絆の守り手 第一話
ノア♂
静かに見えるが、実はただ感情表現が下手なだけのタイプ。
レナード♂
飄々とした兄貴分。
リセル♀
強気だがリアリスト、そして乙女。
エレナ♀
優しくて心配性。
ノア♂:
レナード♂:
リセル♀:
エレナ♀:
ノア「これが、俺たちの失った物か・・・」
リセル「やっぱりここにいたか、ノア」
ノア「リセル・・・」
リセル「そうやって眺めていても、何にもならんぞ?」
ノア「分かっているさ、だがじっとしていろと言われた身だ、
これくらいしかやる事がないだろう」
リセル「あぁ、そうだな・・・、それもそうだ」
ノア「それに、ここからならば奴らの姿を一目見ることが出来るかもしれないからな」
リセル「ノア」
ノア「だから分かっていると言っている、飛び出したりなんてしない」
リセル「・・・・・・」
ノア「何も嘘は言ってないぞ?」
リセル「はぁ・・・、そうみたいだ、全く、ひやひやさせる・・・」
ノア「お前が心配しすぎるだけだ、
それよりも何か用があってきたんじゃないのか?」
リセル「っとそうだった、レナードとエレナが私の家に来ている、
私たち二人に用があるそうだ」
ノア「分かった、待たせてしまったな」
リセル「もう慣れっこだろう」
ノア「すまない、行こう」
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リセル「戻ったぞ、レナード、エレナ」
レナード「おぉー、おかえり!ノアは見つかったかねぇ?」
リセル「あぁ、予想通りの所にな」
レナード「それは良かった、相変わらずみてぇだなぁ」
ノア「悪かったな」
レナード「悪かったとは思ってねぇさ、なぁエレナ?」
エレナ「うん、安心した、久しぶりだね、ノア」
ノア「あぁ、久しぶりだな、エレナ」
リセル「積もる話があるのは分かるのだが、
まずは本題を済ませてからだ、
とりあえず座ってくれ」
ノア「あ、あぁ、すまない」
レナード「リセルも相変わらずじゃねぇか」
リセル「1、2年じゃそんなに変わらないさ」
レナード「それもそうだ、これも、生きてるから言えるこったな」
エレナ「そう、だね」
リセル「・・・その反応だと、あまり芳しくはなかったんだな」
レナード「・・・あぁ、その通りだ、どこ行っても人っ子一人いやしねぇ」
ノア「クライブも、か」
レナード「エリオットとバーバラもだ」
ノア「・・・そうか」
エレナ「どこの村も、滅茶苦茶だった、
人が住んでたなんて、思えないくらいに・・・!」
ノア「あいつらがいても、止められなかったのか」
レナード「天災が相手じゃどうしようもねぇさ」
ノア「違う、天災を起こせるだけの生き物だ」
レナード「そうは言うけどな、その天災を起こせるだけの生き物にどれだけやられてると思ってんだ」
エレナ「神との戦いが始まって数年経ったけど、全く活路が見えないんだよ・・・?」
ノア「活路なら見えただろう」
リセル「どこをどう見たらそうなる、あのクライブ達がなす術もなくやられたんだぞ」
ノア「今まで海を越えないと相まみえることすら出来なかった奴らが自ら出向いてきたんだ、
これなら、対策が出来る」
エレナ「でも、そんな事する間もなくみんなやられちゃったんだよ・・・?」
ノア「それは奴らが来ていると知らなかったからだ、分かっている今なら何とかなるさ」
レナード「はぁ・・・、お前のタチが悪い所は、
そんな無茶な事を本気で普通だと思っている所だぞ・・・?」
ノア「何を言っている、神とはいえ命のある存在なら対等だろう」
リセル「目の前に立てればな、意識の外からあんな事されたらどうしようもないだろうが」
エレナ「そうだよ、あんな物と戦うなんて危ないよ!」
ノア「危ないのは誰と戦おうと同じ事だ」
エレナ「でも今までと比べ物にならないじゃない!」
ノア「あぁそうだ、だが奴らが近くにいる今、
どこにいても今までと比べ物にならない程危ないのは変わらない」
エレナ「っ・・・!」
レナード「お前、時々確信つくよなぁ・・・」
リセル「これだから嫌なんだ、こいつと真面目な話をするのは」
ノア「リセル、どういう意味だ?」
リセル「確かにそうだ、ならば私たちがやらねばと、そう思わされるからだ!」
ノア「そ、そうか、すまない」
リセル「謝らなくても良い、どうせお前がいなくてもその結論には行き着いていただろうからな」
エレナ「私はいやだよ、これ以上大切な人たちを失いたくないよ・・・」
ノア「大丈夫だ」
エレナ「・・・なんでノアはそんなにはっきり言えるの?怖くないの?」
ノア「怖くないわけがないだろ」
エレナ「え・・・?」
ノア「こんな怖い思いを続けたくない、他の人に感じて欲しくない、
だから一刻も早く終わらせたいんだ、現状をな」
エレナ「ノア・・・」
レナード「諦めろエレナ、こいつのこういう所は一生治らん」
エレナ「・・・ううん、いいの、私も、分かってたから、こういう人だって」
リセル「だそうだぞノア、良き理解者じゃないか」
ノア「・・・ありがとう」
レナード「全くお熱い事だ、さて、それならこれからはどうすんだ?
