箱庭の世界で 第六十九話 殺意の中に

ジェノ♂ 33歳
フィオ♀ 18歳

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ジェノ♂:
フィオ♀:



ジェノ「よぉフィオ、やっと来たか」

フィオ「待たせたかな」

ジェノ「いや、構わねぇ、さぁ始め・・・」

フィオ「待って」

ジェノ「あ?」

フィオ「その前に少しだけ話をさせて欲しいんだけど」

ジェノ「話だ?」

フィオ「そっ、ねぇジェノ、私たちに付かない?」

ジェノ「・・・・・んだと?」

フィオ「マリス達を倒すの、手伝って欲しいんだ」

ジェノ「却下だ、俺にうまみがねぇ」

フィオ「はぁ、そうだよね、分かってた」

ジェノ「ならなんで今更んな事」

フィオ「とりあえずこの案件を終らしたいの、目的の為に」

ジェノ「へぇ、周りの事が多少は見えるようになったのか、成長したじゃねぇの」

フィオ「全部終わってからの方が集中できるでしょ」

ジェノ「はっ、間違いねぇ、自分本位の目的の為に人を手伝う、嫌いじゃねぇよ?」

フィオ「あんたに好かれようが好かれまいが、関係なんてないよ」

ジェノ「そりゃそうだ、結果として目的が果されりゃ何も問題はねぇ」

フィオ「・・・・・はぁ、流石師弟、余計な所まで似ちゃったんもんだ」

ジェノ「そういうもんさ、んで、説得には失敗したわけだが、どーすんだ?」

フィオ「それじゃこうしない?私が勝ったら一時的に指揮下に入ってもらう」

ジェノ「へぇ、自信満々だなぁ、いいぜ、その勝負、乗ってやろうじゃねぇか」

フィオ「ゲートNo.01 デスサイズ、じゃあ決まりだ」

ジェノ「あぁ、そんじゃ、始めるかよぉ!」

フィオ「行くよ、はぁ!」

ジェノ「おぅら!へぇ・・・!止めるかよ・・・!」

フィオ「ふん・・・!ただ力任せなだけの、あんたになんて、負けない!」

ジェノ「うぉ・・・!」

フィオ「そらぁ!」

ジェノ「ハッ、体勢を崩されようが、この程度!」

フィオ「止められるのだって、予測済みだ!」

ジェノ「ぐっ、クソ、俺を踏み台にするかよ・・・・!」

フィオ「ゲートNO.10 転移斬!」

ジェノ「ハッ、やりたい事が見え見えなんだよ!」

フィオ「まだまだぁ!」

ジェノ「それも、読めてんだよぉ!」

フィオ「っ、止められ・・・」

ジェノ「そら、飛んでけ!」

フィオ「きゃあ!」

ジェノ「さって、その状態で、こいつを凌げるかぁ!」

フィオ「くっ、舐めないで、っはぁ!」

ジェノ「あめぇ!」

フィオ「空中じゃ受けきれな・・・!」

ジェノ「そら、落ちろ!」

フィオ「くぅ、っと、っぶない」

ジェノ「あの速さで地面に叩きつけられて受身取るかよ、おもしれぇ」

フィオ「今度はあんたが空中、こっちの番だ!」

ジェノ「いい、いいぞ、来い、俺に終焉を見せてみろ!」

フィオ「だから見せてやらないって、言ってんだろ!」

ジェノ「っと、ハッ、そんだけ思いっきりやっといて何言ってやがる、
    本当は殺したいんだろう?青春にドロを塗ったこの俺をよぉ」

フィオ「殺すなんて生温いよ、ふんじばってアンナの前に連れてってやる、
    大口叩いて出てったあんたに赤っ恥かかせてやる」

ジェノ「・・・・・・・」

フィオ「なに、そんな間の抜けた顔して」

ジェノ「くっ、あっははははは!あーっははははは!そうか、そう来たか、あっはははは!」

フィオ「ふん、だから言ったでしょ、あんたの望んだ終焉なんて見せてやらない、
    これが私からの仕返しだ、覚悟しろジェノ」

ジェノ「くっくくく、あぁー、笑わせてもらったわ、見事な仕返しだ、間違いねぇ、
    ならなおさらだ、それがやりたきゃしっかり叩き伏せろ、じゃねぇと付いて行ってやらねぇぞ?」

