宮華学園:卒業式 夢見る2人の卒業式

篠島彰♂ (しのじまあきら) 3-I ハイテンション彼氏
東間都子♀ (あずまみやこ) 3-I ハイテンション彼女




彰「はぁー・・・、とうとう終っちゃったなぁ、卒業式・・・」

都子「とうとう終っちゃったねぇ、高校生活・・・・」

彰「楽しかったなぁ、宮華(きゅうか)学園・・・・」

都子「楽しかったねぇ、3年I組・・・・」

彰「なんてしんみりしてるの俺ららしくないからさ!ぐるっと見て回ろうぜ!」

都子「賛成!私たちらしく明るく校門を出よ!」

彰「さぁて、卒業式が終りまして俺たち、篠島彰と・・・」

都子「東間都子は南門、通称サブ門に集まってます!」

彰「いやぁ、遅刻しそうな時はこっち使ったなぁ」

都子「帰り急いでる時とかもこっち使ったよねぇ」

彰「正門だと不便だーって嘆いてる奴多かったよな」

都子「多かった多かった、私たちもその代表だもんね」

彰「家の方向的にどうしてもそうなるよ、こっちも普通に使わせてくれたらいいのに」

都子「それは違うよ彰!」

彰「え?」

都子「愛し合ってる二人がちょっっといけない事をこっそりする、それがロマンスなのよ!」

彰「おぉ!都子、もう俺たちを縛る物は何も無い、門を飛び出し夢の世界へランデブー!」

都子「あぁ彰、私を世界の果てまで連れて行って!」

彰「よぉし、まずは檻に挟まれた緑の楽園へ行こう!」

都子「またの名を中庭ね、素敵!」

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彰「さぁ着いたぞ、楽園に!」

都子「わぁ、とっても素敵な中庭!」

彰「いやぁ、こう改めて見るといい場所じゃないか、中庭」

都子「そうだね、ここだったら寝過ごす気持ちも分かるね」

彰「あぁ〜!いたいた!ここでしょっちゅう寝過ごしてるタメ年!」

都子「でもきっと不良だよ、学校来てるのに授業を寝過ごすなんて」

彰「いや、それが下級生の面倒もしっかり見るいい奴だったらしいぞ」

都子「嘘!?あ、でも聞いた事ある気がする、
   入学前の子を元気付けてそのまま仲良くなっちゃった的な噂!」

彰「入学前・・・・、中学生!?」

都子「もしかして・・・・?」

彰「まーさーかー・・・・?」

都子・彰「ロリコンだー!」

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都子「愛する二人が次に辿り着いたのは一縷(いちる)の希望、光・・・」