アヴァランシュ隊隊長のノア殿?」
ノア「元、な、軍を解体された今では意味のない物だ」
レナード「細けぇ事気にすんなって、
イラプションの隊長殿も同じ事を思ってらっしゃるぞ?」
リセル「私を巻き込まないでくれ、サイクロンの」
エレナ「ふふっ、懐かしいね、なんだか気が引き締まってくるみたい」
レナード「嫌でも組織を意識しちまうからなぁ」
ノア「言葉と表情が一致していないが」
レナード「だから細けぇ事気にするんじゃねぇって!」
リセル「はいはい、さっさと話をつけてしまおう、
ここまで来たらグダグダやっても仕方ないだろう」
レナード「それもそうだ、そんでノア、プランはあるのかよ?」
ノア「探し出して先制攻撃で倒す」
エレナ「その探し出すのが大変だと思うんだけどな・・・」
ノア「あれだけの魔力だ、探れないか?」
エレナ「今はどれも潜伏してるみたいで正確な場所までは分からないよ」
レナード「数はどうだい」
エレナ「4つ、属性は地・水・火・風、だね」
リセル「穴のない編成だ、纏まって動かれていたら太刀打ちできなかっただろうな」
エレナ「最初は火と水が一緒に動いてたみたいなんだけど、
大きな放出の後に別行動を取り始めたみたい」
ノア「なるほど・・・」
レナード「誰かが戦闘して引き離してくれたのかねぇ・・・」
エレナ「ううん、あの時感じ取れたのはその二つの力だけだからそれはないと思う」
レナード「ってこた仲間割れ、か?」
リセル「神がか?それこそ考えにくいと思うんだが」
ノア「その時は距離もあったのだろう?
感知できない力の動きがあったとしてもおかしくない」
リセル「魔力を使わない者が戦った可能性もあるしな」
エレナ「そっか・・・、うん、そうだね」
レナード「そうだとすると、それが誰か、ってぇのも気になる所だな」
ノア「魔法戦士が多い俺たちの仲間は可能性が低いか」
エレナ「魔法を使わず戦って強いのは帝国の人かな」
リセル「この辺りに偶然居合わせたとは思えないが、
それが出来そうなのはあいつらしかいないか・・・」
ノア「となると協力は期待出来なさそうだな」
レナード「作戦に組み込むにゃ情報が頼りねぇか、
一旦置いとくとしよう、なんかねぇか?」
リセル「おいレナード、考える気ないだろう」
レナード「こういうのは俺の仕事じゃねぇからなぁ!」
リセル「はぁ・・・」
ノア「それを言ったら俺やリセルも考えるのは得意ではなかったぞ」
エレナ「みんな前線で戦ってる方が好きだったもんね」
リセル「どっちが好きじゃなく、どっちの方が得意だったか、だ、
可能なら死地になんて行きたくないさ」
ノア「そんな考えでそこまで強くなれるものか」
リセル「強くなれるものなんだ、強くならなきゃ生き残れないだろうが」
レナード「そういうこった、強くなる理由なんざいくらでも用意できるぜ」
ノア「なるほど、それもそうか」
エレナ「うん、そうだよ、ノア、だから私だって強くなったんだもん」
ノア「エレナ・・・」
リセル「レナード」
レナード「お、どうしたよリセル」
リセル「早く話を終わらせよう」
レナード「あっははは!そうだな、そうしよう」
リセル「よくよく考えればこの顔ぶれで作戦も何もあったものじゃないんだ、
私とレナードとノアで動く、エレナはバックアップ、以上だろ?」
レナード「おぉ、ばっちりじゃねぇか!なぁノア、エレナ!」
ノア「あ、あぁ、そうだな」
エレナ「うん、近くで何も出来ないのは悔しいけど、
