『物玉探偵事務所~メリーさんの電話~』
[ 所要時間:約??分 ]
《 キャラクター 》
三上 歩 ♂(みかみ あゆむ) …物玉探偵事務所の探偵 年齢不詳
仏田 蓮華 ♀(ほとけだ れんげ)…女子高校生
マリア ♀
メリー ♀
*物霊…ものだま
(詳しい設定は小説を書きます…たぶん)
三上♂:
仏田♀:
マリア♀:
メリー♀:
SE:足音
仏田「えーっと…。ここかな?…でもここ廃ビルだよね…?」
SE:扉をノックする音
仏田「…おかしいなぁ…。留守なのかな…?」
SE:ドアノブ音
仏田「うわ、鍵開いてるし…。無用心だなぁ…。あのー!すいません!勝手に入っちゃいますよー!」
仏田「返事もない…。うんっ!お邪魔しまーす!」
SE:転ぶ音
仏田「あたっ!何!?何につまずいたの…!?真っ暗だし…!と、とりあえず電気電気…!」
SE:電気を入れる音
仏田「なっ、なんじゃこりゃああ!」
三上「人の事務所に勝手に入って、何を騒いでいるんですか?」
仏田「へっ?あ、えっ…いや、その…。」
三上「買い物から帰って来たら知らないお嬢さんが一人で私の事務所で…」
仏田「あ、あの…」
三上「…まさか!…依頼、ですか!」
仏田「あ…、はい!そうです!そうなんです!」
三上「あぁ!やっぱりそうでしたか!そうだと思っていたんです!」
仏田「…やっぱりって思いっきり疑ってたじゃない」(小さい声)
三上「そんなことありませんよ?最初からわかっていました。…ようこそ、物玉探偵事務所へ、私は探偵の三上歩です」
どうぞお上がりになってください」
仏田「…聞こえてるし…。どうぞお上がりになってくださいって…。足の踏み場もないんですけど!」
三上「おや、そうでしたか」
マリア(タイトルコール)『物玉探偵事務所~メリーさんの電話~』
三上「ここら辺をこうすれば…!よし、どうぞお座りになってください」
仏田「は…はぁ…。失礼します…」
三上「それで今回はどのような依頼で?」
仏田「…えーっとですね。まず、この部屋に突っ込みを入れたいんですけど…」
三上「…それで今回はどのような依頼で?」
仏田「…。…実は、夜中にかかってくる電話のことなんですけど…」
三上「…はい」
仏田「毎晩決まった時間に電話がかかってくるんです…。
それに、毎回場所を言うんですけどその場所が段々近づいてきて…。」
三上「またですか…。…貴方最近"人形"捨てませんでしたか?」
仏田「え?人形ですか?…確か…捨てたような気がします…」
三上「ふむ…。…"メリーさんの電話"って話知ってます?」
仏田「…確か、人形を捨てた子の所にその人形が復讐しにくるっていう…」
三上「…えぇ、貴方の話を聞く限り"メリーさん"でしょうね。」
仏田「え!?だって"メリーさん"は都市伝説っていうか、おとぎばなしっていうか…!」
三上「その通りですよ。確かに"メリーさん"は都市伝説であり作り話です。」
仏田「じゃあなんで"メリーさん"なんですか!?もしかしたら誰かの嫌がらせかも知れないじゃないですか!」
三上「いや、それはないです」
仏田「なんで言い切れるんですか!そもそも、"メリーさん"なんてこの世に居るわけないじゃないですか!」
三上「まぁまぁ、落ち着いて。えーっとね…君は、幽霊を信じるかい?」
仏田「いきなり話が変わるんですね…。見たことはないですけど…いるんじゃないかなぁぐらいには思ってますよ」
三上「じゃあ信じてもらいやすいかもしれないね。
幽霊ってものは亡くなった人の強い想いの塊なんだよ」
仏田「それが"メリーさん"と何の関係があるんです…?"メリーさん"は幽霊じゃないんですよね?」
三上「そう、"メリーさん"は幽霊じゃない。幽霊は亡くなった人の想いだからね。
それとは別に、人間が物に対して強い想いを持ち続けたりすると物に魂が宿ることがあるんだ。
僕達はそれで動く物のことを"物霊"と呼んでいるんだよ」
仏田「そんなの信じられませんよ…」
三上「まぁ…そうだよね。証拠を見せるしかないんだけど…うーん…」
仏田「証拠?」
三上「まぁ、いいかな…。そこにあるフランス人形を触ってみてくれるかい?」
仏田「フランス人形?…この子ですか…?」
フランス人形に触る仏田
マリア「くすぐったいわね!何処触ってるのよ!」
仏田「うわ!動いた!喋った!」
マリア「何よ?さっき説明受けてたじゃない。メリーみたいなヤツと一緒にされるのは嫌だけどメリーみたいなもんよ」
仏田「え!うわー!可愛い!凄い可愛い!」
マリア「…うざい…。歩なんとかしなさい。」
三上「まぁ…。可愛いのはしょうがないとして、その人はフランス人形の"マリア"です。これでわかってもらえたかな?」
仏田「えぇ!わかりました!可愛いー!」
マリア「本当にわかってるのかしらこの子…」
三上「それで、君の電話の主がメリーさんだって証拠なんだけど…」
