箱庭の世界で 第六十八話 二人の邪教徒と

レリクム♂ 25歳
ネロ♂ 21歳
フィオ♀ 18歳
空♀ 15歳 (そら)

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レリクム♂:
ネロ♂:
フィオ♀:
空♀:




フィオ「地下施設、か、やっぱりまともな教会とは思えないね」

空「同感、特にここ、やな気配が下から、ううん、そこらかしこからする」

フィオ「気配、か、同じ物を感じてるかは分かんないけど、よくないのがいるよね、そこの影にさ」

空「ふふっ、それの事じゃなかったんだけど、確かに居るみたいだね、出てきなよ」

レリクム「・・・・・はぁ、まさか見つかってしまうとは、平和で鈍りましたかね・・・」

ネロ「でも見付けてくれたのが可愛い女の子で、僕は嬉しいですけどね」

フィオ「っ!?」

空「二人、いた・・・!?」


レリクム「箱庭の世界で 第六十八話 二人の邪教徒と」


ネロ「・・・・・・あれ?」

レリクム「これは、ネロ君だけが気付かれていた、という事でしょうかね」

ネロ「す、すみません・・・」

レリクム「いえ、早とちりをした私の責任でもあります」

空「はぁ・・・、あれに奇襲されてたら危なかったね」

フィオ「そうだね、助かった」

レリクム「あぁ、そんなに警戒しないでください、まだそんな時じゃありません」

ネロ「神父様、いいのですか、色々感づかれてしまうのでは」

レリクム「構いません、どちらにしても直に分かることですからね」

空「そっか、邪神の復活はもうすぐなんだね」

フィオ「それじゃ急ごうか、ゲートNo.02 死の羽衣」

空「簡易結界、散、設置」

ネロ「っ、な、これは、殺気・・・・!?」

レリクム「先日より数段強くなっている様子で、ネロ君、君は下がりなさい、相手が過ぎる」

ネロ「は、はい!」

空「十四番十ニ番十七番結」

ネロ「くっ、退路が!」

レリクム「四ニ七で死にな、ですか、センスの無い繋ぎ方ですね」

空「キラーに言われたくは無いかな」

レリクム「それは自ら名乗り始めたものではないので、一緒にしないで欲しいものですねぇ」

フィオ「空」

空「了解、一番五番結」

フィオ「ふっ、はぁ!」

ネロ「結界を足場に!?」

レリクム「なるほど、ネロ君、下がれる所まで下がりなさい」

フィオ「他人に構ってる余裕なんて、あるのかよ!」

レリクム「えぇ」

フィオ「っ!?」

空「あの速さを受け止めた!?」

レリクム「だけではない、ですよ!」

空「くっ、四番発!」

レリクム「づっ、そんな小規模な物も作れるんですね、くっ!」

空「二番発、っと、逃がさない!」

ネロ「くっ、スローイングナイフ・オン、はぁ!」

フィオ「っと、投げナイフか、ありがと」

ネロ「っ、あんなに簡単に」

フィオ「返すよ、神父!」

レリクム「狙いは私ですか、しかしこの程度」

空「七番発!」

レリクム「っ、しまった」

空「これで、次元抜刀斬!」

ネロ「させない、メイルシュトローム!」

フィオ「ちっ、いよっ!」

空「ぐぅ!?」

ネロ「神父様!大丈夫ですか!」

レリクム「全く、君は心配性だ、あの程度当たっても腕の一本くらいは持っていけるというのに」

ネロ「神父様は本気になると体が勝手に動くから注意してください、
   四肢欠損なんてさせたらケイオス様に叱られますよ」

レリクム「おっと、それはいけない、あの方に背く訳には」

空「いっつつつ・・・、フィオのバカ、助けるにしてももっとあったでしょうに!」

フィオ「鎌でぶっ飛ばして欲しかった?」

空「・・・・ちぇ、分かったよ」

ネロ「ねぇお二人さん、もしよければお話聞いていただけませんか?」

レリクム「ネロ君?」

ネロ「少しだけ、わがままさせていただいてもよろしいですか?」

レリクム「・・・・・はぁ、構いませんよ」

フィオ「お話?」

