箱庭の世界で 第十話 ざわつきの訳

焔♂(ほむら)   18歳
火炎♀(かえん)  18歳
ブレイド♂      38歳

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焔♂:
火炎♀:
ブレイド♂:


火炎N「前回までのあらすじ・・・、私たちは、久しぶりに邪学を訪れていた、
     久しぶりに会う仲間たち、久しくしてなかったバカ話、
     けど、楽しい時間もひと時、学校を揺れが襲った・・・、
     部屋を飛び出した私たちを出迎えたのは大騒動、
     原因を探すべく散会した私たち、そして、校庭で見たのは、イトちゃんから上がる血の噴水・・・
     それを見て飛び出す焔、私の、不安は最高潮を迎えていた・・・」


火炎「箱庭の世界で 第十話 ざわつきの訳」


ブレイド「づ、貴様、ただの剣士では無いな?」

焔「剣士? 俺は生まれてこの方一回も剣士だって名乗った記憶は無いぜ?
  俺はただの炎使い、剣だって術の一部、バリエーションの一つさ」

ブレイド「なるほどな・・・、ならば、俺がダメージを食らうのも道理か・・・」

焔「そら、グダグダ言ってねェで続きだ、行くぜ!」

ブレイド「ふん、たった一合で調子づくな人間!」

焔「人間を甘く見んじゃねぇよ機族!」

火炎N「一合打ち合うたびに剣が爆ぜる、が、剣戟は一時も止まらない」

ブレイド「ちぃ、鬱陶しい!飛べ!」

焔「ハン!そんな軽い振りで飛ぶかよ!」

ブレイド「ぐっ!?」

焔「そら2発目だ、うらぁ!」

ブレイド「がぁっ!ッく、なぁめるなぁ!」

焔「よっ、無駄だッつうの!いくら勢いつけようと爆発に勝てるかよ!」

ブレイド「ちぃ、賢しい人間が、ふっ!」

火炎N「大きく後ろに飛び、ブレイドが距離をとる」

焔「ふん、ずいぶん弱腰じゃねぇか、偉そうな割に大した事ねぇなぁ」

ブレイド「貴様こそ、ここで追撃しないのは愚か者のすることだぞ、
     せっかくのチャンスを不意にしたな?」

焔「あぁ?」

ブレイド「ソードビット、ランスビット・シュート!行けぇ!」

焔「フレイムウォール・バーン!・・・はぁ、舐めてんのお前?
  もうちょっとマシな攻撃して来いよ」

ブレイド「ぐ、ならばこれで、ガンビット・シュート、てぇええええええ!!」

焔「火力勝負で勝てると思うなよ!おぉらぁ!」

ブレイド「なっ!?術式無しでその威力だと・・・、うぉおおおおおおお!?」

焔「はぁ・・・はぁっ、見たかよ・・・っ!?」

ブレイド「ぐ、うぅ・・・、まだだ・・・、まだ終わらん・・・・」

焔「ちぃ、まだ立つのかよ、いい加減、沈めよ!」

ブレイド「っ、がっ!」

焔「これなら・・・・、っ!? なんでだ、なんでまだ立てるんだよ!?」

ブレイド「貴様なんぞに、貴様なんぞに分かるかよ・・・」

焔「なん、だと・・・?」

ブレイド「貴様のような青臭いガキに分かるかよ!
     目の前で我が子を陵辱され、殺された父親の気持ちが!」

焔「っ!?」

ブレイド「泣き叫び、許しを請い、助けを求める我が子に何もしてやれぬ屈辱、
     そして、憎しみ・・・、貴様のようなガキに分かっ・・・・」

焔「分かってたまるかよそんなもん!」

ブレイド「っ、開きなおるか貴様ぁ!」

焔「知らねぇよ、知りたくも無いねそんな感情!一生味わってたまるかよ!
  想像もしたくねぇ・・・、あいつが、そんな目にあってるのに、何も出来ないなんて・・・」