それが一番良いと思う」
レナード「そしたら俺ら3人は遊撃だ、エレナはどうする?」
エレナ「私は旧王都に行こうと思うの、
あそこなら情報も人も集まりそうだし」
ノア「・・・1人で行けるか?」
エレナ「心配しないで、私だって元軍人だよ」
リセル「相変わらずエレナの事になるとお前は過保護だな」
ノア「分かっている、エレナも体術が俺たちに比べ劣るとはいえ、
その辺の男たちには負けない事くらいは分かっているんだ」
リセル「はいはい、それは何度も聞いた、さぁ中身のない作戦会議も終わったんだ、
二人きりで語らってきたらどうだ?」
ノア「く・・・、あぁそうだな、ではその言葉に甘えさせてもらうとする、
行こう、エレナ」
エレナ「え、あ、うん、そ、それじゃあまた明日ね、リセル、レナード」
レナード「おぉよ、また明日な」
リセル「あぁ、また明日」
レナード「・・・ヤキモチかぁ?」
リセル「だからノアはただの幼馴染でそういう対象ではないと言っている」
レナード「ほぉー、じゃあその態度はなんなんだぁ?」
リセル「私だって女だぞ、人並みの幸せを欲しいと思うのはおかしいか」
レナード「あぁー、なるほど、そっちね」
リセル「あぁそういう事だ、
・・・あいつを恋愛対象として見えたら、楽だと思ったことはあるがな」
レナード「ほぅ、その心は?」
リセル「危なっかしい所はあるがアレはアレで良い男だ、
その辺の男だと並以下に見えてしまってな」
レナード「あっはっは!それは確かに困ったもんだな!」
リセル「笑い事じゃない、お陰で引退の口実がいつまで経っても出来ん」
レナード「お前さんだってまだ若いんだ、大丈夫だろ」
リセル「まだ、な、戦士として前線で働くのはいつか限界が来る、
私は魔法で食っていくには腕が足らんからな」
レナード「そうなる前に家庭に入りたいってか?」
リセル「・・・悪いか」
レナード「いやぁ、あのリセル殿がここまで乙女だとは思いもしなかったなぁ!」
リセル「はぁ・・・、昔はこうじゃなかったんだがなぁ、
全く、あの二人のせいだ」
レナード「へっ、あの二人には幸せになってもらいたいもんだなぁ」
リセル「そうだな、さて、明日に備えて私は準備をする、
レナードもそろそろ宿を探しに行くと良い」
レナード「おや、泊めてくれねぇのか」
リセル「嫁入り前の女の家に転がり込むつもりか」
レナード「それは聞こえが悪ぃな、素直に宿屋に行くとするかねぇ」
リセル「あぁそうしてくれ、ではまた明日だ」
レナード「おぅ、また明日な」
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エレナ「ねぇノア、荷物ここに置かせてもらっても良い?」
ノア「あぁ、大丈夫だ」
エレナ「よいしょっと、ふぅ、疲れたぁ」
ノア「お疲れ様、エレナ」
エレナ「うん、ありがと、ノア」
ノア「・・・すまないな、久しぶりなのにあんな話題で」
エレナ「ううん、いいの、それにノアのせいじゃないでしょ?」
ノア「あぁ、そうだな、ありがと」
エレナ「うん、・・・ねぇノア?」
ノア「なんだ?」
エレナ「またすぐ離れ離れだから、今日は・・・」
ノア「あぁ、ずっと近くにいよう、時間の許す限り・・・」
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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w