ネロ「えぇ、そうです、信じて貰えないかもしれませんが、僕達に争そう意思はありません」

空「信用できると思ってるのかな?」

ネロ「いえ、確かに僕は嘘吐きですが、こんな状況でこんな嘘を吐くほど平和ボケしているつもりはありません」

フィオ「君一人なら信用してあげてもいいんだけどね、後ろに居る似非神父が、ね」

レリクム「信用の無い事ですね、まぁ構いませんけど」

ネロ「それなら、僕の目を見てください、そうすれば、真実だって信じてもらえるはずです」

空「・・・・何?」

ネロ「僕は、美しいお嬢さん方と、争いたくない」

フィオ「・・・・・・・・・」

空「・・・・・・・・・」

ネロ「これは、本心です、信じていただけませんか」

フィオ「んー・・・、空、どう思う?」

空「多分、同じ事考えてるんじゃないかな?」

フィオ「多分ね、それじゃ・・・」

空「信用してあげてもいいけど」

フィオ「いけ好かないから却下!」

ネロ「えぇ!?」

レリクム「全く、血の気の多い事です、ネロ君、彼女たち相手だと体が反応しかねません、
     手伝ってください」

ネロ「うぅ・・・・、分かりました・・・・、スローイングナイフ・オン」

空「今度は二本、か・・・」

レリクム「ネロ君、手を抜くつもりですか、実戦で」

ネロ「分かりました、セカンド・オン、シュート・エアリアルセット、
   サード・フォース・トリプルオン」

フィオ「・・・・・結構な数ね」

空「正面突破」

フィオ「オーライ」

ネロ「これを潜り抜けられると思ったら、大間違いですよ、サファイアテンペスト!」

フィオ「行くよ」

レリクム「本当に正面から飛び込みますか」

空「道は、私が作る!瞬結界・発!」

ネロ「っ、真ん中に穴が!?」

フィオ「今度こそ」

レリクム「懲りないことだ、そんな分かり易い軌道で」

フィオ「どこを見ている」

ネロ「神父様!」

レリクム「ふっ、だから、分かり易い軌道だと言っているではないですか」

フィオ「ぐっ、これすら、見切るというの・・・!?」

空「目線も向けずに片手で受け止めるなんて・・・」

ネロ「規格外だとは思ってましたが・・・、そこまでですか・・・」

レリクム「まぁ、まだ貴方の前では本気を出した事がありませんからね、
     さて、お二人さん、改めて話を聞いてみる気はありませんか?」

フィオ「ふざけないで」

空「あんたなんかの話なんて・・・」

レリクム「焦り、人の言葉に耳を向けず、未来を手放す、それをよしとするのであれば続けなさい」

空「くっ・・・」

レリクム「フィオ、貴女には以前も言いましたね、生かされている事をゆめゆめ忘れないこと、と、
     それは、今とて変わりはありません、例えこの場が私一人だったとしても!」

フィオ「っ・・・!」

レリクム「さぁ、どうしますか?」

空「フィオ、一度手を下ろそう」

フィオ「・・・・・・分かった」

ネロ「ほっ・・・」

レリクム「さて、貴女達の目的は邪神様の復活阻止ではないのでしょう?」

ネロ「・・・・・・・・え?」

レリクム「火炎さんと同じです、極々個人的な理由でここにいるのですよ」

ネロ「もしかして、その理由までご存知なんですか?」

レリクム「えぇ、それとなくは」

ネロ「神父様ばかりズルイです」

レリクム「えぇ?」

ネロ「僕も可愛い女の子の個人情報欲しいです」

空「・・・・・・斬りたい」

フィオ「空、柄から手を離そうか」

空「分かってるよ」

レリクム「全く、緊張感のないものですね、だからこそ貴方を選んだのですが」

ネロ「それもまた気になる言葉ですね」

レリクム「後日機会が設けられたらお話します、今はこちらを、時間稼ぎだとは思われたくありませんからね」

フィオ「そうしてくれるとありがたいかな」

レリクム「こちらにも、貴女方と個人的に会いたいと、言ってる者が二名ほど居ます、
     それぞれに対して一人づつ、もし貴女方と目的が近しければ如何かと思いまして」