ブレイド「は・・・ぁ、ぐ、はぁあああ!」

火炎N「ブレイドは焔の喉元に切っ先を突きつける」

ブレイド「はぁ・・・はぁ・・・、敵に、同情して・・・」

焔「同情なんかじゃねぇよ・・・、なんでか、悔しさが、涙が溢れて来るんだよ・・・」

ブレイド「なっ・・・、何故貴様が泣く・・・、答えろ人間!」

焔「分からねぇ、けど・・・、けど!心がざわつくんだよ!それに似た感情を俺は知ってるんだ!
  そんな事、見たことも聞いたことも考えたこともねぇのに・・・」

火炎N「しばらく沈黙が続き、頬を伝った焔の涙が、切っ先に落ちる」

焔「やれよ・・・」

ブレイド「・・・・何?」

焔「お前がここにいる理由とさっきの事はつながらねぇけど、それが原因なんだろ?
  でもさ、あそこには、親友がいるんだ、大切な人が・・・いるんだ・・・」

ブレイド「・・・・・・・・・・」

焔「だから、俺が代表になってやる、俺で、終わりにしてくれ・・・」

ブレイド「・・・・・・・お前、名前は?」

焔「・・・・焔だ」

ブレイド「焔、か、しかと聞き届けた、お前に免じて邪学は切り捨てずに置いておく」

焔「あぁ、悪いな・・・」

ブレイド「・・・では、いざ!」

火炎N「ブレイドは剣を一度天に向け、袈裟切った」 袈裟切(けさぎ)った

焔M「火炎・・・・ごめん・・・・」

火炎「あ・・・、あぁ・・・焔・・・、ほむらぁああああああああ!!」

焔N「やっとの所で人ごみを抜け出した火炎は、焔から赤い血が噴出すのを見ると同時に、駆け出した」

火炎「ウィップ・オン!あぁああああああああ!」

ブレイド「ぐ、づぅ!」

焔N「火炎の鞭はブレイドの腕を絡め取り、捕らえた」

火炎「よくも・・・、よくも焔を!」

ブレイド「ぐ、ぅ・・・、お前が・・・、そいつの、焔の想い人か・・・」

火炎「ウルサイ!あんたには関係ないでしょ!? 返してよ、焔を、私の全てを返してよぉ!」

ブレイド「落ち着け、殺してはおらん、重傷には変わらないがな」

火炎「え・・・、焔っ・・・、本当だ、まだ息してる・・・」

ブレイド「ここの校医は世界一なのだろう?さっさと連れて行くといい」

火炎「言われなくても分かってるよぉ!お願い、誰か、誰か手を貸して!」

ブレイド「チッ、まだ情を掛ける程に心の余裕があったとはな、我ながら甘いな・・・」

焔N「そう呟くと、ブレイドは踵を返す」 踵(きびす)

火炎「待って!あなた、ここに・・・、何をしに来たの?」

ブレイド「自分でも分からん、・・・そうだな、しばらくこの街にいる、
     その間ならリベンジや復讐も受け付けよう、ではさらば・・・」

火炎「あっ・・・、もぅ、一体・・・何なのよ・・・」

火炎「この後、氷雪たちの手を借りて焔を保健室まで運んだ・・・、
    先生曰く、命に別状は無いけど絶対安静、意識を取り戻すには
    少し時間が掛かるとの事・・・、でも、生きてて本当に良かった・・・
    でも、空ちゃんの言ってたこともあるし、この先が凄く不安だ・・・」


焔「次回予告」

火炎「大きく動き始めた日常、音を立ててヒビが入る私の箱庭・・・」

ブレイド「日常という名の箱庭を壊された者の宿命は・・・」

焔「次回 箱庭の世界で 第十一話 邂逅」

火炎「この世界の裏で蠢く闇の存在を知る・・・」 蠢く(うごめく)

とぅーびー・こんてにゅーど


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・