箱庭の世界で 第五十三話 それでも私は

火炎♀ 18歳 (かえん)
レリクム♂ 25歳

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火炎♀:
レリクム♂:



火炎N「焔とスノウが邪学に攻め込んできた日、
    自分の無力さに悲しみながら家路についていた」

火炎「はぁ・・・・、私、また足手纏いだ・・・・、なんでいつもこうなんだろう・・・」

レリクム「そこ行くお嬢さん」

火炎「え、私ですか?」

レリクム「そうですよ、私はレリクムと申します、初めまして、火炎さん」

火炎「え、なんで私の名前を・・・」

レリクム「私は邪教の教会で神父を勤めさせていただいております」

火炎「邪教!?」

レリクム「えぇ、あっと抵抗はよした方がいいですよ、私、強いですから」

火炎「そんなのやってみなくちゃ分からないじゃない、ウィップ・・・・!」

レリクム「そこまでです、動かないでください、頚動脈切りますよ」

火炎「はや、い・・・、見えなかった・・・・」

レリクム「初動を封じる、初動で封じる、初歩の初歩です」

火炎「やっぱり、私は足手纏いなんだ・・・・、また皆に迷惑を・・・・」

レリクム「あぁ、捕虜に、なんてしませんよ、ほら、どうぞ」

火炎「っ・・・・、何が、目的なの?」

レリクム「力が、欲しいとは思いませんか?」


レリクム「箱庭の世界で 第五十三話 それでも私は」


火炎「力・・・・・?」

レリクム「えぇ、足手纏いな自分が嫌だったのでしょう?
     そうならないように、強くなりたいと願ったのでしょう?」

火炎「そう、だけど・・・・」

レリクム「ならば、私が鍛えてあげましょう」

火炎「何が、目的なの・・・・?」

レリクム「さぁ、どうでしょうね、私も貴女を強くしてあげて、と上司の指示を受けただけなので・・・・」

火炎「もし、断ったら?」

レリクム「あぁ、その時の指示は聞いてなかったですね、おそらくあのお方の事ですから、
     何も言わないという事は、何も無いという事でしょう、何もせず帰りますよ」

火炎「本当に、どういうつもりなの・・・・・?」

レリクム「私は命令で動くだけの存在、深読みした所で、今まで伝えられた以上は越権行為になりますので」

火炎「・・・・・・少し、考えさせて」

レリクム「えぇ、構いませんよ、いつでもお呼び下さい、しばらくは時間を貰ってますので」

火炎「えぇ・・・・、それじゃ・・・・」

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レリクムN「真夜中の火炎宅にて・・・」

火炎「力・・・・・、欲しい、けど、相手は、邪教なんだよ・・・・、
   皆の敵、私の敵でもあるけど、それでも、それでも私は・・・・」

火炎&レリクム「力が欲しい・・・」(代表火炎、可能であれば同時に)

火炎「っ!?」

レリクム「こんばんわ、火炎さん、本音は聞かさせていただきました」

火炎「なんで・・・・」

レリクム「ここにいるのか、気配ですかね、今の貴女の気は読みやすい」

火炎「・・・・・・・」

レリクム「さて、今の貴女を拳銃に例えるならば、弾を込めた状態、
     引き金を引くのは、貴女です」

火炎「貴方が敵だって言うのは嫌って言うほど分かってる、
   イリーク君をあんな風にしたのも、東区の犯人を仕立て上げたのも、
   空ちゃんの家族の仇も、ブレイドと娘さんを殺したのも、全部貴方たちだって言うのは分かってる!」

レリクム「えぇ、そうですね、私が直接関与したわけでは無いですが、
     その案件は全て把握しています、それで?」

火炎「それでも私は、力が欲しい!焔を取り返せるだけの、
   私から愛しい焔を奪った、あの憎い女を倒せるだけの力が、私は欲しいの!」

レリクム「いいでしょう、理屈を超えた動機、それはとても大きな原動力になります、
     私の教えは生半可では付いて来れないです、が、やれますよね?」

火炎「やるよ、今のままじゃ、ただ守られてただけの私じゃ、何も掴めない、
   何も取り戻せないから」

レリクム「ふふっ、それでこそ教えがいがあるというものです、
     さて、何を教えるか考えないといけないですからね、貴方の武器は?」

火炎「鞭、だね」

レリクム「鞭、なるほど、それなら実演も出来ますね、分かりました、自前のを持ってきます、
     後、私は術はつかえないので、身体作り、体術、戦術の教育になるかと思います」

火炎「うん、私も、高火力で魔術を撃つのは苦手だから、その方が嬉しい、かな、
    あ、後、一つ教えて」

レリクム「なんですか?」

火炎「貴方は、なんでそこまで強くなったの?」

レリクム「強くなければ生きていられなかった、それだけの事です」

火炎「じゃあ、生きるために、仕方なく?」

レリクム「そうですね」

火炎「そ、っか・・・・」

レリクム「・・・・・強者には二通りあります」

火炎「二通り?」

レリクム「生まれつきの強者と、弱者として生まれ、強者になった者です、
      赤い悪魔は前者、私は後者です」

火炎「貴方が、後者?」

レリクム「そうですよ、さて、聞きたい事は以上でいいですか?」

火炎「う、うん」

レリクム「それでは、今日は遅いですからね、もう寝てください」

火炎「え、私まだ動け・・・・」

レリクム「ダメです、今日は既に身体を酷使してますからね、
      身体作りには休息も必要です、休んでください」

火炎「う、うん・・・・、分かった、よ・・・・」

レリクム「では、今度こそ、おやすみなさい」

火炎M「そう言って、レリクムと名乗った邪教の神父は去っていった、
    彼らの真意は全く読めないけど、もう引き金は引いてしまった、
    後は、弾を対象に当てるだけ・・・・・」


レリクム「次回予告」

火炎「歪んだ強さを求めるもの、純粋な強さを求めるもの」

レリクム「強さと言う結果は同じであれど、過程は大きく変わる」

火炎「次回、箱庭の世界で 第五十四話 心の強さ」

レリクム「歪んだ心では、強い魔力は身に付けられない、そういう物なのだ」


とぅーびー・こんてにゅーど



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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w