箱庭の世界で 第四十五話 朱の交わる時

焔♂ 15歳 (ほむら)
火炎♀ 15歳 (かえん)

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焔♂:
火炎♀:


※濃厚なキスシーンがあります、ご注意ください。
  R18付けたくない方は演技を濁してください。


焔M「死神の集落をすぎ、北区を焼き払い、南区に差し掛かった辺りで無茶が祟ったのか、
   俺は地に墜落した、幸い人目に付く前に、人気のない通路に身を隠した」

焔「ちぃ・・・、思ったより傷が深いな・・・、死神め・・・・・、
  どこかで、一回休まないと、持たないじゃないか・・・」

火炎「っ、魔族!?」

焔M「な、見つかった・・・!」

焔「そこを動くな!」

火炎「ひっ」

焔「女、下手な真似をしたら殺す」

火炎「は、はい・・・・、っ、酷い怪我・・・・」

焔「お前には、関係ないだろ」

火炎「関係ないかもしれないけど、そんなのほっといちゃダメだよ」

焔「うるさい、それ以上、声を上げるな」

火炎「ご、ごめんなさい、でも、傷、手当て・・・」

焔「近寄るな!」

火炎「っ、こ、声、周りにばれちゃうよ・・・・」

焔「くっ・・・、俺は、まだ捕まる訳には、いかないんだ・・・」

火炎「ダメだよ、そんな傷で動いたら死んじゃうよ」

焔「近寄るなって、言ってる、フレイム」

火炎「きゃっ」

焔「燃えない、くっ・・・、炎属性、かよ・・・・」

火炎「こんな炎しか出せないんじゃ、もう・・・」

焔「うる、さい・・・、っ、やば・・・、今ので、打ち止めか・・・・」

火炎「え・・・・、人の形に、なった・・・?」

焔「ぐ、ぁ、が、あぁぁあああああ!」

火炎「っ、だ、大丈夫!?」

焔「よ、るな・・・・」

火炎「そんな事言ってる場合じゃないよ!お医者さんに・・・・」

焔「やめ、ろ、他に知らせる、な・・・・」

火炎「じゃあ、私が手当てする、この近くに誰も使ってない小屋があるの」

焔「なんで・・・、ほっとけ、よ・・・」

火炎「いや、ほっとかない」

焔「く・・・・、どうなっても、知らないからな・・・」


火炎「箱庭の世界で 第四十五話 朱の交わる時」


火炎「ふぅ・・・、やっと運べた・・・・、ここなら誰も来ないだろうし、
   時々遊びに使ってたからそこそこ綺麗だし、大丈夫でしょ・・・」

火炎M「でも、この人、なんでこんな大怪我してたんだろう、
    運ぶのに精一杯で気付かなかったけど、年も一緒くらいに見えるし・・・」

焔「ん・・・・、ここ、は・・・・」

火炎「あっ、気が付いたんだね」

焔「っ、さっきの!ぐっ・・・・」

火炎「動いちゃダメだよ、多分、自分で思ってるよりもその傷、深いよ?」

焔「ちっ・・・・、誰にも言ってないだろうな?」

火炎「うん、言ってないよ」

焔「はぁ・・・、何で助けた?」

火炎「何でって、人を助ける事に理由っているの?」

焔「人ならだろ、俺は魔族だぞ」

火炎「魔族だって人だよ、住んでる場所が違うだけじゃない」

焔「・・・・・俺は、人殺しだぞ、お前だって知ってるだろ、北区の事」

火炎「北区・・・・魔族に壊されたって話?」

焔「・・・・・あぁ」

火炎「あれ、貴方が、やったの?」

焔「・・・・あぁ」

火炎「そっか・・・・」

焔「俺を、警察に突き出すか?俺を、殺すか?」

火炎「貴方は、そうされたいの?死にたいの?」

焔「・・・・・・・」

火炎「そうじゃないなら、人の行為は素直に、ね」

焔「・・・分かった」

火炎「うん、それじゃとりあえず傷なんとかしなきゃだね、
   でも火傷で塞がっちゃってるし・・・・」

