箱庭の世界で 第四十七話 真実を知って

氷雪♂ 18歳 (ひゆき)
会長♂ 19歳 (かいちょう)
イン♂ 21歳
藍♀ 19歳 (らん)
イト♀ 20歳

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氷雪♂:
会長♂:
イン♂:
藍♀:
イト♀:


氷雪「よし、とりあえずこれで全員揃ったかな」

会長「これで全員?焔と火炎、それにフィオがおらんではないか」

藍「そうね、大切な話なのでしょう?」

イン「焔は今日休んでるみたいだからまだ良いとして、火炎とフィオは学校来てるだろ」

イト「二人には知られない方がいい内容なのかな、それとも、聞かれたくない内容なのかな?」

氷雪「それ、どっちも一緒じゃね?」

藍「微妙なニュアンスの使い分けね」

会長「ふむ、二人が知らない事を私達だけで話すか、既に知っているが私達だけで話すか、といった所か」

イン「はぁ・・・・、嫌な予感しかしないけど、氷雪、本題よろしく」

氷雪「了解、皆、覚悟して聞けよ」

会長「何をか分からんから覚悟のしようもないんだが、まぁ、いいだろう」

氷雪「赤い悪魔の正体について・・・・、なんだけど・・・・・」

イト「話す前に話す人が心折れそうになってどうするのさ」

氷雪「うっせーよ」

藍「まぁまぁ、でも、赤い悪魔って、あの三年前のよね?」

氷雪「あぁ」

藍「正体って、私達の知ってる人って事よね?」

氷雪「あぁ、じゃなかったら集めないよ」

イン「大体分かったよ、お前、こういう時も分かりやすいのな」

会長「・・・・・・まさか、いや、思い過しであろう?」

イト「ここまで来て目を背けても仕方ないじゃん、皆もう気付いてるんでしょ?」

藍「ねぇ氷雪、本当に、彼なの?」

氷雪「・・・・・・あぁ、焔だよ」


会長「箱庭の世界で 第四十七話 真実を知って」


藍「それで、フィオと火炎がいないのね」

イン「あいつが、ねぇ」

イト「僕はなんとなく感づいてたかな、火炎ちゃんの態度とか見てたらね、
   それに、会長と藍ちゃんは、気付いてたんじゃないの?」

会長「・・・・ケイオス戦の時か?」

氷雪「ケイオス戦、それって俺達が機族の里に行く前の・・・」

藍「えぇ、けど私達だって確信があった訳じゃないわ」

会長「うむ、何かあるだろうとは思っても、まさかこれだとは思いもしなかった」

イト「そっか、僕は違和感が繋がったって感じだったけどね」

イン「三年前、確かに色々重なりすぎてた、単なる偶然だと片付けるにはって事か」

氷雪「全部、赤い悪魔のせいだと思ってたから、俺のも、フィオのも、焔と火炎だって、
   赤い悪魔の犠牲者だと思ってた」

藍「私もよ、まさか、犠牲者だと思ってた人が本人だなんて考えないわよ」

イト「気付いてない振りだと思ってたんだけど、確証がなかったからだったんだ」

氷雪「おい、なんだよ、その言い方」

イト「僕は、人間関係を円滑にするためにそうしてるんだとばっかりね」

イン「イト、そろそろよせ、言っててもしょうがないだろ」

会長「仲間を信じたいと思うのがそんなに駄目か?」

氷雪「そうだよ、ダチ信じるのがいけない事かよ」

イト「っ、そんな、つもりじゃ」

氷雪「そうとしか聞こえないんだよ!」

イト「ちが、そうじゃなくて、ちがくて・・・」

藍「二人とも落ち着いて、私たちが言い争っててもどうしようもないでしょ?」

イン「火炎とフィオだけじゃなくて、俺たちまで仲違いしたら、戻れなくなるぜ」

氷雪「っ、イン、気付いてたのか?」

イン「フィオが分かりやすいからな、明らかに近寄りがたい空気が纏わり付いてるし、
   敵意剥き出しだからな」

会長「兄の仇、だったな、それを匿っていたのは親友、確かにやり切れんな」

藍「そうですね・・・・、こんな話、二人には聞かせられないわね」

イト「・・・・・それで、氷雪?」

氷雪「ん、何?」

イト「なんで、僕達集めてこんな話したの?」

氷雪「あぁ、うん、みんなにこれからどうするかとか、どう考えてるか聞きたくてさ」

イン「どうも何も、現状が分からん、火炎とフィオは仲違いしてるのは置いといて、
   渦中(かちゅう)の焔は今どんな状態なんだよ」

会長「ある意味一番重要な部分が説明されてなかった訳だな」

氷雪「そっか、そこだよな、うん、今さ、スノウって奴と一緒にいる、多分だけど」

藍「スノウさんって、まさかこの間の?」

氷雪「火炎はそう言ってた」

イト「やっぱり、あの子の言ってた人って焔だったんだ」

藍「イトちゃん、気付いてたの?」

イト「そんな気が、しただけ、だよ・・・」

