した、空の言ってた1秒が手遅れになるってやつ、一瞬の手遅れで
    どれだけが信者になるか分かったもんじゃないもんね」

ブレイド「そういう事だな、だが、コンディションが万全じゃないのはもっと良くない、もう大丈夫なのか?」

フィオ「大丈夫、これなら戦える、本気は・・・出せないけどね?」

イン「昨日の今日だし、全快って訳にはいかないか・・・」

氷雪「いや、大丈夫だよ、こいつの「戦える」は「全力を出せる」とイコールだから」

ブレイド「ならば本気を出せないというのは?」

フィオ「死神として戦えないって事、今の私は死神の戦い方が出来るただの女の子」

ブレイド「ふむ・・・、体と意思が付いてきてない、といった所か」

イン「また不便だな、そいつは」

フィオ「そうでもないよ、人でも十分強いから、私」

氷雪「そういう事、つ〜訳で、今日出発決定!じゃ、準備準備っ」

ブレイド「調子の良いやつめ・・・・」


ケイオス「箱庭の世界で 第十六話 邪教の祖」


ケイオスN「四人は城下町を抜け、宰相マリスの待つ宮殿にたどり着く」

氷雪「でっけぇ・・・・のな・・・」

ブレイド「そう・・・だな、ここにどれだけの敵が待ち構えているやら」

イン「違いないな、強さは入り口の比じゃないんだろうなぁ、あぁヤダヤダ」

フィオ「でもおかしい、敵意をほとんど感じない・・・、どういうこと・・・?」

ブレイド「行けば分かる、さぁ、進むぞ」

ケイオスN「辺りに気を張りながら歩を進める、が、一向に敵と遭遇することは無い、
       本来であればあるであろう、罠でさえ・・・」

イン「おかしい、ここの守りがこんな薄い訳がねぇってのに・・・」

氷雪「うぅ〜ん、人っ子一人見かけないしなぁ」

フィオ「ここまで静かだと逆に嫌な予感がするわね・・・」

ブレイド「なんにしろ、このまま何も無いって事は無いだろう、気を抜くなよ」


ケイオスN「そうしてそのまま、玉座前の扉に何事もなくたどり着いてしまった」

氷雪「なんか・・・拍子抜けって言うか・・・」

イン「バカ、こっからが本番だろうに」

フィオ「よっぽど自信があるか、この先にトラップがあるのか・・・」

ブレイド「なんにせよ、奴は・・・、フレイの仇はこの先にいる・・・」

イン「開けると同時に何か飛んでくるって事も考えられるからな、
   気を・・・、って、おぃブレイド!」

ブレイド「はぁああああああああ!!」

ケイオスN「ブレイドは扉を勢いよく蹴破る、同時に他三人は身構える」

フィオ「何も・・・こない?」

氷雪「まさか・・・もう逃げてもぬけの殻とか?」

イン「いや違う・・・、玉座だ」

ケイオスN「広い、ただ広いだけの部屋に玉座が一つ、そこに、男が座っていた」

マリス「また乱暴なノックだな、まぁいい、ようこそ神の間へ、神は今体調不良で休んでおられる、
    代わり、と言っては何だが、私、宰相であるマリスが用件を受け賜ろう」