仏田「え?あ…あぁ!そうでした!何故メリーさんなんです?」
マリア「あたしが動けるからよ」
仏田「え?」
マリア「あたしはね、近くに"霊"がいると動けるのよ」
仏田「でもさっきまで動いてなかったじゃないですか」
三上「となると、そろそろ来ますね」
マリア「みたいね」
仏田「来るって何が来るんです?」
マリア「メリーよ」
SE:携帯電話のコール音
三上・マリア・仏田「…」
マリア「出なさい」
仏田「…もしもし?」
メリー「私メリーさん、今物玉探偵事務所の前にいるの」
仏田「…!」
SE:扉の勢いよく開く音
メリー「私メリーさん、今廊下にいるの」
仏田「ろ、廊下にいるみたいです…」
マリア「さて、あたしより可愛い人形だったらぶん殴ってやるわ」
三上「安心してください。マリアさんより可愛い人形なんてこの世に居ませんから」
マリア「変態は黙ってなさい」
SE:ノイズ音
メリー「私メリーさん、今…貴方の後ろにいるの」
仏田「…!」
マリア「ようこそいらっしゃいました。メリーさん?」
メリー「(小声)私メリーさん、やっと貴方のそばにこれたの」
マリア「あら、なかなか可愛いじゃない。あたしよりは可愛くないけどね」
仏田「どうすればいいんですか!メリーさんが来ちゃいましたよ!」
マリア「あんた…、ちゃんと話聞いてあげなさい」
メリー「私メリーさん、理解されないのが凄く悲しいの」
仏田「だって!だって…!」
三上「落ち着いてください。怖い話のように殺されたりはしません。もともとの話は殺されたりする描写はないんですよ」
仏田「え…?そうなんですか…?」
三上「たまに殺されかける人は居ますけどね」
仏田「え!ちょっと!?」
メリー「私メリーさん、殺したりなんかしないの」
マリア「よかったじゃない。歩、今回のメリーは大丈夫そうね」
三上「えぇ、私達の出番はなさそうですね」
仏田「私はどうすればいいんですか!」
マリア「話聞いてやんなさいって言ってるじゃない。ただ、それだけよ」
仏田「…わ、わかりました…。メ、メリーさん、どうしたんですか…?」
メリー「私メリーさん、貴方とずっと一緒にいれて楽しかったの。
捨てられた時は物凄く悲しかったの。けど、今までずっと一緒にいれて満足だったの。
怒ってないの、怨んでないの。ただもう少し側にいたかっただけなの。それを伝えたくてここまできただけなの。怖がらせてごめんなの。」
仏田「…え…」
マリア「ここまで人形に想われてるなんて、余程大事にしてたのねあんた。」
仏田「…はい。とっても大事にしてました…。」
三上「そんな人形を何故捨てたんです?」
仏田「…本当は捨てたくなかったんです…。…この子は3歳の時にお父さんにもらったんです。その後にすぐ父は亡くなってしまったんですが…。
母は私のために働き詰めで遊び相手はこの子だけでした。小学校に入って友達が出来なかった私は家に帰ってこの子と遊ぶだけの日々でした。
たまに母が新しい人形をプレゼントしてくれたりしましたが…やっぱりこの子が一番大事だった…。
マリア「じゃあなんで捨てたのよ?」
仏田「高校の友達が…。…捨てろって言ったんです。一番大事なものを捨てたら友達になってやるって…
悩みました。友達が欲しかったんです…。でも…ごめんね…ごめん…」
マリア「そんなことしてまで友達が欲しかったの、あんた最低ね」
仏田「…はい。最低なのはわかってます…でも戻ってきてくれてよかった…怨まれてなくてよかった…ごめんね…」
メリー「私メリーさん、私戻ってきてもいいの…?また蓮華の側に居てもいいの…?」
仏田「うん…!うん!ごめんね…もう捨てないから…何処にも行かないで…ごめんね…」
メリー「嬉しいの…」
マリア「一番大事な友達に気づかないなんてね。まぁ喋れなかったんだからしょうがないかしら」
三上「そうですね。喋れなくてもマリアさんは可愛いですけど」
マリア「あんたは喋れなくしてあげようか?」
三上「えぇ、是非」
仏田「…マリアさん、三上さん。本当にありがとうございました」
メリー「本当にありがとうなの」
三上「いえいえ。私達は何もしてませんよ」
マリア「そうよ、あたしたちは見てただけ。お礼なんていらないわ」
仏田「…後もう一つお願いがあるんですけど…」
マリア「なによ?」
仏田「…ここで働かせてください!」
三上「はい?」
仏田「…この事務所汚いし…何より楽しそうだし!」
メリー「なの!」
マリア「楽しそうってあんた…まぁ、あたしはいいけどね」
仏田「ダメですか…?」
三上「さり気なく汚いって言いましたね…。…まぁ…ちゃんと学校にも行くんですよ?」
仏田「はい!私、蓮華です!仏田蓮華です!よろしくお願いします!」
Written by お風呂
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