堕ちてゆく

ロイ♂ 
ウォルト♂
エレノア♀
シンシア♀


ロイ♂:
ウォルト♂:
エレノア♀:
シンシア♀:


ロイ「っ・・・・・、ここ、は・・・・?」

ウォルト「目が覚めたか、ロイ」

ロイ「その声は、ウォルト!テメェ!づっ、なんだ・・・、鎖に・・・・?」

ウォルト「忘れたか、私達の罠にかかり、気を失った事を」

ロイ「それでこのザマかよ、情けねぇ・・・・」

ウォルト「心配するな、確かにお前は捕虜となった、だが一人では無いぞ、なぁ、シンシア?」

シンシア「えぇ、そうですね、ウォルト様」

ロイ「なっ、シンシア、なんでお前がウォルトと一緒に!?」

シンシア「ごめんね、ロイ、私、どうしても欲しいものがあったの、
     それは、貴方と一緒にいては手に入れられない物だったから・・・」

ロイ「なんでだよ、相談の一つくらいあってもよかったじゃないか!」

シンシア「しても、してたとしても、無理だったから、いいの」

ロイ「なんだよ、それ・・・」

ウォルト「さて、感動の再会はそれまでにしておこう、
     ロイ、お前は自分の異変に気付いてるか?」

ロイ「異変?」

ウォルト「いつもより怒りや憎しみが深いと思わないか?」

ロイ「どういう事だ」

ウォルト「質問をしてるのは私だ、深いとは思わないのか?」

ロイ「だからどういう事だって聞いてんだよ!」

シンシア「落ち着いてロイ、その言葉の通りなの、貴方はね、改造されてるのよ」

ロイ「改造・・・・?」

ウォルト「負の感情を増幅し、主、即ち私達以外を敵と見なす様にな」

ロイ「なんだって・・・・?」

ウォルト「そういえば、シンシアよ」

シンシア「なんでしょうか?」

ウォルト「エレノアをここに呼んであるのだったな?」

シンシア「えぇ、後数分で到着するかと」

ロイ「おい、まさか・・・・」

ウォルト「恐らくそのまさかだ、お前にはこれから、エレノアを殺してもらう」

ロイ「っ、ははっ、俺が、俺があいつを殺す訳がないだろ、いくら改造されてようと、
   好きな奴を自分の手で殺すなんてありえねぇ!」

シンシア「それじゃ、精一杯抗って見せてよ、貴方の思いを私に見せて」

ロイ「あぁ、見せてやるよ、俺は絶対、あいつを守ってみせる」

エレノア「はぁ・・・はぁ・・・・、ロイ、大丈夫!?」

ウォルト「主賓の登場だな、ようこそエレノア」

エレノア「ウォルト・・・、約束通り一人で来てあげたわ、ロイはどこ?」

ウォルト「そこだ」

ロイ「エレノア、まさかお前一人で来たのか!?」

エレノア「ロイ!えぇ、一人で来れば貴方を無傷で解放してくれるって聞いたから・・・」

シンシア「相変わらず健気ね、エレノア、罠だと疑わなかったの?」

エレノア「え、その声・・・、シンシア、なんで貴方がウォルトと一緒に!?」

シンシア「ロイにも同じ事を聞かれたわ、流石は恋人同士ね、二回も話すの嫌なの、
     帰ってからロイから聞いて」

エレノア「シンシア・・・・、貴方は・・・・?」

シンシア「行かないわ」

エレノア「・・・・・・約束よ、ロイを開放して」

ウォルト「あぁ、約束通り開放しよう、シンシア」

シンシア「はい、ウォルト様」

ロイ「いっつ・・・」

エレノア「大丈夫!?」

ロイ「大丈夫だよ、ずっと同じ体勢で体が堅くなってるだけだ・・・」

ウォルト「さて、敵は全て殺してもらおうか」

シンシア「聞こえた?敵は、全て、殺すのよ」

ロイ「っ・・・・・」

エレノア「どういう、事?なんで貴方たちがそれを・・・・?」

ロイM「敵は・・・・、殺す・・・?敵って誰だ、敵・・・・?」

エレノア「ロイ・・・?ねぇ、大丈夫?」

ロイM「エレノア・・・・、違う、違う、けど、敵?でも殺したくない、エレノアは敵じゃない」

エレノア「ね、ねぇ、ロイ?」

ロイ「ダメだ、止められ、ない・・・、逃げろ・・・・」

エレノア「え?」

ロイ「俺から逃げろ、エレノア!」

エレノア「え、きゃあ!?」