焔「魔力を分けてもらって一晩休めば何とかなる」

火炎「魔力を、分ける?」

焔「あぁ、休み無しで魔力放出し続けたのが原因だからな、
  魔族体に戻れれば大分マシだし、魔力さえあれば自然治癒でなんとかなる」

火炎「う、うん、でも、私自分の魔力を人にあげる方法なんて分からないよ」

焔「そっか、それじゃこっち来て」

火炎「え、う、うん・・・、え、きゃ、ん・・・・」

火炎M「え、え!?こ、ここここれって、キ、キス!?」

焔「ん・・・・」

火炎「ぷぁ、ちょ、ちょっとい、いきなり何を!?」

焔「粘膜を会して魔力を貰っただけだけど」

火炎「ば、バカー!わ、私、初めてだったのに・・・・」

焔「え、え、ちょ、あ、ご、ごめん、そ、そんなつもりは・・・・」

火炎「じゃ、じゃあ、責任とって?」

焔「・・・・え、責任って、どういう・・・・?」

火炎「ちゃんとした、その、き、きすで、今の、忘れさせて、無かった事にして」

焔「・・・・・あー」

火炎「いや?」

焔「え、そうじゃなくて・・・」

火炎「・・・・・すぅ、きゃ、むぐ」

焔「わ、分かった、分かったから大声出すのは勘弁して・・・・」

火炎「ぷはぁ、じゃあ、し、してくれる?」

焔「分かったから、ちゃんとすればいいんだろ?」

火炎「う、うん、ん、ちゅ・・・」

焔「ちゅ・・・、ん、あむ」

火炎「んぅ!?んぐ、ちゅ、ふぁ、ん〜!?」

火炎M「ウソ!?舌が口の中に・・・、え、え!?」

火炎「あむ、ちゅ・・・、ん、んちゅ、ふぁ・・・」

焔「これで、いいか?」

火炎「な、なにこれ・・・・?」

焔「え、ちゃんとしたキス?」

火炎「こ、こんなのマンガとかドラマで見たこと、ないよ?」

焔「・・・・・・あ、あぁ、そうか、初めてって言ってた、っけ」

火炎「う、うん・・・」

焔「・・・・・自分が特殊事情だって事をちゃんと自覚しとくべきだな」

火炎「え?」

焔「いや、なんでもない、そうだ、焔だ、お前は?」

火炎「え、あ、名前?」

焔「そうだよ、しばらく俺の事逃がさないつもりなんだろ、名前分かんないと不便だ」

火炎「ご、ごめんね、私は火炎、よろしくね」

焔「よろしく、後、火炎、何歳だ?」

火炎「え、女の子に年聞くなんて失礼だよー」

焔「はぁ・・・、そういう問題じゃない、お前、まだ学生だろ、
  家族は、年によっては門限とかもあるだろ」

火炎「え、あ、なんだ、そういう事か、今15だよ、中三、家族もいるよ、
   門限は・・・・、まだ・・・・、うん、大丈夫だよ」

焔「15、同じ年か・・・・、中三じゃそろそろまずい時間じゃないか?
  ・・・・北区の一件、犯人・・・、俺がまだ見つかってないだろ、遅いと心配するぞ」

火炎「あぁー、そうだね、学校でも真っ直ぐ帰るように言ってたっけ・・・、
   ・・・・・・・本当はもっと一緒にいたいんだけどな・・・」

焔「あ、なんて言った?後半ぼそっとで聞こえなかったんだけど」

火炎「な、なんでもないよ!そ、それじゃあまた明日見に来るね、
   絶対安静にしててね、動いちゃダメだからね!」

焔「言葉に甘えさせてもらう、ここで休んでるよ」

火炎「うん、それじゃまた明日ね!」

焔「・・・・・・行ったか、はぁ、俺は何やってるんだか・・・、なぁ、スノウ?」

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焔M「はぁ・・・・、腹、減った・・・、相手が学生だって忘れてた・・・・、
   そうだよな、学校終わるまではこないよな・・・・、
   昔は食わずでも平気だったけど、スノウと知り合ってからはちゃんと三食食ってたからな・・・」