フィオ「言われなくても」

ジェノ「ハッ、口は達者になったじゃねぇの、で、実力は伴ってんのか?」

フィオ「にぃ、奥の手、見せてあげる、ゲートNo.HELL ペルセポネ」

ジェノ「っ、テメェ、それ」

フィオ「そ、限られた極わずかの死神が持つ事を許された、支給品なんかじゃなく、
    己の力が込められた鎌、やっと持てた」

ジェノ「禍々しい鎌になったもんだ」

フィオ「状況がこんなんだからかな、流石私の鎌だよ、その時の状態で全然変わるんだ、
    ぶっちゃけね、ジェノ、あんたは経過点でしかないんだ」

ジェノ「その気、全部あいつに向けてのか」

フィオ「言わずもがな、でしょ」

ジェノ「へっ、生意気だ、生意気だが、嫌いじゃねぇ」

フィオ「あはは、それは何より、私はあんたの事、だいっ嫌いだ」

ジェノ「あっははは!それは何よりだ!」

フィオ「・・・・・生意気」

ジェノ「当然、てめぇの師匠だからな、さって、駄弁りはここまでだ、さっさと続けようぜ!」

フィオ「ふふっ、来なよ」

ジェノ「へぇ、なら、行かせて貰うぜぇ!」

フィオ「スキルNo.02 ランス、シュート!」

ジェノ「っ、うぉ!?」

フィオ「流石のあんたでもあれは避けざるを得ない?」

ジェノ「くっ、上か、おらぁ!」

フィオ「スキルNo.05 シールド」

ジェノ「ちぃ、その戦い方・・・!」

フィオ「そっ、アンナの模倣だよ、スキルNo.01 ソード、ふっ、はぁ!」

ジェノ「ハッ、力比べで、負けるかよぉ!」

フィオ「力だけで挑むわけ無いでしょ!」

ジェノ「何!?」

フィオ「スキルNo.07 ウイング!はぁぁぁぁぁああああああ!」

ジェノ「くっ、うらぁぁぁぁあああああ!」

フィオ「ぜぇい!」

ジェノ「っ、うぉ!?」

フィオ「スキルNo.04 デスサイズ、死神らしくこいつで終らしてあげる!」

ジェノ「つぅ、そんな、デケェ鎌の刃になんて、当たるかよぉ!」

フィオ「柄だからって、ただで済むと思うなぁ!」

ジェノ「っ、ぐぅぅうううう!?」

フィオ「はぁ・・・・はぁ・・・・、起きてくんなよー・・・」

ジェノ「ぐっ・・・、げほっげほっ、ちぃ、ヒビ位は逝ったか・・・・」

フィオ「だよねぇ、折れた感触無かったし」

ジェノ「ハッ、テメェも感触で分かるようになったかよ・・・」

フィオ「まぁね、しっかし、頑丈だね」

ジェノ「それだけが取り得だからなぁ、んなことより、息上がってんぞ」

フィオ「うっさい」

ジェノ「変わってねぇのなお前、自分の気に耐えられねぇの」

フィオ「うっさいって言ってる」

ジェノ「そうかよ、そんじゃ、さっさと終らせるか!」

フィオ「そうさせて、もらう!」

ジェノ「よっ、そう何度も、やられるかよ!」

フィオ「ぐっ、まだ速くなるのか、ちぃ!」

ジェノ「そら、デカ物じゃ追いつけねぇぞ!」

フィオ「クソ、スキルNo.03 デュアルソード、はぁ!」

ジェノ「ハッ、んな軽い攻撃で凌げるかよ!おぅら!」

フィオ「軽い?舐めるな!」

ジェノ「っ、やるじゃねぇの、だが、軽い事には変わりねぇ!」

フィオ「ぐぅ!っは、ちぃ、スキルNo.06 トゥーハンデットソード、軽さでダメなら、こいつで!」

ジェノ「試してみるか?うら!」

フィオ「ウソ、うわぁ!?」

ジェノ「まだまだぁ!」

フィオ「くっ、よっ!」

ジェノ「おっと、羽があったのを忘れてたな、ハッ、明らかに不利なフィールドにはいかねぇぞ?」

フィオ「そんな事、分かってるさ・・・・」