彰「砂漠の生命線、オアシスだな!」

都子「またの名をプールよ!塩素の匂いを感じるわ!」

彰「春だから水張ってないけどな!」

都子「思い出よ、匂いが思い出と一緒にプレイバックプレイバック!」

彰「よすんだ都子、俺達は18歳のはずだ、そのネタは年を疑われるぞ!」

都子「大丈夫よ彰、老若男女みんな知ってる名曲だわ!」

彰「それもそうだな、これを知らないなんて非国民だ」

都子「それは言いすぎよ」

彰「おっと、言い過ぎか、これはしまったなぁ」

都子「そう、プールと言えばこんな話は知ってる?」

彰「どんな話?」

都子「妖怪が出るらしいのよ、このプール・・・・」

彰「な、なんだって・・・・」

都子「しかも、現れるのは決まって生徒がプールを使っている間なの・・・」

彰「白昼堂々現れる妖怪か・・・、恐ろしいな・・・・」

都子「みんながぴちゃぴちゃ泳いでいると、アスファルトを、ひた、ひた、ひたと歩く音がするの」

彰「それでそれで・・・・?」

都子「気配を感じた子が覗くとね、てっぺんがぬめぬめ光ってて、お腹はでっぷり、毛むくじゃら、
   そんな気持ち悪い何かがね、女子の制服を着ていたんですってー!」

彰「それただの変質者やーん!で、実話?」

都子「ううん、今考えた創作」

彰「がっかりだよー!」

都子「でも面白かったでしょ?」

彰「あぁ、都子の作る学校七不思議は最高だな!」

都子「ありがとう!それじゃあ後六つ考えなきゃね!」

彰「よーし、俺も手伝うぜ!」

都子「ありがとう!それじゃ次の楽園へ行きましょう!」

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彰「ここは・・・・」

都子「ここは・・・・・」

彰「弓道場だな」

都子「弓道場だね」

彰「よし次に行こう次に」

都子「ちょっと待ったぁー!なんでそんなあっさりなの!?」

彰「いやだって、特別思い入れないしなぁ・・・・」

都子「それは、私だって特別無いけど・・・・」

彰「・・・・・そうだ!」

都子「なになに!」

彰「音楽室の怪知ってるか?」

都子「話飛んだねー・・・・」

彰「いいじゃん、今思い出したんだから!」

都子「じゃあ今からのお話を弓道場の思い出にしよう!」

彰「音楽室の怪が弓道場の思い出か、素敵だな!」

都子「素敵ね!」

彰「毎朝一時間くらい早く来ると、誰もいないはずの音楽室からピアノの音が聞こえるんだって」

都子「そうなの!?私そんな早く来たこと無いから分かんない!彰は聞いた事あるの?」

彰「まさかぁ、毎朝一緒に登校してただろっ」

都子「そっかぁ、それじゃ聞いた事ある訳ないよね!」

彰「そうだぞ、このお茶目さんめー」

都子「えへへぇ〜、それでそれで、その続きは!?」

彰「そう、ある朝からな、一緒にギターの音も聞こえる様になったらしい・・・」

都子「それはミステリーだね・・・」

彰「そして、チャイムが鳴ると同時に、音楽室から・・・・」

都子「ごくり・・・・」

彰「仲睦まじい男女が・・・・」

都子「怪でもなんでもなかったー!実話?」

彰「これは実話、聞いた話だけどね」

都子「うわー!怪談じゃなくても気になる話だなー!仲睦まじい男女!」

彰「俺たちの事だったりして?」

都子「それだと怪談だよぉぉぉおおおおおお!」

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彰「ここは、この学校で一番広い場所・・・・・」

都子「宮華の中心で、愛を囁く・・・・・」

彰「都子ぉぉぉぉぉおおおおお!大好きだぁぁぁぁぁぁあああああ!」

都子「彰ぁぁぁぁぁあああああ!大好きよぉぉぉぉぉおおおおおお!」

彰「ほら、みんながこっちを見てるぜ」

都子「きっと羨ましいのよ、私たちの事が」

彰「俺たちの愛は深すぎて忍ぶ事すら許されない・・・」

都子「なら見せ付けてあげましょう、私たちの愛を世界中に!」

彰「都子・・・・」

都子「彰・・・・・」

彰「続きは、誰もいない処にランデブーしてからにしようか」

都子「うん、流石に恥ずかしいね、これは・・・」

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彰「うん・・・・、卒業式の後とは言え、ちょっとはしゃぎ過ぎたな」

