箱庭の世界で 第五十九話 想い残さぬように

シャドウ♂ 27歳
ケイオス♂ 27歳

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シャドウ♂:
ケイオス♂:



ケイオス「やぁシャドウ、久しぶり、診療所で会ったぶりかな?」

シャドウ「っ、兄貴、久しぶりって程じゃないけど、今日は何のようだ?」

ケイオス「少し、お手合わせ願おうかと思ってね」


シャドウ「箱庭の世界で 第五十九話 想い残さぬように」


ケイオス「どうしたんだい、そんな驚いた顔して」

シャドウ「なんか、企んでるか?」

ケイオス「そんな人聞きの悪い、こうしてやりあえるのも、もうすぐ出来なくなるしね」

シャドウ「もしかして、もう、か?」

ケイオス「そうだよ、近々僕の願いは成就する」

シャドウ「予定より大分早いじゃねぇか、大丈夫なのか?」

ケイオス「大丈夫だよ、まぁ、その時が来れば全部分かるよ、きっとね」

シャドウ「そうか・・・・、よし、それじゃその時の肩慣らし、にはならないと思うけど、
     相手してやるよ」

ケイオス「ありがたい、僕がまともに本気出して相手できるの、シャドウくらいだからね」

シャドウ「あれ、糞兄貴は?」

ケイオス「楽しくない」

シャドウ「あー・・・・、さいですか」

ケイオス「さ、そろそろ始めようよ、スタッフ・オン」

シャドウ「あぁ、いいぜ、折角だ、殺す気で来いよ、ランス・オン!」

ケイオス「言われなくてもそのつもりだよ、っ、はぁ!」

シャドウ「お、まずは接近戦か、面白い、おぅら!」

ケイオス「とっ、鈍(なま)ったんじゃない!」

シャドウ「ぐっ、ハッ、今のは小手調べだよ、そら、これを見切れるかよ、
     ライジングトラッシュ!」

ケイオス「速いな、カオスファントム」

シャドウ「貰った!」

ケイオス「フッ、残像だよ」

シャドウ「なっ」

ケイオス「行くよ、ハンドレス!」

シャドウ「っ、いってぇ!」

ケイオス「よっ、ふふん、やっぱり鈍ったんじゃない、シャドウ?」

シャドウ「俺が鈍ったんじゃねぇよ、兄貴、誰かに仕込んでもらっただろ、体術」

ケイオス「分かる?実は知り合いに結構強いのがいてね、作りが違うから比較にならないけど、
     技だったら多分彼の方が上手いよ、君よりね」

シャドウ「へぇ、そいつは見習わないとな、けど、俺だって、伊達に色んな奴に手ほどきしてないんだぜ!」

ケイオス「っ、消えた?」

シャドウ「そら、こっちだぜ!」

ケイオス「な、ぐぁ!」

シャドウ「もういっちょおまけだ、こいつも取っときな!」

ケイオス「くっ、カオスシールド!」

シャドウ「良く防いだ、だが、こっちがお留守だぜ!」

ケイオス「っ、ぐぅ!」

シャドウ「っと、どうだい、連中の技も昇華するとここまで出来るんだぜ?」

ケイオス「げほっげほっ・・・、ふっ、仲間の手の内明かしていいのかい?
     今の、最初のは死神の動き方でしょ、その後の体術は藍と校長のミックスだ」

シャドウ「へぇ、兄貴あいつらと一回ずつ位しかやりあってないだろ、良く分かるな」

ケイオス「僕の記憶力を舐めないでよ、それに、ちゃんと下調べとかもしてるからね」

シャドウ「なるほど、けど、分かってても読めないなら、あいつらも捨てたもんじゃないな」

ケイオス「何言ってんだい、シャドウのスペックとアレンジが入ってるでしょうに、どう考えても」

シャドウ「あ、ばれたか」

ケイオス「当たり前、僕を誰だと思ってるのさ」

シャドウ「そうでした、完璧超人のケイオスお兄様」

ケイオス「ふっ、いつの嫌味かな、それ」

シャドウ「さぁ、大分昔なのは確かだな」

ケイオス「ふん、言うようになったじゃんか、いつも僕の後ろを付いて回ってた可愛い弟はどこに行ったのかなぁ」

シャドウ「それこそいつの話だよ!」

ケイオス「保育園とかそれくらい?」

シャドウ「マジで返してんじゃねぇよ!」

ケイオス「あっははは!さ、楽しいおしゃべりはここまで、続けようか、シャドウ!」

シャドウ「ふん、見てろ、いつまでも兄貴に言われっぱなしにしとけるかってんだ!」

ケイオス「さぁ、ここからが本番だよ、ダークスプレッド!」

シャドウ「魔術ありか、んじゃ、俺もやらせてもらうぜ、ダークエクスプロード!」