ジェノ「あーあ、グロッキーじゃねぇの、そろそろ決めねぇとまずいんじゃねぇか?」

フィオ「分かってる、次で決める・・・」

ジェノ「へぇ、どうするつもりだ?」

フィオ「集束、スキルNo.∞<インフィニティー> タルタロス」

ジェノ「ほぉ・・・・・、全ての気を武器に集めて鎌にする、か」

フィオ「これで、最後だ」

ジェノ「最後か、なら、正面から叩き伏せてやる」

フィオ「やれるもんなら、やってみろ!」

ジェノ「そいつは、こっちのセリフだ!」

フィオ「行くぞ、はぁぁあああああああああ!」

ジェノ「来い、俺に終焉を見せてみろ!うぉぉぉぉぉおおおおおお!」

フィオ「はぁ!」

ジェノ「うぉらぁ!」

フィオ「・・・・・・・・・・・・」

ジェノ「・・・・・・・・ハッ、やるじゃ、ねぇの」

フィオ「か、った・・・・?私が、ジェノに・・・・?」

ジェノ「あぁ、テメェの勝ちだ、って言ってやりたかったが、テメェまで倒れてちゃ世話ねぇぜ?」

フィオ「無理、もう動けない」

ジェノ「あっははは・・・・、正真正銘ラストかよ」

フィオ「けど、これで、今回の私のお仕事終了だから、なんも問題なし・・・さ」

ジェノ「そうかよ・・・」

フィオ「・・・・・・・・」

ジェノ「・・・・・・・なぁ」

フィオ「・・・・何?」

ジェノ「条件は条件だ、指揮下には入ってやる」

フィオ「当然でしょ」

ジェノ「あぁ、・・・・・・・すっげぇ俺らしくねぇ事言って良いか?」

フィオ「別に、いいけど」

ジェノ「俺よ、ケイオスの目的を叶えさせてやりてぇんだ」

フィオ「・・・・・は?」

ジェノ「だからよ、邪魔はしねぇ、だが、手伝いもしたくねぇ」

フィオ「・・・・・・・・大丈夫?頭打った?」

ジェノ「だから最初に言っただろうが、らしくねぇって」

フィオ「そう、だね、・・・・・・仕方ないな、いいよ」

ジェノ「・・・・・・・マジか?」

フィオ「その代わり、私をこの戦いが終るまで守りなさい」

ジェノ「そんくらいお安い御用だ」

フィオ「その体力で?」

ジェノ「ったりめぇだ、これでも最後の詰め用の体力ぐらいは残してる」

フィオ「・・・・・・そっか、じゃあよろしく、ちょっとだけ、寝るから・・・・」

ジェノ「おぅ、ゆっくり休め」

フィオ「ありが、とう・・・・・」

ジェノ「内容、聞かねぇのな、まぁ聞かれても答えねぇけどよ」

フィオ「すー・・・すー・・・・」

ジェノ「ハッ、敵地のど真ん中で瞬寝か、肝が据わってんのか、ただの馬鹿か、
    どちらにせよ、今回はテメェの勝ちだ、殺る気なら殺られてた、だろうからな」

ジェノM「不確定要素に甘んじる、全く持って俺らしくねぇ、だが、終焉はちけぇ、
    ここで見えなかろうが、ちゃんと、最後にゃ立派な最期が待ってんだ、
    なぁ神父、ケイオス?」


フィオ「次回予告」


ジェノ「死神の決着、それは本人たちの中だけに」

フィオ「例え他人が見れば穴だらけの結論だろうと、彼らにとっては、最良なのだ」

ジェノ「一方、封印師はとうとう仇を眼前に捉える」

フィオ「かの混沌を、滅する事は出来るのだろうか」

ジェノ「次回、箱庭の世界で 第七十話 血の宿命」

フィオ「小さき者の背負いしそれは、途方もない物」



とぅーびー・こんてにゅーど




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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w