箱庭の世界で 第十五話 大逆殺

氷雪♂ 18歳
フィオ♀ 18歳
イン♂ 21歳
ブレイド♂ 38歳
天使1♂ 20歳前後
天使2♀ 20歳前後
敵兵男 天使1と被り 20歳前後
敵兵女 天使2と被り 20歳前後

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氷雪♂:
フィオ♀:
イン♂:
ブレイド♂:
天使1&敵兵男♂:
天使2&敵兵女♀:


ブレイドN「天界へ踏み込んだ4人を待ち受けていたのは、先ほど剣を交えたばかりの天使の肉塊と、
      その返り血を浴びた、幾千の天使たちだった・・・」

ブレイドN「箱庭の世界で 第十五話 大逆殺」

フィオ「酷い・・・、これ、まさか、あんた達が・・・」

天使2「そうだよ?」

イン「テメェラ・・・、自分が何したか分かってんのか!」

天使1「敵にそそのかされ、あまつさえ味方をそそのかしに来た愚か者の虐殺、だろ?」

イン「っ、テメェ!」

氷雪「おぃ落ち着け!一人で突っ込むなって!」

ブレイド「貴様ら、宰相マリスの一派で間違いないな?」

天使2「だからどうしたの?死にゆくあなた達に何答えても労力の無駄じゃない」

天使1「そうそう、俺たちの身の上なんて気にしたってどうしようもないんだからさぁ、
     今のうちに神様にお祈りでもしといたらぁ?少しは楽に死ねるかもよぉ?」

天使2「そぅそぅ!ま、どうせ救われるのは狂信徒の私たちだけどねぇ!」

天使1「ちげぇねぇ、ヒャッハハハハハハハ!!!」

フィオ「その耳障りな音を止めろ!」

イン「おぃ、氷雪ィ・・・、そろそろ離せよ、もぅ限界だぞ、俺は・・・」

氷雪「安心しろ、俺もだ、けど、もうちょっと待て」

ブレイド「そうだ、最期に確認だけはせねばな、おぃ、貴様ら」

天使1「あぁ?何おっさん」

ブレイド「神に祈るといったが、祈るべき神は幽閉されているのだろう?
     それに、天界人にとって神とはただの統治者、祈る対象ではあるまい」

フィオ「そういう事・・・、ねぇ、あんたらの言う神って、なに?」

天使2「・・・・・ねぇ、あんたの失言でしょぉ?あんた説明しなさいよ」

天使1「チェ、わぁったよ、どうせ殺すんだ、知られても一緒だしなぁ」

氷雪「イン、イン、落ち着け落ち着け、早く殺したいのは分かるけど落ち着けって」

イン「あぁ〜!分かった、分かったよ!分かったから離せ!うっとうしい!」

天使1「おもしれぇなコイツラ、もぅちょっと黙っとく?」

天使2「どうでもいいってぇ、早く終わらして早くもっとイイ事しましょうよぉ」

天使1「それもそーだなぁ、じゃ、テメェラ、心してよ〜く聞けよぉ?
    俺たちが信奉する偉大なる神!それは成り上がりのあんなちぃ〜っぽけな一般人とは違う!
    この世界の欲望、悪しき心、破壊を司る、正真正銘のGod!邪神様だぁ!」