ケイオス「へぇ!君が僕の魔術を相殺か、成長したじゃんか、技はガキっぽいけど」

シャドウ「こういう技は愚直(ぐちょく)なぐらいが楽なんだよ、影気纏槍(えいきてんそう)、
     さて、これやるの、若干気が引けるんだが、兄貴が相手だ」

ケイオス「その構え、封印師のか、槍でやる技じゃないと思うけど?」

シャドウ「やってみれば分かるさ、行くぜ!」

ケイオス「面白い、ディスチャージ、さぁ、これが凌げるかい?デリュージ!」

シャドウ「うげぇ、ガチでやる気じゃねぇか、けど、抜槍(ばっそう)・放影衝(ほうえいしょう)!」

ケイオス「おぉ、やっぱり凄い潜在能力だ、扱えさえすればいい魔力だよ、シャドウ!」

シャドウ「感心してる場合じゃないぜ、兄貴!」

ケイオス「フッ、君も、これでチェックメイトだと思ったら、大間違いだよ、ディスチャージ!」

シャドウ「なっ、まだそんな量が、うぉぉぉぉおおおおおお!」

ケイオス「はぁ・・・・はぁ・・・・、流石に、連続で大放出は辛いな・・・・」

シャドウ「へっ・・・、なんだよ兄貴、敵前でへばってたらやられるぜ・・・」

ケイオス「なっ、まだ動け・・・・・」

シャドウ「る訳無いだろ・・・・」

ケイオス「は、あっははは、それじゃ、僕の勝ち、だね・・・」

シャドウ「勝ち宣言した直後にぶっ倒れてちゃ説得力無いな・・・・」

ケイオス「同感だよ・・・・、あぁー、でも楽しかったな」

シャドウ「あぁ、楽しかった、こんな全力で動いたのいつ振りだろうな・・・」

ケイオス「君は裏切った時でしょ?それより前なら封印師の時かな」

シャドウ「あぁー、そうだな、そん位だな」

ケイオス「・・・・・・感謝してるよ、シャドウ、君が裏切ってくれたおかげで計画は早まったし、
     楽しくもなった」

シャドウ「あぁ?俺が邪魔だったってか?」

ケイオス「あぁー、うん、言いえて妙だ」

シャドウ「なんだとー」

ケイオス「あっははは、ごめんごめん、ほら、君が彼らの指導をしてくれたから、
     彼らは僕らと戦うに値するまでになったし、僕らの標的に値するまでになった」

シャドウ「俺が邪魔したおかげで速くなったって事か、それはなんつー皮肉だよ」

ケイオス「彼らからしたらそうだろうね、けど、本当に感謝してる、
     あれなら、僕が失敗しても・・・・」

シャドウ「バカ言ってんじゃねぇよ、兄貴がここまでやったんだ、最後も兄貴がしめろ」

ケイオス「それもそうだ、泣き言を言ってたら怒られてしまう、いろんな人にね」

シャドウ「そういう事だ・・・・」

ケイオス「・・・・・彼らの最終決戦、それに合わせて僕も動く」

シャドウ「あぁ、分かった」

ケイオス「助言するしないはシャドウに任せる」

シャドウ「了解だ、まぁ、お互い頑張ろうぜ」

ケイオス「そうだね、それじゃ今日はありがとう、楽しかったよ」

シャドウ「俺も楽しかったよ、ありがとう」

ケイオス「それじゃ帰るよ、またね、次会う時は最後の時かな?」

シャドウ「最後じゃねぇ、そこが新しい始まりだろ」

ケイオス「あぁ、そうだったね、もうちょっと前向きな言葉を考えなきゃな」

シャドウ「だな、んじゃ気を付けて帰れよ」

ケイオス「ありがと、手元に気を付けて帰るよ」

シャドウ「手元?なんかに乗ってきたのか?」

ケイオス「あぁいや、ただのブラックジョークだよ」

シャドウ「あ?意味が分からんぞ」

ケイオス「なんでもない、それじゃあね」

シャドウ「お、おぅ、じゃあなー」

ケイオスM「はぁ、スッキリした、しがらみなく思いっきり体を動かしたのなんていつぶりだろうね、
      さ、次動かす時は大舞台だ、それに備えて、しっかり疲れを取らないと、かな」


シャドウ「次回予告」

ケイオス「最後の戦いを前に、一同に会する邪学の仲間達」

シャドウ「一部の者は胸にしがらみを残したまま、そこに集まる」

ケイオス「類は違えど、一抹の不安を抱え、彼らは挑む」

シャドウ「次回、箱庭の世界で 第六十話 覚悟の前日」

ケイオス「戦いは、既にそこから始まっている・・・・」


とぅーびー・こんてにゅーど



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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w