Arc Jihad(アークジハード)-加虐の末路-

♀赤阪 彩瑛(アカサカ サエ):17歳。適合者。ポンヤンペの前契約者であった秋弥の妹。
             理知的で、柔和かつ清廉。兄思いの少女。原因不明の病があり、失明状態だった。
             自分を救う為、また、兄が命を懸けて守ろうとした世界を救う為、契約者となった兄の遺志を継ぎ、自分自身も契約者となる。
             「人の意志」を何よりも重んじるため、「人の在り方や意志を踏みにじる」ことがらに対して怒りを表す。
             それがたとえ『「兄の仇」と「兄の意志を少しでも愚弄した者」どちらか一方しか殺せない』となったとしても揺るがず、「兄の意志を愚弄した者」を選び取る。
             「常識から外れた正義感」を持つある種「歪んだ清廉さ」

♀ポンヤンペ:聖剣クトネシリカの担い手。ポンヤンペという名前だが、正確にはポンヤンペの人格をインストールされた異世界人。
       自然の力を借り、攻撃へと転用できる力を持つ。神格も持つため、高火力な中距離攻撃を得意とする。
       男勝りな性格で、姐御肌。何があっても人を守り、魔剣を滅ぼすという信念を持ち、がさつなようで実は思いやりに長けた人間。
       秋弥と契約していた時は、秋弥の幼さに苛つきながらも、相棒としては評価していた。
       担い手が彩瑛となったのちは、秋弥を守れなかったことから自責の念を感じている。
       担う聖剣は「クトネシリカ」。自然の力を司る刀であり、脇差。リーチは短いが、自然を味方に付けることができるため、中~遠距離の戦闘に向く。
 
♀バートリ・エルジェーベト:『血の伯爵夫人』という異名を持つ女性の人格をインストールされた異世界人。
              情緒不安定であり、空想癖のある女性。

♀宇良上 智香(ウラガミ トモカ):17歳。適合者。マイナス思考であり、卑屈。
                家族から虐待を受けており家に居場所が無く引きこもりであった所、バートリと出会い契約した。

♀白鳳 伽子(ハクホウ カコ):20歳。適合者。白鳳会というヤクザの一人娘であり現組長。感情の起伏が激しい一方、頭のキレる人間。
              父親殺しをした契約者を殺すためムカゼと契約した。親殺しの相手に復讐をするという狂気性が潜んでいるため、
              戦闘となると刀の担い手であるムカゼの狂気と同調し、内面の狂気性が増幅され、戦闘狂になる。
              ムカゼとの契約期間が長いため、ムカゼの持つ「狂気性」に精神が侵され、精神が不安定化している。

♀赤阪 彩瑛:
♀ポンヤンペ:
♀バートリ・エルジェーベト:
♀宇良上 智香:
♀白鳳 伽子:
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智香  :ねぇ、バートリ。

バートリ:なんだ?智香。

智香  :今日はなにをしよっか。

バートリ:お前のしたいことをすればいい。お前は、なんでもできる子だからな。

智香  :そっか。でもね、バートリ。私、したいことなくなっちゃった。

バートリ:ほう、そうなのか?

智香  :うん。好きなこと、やりたいこと、気持ちいいこと。全部やってきたけど。
     なんだか、詰まんなくなってきたんだ。

バートリ:そうか・・・。つまり、もっと刺激が欲しいんだな?智香は。

智香  :刺激・・・。うん、そうかも。

バートリ:なら、こうしてみるのはどうだ?今まで殺してきたのは無抵抗な人間だけだったが。
     これから、それなりに骨があるものを凌辱してみるというのは。

智香  :骨のある・・・?

バートリ:そうだ。例えるなら、そうだな。先日、我々に楯突いた聖剣の二人組とかな。

智香  :・・・あぁ、あの人達?

バートリ:人の必死の抵抗が掻き消える様はとても愉快で刺激的だからな。
     よい娯楽になるぞ?

智香  :バートリがそう言うんなら、そうしてみようかな。

バートリ:では、決まりだな。奴らを探しに行こう。

智香  :うん、いこっか。バートリ。・・・あ。

バートリ:どうした?

智香  :この死体どうしよう?

バートリ:捨て置け。下々の者どもが勝手に処分するだろうさ。

智香  :そっか、じゃあ、行こう。バートリ。


伽子  :Arc Jihad(アークジハード)加虐の末路


彩瑛  :ポンヤンペ。行くよ。

ポンヤンペ:ああ、来い、サエ!

