擬天黙示録<ギテンモクシロク>
第八話 淫魔の園、救いの手を差し伸べて

サンダルフォン♂ 35歳 先代の軍団長、豪快で面倒見がいい、戦闘力は絶大。真名はクラーク。
ペネム♂ 24歳 堕天使、ミカエル達とは旧知の仲、今は軍を離反した身。真面目だが情熱家。真名はルイス。
ネッド♂ 23歳 インキュバス、下衆、人を貶めるのが大好き、口悪い。
マルクト♀ 35歳 セフィロトのセフィラ。面倒見のいい姉のようなタイプ、しっかり者。真名はクラリス。
サリエル♀ 19歳 天使、ミカエルの副官、魔眼を持っている。大人しく静かな性格。真名はイリア。
エリカ♀ 22歳 村娘、ペネムとは恋仲。しっかりした性格で愛嬌もありとてもいい子。
グレタ♀ 23歳 サキュバス、下衆、エロイ、人を貶めるのが大好き、口悪い。




サンダルフォン♂:
ペネム♂:
ネッド♂:
マルクト♀:
サリエル&エリカ♀:
グレタ♀:


途中の『』セリフはテレパシー的な何がしでございます。
喘いだりなどR18な演技は含まれてませんが、シナリオにそういった表現が含まれております。
嫌がる人も居ると思うので、そういう人がいる時に無理にやらないようにお願いします。


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エリカN「鳥の鳴き声で眼が覚める、私を包む彼の腕、彼の鼓動、呼吸、
    とても、幸せな目覚め」

ペネム「すー・・・すー・・・」

エリカ「ルイス・・・・」

ペネム「ん・・・・、エリカ・・・?」

エリカ「あ、起こしちゃった?ごめんね」

ペネム「ううん、大丈夫だよ、おはよう」

エリカ「おはよう、一緒に居てくれて、おかげでちゃんと寝れたよ、あり・・・」

ペネム「ありがとうは、終ってから聞くよ」

エリカ「うん・・・・、待ってるね」

ペネム「・・・・・場所は、いつもの?」

エリカ「うん、広場の磔台・・・」

ペネム「分かった、それじゃ行こうか・・・・」

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サンダルフォン「十字架の磔台、な・・・・」

マルクト「あれを悪魔が建てさせたって言うのだからふざけてるわよね」

サンダルフォン「全くだ、こののどかな村にあんな物は必要ない、さっさと解決して元に戻そう」

マルクト「賛成、それに、あれは神を冒涜する行為よ」

サンダルフォン「あぁ、あらゆる意味で許しがたい」

サリエル「サンダルフォン様、マルクト様、少しよろしいでしょうか」

サンダルフォン「ん、サリエル、どうした?」

サリエル「とても、とても嫌な予感がします、いえ、予感よりもっと確か」

マルクト「魔眼の未来視ね?」

サリエル「はい、・・・・私の見た未来は、変えられる物なのですか・・・?」

マルクト「サリエル・・・?」

サリエル「教えてください、未来は変えられる物なのですか!?」

サンダルフォン「何が見えたか知らねぇが、そうさせないために俺たちがやるんだろ」

サリエル「・・・・・そうですね」

ペネム「お待たせしました、エリカの準備は出来てます」

マルクト「ありがと、後は悪魔が来るのを待つだけね」

ペネム「サリエル、まだ、見えないか?」

サリエル「・・・はい、物理的には見えません」

ペネム「物理的には?」

サリエル「・・・・・・気配は近付いてきています」

サンダルフォン「姿を完全に消すことが出来る・・・・?淫魔如きにそんな力があるはずが・・・」

マルクト「・・・ねぇペネム、あの磔台は誰が用意したもの?」

ペネム「悪魔たちですが・・・」

マルクト「サリエル、上空から見て!」

サリエル「え、は、はい!」

マルクト「どうかしら?」

サリエル「っ、見えました!接触まで後30!」

サンダルフォン「いつのまにそんな距離まで」

ペネム「まさか、あの磔台が結界に・・・?」

マルクト「恐らくね、結界の中にいると相手を認識出来ないとかそんな類じゃないかしら」

サリエル「っ、ダメ」

サンダルフォン「サリエル、どうした!?」

サリエル「エリカさんを連れて行かせちゃダメ!」

ペネム「何?」

マルクト「っ、あの子が消えた、なんて厄介、同行者にも効果があるなんて」

サリエル「12時の方向、真っ直ぐ移動してます!」

ペネム「サリエル!さっきの言葉の意味を!」

サリエル「言えません、とにかく追ってください!」

マルクト「くっ、すぐ取り掛かれる位置まで接近しましょう!」

サンダルフォン「サリエルはこの後、テレパシーでサポート頼む!」

サリエル「はい!」

ペネム「先行します」

マルクト「っ、待ちなさい!もう、クラーク、急ぐわよ!」

サンダルフォン「あぁ、行くぞクラリス!」

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ネッド「ちぃ!何で天使が追ってきてんだ!ふざけやがって!」

