箱庭の世界で 第七十三話 表のまま裏返る

焔♂ 18歳 (ほむら)
ケイオス♂ 27歳
スノウ♀ 18歳
レリクム♂ 25歳 今回はちょい役

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焔&レリクム♂:
ケイオス♂:
スノウ♀:




スノウ「何この瘴気・・・、私、こんなモノの為に戦ってたっていうの・・・?」

焔「違う、スノウは自分の居場所を手に入れるために戦ってたんだ」

スノウ「・・・ありがとう、でもコレに手を貸してたのは確かだもの、
    自分の勝手で、こんな事に・・・」

焔「だから取り返すんだろ、自分の手で」

スノウ「っ、そう、そうね、自分の過ちを、自分で正すの」

焔「考えるのはその後だ、まずはあいつらを止めよう」

スノウ「えぇ、ケイオスと、マリスを」

焔「あぁ」

焔M「自分の過ち・・・、何だ、何でこんなにも心がざわつく・・・」

スノウ「焔?」

焔「なんでもない、行こう」

スノウ「・・・えぇ、行きましょう」


ケイオス「箱庭の世界で 第七十三話 表のまま裏返る」


焔「瘴気の元はあそこか」

スノウ「関係者以外立ち入り禁止、ね」

焔「怪しい物を隠してますって言ってるようなものだな」

スノウ「全て暴いてあげる・・・!」

(スノウ扉を蹴破る)

スノウ「ケイオス!」

ケイオス「・・・魔界の令嬢ともあろうお方がお行儀の悪い事だね、
     何か用かな、それとも復讐が終わってその報告にでも?」

スノウ「貴方たちの企みを、止めに来たの」

ケイオス「はぁ、始まる前の問答は一体何のためだったのやら・・・」

焔「奴の言う万が一だな」

ケイオス「いいや、万が一は起こらない、結末は変えられない」

焔「どういう事だ?」

ケイオス「ツキはまだ僕に向いている」

焔「ふん、ならここでお前を倒せば・・・」

スノウ「待って焔」

焔「スノウ?」

スノウ「一つ教えてケイオス」

ケイオス「ん、一つでいいのかい?」

スノウ「えぇ、一つでいいわ、お父様や、私を貶めたのは貴方なの?」

ケイオス「・・・へぇ、痕跡は全く残してなかったつもりだったけど」

スノウ「否定、しないのね・・・!」

ケイオス「否定したところで負け惜しみになっちゃうからね、
     で、どうやって調べたのかな?」

スノウ「よくも悪びれずにそんな事言えるわね」

ケイオス「一つでいいと言われた事に敬意を払ったつもりだけどご不満のようだ、
     ならなんだい?知らないなぁってはぐらかした方が良かったのかい?」

スノウ「ケイオス・・・!」

ケイオス「ふん、一つって言ってたし、聞きたい事は以上かな?」

スノウ「えぇ、あなたのその態度で十分よ・・・!」

ケイオス「そっか、じゃあ次は君たちが答えてよ、僕の聞きたい事に」

スノウ「っ、よくもいけしゃあしゃあとそんな事言えるわね!」

ケイオス「・・・さいなぁ」

スノウ「私がどれだけ苦しんだかも知らないくせに・・・!」

ケイオス「うるさいって言ってるんだ!」

スノウ「っ!?」

ケイオス「僕も諸事情あって気が立ってるんだ、ガキのヒステリーに付き合ってられる余裕はないんだよねぇ、
     いいから答えてくれないかなぁ、どうやって、調べたのかって聞いてるだろ・・・?」

スノウ「ガキの、ヒステリーですって・・・?」

焔「邪学の奴らが調べた、方法までは知らない」

スノウ「っ、焔」

焔「落ち着け」

スノウ「落ち着いていられる訳が・・・!」

焔「なら少しだけ待ってくれ!」

スノウ「・・・分かったわ」

焔「それを聞いてどうするつもりだ?」

ケイオス「今後の参考にするだけさ」

焔「そうか、それなら安心した」

ケイオス「何に?」

焔「ここでお前を止めればいいだけだって分かったからな」

ケイオス「ふっ、それは、どちらにしろ、でしょ?」

焔「言われてみればそれもそうだ」

ケイオス「それじゃあ、そろそろ始めようか、後ろの人も我慢の限界みたいだしね?」

スノウ「氷槍豪雨《アイスランツェ・レーゲングス》!」

焔「っ、スノウ!」

スノウ「氷刃《アイスクリンゲ》、うあぁぁあああああああ!」

(ケイオスの目の前に障壁が張られ、刃が届かない)