天使2「そぅ!そしてマリス様は教団の開祖サマにして教祖サマ!
     私たちをあんのツマラナイ生活から救い出してくれた救世主サマよ!」

天使1「信ずるものは救われるゥ!信ずるものは許される!何もかも!貪る事も、壊す事も、犯す事も!」

天使2「ここにいるのは全員教団員、死をも恐れぬ狂信徒、アンタラなんて目じゃないの!」

天使1「そー言うこと、ヒャッハハハハハハハハ!」

天使2「だからさっさと祈りなさい!?そして殺されなさい!キャッハハハハハハハハ!」

ブレイド「黙れぃ!こんの愚か者共がぁ!」

天使1「愚か者ォ?どっちの事かなぁ?」

ブレイド「貴様らのことに決まっているだろう」

天使2「どういうこと?」

ブレイド「フッ、分からんのか?」

フィオ「ふふふっ、哀れすぎて笑えてきちゃう、あっはははははは!」

イン「あっははは!俺たちが代わりに説明してやるよ!」

氷雪「マリスってクソ野郎はな、最初っから俺たちを途中で止めるつもりなんて微塵もないんだぜ?」

天使1「はぁ?言ってることワケ分かんないんだけどぉ?」

ブレイド「少しは頭を使ったらどうだ?そもそも何故俺たちが無傷で、無消耗でここに立っているかを」

天使2「そんなの、そこのお肉ちゃんが役立たずだったからでしょ?」

フィオ「あっはっはっは!まだ分かんない?ここに来るまで何も無かったからに決まってるじゃない!」

イン「そもそも、俺たちを止めたきゃエレベーターにトラップでもしこんどきゃ良かったんだ」

ブレイド「だが何も無かった、面倒な侵入者を簡単に、確実に止めることが出来たのに・・・」

天使1「何が、何が言いたいテメェラ!」

フィオ「あんたらはただの捨て駒だって言ってるの!居ても居なくてもどーでもいい、
    取るに足らないミソッカスだって言いたいの!」

天使2「そっ、そんな訳無いでしょ!?私たちは信頼されてるからこの重要な位置に・・・」

氷雪「信頼?重要?だったら自分のお膝元に置いとくって、バーカ」

天使1「チキショウ舐めやがって!もぅユルサネェ!テメェラ、やっちまえぇ!」

やりたい人「うぉぉおおおおおおおお!」

イン「待ってたぜぇ、もぅ、いいだろ!?」

氷雪「もちろん、これで正当防衛成立・・・ってね」

イン「・・・ハァ!?」

フィオ「そんな事考えてたのは氷雪だけよ、私たちは情報が引き出したかっただけ」

ブレイド「そういう事だ!もぅ我慢する必要は無い!思う存分殺せ!斬界刀・アウト!」

氷雪「さぁ〜!行っくぜぇ〜!スケート・オン!アイスクリエイト・サイズオン!」

イン「ソード・オン、祈るのはテメェラだ、覚悟しろ!」
         ゼロワン
フィオ「ゲートNo,01 デスサイズ、っと、男二人!伏せなさい!」

氷雪・イン「は?」

ブレイド「貴様らのような、貴様らのような人的弱者が居るから!フレイは・・・フレイはぁああああああ!!」

氷雪「うぉお!?」

イン「くっ、あいつ、俺たちまで殺す気かよ!?おい、ブレイド!」

氷雪「ダメだ、聞こえちゃねぇ・・・」

フィオ「そういう事だから、あなた達だけでも冷静でいてよね」

氷雪「だけ?おい!フィオ、お前は!?」
                        ゼロツー
フィオ「私は・・・死神になるわ、ゲートNo,02 死の羽衣・・・、さぁ、行くわよ・・・」