グレタ『ネッド!ちょっと何やってるのよ!』

ネッド「あぁ!?うるせぇな!文句があるならテメェでやりやがれ!」

グレタ『それはお断りするわ、なんとか振り切ってきなさい!』

ネッド「チクショウ!わぁ〜ったよ!」

エリカ「・・・・・・・」

ネッド「まぁ、幸いこいつも大人しいから楽そうだな」

エリカ「あんた達なんて、ルイスが倒してくれるんだから!」

ネッド「へぇ〜、面白いじゃねぇか、なら、先に布石を打たせてもらうとするかねぇ」

エリカ「え?」

ネッド「忘我の口付《エクスターズ・ベゼ》」

エリカ「んっ!?・・・ちゅ、ふ、んん!?」

ネッド「・・・・さて、いつまで我慢できるかねぇ?」

エリカ「え、どういう・・・・、はぅ!?なに、これぇ・・・・」

ネッド「体が熱くなってきただろ、すぐに、欲しくなるぜ?」

エリカ「や、何これ、いやぁ、助けて、ルイス、ルイス・・・」

ネッド「ヒヒヒ、堕天使様を溺れさせるその体、楽しみだぜぇ・・・」

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マルクト「速度が上がった、私達を撒くつもりかしら」

サンダルフォン「この位なら問題ないが、ペネムの奴、急ぎすぎだ」

マルクト「このままだとはぐれそうね」

サンダルフォン「あれだと俺達が突入する前に気付かれるな」

マルクト「救出は任せましょう、後詰は私達で」

サンダルフォン「あぁ」

サリエル『皆さん、敵、建物に入りました、そのまま真っ直ぐ』

マルクト「意外と分かりやすい道だったわね」

サリエル『だからこそのあの結界、ですね』

サンダルフォン「現地にもなんかあると思っていいだろうな、気をつけよう」

マルクト「了解」

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ネッド「っと到着、ったく、こんな急いで帰ったの久しぶりだぞクソ」

エリカ「はぁ・・・はぁ・・・」

ネッド「お、そろそろ限界か?ん?我慢できないんだったら俺が相手してやるぜぇ?」

エリカ「くっ・・・、誰が、あんたなんかに・・・・」

グレタ「ネッド、あんた、連れて帰ってきたわね」

ネッド「あぁ、あったりまえだろうが」

グレタ「違うわ、あっちよ」

ネッド「あぁ?げっ、あのヤロウ・・・」

グレタ「あんたはさっさとそれを奥に連れてきなさいよ、どうせすぐ手付けるつもりじゃないんでしょ?」

ネッド「ヒヒヒ、バレタかよ、んじゃ時間稼ぎよろしく頼むぜ」

グレタ「任せなさいよ、快楽の為だけに今しか見てない私達の戦い方を見せてあげるわ、
    ふふふっ・・・、あっはははははは!」

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ペネム「あの建物か、っ・・・、なんだこの饐(す)えた臭いは・・・・」