彩瑛   :はぁぁっ!

ポンヤンペ:フッ!

彩瑛   :ハッ!せいっ!

ポンヤンペ:いいぞ、その調子だ!

彩瑛   :余裕ぶっちゃって!

ポンヤンペ:なんせ、まだ脇が甘いからな!

彩瑛   :なら、これでも!?

ポンヤンペ:うおっ!?

彩瑛   :貰ったぁっ!

ポンヤンペ:てぇいっ!

彩瑛   :ぐっ!?あっ!

ポンヤンペ:さて、これで王手だ。

伽子   :ポンヤンペの勝ちだな。・・・休憩にしよう。

彩瑛   :はぁぁ・・・また負けた・・・

ポンヤンペ:いやいや、すごく良くなってきたぞ、サエ。
      隙の無い手数に、足払いや体崩し(たいくずし)などの絡め手。
      実践に慣れてきたな。

伽子   :これくらい、普通にできねぇと問題なんだよ。
      っつーか、この程度も出来ねぇのによく送り出したな。関西支部の奴らは。

ポンヤンペ:それは、サエを愚弄しているのか。

伽子   :本当のことを言ったまでだ。

彩瑛   :はいはい、喧嘩はしないでくださーい!
      まったくもう、仲悪いんだから。

ポンヤンペ:サエ。コイツは信用するに能わない、危険なやつだ。
      腹の底で何を考えているか分からないやつだ。
      共闘はしても、心を許してはダメだ。

伽子   :ハッ!言うじゃねぇか。とか言うお前も、こないだまで本当の力を教えなかった癖にな。

ポンヤンペ:それは、サエの負担を考えてのことだ!お前にとやかく言われる筋合いは・・・

彩瑛   :だからすとーっぷ!!もう!お互いに気に入らないのはわかるけど、ギスギスするのはなし!

ポンヤンペ:だが、コイツは・・・

彩瑛   :な・し!・・・わかった?

ポンヤンペ:・・・了承した。

彩瑛   :伽子さんも!ポンヤンペに向かって嫌味は無しでお願いしますね。

伽子   :フン、食ってかかってこなけりゃやらねぇよ。

彩瑛   :お願いします。・・・ところで、気になってたんですけど。

伽子   :あ?なんだ。

彩瑛   :今日、ムカゼさんはいないんですか?

伽子   :ああ、家に置いて来た。今日は静かに過ごしたくてな。

彩瑛   :でも、危なくないですか?もし、聖剣に狙われたりしたら・・・

伽子   :私がか?そりゃねぇな。なんせ傍に、お前っていう通行証がいるんだからな。

ポンヤンペ:サエのミスティオン構成員という肩書を盾にするつもりか。

伽子   :ああ、当然だろ。それに、関西支部の片腕支部長サマに伝言はしてあるしな。

彩瑛   :伝言・・・?ですか?

伽子   :ま、ヤツにしか気づけない言い方だがな、『お前らに協力してやる』って言ったんだ。

彩瑛   :じゃあ!伽子さんもミスティオンの仲間に・・・

伽子   :なった訳じゃねぇ。外部協力者ってだけだ。
      だれがすき好んでオカルト・マニアのバカ騒ぎに付き合わなきゃならねぇんだよ。

彩瑛   :あ、アハハハ・・・。そうですよね・・・。

伽子   :まぁ、そういうわけだ。何かあったら頼んだぞ。

彩瑛   :はい!わかりました!

ポンヤンペ:・・・この感じは。

伽子   :気づいたか?誘ってやがる。・・・どこの馬の骨だかわからねぇが・・・。

ポンヤンペ:知っている。この感じ。この血の腐ったような臭いは・・・奴だ。

彩瑛   :・・・バートリ・・・エルジェーベト。くっ!

ポンヤンペ:あっ!おい、どこに行く!

彩瑛   :バートリを倒しに行く!

伽子   :あーあ。やんちゃだな。追いかけるぞ。

ポンヤンペ:お、お前も行くのか?

伽子   :ムカゼが居ねぇんだから、お前に守ってもらわねぇとな?

ポンヤンペ:くっ・・・癪だが、行くぞ!

