箱庭の世界で 第五十六話 表裏の紅蓮

焔♂ 18歳 (ほむら)
赤い悪魔♂ 18歳
スノウ♀ 18歳

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焔♂:
赤い悪魔♂:
スノウ♀:


焔「ん・・・・・、ぁ、身体動かせる・・・・、マジか、今表に出てるの俺か」

スノウ「ただいま、焔、起きてたのね」

焔「っ、あ、え、お、おかえり」

スノウ「・・・・・え、もしかして・・・・、なんて言ったらいいのかしら・・・・?」

焔「あぁー・・・・、地上にいた方の?」

スノウ「どう、して・・・・」


赤い悪魔「箱庭の世界で 第五十六話 表裏の紅蓮」


焔「俺もわかんない、今まではスキ狙って無理やりじゃないと出て来れなかったんだけど、
  なんか、今回は目が覚めたらこうなってたんだ」

スノウ「それじゃ、彼は・・・・?」

焔「・・・・消えて無い、身体の優先権はまだあっちだよ」

スノウ「そ、ぅ・・・・、よかった・・・・」

焔「なぁ・・・・、あっちはさ、俺の時の記憶無いみたいなんだけど、
  俺は思い出しちゃったんだよ、だから、ちょっと凹む・・・」

スノウ「あ、ご、ごめんなさい」

焔「あ、いや・・・・、うん、っ、ぐ・・・」

スノウ「っ、焔!」

赤い悪魔「ぁ・・・・、何慌ててるんだ、スノウ・・・、おはよう?」

スノウ「あ、焔、うん、おはよう」

焔「・・・・・あれ、お、おはよう」

スノウ「・・・・・え?」

赤い悪魔「なんだ、口が勝手に・・・・」

焔「よぅ俺、始めまして・・・・か?」

赤い悪魔「っ、んだ、これ・・・・」

スノウ「ちょっと、待って・・・!」

焔「いいじゃんか、ずっと俺だけが知ってるのも不公平だし」

スノウ「お願い、やめて・・・!」

赤い悪魔「俺だけ知ってる・・・・、もしかしてとは思うけど、邪学で意識が飛んでたのは・・・」

焔「あぁ、俺がお前の代わりに表にいたんだよ」

スノウ「何よ、何よ!どうしたいの、貴方はまた私から焔を奪うの?私がそんなに嫌い!?」

焔「嫌いな訳が無いだろう!俺がお前を嫌いになれる訳ないじゃねぇか!」

スノウ「っ・・・」

赤い悪魔「どういう事だ?」

焔「・・・・お前は俺の事を知らないだろうけど、俺はお前の事、よく知ってるぜ、
  俺は、お前だからな・・・・」

赤い悪魔「お前が、俺・・・・?」

焔「あぁ、ちょうど入れ替わる前くらいの記憶は俺も無いんだけど、
  魔界にいた時の記憶は全部思い出した」

スノウ「私が、思い出させた、のよね」

赤い悪魔「へぇ、俺はお前の事知らないのにな、なんか不公平だ」

焔「俺もそう思ったからこうやって話してんじゃねぇか」

スノウ「ねぇ、それじゃ、貴方も私の事は・・・・?」

焔「・・・・・あぁ、好きだよ」

赤い悪魔「おい、スノウは俺のだぞ」

焔「分かってるよ、分かってるからこそ自分がすげー嫌なんだよ」

スノウ「・・・・・あの子の事?」

焔「あぁ・・・」

赤い悪魔「あの子・・・、目が覚めた時にいた?」

スノウ「えぇ・・・」

赤い悪魔「あれ、誰なんだ?」

焔「お前が寝てた間、俺が表にいた時の恋人だよ」

赤い悪魔「・・・・嘘、だろ」

焔「俺もスノウと会った時に同じ事思ったよ」

スノウ「焔は何も悪く無いわ、全部記憶を封印した天界とあの女が悪いのよ」

赤い悪魔「天界に封印された・・・・?」

スノウ「えぇ、魔界の頃の記憶を封印されていたのよ」

焔「けど、あいつが何の理由もなく封印するとは思えないんだよ」

赤い悪魔「・・・・それが俺を自分の物にするためだったとしたら?」

スノウ「そうとしか考えられないわ」

焔「・・・・絶対他にも理由があるはずだよ」

スノウ「それだって推測に過ぎないわ」

赤い悪魔「俺が言うって事は、それなりに理由があるんだろ、それにも」

焔「・・・・・あぁ、三年って短い間だけど、ずっと一緒にいたんだ、
  あいつが理由も無くそんなことをするとは思えない」

スノウ「私の事を思い出しても、あの子の事好きなのね・・・」

焔「当たり前だろ!って言うのもお前には言い辛いな・・・・」

赤い悪魔「なぁ、お前はどっちの方がより大切なんだ?」

焔「・・・・・選べねぇよ、そんなの」

赤い悪魔「・・・・そうか」

スノウ「あの、どう呼び分けたらいい、かしら」

焔「そっか・・・、あっちを焔、俺は何でも良いから二人称で呼んでくれたら良いよ」

スノウ「えぇ、それじゃ、焔?」

赤い悪魔「なんだ?」

スノウ「身体の主導権は今焔にあるのよね?」

赤い悪魔「あぁ、俺の意思で動かせる」

スノウ「それじゃ、その間は二人とも私のもの、どっちもあの子になんてあげない」

焔「そう、か・・・・」

赤い悪魔「そうだな、俺はそいつの事知らないし、妥当だと思うんだけど、お前は?」

焔「それでいいよ、どうせ自由きかないしな」

スノウ「自由きかないって、貴方は今どういう状態なの?」

焔「状態、か、なんて言ったらいいんだろ、暗い所で拘束されてて、
  口だけ動かせるような感じかな」

赤い悪魔「確かに同じ空間にいるのは感じるな」

焔「やっと気付いてくれたか、よろしく、俺」

赤い悪魔「・・・・・よろしく」

スノウ「焔は、なんともないの?」

赤い悪魔「どういう事だ?」

スノウ「もう一人の自分から影響受けたり・・・」

赤い悪魔「あぁ、今の所ないな」

スノウ「そっか、良かった・・・」

焔「・・・・俺、引っ込むわ」

赤い悪魔「そうか・・・・・、なぁ」

焔「・・・・んだよ」

赤い悪魔「ずっと縛られてるの、窮屈だろ、時々、身体貸してやるから言え」

焔「・・・・・気が向いたらな、それじゃ」

スノウ「どう・・・・?」

赤い悪魔「いるのは分かるけど、存在を感じにくくなった、かな」

スノウ「それじゃ、今はもうこっちが見えないのかしら」

赤い悪魔「だろうな」

スノウ「ごめんなさい、無理やり目覚めさせてしまったから・・・・」

赤い悪魔「大丈夫だ、これくらい、その内なんとかなるさ」

スノウ「そうね・・・・」


焔M「自分との対話、そして俺の中にある、魔族だった頃の記憶、
   火炎への想いは揺るがない、けど、記憶と共に甦ったスノウへの想い、
   自己嫌悪で一杯だ、記憶がなかったのなんて言い訳にならねぇよ、
   大切な人を、傷つけるようなことするなんて・・・・」


スノウ「次回予告」

赤い悪魔「様々な想いが交錯する今、常に状態は進行していく」

焔「停滞していた物が動き始めたのと連動し、情報は広がっていく」

スノウ「次回 箱庭の世界で 第五十七話 詰めし者たち」

赤い悪魔「動きを見せた事態は、集束を始める」


とぅーびー・こんてにゅーど

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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w