ブレイド「貴様が、貴様がマリスかぁ!?」

マリス「だから、今そうだと名乗ったばかりであろう、来て早々無礼だな、何のようだ」

ブレイド「我らが天界に入ってきたのは知っているだろう!あの騒ぎを知らぬわけがなかろう!」

マリス「ふむ、騒ぎと言うと昨日私の私兵が野盗に全滅させられた、と言うものかね?」

ブレイド「貴様ぁあああああああああああ!!!」

氷雪「待てって!明らかに挑発だろう!罠だって!」

イン「テメェ、なんとも思わねぇのかよ、あれだけの人がテメェのために死んだんだぞ!?」

マリス「彼らは死んで神の膝元へ行ったのだ、これ以上の救いがあるかね?」

フィオ「よそう、こいつ救えないよ」

氷雪「同感、コイツ、生かしといちゃダメだ」

マリス「クックック、たった四人で私を殺しに来たのか、ククク、クッハハハハハハハ!」

ブレイド「何が・・・、何がおかしい!?」

マリス「火を見るより明らかなこの戦力差で、この私を殺すだと?
     これは悲劇を通り越して喜劇だよ!クッハハハハハハ!」

イン「笑ってられるのは今のうちだ、その余裕、すぐに消してやる・・・」

マリス「残念だったな、私は万全の上に万全を期す性質でな」

ケイオスN「マリスが指を鳴らすと、虚空から男が二人現れた」

氷雪「げぇ・・・、あのレベルがもう二人って・・・」

フィオ「かなり・・・、やばいかも・・・?」

ケイオス「ふぅ、やっと出番ですか・・・、兄さん、あれが今回の?」

マリス「そうだ」

ケイオス「これの相手をさせられる為に呼ばれたのですか・・・」

シャドウ「そういう事みたいだな」

マリス「フッ、そういうな、今日の獲物はイキがいい、初代セイントナイツ特隊イン、
    機族戦闘隊長ブレイド、死神フィオ、どれもいい餌になる」

ブレイド「餌・・・・だと?」

マリス「クッハハハ、みなまで知らずとも良い、貴様らは供給し続ければいい、ただただ、な」

ケイオス「おかげで、目的にも大分近づいたからね」

ブレイド「供給?目的?何のことだ、何のためにフレイを!?」

ケイオス「お前たちが知る必要は無いよ、これは、虚無の向こう側まで持っていく」

マリス「そう、俗物が知る必要は無い、我らだけが知っていればいい」

シャドウ「あぁ、その事だけど、兄貴、突然だけどいいか?」

ケイオス「なんだシャドウ、くだらない事だったら帰ってからでもいいだろう?」

シャドウ「いや、今じゃないと困る、いろんな意味で」

ケイオス「分かったよ、なんなんだい?」

シャドウ「俺、抜けるわ」

ケイオス「・・・・・・は?」

シャドウ「今この時をもって俺はあんたらと袂(たもと)を分かつ、コイツラに付く」

マリス「貴様・・・・何を言っているのか分かっているのか?」

シャドウ「当然、冗談だったらこんな時にいわねぇよ」

氷雪「なぁ、あいつら仲間割れ始めたぞ、突然」

イン「あ、あぁ、でも好都合じゃね?」

フィオ「敵の数も減って、こっちの戦力も増強できるってね」

ブレイド「貴様・・・・どういうつもりだ?」

シャドウ「訳は後から話すさ、今は生き残る事だけを考えな、ランス・オン」

ケイオス「お前、本気で僕たちを裏切るつもりなんだな」

シャドウ「もちろん」

マリス「チッ、予定外だが仕方あるまい、ケイオス、私も出るぞ、ハルバード・オン」

ケイオス「そうだね、予定外だけど、ね、シャドウ、お仕置きの時間だよ、スタッフ・オン」

インN「三人が同時に戦闘体制に入る、と同時に辺りが濃厚な闇の魔力に包まれる」

フィオ「な、にこれ、魔界の瘴気よりも濃い・・・」

氷雪「こんなん、人間の持てる魔力かよ!?」

ブレイド「斬界刀・アウト、ここで斬る、フレイの仇!」

イン「おいおい、ブレイド!これ見てもなんとも思わねぇのかよ!?」

ブレイド「勝てる勝てないではない!俺がやらねばフレイが報われんのだ、俺の気が済まんのだ!!」

シャドウ「あぁ、そうそう、お前らじゃ手も足も出ないから止めときな、無駄に頑張ると無駄に怪我するよ?」

ブレイド「だからそれでは済まんと言っているのだ!」

シャドウ「あぁ〜・・・、じゃあ援護はして、正直俺一人じゃ勝てない、けど俺の邪魔をしちゃだめだぜ?」

氷雪「な、なんだその無茶苦茶な注文!?」

シャドウ「それが生きて帰る秘訣だ・・・、なぁ兄貴?」

マリス「その通りだ、我らからすれば貴様らなんぞ赤子同然、おとなしく守られていろ」

イン「悔しいけど、それしかないみたいだな、ソード・オン!」
         ゼロワン
フィオ「ゲートNo,01 デスサイズ、そうね、アレに突っ込むのは馬鹿のすることだわ、間違いなく」

