箱庭の世界で 十一話 邂逅 (かいこう)

火炎♀ 18歳
イン♂ 21歳
ケア♂ 26歳
氷雪♂ 18歳
フィオ♀ 18歳
ブレイド♂ 38歳


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火炎♀:
イン♂:
ケア♂:
氷雪♂:
フィオ♀:
ブレイド♂:



ブレイドN「邪学保健室、面会者待合室にて・・・」

イン「ほら、ジュース買って来たぞ」

火炎「ありがと・・・」

イン「落ち着かないか?」

火炎「当たり前だよ・・・、インは、心配じゃないの?イトちゃんのこと・・・」

イン「心配じゃないわけ無いだろ、でも、先生の言うこと信じるしか無いだろ?」


火炎「焔は・・・、焔は大丈夫なんですか!?」

ケア「う〜ん、出血は酷いけど・・・、うん、この程度だったら命に別状は無い、安心して待ってなさい」


火炎「それは、そうだけど・・・」

イン「今俺たちに出来る事は信じて待つことだけさ・・・」

火炎「うん・・・、そう、だね・・・」

イン「・・・・・・・・・・・・・」

火炎「・・・・・・・・・・・・・・・」

イン「なぁ」

火炎「なぁに?」

イン「なんか、喋れよ」

火炎「そういうインこそ、何か喋ろうよ」

イン「はぁ・・・、俺が悪かった」

火炎「うん・・・」

イン「・・・・・・・・・・・・・」

火炎「・・・・・・・・・・・・」

ケア「ふぅ、二人とも、ひとまず山は越えたよ」

火炎「本当!?」

イン「もぅ、もぅ平気なのか!?」

ケア「落ち着きなさい、校内とはいえここは病室前です、叫ばないこと」

イン「も、申し訳ない」

火炎「ごめんなさい・・・」

ケア「分かればよろしい、それよりも二人とも、心配なのは分かるけど、根の詰めすぎはよくない、
    彼らの目が覚めたときに今度は二人が倒れてた、なんて言ったら洒落にならないでしょ?」