空「私たちに会いたい人・・・・?」

レリクム「空さん、貴女にはケイオス様が」

空「なっ!?」

レリクム「フィオさん、貴女にはジェノが」

フィオ「っ!?」

ネロ「・・・・・・それ、何時の間に聞いてらっしゃったので・・・・?」

レリクム「テレパシーが飛んできました」

ネロ「器用、ですね・・・」

レリクム「飛ばす事は出来ませんけどね」

フィオ「そういう事なら話が早い、案内して」

空「早く・・・!」

レリクム「分かりました、では、私は空さんをケイオス様の所に案内します、
     ネロ君はフィオさんをジェノの所へお願いできますか?」

ネロ「・・・・・・はい、分かりました」

レリクム「さぁ、行きましょうか」

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空「・・・・・どういうつもり?」

レリクム「何がですか?」

空「あいつ、邪教では上の奴なんでしょ」

レリクム「であればあの方の命令に逆らう必要もないですよね」

空「・・・・・あんたの意思は?」

レリクム「関係ありません、ただ雇われただけの身ですから、指示には従います」

空「そっか・・・・」

レリクム「・・・・・・ご両親の仇、でしたね」

空「今更敵に同情?止めてよ」

レリクム「同情するような神経は持ち合わせてませんよ、ただ、昔を思い出しただけです」

空「へぇ・・・・、殺し屋にも懐かしむような過去があったんだね」

レリクム「えぇ、多少は、興味ありますか?」

空「ない」

レリクム「いい答えです、敵に情を持つには好ましいタイミングではないですからね」

空「・・・・・あんたの考えてることが分からない」

レリクム「それは良かった、そうでなければ殺し屋は務まりませんでしたから、
     さて、無駄なおしゃべりがすぎると、気が削がれますよ」

空「お気遣いありがとう」

空M「油断は、出来ない、この分断自体が罠の可能性だってあるんだ・・・・」

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ネロ「・・・・・・・・・」

フィオ「・・・・・・・・・・・」

ネロ「あの」

フィオ「何?」

ネロ「う、あ、あの、もう少し、和やかに・・・・」

フィオ「必要ない」

ネロ「そ、そうですか・・・・」

フィオ「・・・・・・・」

ネロ「ジェノ支部長とは、何があったんですか?」

フィオ「・・・・・・はぁ、いいよ、見せてあげる、どうせバラす相手もいないだろうし」

ネロ「本当ですか、ありがとうございます、って何脱ぎ始めて・・・・っ!?」

フィオ「背中、酷い傷でしょ」

ネロ「それは、いったい?」

フィオ「修行の一環、敵の痛みを知るためだって、さっくり斬られた後焼いて塞いだんだ、痛かったよ」

ネロ「女性の体に傷を残すなんて・・・・」

フィオ「まだマシな方、脱獄直後の飢えた犯罪者を全裸で捕まえに行かされたり、ね」

ネロ「酷い、ありえません」

フィオ「そう思えるのはあんたが普通の世界に生きてきたからだよ」

ネロ「確かに、貴女に比べたら普通かもしれませんね、僕はそれ程汚い世界は見ていない、
   しかし、何も知らずに比較するのは、違うんじゃないですか?」

フィオ「あっそ、興味ない」

ネロ「ふぅ・・・・、そうですか、さ、この先です、後はお一人でどうぞ」

フィオ「どうも、それじゃ」

ネロ「ご武運を・・・・・・・・・・、はぁ、振り返りもしない、
   全く、少しでも緊張をほぐしてあげようって言う優しさは完全に無視でしたね、まぁ、それも一興ですね」

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フィオM「個人的な恨みは沢山ある、けど、恩も沢山ある、私があいつに抱いてる感情なんてよく分からない物、
    だから、今は全体の為、ずっと待ち続けてる、アンナの為に、私はあいつを連れ戻す」


レリクム「次回予告」


ネロ「思いがけず目的に近付く空とフィオ」

空「ケイオスの、ジェノの真意はいったい」

レリクム「次回、箱庭の世界で 第六十九話 殺意の中に」

フィオ「あんたの望む最後なんて、見せてやるもんか」


とぅーびー・こんてにゅーど



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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w