シャドウ「そういう事、じゃ、行くぜ!」

マリス「フン、私にたてついた事を後悔させてくれる、はぁ!」

シャドウ「ハン、模擬戦で一回も勝ったこと無いくせによく言うぜ、そらよ!」

マリス「ぐっ、えぇい、ケイオス!」

ケイオス「了解したよ兄さん、そらシャドウ、か弱い赤ん坊を守るんだろう?これを止めてみな!」

氷雪「げぇ!いきなりこっちかよ!?」

フィオ「魔力弾だったら・・・、モードイート、これで!」

フィオM「くっ、吸い・・・切れない!?」

ブレイドN「押さえ切れなかった魔力はそのままフィオに直撃する」

フィオ「きゃああああああ!」

氷雪「フィオ!」

イン「ちぃ、死神のあれで止められないってマジかよ!?」

シャドウ「バカ野郎!受けようと考えるな、逃げてろ!」

マリス「よそ見してる余裕があるのかね?愚弟よ!」

シャドウ「やばっ」

マリス「ぜぇい!」

フィオN「マリスの大振りを後ろに大きく跳んでかわすシャドウ」

ブレイド「えぇい!やはり我慢ならん!はぁああああああああああああ!」

マリス「ふん、イノシシ武者め」

インN「大きく横に薙ぐがマリスはそれをひらりとかわし、振りぬいた斬界刀の腹に飛び乗る」

マリス「身の程をわきまえるがいい、下等生物!」

インN「そのまま剣を駆け下り、ブレイドの顔面に魔力のこもった蹴りが叩き込まれる」

シャドウ「機族!死神!ちぃぃぃぃいいいいいい!」

ケイオス「合流なんてさせないよ、お前の相手は僕だ!」

シャドウ「くっ、退けぇ、兄貴ぃ!」

マリス「クッハハハハ!足手まといの存在は絶大だなぁ!
    動けるのはあと二人、さぁ逃げ惑え俗物!」

氷雪「ヤバイヨヤバイヨ、次は俺たちが狙われてるぜ!?」

イン「逃げてても限界がある、二人がかりで止めるぞ!」

氷雪「ちょ、マジかよ!?」

イン「マジだよ!行くぜ!」

マリス「やれるものならばやってみろ!」

イン「言われなくても、やってやらぁ!」

氷雪「あぁ〜!分かったよ!スケート・オン、こうなりゃ破れかぶれだ!」

イン「そぅら!長物じゃ手数に勝てんだろ!?」

氷雪「攻撃は最大の防御ってねぇ!」

マリス「フッ、その程度で、私を止められると思うな!」

フィオN「一薙ぎで同時に二人は吹き飛んだ」

氷雪「がっ・・・、ブロックしたのに・・・このダメージかよ・・・」

イン「そら腕でブロックしてりゃ・・・って、氷雪!腕変なとこで曲がってるって!」

氷雪「は?・・・・あ、お、おおお、折れてるぅ!?」

シャドウ「ゲホッゲホッ・・・、あ゛ー、お守りしながらじゃさすがにしんどいか・・・」

ケイオス「クックック、すでに満身創痍、といった所だね、ねぇシャドウ、そろそろ降参したらどうだい?」

シャドウ「断る、俺には俺のやりたいことがある、それに、まだ、俺には負けない要素がある」

マリス「何?その状態で負けない要素だと?クッハハハ!いつからそんな冗談を言うようになった?」

シャドウ「冗談なんかじゃないさ、兄貴たちが目的のために手段を問わないように、俺だって・・・な」

ケイオス「・・・・兄さん、こいつ、嘘は言ってないみたいだ」

マリス「ほぅ、根拠は?」

ケイオス「双子のカン・・・かな」

シャドウ「そういう事、分かったろ、俺が本気だって言うこと、それに、
      こんな所で消耗してる場合じゃないんだろ?」

マリス「確かに・・・、ケイオス、引くぞ」

ケイオス「そうですね、次に会う時までに、精々足手まといにならない程度に成長しといたほうがいい、
      そこで伸びてる二人にも伝えといて、それじゃあ」

ブレイドN「そう言って、二人は闇の中へと消えていった・・・」

イン「助かった・・・のか?」

氷雪「みたい・・・だな」

シャドウ「はぁ・・・疲れた・・・」

イン「ありがとう、あんたのおかげで助かったよ」

シャドウ「いやいや、気にすることはない、俺の目的のためだし、礼を言われる筋合いも無い」

氷雪「えーっと、なんだ、あれ、なんて呼んだらいいかな?」

シャドウ「呼び捨てでいい、シャドウだ」

氷雪「そっか、じゃあシャドウ、その目的って・・・なに?」

シャドウ「地上に恩人がいる、会いたい人がいる、それだけの事、
     それでたまたまアンタラがその人に近い位置に居たってだけだよ」

イン「近い位置・・・・、え、知り合い?」

シャドウ「さぁ、恩人・・・は知り合いだろうけど、会いたい人はどうだろうな」

氷雪「誰だろう・・・気になる・・・」

シャドウ「地上に戻ったら教えてやるよ、今は、そこに伸びてる二人の介抱と、神の開放が先だ」

イン「そ、それもそうだな」

氷雪「じゃ、じゃあシャドウに神任せてもいいか?」

イン「それもそうだな・・・」

シャドウ「あぁ、任された、んじゃ、また後で」

インM「こうして、俺たちは敵に相対したわけだが・・・、目的とかやってる事とかがまだ明確じゃない、
    ッて事は相手が分かったってだけでまだふりだしにいるようなものだ・・・、
    それに・・・あの強さは半端じゃない、先行きが不安すぎるぜ、これ・・・」


ケイオス「次回予告」

フィオ「はぁ・・・まだ何も進展してないけど一段落・・・かな?」

イン「ある意味な、でも、こっから先が本当に問題なんだよなぁ・・・」

氷雪「情報が少なすぎるのも問題だよな、あと認めたくないけど戦力不足」

ブレイド「情報なんぞどうにでもなる、敵側の奴が一人いるのだしこれから神にも会える」

マリス「次回 箱庭の世界で 17話 神との接触」

シャドウ「神って言っても普通の天界人、なんだよな、みんな、期待するなよ?」


とぅーびー・こんてにゅーど
      


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w