イン「な、んだよ、あれ!」

氷雪「フィオの本気だ、クソッ、イン!一秒でも早くこの戦闘終わらせるぞ!」

イン「あっ、おい!氷雪!?あぁ〜、もぅ!なんなんだよ、あいつら!」

敵兵男「そういうあんたは、ぼーっとしてていいのかぃ?」

イン「よっ!」

天使1「ぎゃ!?」

イン「ぼーっとなんてしてねぇよ、とっくに臨戦態勢だっつうの、ただぁ・・・」

天使1「テメェラ!なんでそんだけ居てたった四人を殺せねぇ!舐めてんのか!?」

敵兵女「くぅ、そんな事言ってるなら隊長も、きゃあ!」

ブレイド「はぁああああああああああああああ!!」

敵兵男「無理です!こいつら止まりません!止めれません!」

天使2「何言ってるのよ!死んでも止めなさい!私に傷一つでもついたら殺すからね!」

敵兵男「そんな無茶なっ、くっ、クルナァ、ヤメッ ギャアアアア!」

フィオ「さぁ、渡し舟はまだ乗れるわよ・・・、次はどいつ?」

敵兵女「こんなの、こんなの聞いてないわよぉ!?」

敵兵男「楽に、楽に勝てるって聞いたからついて来たんだぞぉ!?」

氷雪「アイスクリエイト・マウンテン!潰れろぉおおお!」

敵兵男「ひぃ!止めろぉ!押すな、逃げレナ・・、あ、あぁああああああ!」

敵兵女「いやぁああああああああ!」

イン「あの阿鼻叫喚・・・・、地獄みたいな光景見たら、敵が可哀想になってきちまった・・・・」

敵兵男「じゃ、お前だけでも先に死んどくか?」

イン「バァカ、降りかかる火の粉は全部払ってやるよ!うらぁ!
   ・・・・・さぁて、俺はあいつらがこぼした連中を始末するかな、行くぜ!」



フィオ「さてと、残ったのはあんた達だけね・・・」

ブレイド「フン、前に居たかと思えば最期まで生き残る、
     やはり口が一番であれば逃げ足も一番か」

氷雪「なんか言い残すことはあるか?隊長さんよぉ」

天使1「ヒ、ヒャハハッ、ど、どっちが悪だよ、みんな殺しちまいやがっ、ぎゃあ!」

フィオ「黙れよゲス、死も恐れぬ狂信徒なんだろ?だったら死んで神のお膝元いけて万々歳じゃねぇのか?」

天使2「や、止めなさいよ!こ、こんな事して世論が黙ってるわけないでしょ!?結局不利に立ったのは・・・」

イン「この程度で天界の世論が動くわけ無いだろ?」

天使2「っ!?」

イン「ぬるま湯で育った天界人がこの程度で騒ぐかよ、
   それに、ここで起こった事は何一つ下には伝わらないからな」

氷雪「そういう事らしいぜ?そろそろ祈れば?救ってもくれない邪神とやらに」

天使1「ま、待てよ!俺たちが悪かった!あんたらに従う!」

天使2「そ、そうよ!私たちはこれでも教団ではそれなりの地位なんだから、私たちが言えば・・・」

フィオ「そうやって許しを請うた者に一度でも情けをかけた事があるかよ!!」

天使2「ひぃ!?」

天使1「ま、待てよ、まだやり直せるって、俺たち生きてるんだからまだやり直せるんだぜ!?
    それなのに、その可能性を摘み取る気かよ!?」

ブレイド「貴様らに殺された者にも可能性が、未来があったのだ、それを貴様らは潰して来たのだぞ!」

イン「今更戻れねぇんだよ、テメェラも、俺たちも、つぅ訳だ、死んで詫びろ」

天使2「お、お願い、ヤラせてあげるから、私だけでも許してよ、ねっ?」

天使1「テメ、ずりぃぞ!」

フィオ「あんたら、救えないよ」

ブレイド「死ね」

天使2「いや、ヤメッ、おねがっ・・・」

天使1「ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!」



イン「ちっ、初っ端から後味わりぃな・・・」

ブレイド「そういうものだ、最初から分かりきっていたであろう」

フィオ「はぁ・・・はぁ・・・、やば・・・、本気で・・・いすぎた・・・」

氷雪「フィオ!」

氷雪「ちぃ、まずくないか?無傷だけど、消耗しすぎだぞ、・・・・俺も含めて」

ブレイド「ふむ・・・、俺はまだ大丈夫だが・・・、このまま行くのは良くないな」

イン「予定外だけど、いったん街で休んでいこう」

フィオ「だ、ダメだって、私は、大丈夫だから、それに、見た、でしょ?あんな連中が量産されたら・・・」

氷雪「ばぁか、俺たちもしんどいの、だから、気負わずしっかり休め、な?」

フィオ「う、うん、ごめん・・・」

氷雪「良いって、それじゃ、イン、どこか良いところ知らないか?」

イン「いや、俺が居たときから大分変わってるだろうから、正直宿とかわかんねぇ」

ブレイド「ならば一番最初に目に付いた宿だ、それでいいな」

氷雪「合点承知、っと返り血は大丈夫なのか?さすがにこれじゃ不審がられるんじゃ?」

イン「大丈夫、天界人は厄介ごとには我関せず、だ、全部スルーしてくれる」

フィオ「だから、私たちがしっかりしないと・・・ね」

ブレイド「そういう事だ、では、急ごうか・・・」

氷雪M「それから、俺たちは宿に駆け込んで天界で一日を過ごした、
     すれ違う人も、宿の主人でさえ血には触れず、逆に気味が悪い・・・、
     こんな人々をあそこまで変えてしまう邪教の教え、こんなの、絶対に広めさせない・・・」


天使2「次回予告」

天使1「天界に乗り込んだ四人、彼らはとうとう神の宮殿に足を踏み入れる」

ブレイド「そこに待つのは、宰相マリス、人々の人生を狂わせている男」

フィオ「対する彼は真実に対することは出来るのであろうか・・・・」

イン「次回 箱庭の世界で 第十六話 邪教の祖」

氷雪「悲劇と憎しみの連鎖、その始まりはどこなのだろうか・・・」

とぅーびー・こんてにゅーど


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w