ウォルト「ふっ、よく避けたな、流石はといった所か」

エレノア「ロイ、これはどういう事なの!?」

ロイ「ごめん、気を失ってる間に改造されたらしいんだ、
   俺の意思じゃ、止められない、お前を殺したくない、だから、逃げてくれ、エレノア!」

エレノア「そんな・・・・、イヤよ、貴方を置いて逃げるなんて絶対イヤ!」

ウォルト「美しいな、だが、美しいからこそ壊れる時がより栄えるのだ、
     さぁ、やってしまえ!」

シンシア「のろけなんてもうお腹一杯よ、敵を殺して、ロイ!」

ロイ「嫌だ、やめろ、止まってくれ、俺の体止まってくれ!
   エレノア、お願いだから逃げてくれ!」

エレノア「無駄よ、貴方が強い事、私が誰より知ってるもの、逃げても、きっと無駄、
     それに、貴方に殺されるなら、敵に負けるのより、ずっと良い最期よ」

ロイ「っ、やめろぉぉぉぉおおおおおおお!」

ウォルト「ククッ、あっははははは!改造は確かに大成功だったようだな、
     ここまで事が上手くいくと笑いが止まらないよ、あっははは!」

ロイ「くっ、テメェ、ふざけんじゃねぇぇぇえええええええ!」

ウォルト「なっ、ぐぅ!?」

ロイ「ウォルト、テメェさえいなけりゃ!」

ウォルト「ごぶっ、や、やめっ・・・」

シンシア「ロイ、ステイ」

ロイ「っ、手が、動かなく・・・・?」

ウォルト「ぐっ・・・・、これは、どういう、事だ・・・」

シンシア「まだ気付かないの、ウォルト、ロイが殺そうとしたという事は、貴方も敵なのよ」

ウォルト「なっ・・・・!では・・・・・!」

シンシア「そう、彼の主は私、主以外は、敵、じゃあウォルト貴方は?」

ウォルト「ま、待て・・・・!こいつを手に入れられたのは誰のおかげだと・・・!」

シンシア「それに関しては感謝してるわ、でも、貴方は、イラナイ」

ウォルト「やめ・・・・!」

シンシア「殺して」

ロイ「うぉぉぉぉおおおおおおおお!」

ウォルト「ぐぁぁぁああああああああああ!」

ロイ「はぁ・・・・・はぁ・・・・・」

シンシア「良い子・・・・、敵はいなくなったわ、休んでいいのよ・・・・」

ロイ「なぁ、シンシア・・・・・?」

シンシア「なぁに、ロイ?」

ロイ「お前が欲しかった物って・・・・」

シンシア「えぇ、そうよ、やっと気付いてくれた?愛しい愛しいロイ」

ロイ「こんな、やり方・・・・、一言話してくれたって・・・・」

シンシア「ダメ、イヤ、貴方の心の中にはいつだってエレノアがいた、
     私は、私だけを見てくれなくちゃイヤだったの」

ロイ「こんな事して、お前の事、好きになれると思って・・・・」

シンシア「ロイ」

ロイ「な、なんだよ・・・・」

シンシア「貴方には、もう私しかいないの、私以外はみんな敵、私の言う事には逆らえないの」

ロイ「ふざけるな!体は自由に出来るかもしれないけど、心まで通じてなきゃ本当じゃないだろ!?」

シンシア「ロイ」

ロイ「だからなんだって言ってるだろ!?」

シンシア「愛してるって言って?」

ロイ「そ、そんな事、言える訳が・・・・」

シンシア「言って」

ロイ「あ・・・・・、い、愛してる・・・・」

シンシア「私もよ、ロイ、愛してる」

ロイ「なんで、こんな・・・・・」

シンシア「キス、して?」

ロイ「っ・・・、ん・・・・」

シンシア「ちゅ・・・・、ふぁ、ふふっ、ほら、全部、なすがまま」

ロイ「こんな、バカな事が・・・・・」

シンシア「貴方は私のもの、私も貴方のもの、ね、ロイ・・・・?」

ロイ「あ・・・・、あ・・・・・・」

シンシア「愛してるわ、ロイ、貴方も、私のこと、愛してるよね・・・・?」

ロイ「アイ、シテルヨ、シンシア・・・・」

シンシア「ふふっ、ロイ、やっと手に入れた、ロイ・・・・・」



とぅーびー・こんてにゅーど


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w