グレタ「とてもいい匂いでしょ?」

ペネム「っ、エリカを返せぇ!」

グレタ「っと、女にいきなり斬りかかるなんて、酷いじゃない?」

ペネム「エリカを助ける為なら、男だろうと女だろうと関係ない、それが悪魔なら尚更だ!」

グレタ「ふふっ、あんな小娘いいじゃない、女が欲しければ私が相手してあげるわよ?
    綺麗な顔してるもの、貴方だったら・・・」

ペネム「くっ、邪魔だ!」

グレタ「っもう、つれないわねぇ、据え膳食わぬは男の恥よ?」

ペネム「安売りも女の恥だとは思わないのか」

グレタ「思わないわ、食われない方が恥よ」

ペネム「ならば、恥じたままあの世へ行け、はぁ!」

グレタ「っ、はや、きゃぁああああ!」

ペネム「淫売め、余計な時間をとらされた、くっ!」

マルクト「ペネム!待ちなさい!っあぁー!作戦なんてあったもんじゃない!」

サンダルフォン「ちぃ、明らかに空気がおかしいだろうに、気付かんのかあいつは」

サリエル『時間をください、アナライズします』

マルクト「お願い、嫌な予感がするわ」

サリエル『分かりました、少しかかりますがご了承を』

サンダルフォン「了解した、俺達も突入しよう、見かけた敵を片っ端からだ」

マルクト「えぇ、行きましょう!」

グレタ「・・・・・やっと行ったわね、もうこんな美人を真っ二つなんてホント失礼しちゃうわ、
    死ぬほど痛かったじゃない、さて、私達の術が暴けるかしら、うっふふふ、あっはははは!」

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ネッド「いよぉいらっしゃい堕天使様、今度のイケニエは特別かぁ?」

ペネム「貴様、全て分かった上でそれを言うか!」

ネッド「ヒヒヒ、生の人間如きに入れ込んだもんだなぁ、そんなに良かったかよ?
    そんな事なら俺もさっさと手を出しときゃ良かったなぁ、さぞかしイイ締りなんだろう・・・」

ペネム「彼女を愚弄するなぁ!」

ネッド「よっと!俺がグレタみたいに簡単にいくと思ってんじゃねぇぞ、おらヤロウ共!かかれ!」

ペネム「くっ、いつの間に囲まれて・・・」

ネッド「ここは俺達のテリトリーだぜ?囲まれないと思ってるほうが愚かなんだよ!」

ペネム「けど、私はこんな所で止まる訳には、いかないんだ!はぁぁああああ!」

ネッド「っ、あの数を一瞬で、ヒヒヒ、おもしれぇ、テメェら、手加減はいらねぇ、やるぞ!」

ペネム「くそ、私の邪魔をするなぁぁあああああああ!」

ネッド「それはこっちのセリフだクソ堕天使!」

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エリカ「はぁ・・・・はぁ・・・・、うぅ、ルイス・・・・」

グレタ「ふふふっ、中々耐えるじゃない、本当は慰めたくてしょうがないんじゃないの?」

エリカ「そんな事、ない・・・・」

グレタ「嘘よ、触っても無いのにぐしょぐしょじゃない」

エリカ「関係ないわ・・・」

グレタ「顔も真っ赤な上に汗だく、いい逃れ出来るとでも思ってるの?」

エリカ「っ、誰のせいだと・・・思ってるの!」

グレタ「抗えない貴方のせい」

エリカ「そ、そんな訳・・・」

グレタ「本当よ、貴方が受けた術よりもっと強い物を意志の力で回避した奴もいるらしいわよ、
    まぁ、そんな事はどうでもいいわ、そろそろじれったくなって来ちゃった」