焔「っ、物音、ってなんだ、ネズミか・・・、焼いたら、食えるな・・・・、
  ・・・止めだ、無駄な体力使う方がまずい」

火炎「お邪魔しまーす」

焔「あれ、学校は?」

火炎「今日は半日だったの、お腹空いたでしょ、お弁当作ってきたの、一緒に食べよ」

焔「あ、あぁ、ありがとう」

火炎「えへへ、男の子にお弁当作るの初めてだから頑張っちゃった、はい、どうぞ」

焔「ん、いただきます」

火炎「・・・・・・」

焔「んぐ、なに?じっと見つめて」

火炎「え、ううん、なんでもないよ、美味しい?」

焔「あぁ、美味しいよ、助かる」

火炎「良かった、私も食べようかな、いただきます」

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焔「ごちそうさまでした」

火炎「お粗末さまでした」

焔「ん・・・・」

焔 「なぁ
火炎 ねぇ」

焔「あ、悪い、先どうぞ」

火炎「ううん、私こそごめんね、それじゃ・・・、えと、傷、大丈夫?」

焔「見るか?」

火炎「いいなら、見る」

焔「ほら」

火炎「っ、・・・・あ、昨日より小さくなってる」

焔「あぁ、火炎のおかげだよ、ありがと」

火炎「ふぇ、う、うん、ありがと・・・」

焔「ん、顔赤いぞ、大丈夫か?」

火炎「大丈夫、だよ」

焔「なら良いけど」

火炎「うん、あ、そうだ、焔君がさっき」

焔「焔」

火炎「え?」

焔「呼び捨てで良いよ、くんとかめんどくさい」

火炎「う、うん、えと、焔く・・・、焔がさっき言いかけたのって、なんだったの?」

焔「さっき・・・、あぁ、赤の他人の俺になんでここまで出来るの?って」

火炎「え、えっと・・・・、一目惚れ・・・、じゃなくて、助けたいと思ったから、じゃダメ?」

焔「・・・・分からない、俺にはその感覚分からない」

火炎「そっ・・・か、うん、ごめんね、変な奴に助けられちゃったね」

焔「いや、助かってる」

火炎「良かった」

焔「けど、長居は出来ない、ある程度回復したら行くから」

火炎「っ、そう、だよね、それじゃ、それまでは私がしっかり看病するからね」

焔「あぁ、悪いけど、頼む」

火炎「うん!」


焔M「俺は、何をしてるんだろう、スノウを酷い目に遭わせた奴らに、俺たちを虐げ続けた奴らに復讐して、
   魔族が舐められないように色々ぶっ壊して、死ぬつもりだったのに・・・、地上の人間の女、
   火炎を利用して惨めに生き延びている・・・、
   俺は、あの死神が言ったように、ただの駄々っ子なガキ・・・、違う、俺は、魔界の為、スノウのために・・・」


火炎「次回予告」

焔「火炎の真っ直ぐな、見返りを求めない想いに迷う焔」

火炎「今までマンガやドラマでしか恋を知らなかった火炎」

焔「全く違う世界で育ってきた二人は、束の間の平穏に包まれていた、だが」

火炎「焔こと赤い悪魔を追う手は、すぐ近くまで来ていた」

焔「次回 箱庭の世界で 第四十六話 ターニングポイント」

火炎「少女の選択は、未来に、大きな波紋を呼び起こす」


とぅーびー・こんてにゅーど

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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w