イン「こんぐらいで倒れるほど柔じゃないですよ」

ケア「嘘をつきなさい、私のようなプロでなくても分かるほどに疲労しているじゃないか」

イン「まだ、こんなん序の口さ、あいつの苦しみに比べたら・・・」

ケア「気持ちは分かるけど、自分を追い詰めるのは止めた方がいい、
   それに、全員無事なんだから、悪い事は何一つ無いじゃないか」

火炎「気持ちの問題なんです、そんな、簡単には割り切れません・・・」

イン「そうだよ、あんたには分からないかもしれないけどな・・・」

ケア「全く、私を鉄火面みたいに言わないでくださいよ、リアリストなだけです、
    人並みに泣けば人並みに笑いもします」

イン「そうか、それは悪かった・・・」

ケア「まぁ、いいですよ、そんなことより、お客さんみたいですね」

氷雪「よっ、遅くなってごめん」

フィオ「騒ぎを収めるのに思ったより手間取っちゃった」

火炎「氷雪、フィオちゃん・・・、ごめんね、手伝えなくて・・・」

氷雪「気にすんなって、そんな事より、先生、二人の容態は?」

ケア「山は越えました、後は治癒を待つだけですよ」

氷雪「そっか、さすがはケア先生だ」

フィオ「これで、安心して出かけられるわね」

イン「出かける?こんな時にどこへ・・・」

フィオ「あいつ、ブレイドだっけ?まだこの街にいるんでしょ?」

火炎「やり、返すの?」

氷雪「まっさか、そんな採算の合わないことやるわけ無いだろ?」

フィオ「少しお話にね、理由とかその他諸々ね、まだこの街にいるって事は、
    目的が他にもあるってことだし、野放しはよろしくないしね」

ケア「対話だけならいいですが。またどちらかが重傷おって帰ってくるようなことになるのであれば・・・」

氷雪「だから、採算あわない事はしないって」

火炎「二人とも、ちゃんと無事で帰ってこなきゃダメだよ?」

イン「気を付けろよ、あいつの強さは本物だし、目的が分からないうちは油断は禁物だ」

フィオ「ふふん、甘く見ないでよね、心配なんて微塵も必要ないんだから」

氷雪「そーいうこと、俺たちに任せときなさいって」

ケア「では、なるべく無傷で帰ってくるのですよ?」

フィオ「はいは〜い」


インN「中央区に位置するとある廃屋・・・」

氷雪「お邪魔しま〜す、ブレイドさんいらっしゃいますか〜?」

ブレイド「・・・・・何の用だ、押し売りなら間に合っているぞ」

フィオ「こんなボロ屋に住んでいて?何が間に合ってるのかしら」

氷雪「フィオー、ケンカ売りにきたんじゃないんだぞー」

ブレイド「俺も、買う気分ではない、さっさと用件を言え」

氷雪「では単刀直入に、俺は氷雪、あんたが斬った紅い男の友人だ」

ブレイド「仇討ちか?良いだろう、受けて立ってやろう」

氷雪「あぁ〜、待て待て!ケンカ売りに来たんじゃないって!」

ブレイド「ぬ、ならば何の用だ?」

フィオ「さっきからそればっかりねぇ、まぁ良いか、今回の事件の動機、目的、
    この後どうするつもりなのか、この三点を聞きに来たの」

ブレイド「ふむ、それを聞いてどうするつもりだ」

フィオ「事と場合によっては、あんたを断罪する」

氷雪「あくまで、最悪の場合だけど、な」

ブレイド「・・・・・いいだろう」

氷雪「あれ、思ったより物分りいいのな」

ブレイド「今は消耗したく無いだけだ、まだ、俺にはやらねばならぬことがあるのでな」

フィオ「へぇ、聞かせてもらおうじゃんか、やらねばならぬ事とやらを」

ブレイド「・・・・貴様らは、天界の宰相を知っているか?」

氷雪「さいしょう・・・?」

フィオ「意味くらいは分かる・・・わよね?」

氷雪「偉い人のことだろ?詳しくは説明できんけどそれくらいなら・・・」

ブレイド「まぁ、伝わればいいのだが・・・」

フィオ「まぁ、私も、噂しか知らないからなんとも言えないけど・・・」

ブレイド「死神ならば、黒い噂も色々聞いているだろう?」

フィオ「・・・・・私、名乗ったかしら?」

ブレイド「ふん、どれだけ隠そうと、一度身に付けた気と癖は隠しきれん」

氷雪「へぇ、そんだけで分かるもんなんだな?」

フィオ「納得いかないけど、そういう事なんでしょうね」

ブレイド「ふっ、話を戻そうか、どこまで聞いている?」

フィオ「不自然な成り上がり、異常なカリスマ、邪悪なまでに濃い闇の魔力」

氷雪「天界のお偉いさんが闇の魔力か、いかにもきな臭いな、それ」

フィオ「まぁ、あってもおかしくは無いけど、その宰相がどうかしたの?」

ブレイド「天界の、機族へ対する風当たりがさらに強くなったのはあいつが現れてからだ、
     以前から不仲だったから天界へは密偵を送り込んではいたんだが・・・」

氷雪「まぁ、密偵からの報告なら間違いないんだろうなぁ」

ブレイド「いや、あいつが来てから、密偵が生きて帰ってくることがなくなったんだ」

フィオ「いよいよきな臭いね・・・」

氷雪「なるほどねぇ、九分九厘クロなんじゃね?」

ブレイド「いや、十割だ、間違いない」

フィオ「へぇ、その根拠は?」

ブレイド「今回の動機に関係しているのだが・・・、俺は、娘の一人を殺されたんだ」

氷雪「っ、それが今回のと、どういう関係が・・・」

ブレイド「それも説明する、邪学の制服を着た男たちに、殺されたのさ、
     生徒手帳も持っていたし、何よりそう名乗っていた」

氷雪「なんだよそれ、だからって、学校そのものを潰す理由にはならないだろ」

ブレイド「だが!十数人でやってきたのだぞ!そんな連中の集まりだと思ってもおかしくあるまい!?」

フィオ「それに関しては同感だね、まぁ動機はいいよ、私が聞きたいのは根拠なんだけど?」

ブレイド「っ・・・、奴らが、死ぬ直前に奴の名を呼んだのだ・・・・」

氷雪「そこで気付けよ、どっからどう見ても罠だろうそれ!」

フィオ「氷雪、止めてあげて、復讐者の気持ちは分からなく無いからさ」

氷雪「ちぇ、分かったよ、んじゃ、そこまではとりあえず信じたとしよう、仮にな」

フィオ「そうだね、・・・あんた、これからどうするつもり?」

ブレイド「天界に乗り込む、奴を、宰相マリスをこの手で殺す・・・!」

フィオ「ふぅ〜ん、状況証拠としては不十分すぎるけど・・・」

氷雪「そうだなぁ、正直、与太話で終わって欲しい内容だけどなァ」

ブレイド「止めたければ止めるがいいさ、一人は道連れにして見せるがな」

フィオ「それはパス、私の独断で決められる内容じゃないわ、正直な話、
    空とやらも信用なら無いところあるけど、宰相よりはマシだもん」

氷雪「そうだなぁ、みんなと相談してからだなぁ」

ブレイド「貴様ら、友を斬った俺の言葉を鵜呑みにするのか・・・?」

氷雪「鵜呑みにはして無いさ、ただ、今はあらゆることに対して信用できる要素が少ないからさ」

フィオ「そういう事、まずはアンタをみんなの前に連れて行く、今後の決定はそれからよ」

ブレイド「っ、奴らと顔を合わせろというのか・・・」

氷雪「消耗したくないんだろ?素直について来た方がいいんじゃない?」

フィオ「そういう事、うまく行けばアンタも天界への道連れ出来るかもなんだし、
    とりあえず付いてきといたら?一番アンパイよ?」

ブレイド「この狸め・・・、良かろう、その泥舟、乗ってやろうじゃないか」

氷雪「どっちが泥舟だよ・・・・」

フィオM「さて、天界の宰相マリス・・・ねぇ、これはまたでっかいのが出てきたなぁ・・・
     なんにしても、きな臭い展開には違いないわね、機族、天界、死神に地上人、
     また、物騒な話だこと・・・」


イン「次回予告」

氷雪「う〜ん・・・、情報は得たから、後確認するだけなんだけどなぁ・・・」

フィオ「いいじゃない?サクッと天界に乗り込んじゃおうよ」

ブレイド「いや、俺が言うのもあれだがそんな簡単なものでもあるまい」

イン「そもそも誰が行くんだよ、今俺たちだって全員がフリーな訳じゃないぜ?」

ケア「その前に、誰が行けるんでしょうねぇ?」

氷雪「あー・・・」

火炎「箱庭の世界で 第十二話 行く者、行かざる者 前編」

火炎「たまには戦士にも休息は必要・・・だよね?」

ケア「戦士の休息中は、医者が忙しいんですけどね・・・」

フィオ「商売繁盛、いい事じゃん?」

イン「良くねぇよ!むしろ栄えちゃダメだろ!」


とぅーびー・こんてにゅーど 


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w