スノウ「なっ・・・!」

ケイオス「その程度の攻撃が、届くと思ったら大間違いだよ」

スノウ「人の事を・・・!馬鹿にして・・・!」

焔「下がれ!」

スノウ「くっ・・・!」

焔「エクス・・・プロード!」

(焔の右ストレートかわし、懐に入り込むケイオス)

ケイオス「それは当たってやれないかな、バースト!」

焔「っ、ぐぁ!?」

スノウ「焔!」

焔「くっ、生きてる、よっ!」

ケイオス「っと、あそこから返してくるなんてねぇ」

焔「お前こそ、よく止められたな、死なないって分かってたんじゃないのか?」

ケイオス「殺す気なんてなかったからねぇ、まさかそこまで丈夫だとは思わなかったけど」

焔「舐めやがって、ふっ!エクス・・・!」

ケイオス「カオス・・・!」

焔「ノヴァ!」

ケイオス「ブレイバー!」

焔・ケイオス「はぁぁぁああああああ!」

スノウ「好機・・・!氷槍雨《アイスランツェ・レーゲン》!」

ケイオス「ちぃ、やってくれる・・・!ぐぁぁああああああああ!」

スノウ「取った!」

焔「まだだ、避けろ!」

スノウ「えっ?」

ケイオス「っだらぁ!」

スノウ「くぅ!?」

焔「スノウに手を、出してんじゃねぇ!」

ケイオス「殺そうとした相手にいう言葉がそれか!クソガキが、よぉ!」

焔「がっ!?」

スノウ「っ、焔!」

焔「づ・・・、なんだ、動きがさっきと全然違う・・・」

スノウ「それに、あれを食らって、無傷だなんて・・・!」

ケイオス「無傷だぁ?がっつり串刺しでキッチリ粉々になったっつぅの、
     再生したんだよ、人を化物みたいに言うんじゃねぇよ」

焔「それでも化物だろうがよ・・・」

ケイオス「おぉ!そこに気付くとは流石だ!いいねぇ化物同士仲良くやるか?
     出来ねぇよなぁ!格がちげぇもんなぁ!ヒャッハハハハ!」

スノウ「ようやく本性を現したって事かしら・・・」

ケイオス「大外れだ、切りたくとも切れぬ最強の縁、忌まわしき血の系譜、
     貴様らは解放したんだよ、邪神の力の一端を!」

スノウ「私たちが解放した、ですって?」

ケイオス「そうだ、理性による力の制御が不可能なんでなぁ、
     元より奴の復活が間近で限界だったんだ、少し早まっただけさ」

焔「でもお喋りなのは変わらないみたいだな」

ケイオス「あ?」

焔「今ので悠長にしてられないって事が分かった、全速で潰す」

スノウ「っ!?」

焔「ごめんスノウ、離れててくれ、お前まで焼いてしまう」

スノウ「え、えぇ」

ケイオス「恐ろしい火力だ、まるで空気が炎になってしまったみたーい!
     で、その程度で俺が滅ぼせるとお思いかい」

焔「再生しても焼き続けてやるよ」

ケイオス「へぇ、それはさぞかし生き地獄なんだろうなぁ、見せてくれよぉ、
     この俺にその地獄を!」

焔「あぁ、やってやるよ、ふっ!」

スノウ「はや・・・!」

ケイオス「くねぇんだよ!」

焔「だろうな、だがこれで同レベルだ!」

ケイオス「ハッ、抜かせクソガキ、まだまだ、だ!」

焔「ぐっ、だらぁ!」

ケイオス「がっ!んの、生意気なぁ!」

焔「そらそらそらそらぁ!」

ケイオス「おらぁあああああ!」

焔「っそ、埒が明かねぇ、エクス!」

ケイオス「同感だ、消し飛べぇ、カオス」

焔・ケイオス「プロード!」

スノウ「くっ、何よあれ、あんなのが本当にこの世で起こってる事なの・・・?」

ケイオス「あー、ハハハ、まだ笑えるじゃねぇか、足りねぇぜ焼きがよぉ!」

焔「げほっ、足りないっていうなら思う存分、焼いてやるよ!」

ケイオス「カハッ、いいねぇ、この喉が焼ける感触、これぞ火の中って感じだぁ・・・」

焔「まだだ、地獄の業火は、こんなもんじゃない・・・!」

ケイオス「っ!さいせーより肉がとけるのが、早くなってきたじゃねぇか・・・」

焔「このまま、焼き続ければお前だって、っ!」

スノウ「嘘、あいつ、あの炎の中でも前に進んで・・・!?」