エリカ「や、やめて、近寄らないで・・・」

グレタ「大丈夫、約束通り、貴女の心が折れるまでは指一本触れないわ、その代わり、ふぅー・・・」

エリカ「っー・・・・!?」

グレタ「あら、声抑えちゃって、可愛いわねぇ」

エリカ「や、やめ・・・・」

グレタ「ふふふっ、突然弱気ね、どう、そろそろ触って欲しいんじゃない?」

エリカ「・・・・あんたたちなんて、すぐにルイスが倒してくれるわ・・・」

グレタ「ふっ、あっははははは、あっはははははははは!」

エリカ「な、何がおかしいって・・・、言う、のよ!」

グレタ「いえ、んっふふふ、健気だなぁって思っただけよ、ねぇ、ネッド?」

ネッド「気付いてたのかよ、それならもっと早く声かけろよな」

グレタ「私にもタイミングって言うものがあるのよ、さて、お仕事ちゃんとしてきたかしら?」

ネッド「当然だっつぅの、おら、さっさと入れよ」

エリカ「まさか・・・・」

ペネム「エリ、カ・・・・」

エリカ「ルイス!」

ペネム「ごめん・・・、私も捕まってしまって・・・」

グレタ「バカよね、人質取られてるような物なのに勝てると思ってる辺りが甘いわよ」

エリカ「捕まるくらいなら、見捨てて、欲しかったよ・・・」

ペネム「そんな事、出来るわけ無いじゃないか・・・」

ネッド「・・・・おい、そろそろ臭い芝居はやめよーや、堕天使様よぉ」

エリカ「・・・・え?」

ペネム「はぁ・・・・、ネッド、もうちょっと甘い恋人ごっこに浸らせてくれてもいいだろう」

グレタ「あら、もしかして貴方、楽しんでたの?」

ペネム「当然じゃないか、じゃなかったらもっと早くこうなっていたよ」

エリカ「そんな、私を、騙してたの・・・・?」

ペネム「私が彼らの仲間だという事を隠していた、その事を騙すと指すのであれば騙していたんだろう、
    だけど、私が君を愛しているのは本当だよ」

エリカ「ルイス・・・、なんで、なんでこんな、嘘なら、嘘のまま貴方と、繋がりたかったのに・・・」

ペネム「ごめん、けど堕ちてしまったこの身、それじゃ満足できなかったんだよ・・・」

エリカ「・・・・そっか、でも、ルイスなら、私・・・いいよ・・・」

ネッド「それは、負けを認めるってことだな?」

ペネム「本当に・・・・、いいのか?」

エリカ「もう、限界だもの・・・、相手がルイスなら・・・」

グレタ「良かったわね、堕天使様?」

ペネム「そうだね、それじゃ、そろそろ戴くとしようかな、
    ヒヒヒ、入れるよ、俺の熱い・・・」

エリカ「待って、今・・・」

ペネム「あ」

グレタ「・・・・バカ」

ペネム「仕方ねぇだろ、ブチ落とす為とはいえこんないけ好かない奴の真似事出来るかよ、
    残念だったなぁ、愛しい愛しい天使様じゃなくて」

エリカ「っ、その顔、いや!やめて!」

グレタ「あっははは!私たちは約束守ったわよ?貴女は守れないって言うの?」

エリカ「こんなの、卑怯よ!」

ネッド「騙しちゃいけないなんてルールはねぇんだよ、テメェの負けだよ、諦めてやられちまいなぁ!」

エリカ「いや、いやぁぁああああああああああ!」

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グレタ「いらっしゃい、我らが巣へ」

ネッド「ようこそ!我らがテリトリーへ!」

グレタ「ねぇネッド、イイ男が来たわよ?」

ネッド「あぁ、イイ女も同伴だぜ?喰っちまっていいよな?」

グレタ「いいわよ、その代わり男は私に頂戴?」

ネッド「あぁ、構わねぇ、オヤジに興味はねぇからなぁ」

グレタ「そうね、私もビッチに興味はないわ」

サンダルフォン「だそうだ、どうする?」

マルクト「どうするも何も気分悪いわ、そもそも生かして帰すつもりも無いもの」

サンダルフォン「それならサキュバスはお前に任せた、インキュバスは俺がやる」

マルクト「そうしましょう、でも、巻き込んでしまってもいいのでしょう?」

サンダルフォン「あぁ、全く問題ない、建物さえ壊さなければな」

マルクト「あら、酷な事を言うのね、開放した上で抑えろって言うの?」

サンダルフォン「クラリスなら余裕だろ」

マルクト「そうね、それじゃ、行くわよ、さぁ淫魔ども、刮目しなさい!」

ネッド「あぁ?なんだ、ストリップでも始めてくれんのか?」

グレタ「面白そうねそれ、私よりいやらしく脱げるのかしら」

マルクト「ふふっ、強ち間違ってないわね、あの姿を晒すのだもの、本来なら貴方たち相手には勿体無い姿よ」

ネッド「そんな焦らしいらねぇんだよ!さっさと脱げよ!」

マルクト「せっかちね、我はセフィロトの樹第10のセフィラ、マルクトなり、
     顕現せよ神の力、アドナイ・メレク!」

ネッド「っ、セフィロト、だと!?」

グレタ「ちょっと、ここは統治外地域でしょ、何でこんな所に!?」