会長「となると、焔が私達を覚えていない事も考えられるな」

氷雪「あいつが、俺たちを覚えてない、だって?」

藍「ケイオスの結界の時の焔、ですね」

会長「うむ、あの時、あいつは私たちを知らぬ様子だった、明言はしてなかったがな」

藍「名前を呼ばれた事に疑問を持っていたみたいだし・・・・」

イン「多重人格か?」

イト「可能性は低いと思う、それなら僕が気付く」

氷雪「けど、同一人物だとも思えない」

会長「焔は三年より前の記憶がなかったのであろう?
   所謂(いわゆる)赤い悪魔としての記憶がなかった、という事だ」

イン「記憶は戻った、けどその時に今の焔と赤い悪魔に乖離(かいり)した・・・」

藍「そんな事、ありえるの?」

イト「人の心は簡単に壊れるよ、焔だって人を殺した事がない訳じゃないけど、
   それと赤い悪魔の記憶はまた違うから、乖離(かいり)して独立したっておかしくない」

氷雪「待てって、それじゃ、俺たちの知ってる焔は・・・・」

イン「最悪、もういない可能性だってある」

氷雪「っ、ふざけんなよ!」

イン「ふざけてなんかない、ただ覚悟だけはしといた方がいい」

氷雪「・・・・なんのだよ」

イン「あいつを殺す覚悟だよ」

氷雪「っ!」

会長「イン、お前は出来るのか?」

イン「しなきゃならないなら、そうする、それだけだ」

藍「止めてよ、なんでそんな簡単に切り捨てられるのよ」

イン「簡単じゃねぇよ、最後の手段だ、救える可能性があるならそれに全力を尽くすさ」

氷雪「なら、なんでそれだけだなんて言い切れるんだよ!」

イン「ありとあらゆる可能性を考えとかないと、その時動けないぞ」

氷雪「なんだよ、その可能性って」

イン「俺たちの知ってる焔がまだ残ってる場合、もしくは残ってない場合、
   残っていて戻れる場合、残っていても戻れない場合」

会長「その時点で、か」

イン「まだあるぞ」

会長「まだ、他に何が?」

イン「俺達の誰かがあいつに殺された場合」

イト「っ・・・・・」

イン「イトが殺されたら、俺は止まらねぇぞ」

氷雪「そんな、復讐なんて・・・!」

藍「貴方も、フィオが殺されたら、止まれる?」

氷雪「っ・・・・、それは・・・・」

藍「私は、会長が・・・・・、そうなったらどうなるか分からない」

氷雪「けど、そんな事しても、仲間同士で復讐のし合いなんて!」

イト「もうやめて!」

会長「っ、イト?」

イト「お願い、だから、もぅ・・・・・やめ、て・・・・」

イン「っ、イト、大丈夫だから、俺はいなくならないから、一人にしないから、な?
   だから落ち着け、俺は約束、守るから・・・」

イト「うん・・・・うん・・・ぜったいだよ?いなくなったらいやだよ・・・・・?」

イン「あぁ、絶対だから、大丈夫だから」

イト「うん・・・・・」

会長「大丈夫、なのか?」

イン「あぁ、悪い」

藍「イトちゃん、どうしたの?」

イン「ちょっとな、今はそっとしといてくれ、ぶり返す」

藍「えぇ・・・、ごめんなさい」

氷雪「・・・・・俺は、あいつを取り戻す、フィオも、火炎もみんな元通りに戻す」

会長「それに関しては同意見だ、一人も欠けてはならん」

イン「あぁ、それが理想だ」

イト「うん・・・・、僕たちは出来なかった、みんないなくなっちゃった、
   だから、だから今度は、今度こそはみんな守るの・・・・」

藍「それじゃ、焔を取り返す事に異論は一つもないのね」

イン「・・・・・俺が悪かったよ、不安煽(あお)ってもしょうがねぇのにな」

会長「いや、必要な考えなのは私も分かっている、可能性として分かってさえいれば、
   そうならない為の行動も出来るからな」

氷雪「・・・・・だな、まずは焔とスノウの行方を追う」

藍「手伝うわ、情報収集なら任せて」

会長「うむ、我が家の情報網をフルで使う、すぐ見つかるであろう」

イン「あぁ、あいつにはでっかい借りがあるからな、全力で手伝う」

イト「僕たちに出来ることがあったら何でも言って、ね?」

氷雪「ありがとう、俺も、やれる事は全部やる、必ず取り戻そう、
   みんなが笑ってすごしてた、あの時間を」


氷雪「次回予告」


藍「様々な思惑を抱えたまま邪学では皆が目標を一つにする」

イン「楽しかったあの日のために」

イト「みんなが笑顔でいられるために・・・」

会長「その一方で、姿を眩ませた氷の姫は・・・・」

氷雪「次回、箱庭の世界で 第四十八話 暗躍するのは」

イン「それが、全て仕組まれていたことだとしたら・・・・」


とぅーびー・こんてにゅーど


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w