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智香   :来るかな。来ないかな。

バートリ :楽しみか?智香。

智香   :うん、何でかわかんないけど、ワクワクしてる。

バートリ :そうかそうか。それはよかった。

彩瑛   :見つけた・・・

智香   :あ、聖剣使いさんいらっしゃい。よく来たね。

彩瑛   :バートリ・エルジェーベト・・・。貴女を殺します。

バートリ :ほう、勢いはあるのぅ。だが、聖剣はどうした?連れておらんようだが?

彩瑛   :貴女は私が倒す

バートリ :生身の人間が、妾を倒すと?片腹痛いのぅ。
      持って居るのはただのナイフではないか。

彩瑛   :やって見なきゃ、わかんないでしょ。

バートリ :そうか、だがな。お前の相手はここにおる智香よ。
      さあ、智香。楽しむがいい。悦楽の女神よ、舞い踊れ。ブラスメイデン。

智香   :うん。それじゃ、やろうかっ!

彩瑛   :貴女の相手はしてられないっ!

智香   :はぁぁっ!

彩瑛   :大振りの一撃・・・かわすっ!

智香   :わっとと・・・

彩瑛   :邪魔を、しないでっ!

智香   :うわっ!?・・あたた・・。

彩瑛   :この隙にっ・・・

智香   :行かせないよ。

彩瑛   :くっ、やめて!あなたと戦いたくない!

智香   :私は戦いたいの。あなたを殺したいっ!

彩瑛   :なんで!なんでそんなことをするの!?

智香   :それが、私に与えられた理由だから。私の!存在価値だから!

彩瑛   :そんなそんなのは存在価値じゃない!

智香   :だって、バートリが教えてくれた!私が虐められるのも、愛されないのも!
      全部、私に殺していい相手を神様が教えてくれてるって!

彩瑛   :それは嘘だよ!あなたをいいように扱いたいだけの嘘!

智香   :嘘じゃない!だって、そうしないと私は今ここにいないもん!

彩瑛   :世界は、そんなに冷酷じゃない!

智香   :うるさい!何も知らないあなたが!偉そうなことを言わないで!

彩瑛   :くっ!?しまっ・・・

智香   :はぁぁぁっ!

彩瑛   :受け・・・流す!

智香   :うぐっ!?

彩瑛   :今のうちにっ!

バートリ :なるほど、智香が倒れた隙に、我を狙うか。賢しいな。だが。

彩瑛   :ぐうっ!?

バートリ :妾はここから動かずとも良いわ。

彩瑛   :い、いったい何が・・・私は何にぶつかって・・・

バートリ :ルーム・オブ・チェイテ。妾の牢獄城に入ったのが運の尽きよ。

彩瑛   :結界・・・。ならっ!

バートリ :フン、今度は何を・・・

彩瑛   :ポンヤンペ!

ポンヤンペ:雷撃・・・獣砲(らいげきじゅうほう)!

バートリ :なにっ!?妾の結界が・・・?

ポンヤンペ:先走り過ぎだ。サエ。

彩瑛   :でも、ポンヤンペなら来てくれるでしょ?

ポンヤンペ:当たり前だ。それで、戦況は。

彩瑛   :始まったばっかり。

智香   :なんだ、いるんじゃない。聖剣。

バートリ :これで、二対二か。本気でやるかね?智香。

智香   :うん。やっちゃおう。

バートリ :では、ゆくぞ。マージ・・・

智香   :ウェイク!・・・ふふっ!アハハハハッ!

ポンヤンペ:俺たちもマージウェイクを・・・

彩瑛   :やらない。

バートリ :なに・・・?

智香   :なめてるの?

彩瑛   :ポンヤンペ。一人で相手出来る?

ポンヤンペ:何をしようとしてる?

彩瑛   :すこし、策があるから。あ、弓借りるね。

ポンヤンペ:・・・なるほど、承知した。コイツは俺が引き受けた!

智香   :なにをする気か知らないけど、どうなってもしらないっ!

バートリ :無慈悲なる血の杭よ、来たれ。

智香   :ルージュ・ストック!

ポンヤンペ:一の振り。雷迅・疾走!

智香   :フン、1つ落としたくらいでっ!

バートリ :杭はまだまだ増えるのよ?ほぉら!

ポンヤンペ:その風は嵐のごとく・・・疾風騒乱!

智香   :うーっ!イライラするっ!

バートリ :業火に焼かれる牡牛の喘鳴をここに。
      
智香   :ブラーゼン・ブル!