都子「でも、あれはあれでいい思い出だね、忘れられない日になりそう」

彰「いろんな意味でね」

都子「ねー」

彰「さてさて、逃げてきたここは、どーこだ?」

都子「テニスコートだね!」

彰「残すスポットも後二箇所だね」

都子「私たちの卒業式もクライマックスだね」

彰「あぁ、寂しくなるなぁ・・・・・」

都子「寂しくなっちゃうの・・・・?」

彰「都子は寂しくない?」

都子「んー、内緒っ」

彰「なんだよそれー」

都子「えへへっ、秘密だよ、テニスやってる時の彰、かっこよかったよ」

彰「っ、なんだよ、改まって」

都子「別に改まってないよー、いつもかっこいい彰が特別もっとスーパーかっこよかった所だもん」

彰「ほ、褒めすぎだって、照れるだろ・・・・」

都子「あぁー、顔真っ赤だよ」

彰「当たり前だろ!こんな・・・・、あぁもぅ!」

都子「ふふっ、彰かわいっ」

彰「男に可愛いはやめろよー」

都子「だって可愛いんだもん」

彰「うぅ・・・・、都子も、可愛いよ」

都子「うん、知ってる」

彰「なんだよそれぇー」

都子「ふふふー、なんでもないよー」

彰「よ、よし、次の場所行くぞ」

都子「はーいっ」

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彰「体育館・・・、さっきまであそこで卒業式やってたんだよな・・・・」

都子「私たちの卒業式も、もうすぐ終っちゃうよ」

彰「ここを過ぎたら正門か・・・」

都子「・・・・ねぇねぇ!祝辞の挨拶でこけた人面白かったよね!」

彰「ん、あぁ!あれは最高だったな!その後の挨拶も最高だった!」

都子「就職・進学を控えた方もいらっしゃるこの場で滑って段から落ちてしまい、
   誠に申し訳ございません!だってね!」

彰「笑い堪えるの大変だったっての」

都子「伊藤君とか顔面蒼白だったよね!」

彰「あいつな!まだ第一志望の結果来てないから神経質になってる所にあれだから」

都子「他にも辛そうな子何人もいたよね、わざわざトドメ刺すかのように口に出さなくてもいいのに」

彰「本当だよ、俺はもう進学決まってるから良いものをなぁ」

都子「凄いよね、スポーツ推薦で県外進出だもんね!」

彰「あぁ、ずっと頑張ってきた甲斐があるってもんだ!」

都子「私も応援してきた甲斐があるよ!」

彰「ありがとな、負けて落ち込んでる時とかも励ましてくれて、
  勝った時も一緒に全力で喜んでくれて、本当に嬉しかった」

都子「私にはそれくらいしか出来ないもん」

彰「それくらいな事あるか、都子がいたからここまで頑張れたんだからさ」

都子「彰・・・・」

彰「けど、都子はよかったのか?」

都子「ん、何が?」

彰「受験も就職もしないんだろ、なんかやりたい事とかなかったのか?」

都子「私が就職したいの、一つだけだから」

彰「え、どこも就活してなかっただろ?」

都子「ずっとスカウト待ってるんだ」

彰「もしかして・・・、芸能界?」

都子「ううん、違うよ」

彰「うぅーん、だとすると・・・・」

都子「ずっと待ってるんだよ、彰の隣で」

彰「俺の隣で・・・・?」

都子「もぅ、彰の鈍感」

彰「へ?」

都子「私は、彰に永久就職したいの」

彰「・・・・・それって」

都子「うん、私、彰と離れるのが嫌」

彰「なら、俺と一緒に来いよ」

都子「え?」

彰「あ、でもまずはご両親に確認取らなきゃか・・・・」

都子「彰ぁ!」

彰「っと、み、都子?」

都子「その言葉、ずっと待ってたんだよ?彰の合格決まってから、ずっと待ってたんだよ」

彰「ごめんな、気付いてやれなくて」

都子「本当だよ、鈍感なんだから・・・」

彰「それじゃ、これで都子も内定だな」

都子「入社式はいつ?」

彰「俺の入居日と同時、一緒に行こう」

都子「うん!それじゃ準備しなきゃね!」

彰「よし、今日は忙しいぞ!」

都子「家電屋さんと雑貨屋さんいかなきゃね!」

彰「卒業と同時に、新しい世界が開くぞ!」

都子「同棲生活楽しみ!」

彰「だな、まずは都子の家に挨拶に行かなきゃな!」

都子「うん!」





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こちらはコンピレーション企画の一つとなっております。
下のリンクが企画のサイトとなっております。
宮華学園HP http://space.geocities.jp/voice_act_scenario/kyuka_gakuen.html