ケイオス「さぁ、比べ合いと行こうじゃねぇか・・・!」

焔「ちぃ、化物が、燃えろよおおおおお!」

ケイオス「ヒヒ、ヒヒヒ、ヒャハハハハ!がっ、まだ、まだ笑えるぞ!
     ヒャッハハハハ!」

スノウ「けほっ、あんなの、見てるこっちが息苦しく・・・、
    っ、ダメ、焔!」

ケイオス「残念、もう手遅れだぁ」

焔「くっ、眩暈が・・・?」

ケイオス「緩んだぞ」

焔「しまっ・・・!」

ケイオス「バースト」

スノウ「焔ぁ!」

焔「が・・・、スノウ・・・」

ケイオス「安心しろ、殺してないぜ、あいつには見届けて貰わなきゃいけないからなぁ」

スノウ「見届ける・・・?」

ケイオス「あぁ、お前を殺すところを、な」

スノウ「っ!?」

焔「なんだと・・・、おい、やめろ、やめてくれ・・・!」

ケイオス「止めねぇよ、これでやっと始まるんだ、俺の復讐劇が」

スノウ「そう簡単に、殺されると思う?」

ケイオス「一つ予言してやるよ、お前の攻撃は何一つ届かない」

スノウ「やってみなければ分からないでしょう、くらいなさい!
    天災・雪の大嵐《カタストローフェ・シュネーゲヴィッター》!」

(スノウの技は部屋に残った熱で全て融けてしまう)

ケイオス「ほらな?」

スノウ「そんな・・・」

焔「無理だ・・・、逃げろ・・・!」

スノウ「焔を置いて逃げるなんて出来な・・・!ぐっ!?」

ケイオス「今の躊躇がラストチャンスでしたー、残念しょー」

スノウ「くっ・・・!」

ケイオス「さぁー喜べ、ちゃんと愛しいあの人の傍で殺してやるからなぁ」

(空間に充満した炎の魔力でスノウの肌が焼ける)

スノウ「っ、あぁああああ!?」

ケイオス「あぁ氷属性じゃこの炎の魔力が充満した空間は辛いか、
     死ぬまでだからちょっと我慢してくれぇ」

焔「やめ、ろ・・・!」

ケイオス「おー、もう立てるのか、流石赤い悪魔だ、けどそれが限界だ、
     さぁ雪のお姫様、言い残したことがあれば一言どうぞ」

スノウ「焔・・・、ごめんね・・・」

(ケイオス、スノウの心臓を潰す)

焔「スノォオオオオオオ!」

ケイオス「・・・あぁ、僕はこんな事を望んじゃいなかったっていうのに、
     君たちが悪いんだ、俺だったらこうするって分かり切っていたのに!」

焔「あぁ、スノウ、スノウ・・・、ごめん、また、また守れなかった・・・!
  俺は、また大切な物を守れなかった・・・、なんで、なんで!」

ケイオス「ヒヒ、ヒヒヒ、血だ、全てこの血が悪い、痒い、憎い、痒いぃ、
     まだ足りないっていうのかよぉ、早く起きろよクソ親父ぃいいいいい!」

焔「許さねぇ、ぜってぇ許さねぇ・・・!あぁぁぁぁあああああああああ!」

ケイオス「っ、来た、それだ、その憎しみだ、そいつを待っていた!」

焔「殺す、殺す、殺してやる!」

ケイオス「そいつは無理な相談だ、ここまで来れば貴様は一旦用済みだからな、レリクム!」

スノウN(合図と共にレリクムとネロが飛び出し、焔を昏倒させる)

レリクム「ふぅ、悲願は目前なのでしょう、意思で迎えねば全てがご破算になりかねませんよ」

ケイオス「・・・・・・この仕事を任せたのが君でよかったよ、
     俺は・・・、僕は血に負ける訳にはいかないからね」

レリクム「それでこそです、では健闘を」

ケイオス「・・・やっと、この血に決別を付けられるんだ・・・」


スノウ「次回予告」


焔「一つの終わりは新たな始まりである」

スノウ「その始まりは、終わりを告げる鐘の音」

ケイオス「次回、箱庭の世界で 第七十四話 全ての元凶」

ケイオス「この時の為に、僕は全てを費やした」





とぅーびー・こんてにゅーど




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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w