アウトライン サイドアイン 第四話『殲滅任務』

エドガー♂ 23歳 寒冷地帯にある大国、カルテツォーネの正規軍に所属する剣士、階級は准尉。
はっきりした性格で一度熱くなるとブレーキが効き辛い。
ジャスティス♂ 20歳 ダイブインシステムを利用したMMORPG『ツヴァイト・ヴェルト』のプレイヤー。
種族はフィンスター(魔族)。
積極的に前に行き、やられる前に切り伏せる戦闘スタイル。表向きは強気。
エターナル♂ 16歳 ダイブインシステムを利用したMMORPG『ツヴァイト・ヴェルト』のプレイヤー。
種族はゲシュヴィント(小人)。
人のサポートをするのに長けていて、自身の戦闘は苦手。大人しいタイプ。
ヘンリエッタ♀ 23歳 寒冷地帯にある大国、カルテツォーネの正規軍に所属する弓兵、階級は准尉。
よく気が回り、穏やかな性格。戦闘では応用力が高く、きっちりこなす。
ブレイブ♀ 17歳 ダイブインシステムを利用したMMORPG『ツヴァイト・ヴェルト』のプレイヤー。種族はヒューマン(人間)
盾でしっかり防ぎ、剣で攻撃する堅実な戦闘スタイル。強気なロールだが根は優しい。


―配役表―


エドガー♂:
ジャスティス♂:
エターナル♂:
ヘンリエッタ♀:
ブレイブ♀:


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ジャスティス:「おい、次の任務って受けたか?」

エターナル:「受けた受けた」

ブレイブ:「でも、なんかこの任務あんまりやりたくないね」

ジャスティス:「とある村の殲滅、だろ?人間のモブとやりあうのお前苦手だもんなぁ」

ブレイブ:「しょうがないじゃない。ゲームって分かっててもリアルなんだもの」

エターナル:「そこはブレイブの良い所でもあるけどね」

ジャスティス:「お?意外にここから任務地近いぜ?」

エターナル:「ホントだ!じゃ、最後にこれだけやって落ちようかな」

ブレイブ:「え?エタ落ちちゃうの?」

エターナル:「そんな顔すんなよ…親父に家の手伝いしろって言われてんだよ」

ジャスティス:「さぼっちまえ!」

ブレイブ:「そ、それはダメだよ」

ジャスティス「しょうがねぇなぁ」

エターナル:「ごめんって、その代わりこの任務は頑張るからさ!」

ジャスティス:「はいはい、んじゃ、気張っていきますか」





エドガー:アウトライン サイドアイン 第四話『殲滅任務』







ジャスティス:「ちぇ、こいつもドロップ無しかよ、やっぱりバグかねぇ」

エターナル:「自分で懐漁れって事じゃない?・・・・ほら」

ブレイブ:「それでも2Kくらい?設定ミスかな?」

ジャスティス:「リアルさ追求するのも良いけど、死体から漁るのはめんどくさいなぁ」

エターナル:「ん?敵反応?」

ブレイブ:「っ、ブレイブシールド!」

ジャスティス:「ほほぅ、こいつはまだボスじゃなかったって事か、油断してたぜ」

エターナル:「なるほど、それならドロップ量も納得だね」

エドガー:「テメェらか・・・・」

ジャスティス:「は?」

エドガー:「この村をこんなんにしたのはテメェらか!」

エターナル:「会話も凄い迫力…」

ブレイブ:「けど、ちょっと怖いよ…」

ジャスティス:「あぁそうだ、俺たちの受けた依頼は殲滅だからな、
        もちろんお前たちも例外じゃないぜ、目の前に現れた以上は殺さなきゃならない」

エドガー:「依頼?金の為にみんなを殺したって言うのかよ、絶対許さねぇ!うぉぉおおおおおお!」

ブレイブ:「来るよ!」

ジャスティス:「あぁ、ブレイブ、エタ、サポート頼んだぞ!」

エターナル:「気をつけてねジャスティス!」

エドガー:「正義?ふざけるな、貴様のやってる事が正義だとでも言うつもりか!」

ジャスティス:「つけた名前と遊びでやってる事違っても誰も、文句なんていわねぇよ!
        行くぜ、ジャスティススラッシュ!」

エドガー:「くっ、遊びだと、殺しを遊びだと・・・・」

ジャスティス:「遊びだろ、バトルを楽しまなきゃなにで楽しめってんだよ!」

エドガー:「なっ・・・・」

ブレイブ:「チャンスね、ブレイブ・・・」

エターナル:「っ、危ない、はぁ!」

ブレイブ:「遠距離攻撃!?っ…でも場所は分かったわよ!」

エターナル:「アナリィズ!」

ヘンリエッタ:「くっ、やっぱり小細工じゃ駄目ね、マグナムブレッド!」

ブレイブ:「ブレイブシールド!へぇ、ソルジャーとアーチャーの二人組か、これは強敵ね」

エターナル:「解析…出来ない!きっとこいつらがクエストボスだよ!」

ジャスティス:「よっし、今度こそいい物落とせよ!」

エターナル:「僕も何か盗れるか試してみる」

ブレイブ:「エタからだとかなり格上になると思うから気をつけて」

エターナル:「大丈夫、引き際はちゃんと見極められるから」

ヘンリエッタ:「何こいつら、本当にこんな残酷な事やった人間・・・?」

エドガー:「殺しをゲームとしてしか見てない奴らだ、上っ面に騙されるな」

ヘンリエッタ:「・・・えぇ、分かったわ」

エドガー:「エッタは敵のアクションを止めてくれ、俺が潰す!」

ヘンリエッタ:「了解」

ブレイブ:「大技で一気に削るわ、ブレイブブレイ・・・・」

ヘンリエッタ:「クイックサポート!」

ブレイブ:「っ、ブレイブシールド、あぁもぅ!エタ、アーチャーの動きを止めて!
      鬱陶しいったらありゃしない!」

エターナル:「了解!」

ジャスティス:「エタで大丈夫か!?俺もそっちに…」

エドガー:「てめぇの相手はこっちだよ!うぉらぁ!」

ジャスティス:「くっ、邪魔くさい・・・!そんなに死にたきゃお前からキルしてやんよ!」

エターナル:「大丈夫だから、ジャスティスはそっちに集中して!シュネルシャッテン!」

ヘンリエッタ:「なっ、速い!?」

エターナル:「それ!」

ヘンリエッタ:「この距離じゃ仕方ないわね、はぁ!」

エターナル:「っ、このアーチャー短剣まで!」

ブレイブ:「よし、今なら、ジャスティス、ちゃんと避けなさいよ!ブレイブ・・・」

ジャスティス:「おぅ!って、おま、放せよ!」

エドガー:「あぁ、そんなに放して欲しけりゃ、放してやるよ」

ジャスティス:「へっ、うぉ、ちょ、待てって投げんなよ!?フリじゃないぞ!投げんなよ!?」

エドガー:「そぅら!」

ブレイブ:「ブレイド!ってえぇ!?」

ジャスティス:「うわぁぁぁあああああああ!」

エターナル:「ジャスティス!」

ヘンリエッタ:「よそ見してる暇なんてないわよ」

エターナル:「っ、まず、シュネルシャッテン!」

ヘンリエッタ:「くっ、なんであの体勢から高速移動に移れるのよ、ありえないわ」

エドガー:「っと、大丈夫か、エッタ」