ポンヤンペ:天の落涙は嵐を呼ぶ。雹乱千打!(ひょうらんせんだ)

智香   :・・・どうして?なんで!なんで!なんで!?
      こないだみたいに倒れないの!?

ポンヤンペ:いつまでも弱いまんまじゃねぇんだよ!

バートリ :技の打ち合いでこちらの消耗を待っているということか?

ポンヤンペ:ハッ!どうだろうな!別の目的かもしれないぞ?

バートリ :よかろう。智香!畳みかけるぞ。

智香   :うん。やっちゃおう!

バートリ :血に濡れた我が人生の終幕をここに。
      暗黒の牢獄城は瓦解する

智香   :パニッシュメント・オブ・ルージュキャッスル!

ポンヤンペ:ぐっ!?な、なんだこの地響きは・・・

バートリ :この地に我が城チェイテを再現している。
      この城が完成すると同時に、ここ一帯は我が領土と化す。

智香   :いくら貴方でも、一般人までは殺せないよね?

ポンヤンペ:まさか、洗脳をするつもりか!

バートリ :代償はデカいがな。こうでもしなくば、ジリ貧よ。

彩瑛   :そんなことは、させないっ!

バートリ :なにっ!?智香避けろ!

智香   :えっ・・・ぐっ!?

彩瑛   :次っ!よく引き絞って・・・・離すっ!

智香   :いっ・・・がぁあぁっ!いたいいたいぃぃっ!

バートリ :くっ!どこから撃っている!

ポンヤンペ:気を抜いてんじゃねぇよ!

智香   :あぐっ!?

ポンヤンペ:そらそらそらっ!

バートリ :ちっ!マージウェイク解除!!

ポンヤンペ:待ってたぜ!はぁぁっ!

バートリ :ぐぅっ!貴様・・・よくも妾の顔を・・・

ポンヤンペ:ハッ、いい面になったな。

彩瑛   :これで2対1。智香さんはもう動けないから。

ポンヤンペ:さぁ、おとなしく消えてもらおうか?

バートリ :ふざけないで。いい気にならないでよね!田舎武者風情が!

ポンヤンペ:っ!?ナニを・・・

バートリ :ただで消えるものですか。消えるのならば道ずれに何もかもを飲み込んで消えてやるわ。
      我が夢想した日々よ。来たれ。ビューティ・オブ・メイデン!

彩瑛   :アイアンメイデン!?の、飲み込まれる!?

バートリ :さぁ、もろともに処刑を味わいましょう?

ポンヤンペ:サエ!俺に捕まれっ!耐えて見せる!

彩瑛   :うん!

バートリ :さぁ!さぁ!いらっしゃい・・・いらっしゃいな!!

ポンヤンペ:ぐっ!・・・くそっ!飲み込まれるわけにはっ・・・!

伽子   :全く、つくづく甘いんだよ。テメェらは。(銃撃)

智香   :あぐっ!?

バートリ :っ!?智香!!

智香   :い、いや・・・死にたくない・・・

伽子   :あ?何言ってんだ。さんざん殺したんだろ。自分が死ぬのも計算に入れとけ、タコ。(銃撃)

智香   :ばー・・とり・・・わた・・・しにたく・・・な・・・

バートリ :智香ぁぁっ!?

ポンヤンペ:メイデンが・・・消えた?

彩瑛   :伽子さん!?なにを

伽子   :どうして、契約者を排除しなかったよ。簡単に殺せんだろ。

彩瑛   :でも、智香さんは関係・・・

伽子   :だから、甘ちゃんなんだよ。契約した時点でコイツは無関係なんかじゃねぇんだよ。
      殺し合いの関係者だ。

バートリ :よくも・・・よくも妾の契約者を・・・

伽子   :ハッ!いっちょ前に怒ることもできるんじゃねぇか。
      飼い犬殺されて怒り心頭ってか。

バートリ :今すぐ貴様を殺してやる!

伽子   :できるもんなら、やってみろ。霊体になったお前に、干渉ができるならな。

バートリ :くっ・・・!

伽子   :さて、そんじゃ、立場が分かった処で。お前に聞きたいことがある。
      白鳳亮司(はくほうりょうじ)って人間を知ってるか?

バートリ :知らん!そんな者の名前なぞ・・・

伽子   :知らねぇか。まぁ、そうだろうな。だが、こっちは知ってんだろ。
      東条辰則(とうじょう たつのり)って名前は。

バートリ :っ!?どうして、その名を・・・

伽子   :やっぱりか。そいつの特徴、あと居場所を吐いてもらおうか。

バートリ :なぜ、貴様に言わねばならん!

