闇ツ世界 第三話 『鼓動といくつかの不響』
♂御堂 玲一(ミドウ レイイチ):22歳。
人の視界と聴覚を盗み見る能力を持つ異能者。
倒錯した異性への愛情から『ウィジ』に手を出した結果、人の視界を盗み見る(ピーピング)能力を得た。常におどおどとしている。しかし、欲望には忠実。故に倒錯し、反道徳的なことにも平然とやってのける。
♀生駒 穂乃華(イコマ ホノカ):15歳。
物腰柔らかに喋るが、非道な事を平気でやってのける人物。他の人とは違い産まれた時より異能の力を保持していた。(母親が妊娠時に『ウィジ』を服用したため)そのため忌み者として扱われてきた。能力は火炎。武器を持たぬ代わりに両手に炎を纏い篭手として扱う。
♂ジャック:見た目20歳前後。
不気味な雰囲気を持つ人物。本名不詳。見た目は人付き合い良さげな人物だが、その内面は冷徹が服を着たよう。仲間であろうと切り捨てる時は切り捨てる。能力は遮断。
御堂 玲一(ミドウ レイイチ):
生駒 穂乃華(イコマ ホノカ):
ジャック:
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(携帯電話で話すジャック)
ジャック:……そう。準備できたんだね?ありがとう。次の合図まで待機してて。……うん、そう。見せたいんだ。いろんな人にね。じゃ、また後で。
玲一:えっと…失礼します。
ジャック:うん、そろそろ来ると思ってたよ。いらっしゃい。御堂くん。
穂乃華:闇ツ世界 第三話 『鼓動といくつかの不響』
玲一:えっと、あなたが僕を?
ジャック:そう、君に協力して欲しいんだ。あ、そうだ。自己紹介しなくちゃね……ジャックって呼んでよ。それで通してるから。
玲一:は、はぁ?えっと、その…ジャックさん。僕を呼んだ用件って何です?
ジャック:さん付けじゃなくても良いのに。まぁ、そうだね。君に協力してもらいたいのは他でもないよ。この国をひっくり返すのを手伝ってくれないかな?
玲一:それって…。
ジャック:うん。テロ。そして、クーデター。
玲一:そんなことして、どうするつもりなんですか?
ジャック:もちろん、この国を変える。
玲一:馬鹿げてる。
ジャック:そうだろうね。でも、考えてみなよ。ちょっとしたきっかけで飲んだ一錠で立場は変わってしまう。今までどこにも居た一般人が飲むだけで犯罪者となる。
何もしていないのに囚われ、身の危険に怯えなくてはいけない。
君は今僕に「馬鹿げてる」と言ったが、こちらの世界の方が馬鹿げては居ないかい?
玲一:それは…。
ジャック:だから僕は仲間を集めてる。それは、ゆっくりとだけど着実に進んでいる。そして今日……始まる。
(爆発音)
玲一:なっ!?爆発!?
ジャック:見えるでしょ?このビルからも十分に。
今、爆発したのはね、市役所、警察署、それにショッピングモールでしょ?
あと、ガソリンスタンドに学校。これだけやれば気付くでしょ。「クガタチ」も。
玲一:その、クガタチって…
穂乃華:簡単に説明します。
玲一:君は…さっきの。
穂乃華:先程ぶりですね。御堂 玲一。……「クガタチ」というのは私たちを押し潰そうとするこの国家の狗。この国の暗部。そして、私たちの敵。
玲一:暗部…。
ジャック:お帰り。穂乃華。状況はどうだい?
穂乃華:すべて滞りないです。それで、ジャック。こちらはどうなりましたか?
ジャック:返事待ちだよ。さぁ、一緒に壊さないか。僕らが潰されない、心地よい世界をつくるんだ。
玲一:……ゲームみたいだ。
ジャック:そう?うん。そうかもね。でも、これは現実。人は死ぬし、自分ももしかしたら死んじゃう。でも、僕はやるよ?どんな手段を使ってでも僕らの存在を世界に認めさせる。例え人を100人、200人、いやもっと殺してでもっ!僕は僕らを排除するものを許さない。
玲一:は、ははははっ!すごい、すごい!
ジャック:気に入ってくれたみたいだね。それで、答えは?
玲一:こんな事、できるなんて…。前からこんなのが見たかった…。トリハダがたってる…。面白そうだ。すごく、すごくっ!
ジャック:参加決定。だね?
玲一:こんな楽しそうなことに参加できないなんてつまらない。ああ、ぞくぞくしてきた。
穂乃華:……二重人格?
ジャック:いいじゃないか。これで仲間がまた1人増えた。さて、他のみんなにも紹介したいんだけど。今日は時間もないし、また今度にしよう。穂乃華。下まで送ってあげて。
穂乃華:はい。では、行きましょう。
(穂乃華・玲一 退場)
ジャック:クククッ…。ハハハハハッ!僕の思い描く世界にこれで近づけるっ!そのためには、まだまだ手数(てかず)が足りない。さぁ、遊ぼう。みんなで!
玲一:次回の闇ツ世界は、
穂乃華:すべてを呑み込もうと、動き出す闇。
ジャック:お楽しみの対局は、まだまだこれから。
玲一:闇ツ世界 第四話「空(から)の盤上」
ジャック:さ、早く狂おう。そして踊ろう!みんなで!
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