ヘンリエッタ:「えぇ、大丈夫、あいつ、身のフリは凄いけど戦闘技術はかなり甘いわ、私での剣でもなんとかなる」

ジャスティス:「っ!なんだ、これ・・・・!」

エターナル:「だ、大丈夫!?」

ジャスティス:「悠希・・・!回復、早く回復して・・・・!」

ブレイブ:「う、うん、レーベン!」

ジャスティス:「はぁ・・・はぁ・・・、これもアプデのせいか・・・!前はこんなに痛くなかったハズだぞ!」

ブレイブ:「う、動けそう?」

ジャスティス:「あぁ、このクエクリアしたら一回落ちようぜ・・・」

ブレイブ:「そうだね、なんか怖いし」

ヘンリエッタ:「ねぇエド」

エドガー:「なんだ?」

ヘンリエッタ:「あいつら、戦闘慣れしてないんじゃ・・・」

エドガー:「かもしれん、もしかすると今まで自分と同レベル、それ以上の敵と戦ったこと無かったか」

ヘンリエッタ:「そんな事ありえるのかな、それで強くなれると思わない」

エドガー:「あり得たんだろう、偶然だ、だからこそ、ここでやらなきゃもっと酷い事になる」

ヘンリエッタ:「同感」

エターナル:「それじゃあ気を取り直して行こう」

ブレイブ:「うん!」

ジャスティス:「・・・・・やっぱ逃げようぜ、俺、もう痛いのやだよ」

ブレイブ:「えぇ!?」

エドガー:「畳み掛けるなら今だな、行くぞ」

ヘンリエッタ:「了解」

ジャスティス:「ひっ」

ブレイブ:「くっ、ブレイブシールド!」

エターナル:「落ち着くまでジャスティスは休んでて!」

ジャスティス:「ご、ごめん」

エドガー:「エッタ!」

ヘンリエッタ:「分かってる、マグナムブレッド!」

ジャスティス:「な、なんでこっち狙うんだよぉ!?」

エターナル:「やらせない!」

エドガー:「お前は俺の足止めをしとくべきだったな」

エターナル:「あっ・・・!」

ジャスティス:「ひっ、く、来るな、来るなぁぁああああ!」

エドガー:「背を向けて逃げるくらいなら、最初からこんな事するんじゃねぇ!」

ジャスティス:「うぁあああああああ!」

エターナル:「ジャスティス!・・・・え、なに、今のメッセージ・・・」

ブレイブ:「え、嘘、やだ、冗談でしょ・・・・」

ヘンリエッタ:「様子が・・・・・?」

ブレイブ:「私確認してくる、アウト!・・・・なんで、アウト、アウトアウトアウト!なんでよぉ!」

ヘンリエッタ:「アウト・・・?離脱の術?でも確か違うスペルだったはず・・・・」

エターナル:「ブレイブ、落ち着いて!もしかしたらただのバグかもしれないから・・・」

ブレイブ:「落ち着けるわけないじゃん!お兄ちゃん死んじゃったかもしれないんだよ!?」

エドガー:「死んだのは自分のせいだろうが!」

ブレイブ:「ひっ」

エドガー:「人をこれだけ殺しといて自分は平気だと思うな」

ブレイブ:「まって、やだ、こないで・・・」

エドガー:「お前もか・・・」

ブレイブ:「誰か、誰か助けてぇ!」

エターナル:「ブレイブ!」

エドガー:「逃がすかよ・・・!」

ブレイブ:「パパママ、神様ぁ!ごめ、ごめんなさいぃ、ゲームばっかりしてないでちゃんと勉強もするからゆるし・・・」

エドガー:「はぁぁぁああああ!」

エターナル:「悠希!」

エドガー:「後、一人だな」

エターナル:「嘘だろ、死ん・・・だのか・・・・?」

エドガー:「死んだんだよ、お前らが町の皆を殺したのと一緒だ」

エターナル:「知らない、わかんないよ、だって、だってただのゲームじゃないか!」

エドガー:「ガキが、てめぇもすぐに・・・・」

ヘンリエッタ:「エド、待って!」

エドガー:「っ、なんだエッタ!」

エターナル:「い、今の内に・・・・」

エドガー:「あっ、待て!」

エターナル:「っ!シュネルシャッテン!」

エドガー:「クソ、エッタ!何で邪魔した、逃がしちまっただろ!」

ヘンリエッタ:「あの態度見てておかしいと思わなかったの?」

エドガー:「頭の中子供のまま大人になった馬鹿がびびってただけだろ」

ヘンリエッタ:「そうかもしれないけど、それだけじゃない気がする」

エドガー:「けど俺たちの町をこんなんにした殺戮者だぞ!」

ヘンリエッタ:「・・・・・そう、だけど、けど」

エドガー:「もういい、分かった、お前がそういうならなんかあるんだろう、
      逃げちまったもんはどうしようもないしな」

ヘンリエッタ:「ごめん・・・・」

エドガー:「いいって言ってるだろ、それよりも応援を呼ぼう、このままにはしとけねぇ」

ヘンリエッタ:「そうだね、次の指示も貰わないと」










エターナル:「うそだ…うそだうそだうそだうそだうそだ!ありえない!!ジャスティス!」

ジャスティス:『ひっ、く、来るな、来るなぁぁああああ!』

エターナル:「ブレイブ!」

ブレイブ:『誰か、誰か助けてぇ!』

エターナル:「アウト!アウトアウトアウトアウトアウト!!!くっそ、なんでログアウト出来ねぇんだよ!
       なんで俺だけ…なんで!!!!」








エドガー:『次回予告』

ヘンリエッタ:世界を襲った異変、それは徐々に形付いていく

エターナル:彼らの目の前に突きつけられるのは、更に過酷な現実

ブレイブ:次回 アウトライン サイドアイン 第五話『約束』

ジャスティス:俺たちの正義…お前に託すぜ…





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