サンダルフォン「さっきの威勢はどこにいったんだか、さぁ抗ってみせろ、神罰に!」

マルクト「最後の剣の力、見せてあげるわ」

ネッド「クソ、グレタァ!物量で押しつぶすぞ!」

グレタ「分かったわ、さぁあんた達、行きなさい!」

サンダルフォン「どこに隠れてたのやら、ぞろぞろ出てきやがって」

マルクト「雑兵がいくら集ろうと私の前では無力なこと、教えてあげる、
     振るわれるは水晶の煌き、返る光こそ我が斬撃なり、反射・乱斬(ランギリ)!」

ネッド「っ、クソ、マジかよ、ありえねぇだろ!なんで一太刀であの数を・・・!?」

グレタ「あ、あんなのが続けられるわけが無いわ、数で責め続ければ・・・」

ネッド「そ、そうだ、やれ、やっちまえ!」

マルクト「この小さい空間の何処にあれだけ隠れてるのかしら」

サンダルフォン「さぁな、だが、数で来れば俺達を倒せると思ってる辺りが浅はかだな」

マルクト「同感だわ、もう一回・・・」

サンダルフォン「待て待て、俺にもいい所を残しといてくれよな」

マルクト「ふふっ、分かったわ、あいつらの心、ぽっきり折ってやりなさい」

サンダルフォン「来たれ世界、約束されし成功よ、そして導け、終わりなき始まりへ!
        無限・斬劫<ザンゴウ>!」

ネッド「ぐっ!クソ、数の力が、効かねぇ!?」

グレタ「ま、まだニ陣斬られただけじゃない、休まず責めなさい!」

ネッド「そうだ、責め続ければいつか・・・!」

サリエル『見えました、そこから感じる悪魔は二種、二体のみです』

マルクト「二体?これが?」

サンダルフォン「サリエル、もっとなんかねぇか!」

サリエル『結界です、そこから無尽蔵に魔力が供給されてます、主な用途は幻術みたいです』

マルクト「なるほど、結界と幻術、ね、弱い悪魔のしそうな事だわ」

サンダルフォン「思えば村の磔台もそうだったからな」

グレタ「っ、気付かれた、どうして、どこで!?」

ネッド「ふざけんな、駒も全部顔も姿も声も変えてたってのに、なんでだ!」

マルクト「あら、さっきの手下は貴方たちの分身、幻覚だったのね」

ネッド「しまった・・・!」

グレタ「あんたバカじゃないの!?」

サンダルフォン「だそうだ、クラリス、結界を」

マルクト「言われなくても、逆しまの世界、乱されし調和は臨界点を迎え、訪れしは崩壊なり、終園・崩界<シュウエン・ホウカイ>!」

ネッド「待て、やめ・・・・!」

サンダルフォン「・・・・・完全に結界頼りか、崩すと同時に全員消えやがった」

マルクト「高が知れてる、と言いたい所だけど本体と同等の動きが可能な分身が操れる、
     決して馬鹿な相手ではないわよ」

サンダルフォン「あぁ、ペネムが心配だ、急ごう」

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ペネム「はぁ・・・はぁ・・・、敵が、消えた・・・?どういう、いやそんな事よりも、エリカ・・・・!」

ペネムN「軋む体を無視し扉に向かい走る、縺れながら部屋に踏み込んだ私の目に映ったのは、
    信じられない光景だった」

ネッド「ヒャッハハハハ!遅かったじゃねぇか天使様よぉ、見ての通りだ、手遅れだ!」

エリカ「ルイ、ス・・・、ルイス、ルイス!」

ネッド「奪ってやった、ヒヒヒ、天使の大切な女のバージン奪ってやった、ヒッヒヒヒ、
    いいぜぇ、最高だ、いぃ締りだぜぇ?残念だったなぁ、ヒッヒヒヒヒ」

エリカ「ルイス、助けてぇ!」

ペネム「殺す、貴様、殺してやる!」

ネッド「やめときなぁ!今俺を殺したら後悔するぜぇ!?」

ペネム「うぁぁあああああああ!」

ネッド「っ・・・・!ヒ、ヒヒ、やっちまったな・・・」

ペネム「こいつ、首だけで喋って・・・」

ネッド「首切り落とされる前に出してやった、ヒヒ、子種植え付けてやった・・・・、
    淫魔舐めるなよ・・・、そいつから生まれる子は、ぎゃ!」

ペネム「はぁ・・・はぁ・・・、エリカ、大丈夫か!」

エリカ「ルイス・・・、助けて、あいつの、あいつの汚いのが中に・・・、気持ち悪いよぉ・・・」

ペネム「ごめん・・・・、本当にごめん・・・・」

エリカ「謝らないで、ルイスは悪く・・・、ぅ、おぇ・・・」

ペネム「っ、どうした!?」

グレタ「つわりね」

ペネム「なんだって?」

グレタ「私たちは淫魔よ、孕む孕ませるなんて簡単よ、もちろん、相手の子として生まれるなんて事もね」

エリカ「う、そ・・・、っ、ぃた、おなか・・・」

ペネム「エリカ!くっ、どうしたら、どうしたらいい!?」

グレタ「どうする事も出来ないわ、死ぬ間際、最期の足掻き、悪魔の呪い、そんな物に避けようがあると思う?
    あぁ、今すぐ堕胎処理をすれば間に合うかもしれないわね、器具を突っ込んで赤子を殺せば、ね」