伽子   :なぜ?なぜってそりゃあわかりきってるだろうが。
      コイツは私の親父を殺した犯人だからだよ。

彩瑛   :わかったんですか!?

伽子   :ああ、警察関係のツテからな。
      妙な事件にかかわってる奴らのウチの一人だ。

バートリ :その者について聞いてどうする。

伽子   :復讐すんだよ。当たり前だろ。さぁ、さっさと喋れよ。
      そしたら、この場を見逃してやってもいい。

ポンヤンペ:なにっ!?そんなことを出来る訳が・・・

伽子   :だまってろ。ほら、さっさと喋れ。

バートリ :・・・東条という者は方々を転々としている。が、最近はここらに潜伏している。
      だが、どこにいるかは知らぬ。

伽子   :ま、当たり前か。特徴は。

バートリ :中肉中背。事務方の人間らしい細いナリをしている。

伽子   :他には。

バートリ :口が悪いが、言うだけの人間だ。担い手にいいように扱われているタダの傀儡だ。

伽子   :その、担い手の名は?

バートリ :・・・酒呑だ。酒呑童子。

ポンヤンペ:酒呑童子!大江山の悪鬼だと!?

彩瑛   :鬼が担い手って・・・あり得るの?

ポンヤンペ:俺たちは逸話のある武具とその持ち主の人格さえあれば、インストールできる。
      たとえ、その逸話が人外であっても、逸話と武具さえあればなんとでもなる。

伽子   :ウチのムカゼもそのうちの1つだな。あいつはもともとムカデの化け物だ。
      人のナリしてるが元はバケモンってわけだ。

バートリ :ハッ・・・ムカゼか。あの狂犬も生きておったか。

伽子   :へぇ?知り合いか。

バートリ :ええ、ゼウス様が警戒されていたからね。いい情報をありがとう。お嬢ちゃん。

彩瑛   :あっ!

バートリ :約束通り、見逃してもらうわ。この情報を持って、私は・・・

伽子   :やっていいぞ、ポンヤンペ。

ポンヤンペ:雷撃獣砲!

バートリ :がぁぁぁぁっ!?な、なに・・・約束と・・・ちが・・・

伽子   :確かに、私は見逃すって言ったが・・・『ポンヤンペと彩瑛もお前を見逃す』とは言ってねぇぞ?

バートリ :なっ!そんな理屈・・・

伽子   :んじゃ、後は好きにしな。お二人さん。私の用事は済んだ。

ポンヤンペ:どうする。サエ。

彩瑛   :お兄ちゃんの思い出を汚したのは許せない。何に変えても。

バートリ :な、何をするつもりだ。この妾になにを・・・

彩瑛   :ポンヤンペ。この人を私の目の前から消して。

ポンヤンペ:ああ、わかった。ではな、血濡れの伯爵夫人。

バートリ :やめろ・・・くるな・・・

ポンヤンペ:塵芥と消えるがいい。轟雷一閃!

バートリ :やめろぉぉぉぉお!

ポンヤンペ:・・・・終わった、か。

伽子   :お疲れさん。ま、いいコンビネーションだったな。評価してやる。

ポンヤンペ:貴様に評価してもらってもうれしくはない。

伽子   :だろうな。・・・彩瑛。なにしてる。

彩瑛   :・・・智香さん。ごめんね。

伽子   :フン・・・。どうせ、生きてても罪人として捕まって死刑を待つ身だったんだ。
      こっちの方がよかったんだよ。

彩瑛   :それでも、納得のできない死だったと思う。

伽子   :死なんてもんは、いつだって納得できねぇよ。
      このゲームに参加しちまった以上。覚悟しなきゃならねぇんだよ。私も、お前もな。

彩瑛   :・・・うん。

ポンヤンペ:・・・まずいな。

伽子   :どうした?

ポンヤンペ:どうやら、警察が騒ぎを聞きつけたようだ。
      バートリが消えて結界の効力が切れたようだ。

伽子   :なら、長居は無用だな。さっさとズラかるぞ。

彩瑛   :・・・うん。・・・さようなら、智香さん。




to be continued...
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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w


こちらの台本はコンピレーション企画「Arc Jihad(アークジハード)」にて
書かせて頂いたものです。
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