エリカ「ぐ、いぎ・・・、イタ、痛いよ、お腹痛いよぉ・・・、大きく、だんだん・・・、
    イヤ、あんな奴の親になるなんていやぁ・・・」

グレタ「あら、大丈夫よ、彼なら腹を突き破って産まれて来るから、母親だって実感は死ぬまでの短い間だけ」

ペネム「そんな・・・」

エリカ「・・・・して」

ペネム「え?」

エリカ「殺して、お願い、私を、殺して・・・、そんな死に方、いや・・・」

ペネム「い、いやだ、まだ方法が・・・・」

エリカ「っ、うぐぅぅぅぅぅ・・・!も、むり・・・、産まれてきちゃ、早く、私を、殺してぇ・・・・!」

ペネム「くっ、ごめん、うあぁぁぁあああああああ!」

グレタ「ふふっ、あはは、あっはははははは!」

ペネム「何が・・・・何が可笑しい!」

グレタ「全て、全てよ!下らないわ、実に下らない、あっははははは!」

ペネム「くっ、貴様ぁ!」

グレタ「あら、いいのかしら、今私を殺すと後悔するわよ?うっふふふふ」

ペネム「これ以上後悔することなんてあるものか!」

グレタ「えぇ、あるわ、教えてあげる、その娘の死は無駄だったのよ!」

ペネム「・・・・・どういう、事だ」

グレタ「死んだモノがそんなに簡単に甦れる訳無いじゃない、
    さっきの痛み、吐き気、腹の膨れ、全部幻覚なの、全て私の術なのよ!
    ネッドはただ嫌がらせの様に中出ししてっただけ!」

ペネム「そん、な・・・・」

グレタ「どう?言ったとおり最高の後悔だったでしょ、あぁ私を殺してれば真実は全て闇の中だったわね、
    残念、貴方の選択は全て裏目、騙し合いで悪魔に勝とうだなんて無駄、怨むなら自分を怨め、なんてね!」

ペネム「は、ははは、あっははは・・・・」

グレタ「うふふ、とうとう気でも狂っ・・・、っ、何、この、力・・・・」

ペネム「あぁ、貴様の言うとおりだよ、下らない、実に下らない・・・、
    全てをあの娘に投げたあの村も、嫌な顔一つせず引き受けたあの娘も、
    大切なもの何一つ守れない、この身も!何もかも下らない!」

グレタ「羽が、黒く染まって、はっ、あっはははは、これが真に堕ちた天使の力、
    何よ、悪魔よりよっぽど悪魔らしいじゃない」

ペネム「そうさせたのは、誰だと思っている!」

グレタ「あっははは!そうね、私たちだったわね!いい気味だわ、思ってた以上の・・・・え?」

ペネム「もう喋るな、いや、喋らせないの間違いだったな・・・・」

グレタ「そ、んな、見えなかった・・・?ふふっ、ごふ、貴方、やっぱりいい男、だったわ・・・」

ペネム「っ!最期の最期まで人の気に触ることを、クソ、うぉぉぉおおおおおお!」

サンダルフォン「ペネム!」

ペネム「・・・・・サンダルフォン、様」

マルクト「っ、貴方、その翼・・・・」

ペネム「あはは・・・、今ならあいつの、ルシファーの気持ちが分かりますよ」

サンダルフォン「よせ、そんな事してその娘が喜ぶとでも・・・」

ペネム「分かっている!関係ない、壊すだけ、復讐に心なんて、関係ない!」

マルクト「っ、待ちなさい!」

サンダルフォン「ペネム!」

マルクト「サリエル!ミカエルとウリエルに伝えて!ペネムが向かったわ!」

サリエル『・・・・・・・はい』


サンダルフォン「次回予告」


マルクト「全てを失ったペネム」

グレタ「向ける矛先が間違っていたとしても」

ネッド「それは、許せるものではなかったのだ」

ペネム「次回、擬天黙示録 第九話 例え望まれぬ結末であろうとも」

エリカ「どこで間違えたんだろうね、私たち・・・・」




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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w