箱庭の世界で 第二話 火炎の長い一日

焔♂ 18歳 (ほむら)
モブ(痴漢・強盗被り)♂
火炎♀ 18歳 (かえん)
イント♀ 20歳 外見は18歳前後

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焔♂:
モブ♂:
火炎♀:
イント♀:





焔N「いつも通りの時間に家を出発し、いつものようにバイトへ向かう火炎、
   彼女にとっては何の変哲もない、はずだった長い一日が始まる」


イント「箱庭の世界で 第二話 火炎の長い一日」


焔N「彼女は、通勤に電車を使っている、交通費をキッチリ全額負担して貰えるからだ、
   だが近頃、通勤方法を変えようかと悩ませる事件が発生しているのだ・・・」

火炎M「うわ、今日もまた来た・・・」

焔N「寄り添う様かのように立つ男、そう、痴漢だ」

モブ(痴漢)「ハァ・・・ハァ・・・、火炎ちゃぁん・・・」

火炎「ひぃ・・・・」

モブ(痴漢)「火炎ちゃん・・・僕の愛する火炎ちゃん・・・」

火炎M「うぅ・・・、気持ち、悪い・・・、早く、駅に着かないかな・・・」

イント「ちょっと君、何してるのかな?」

火炎「えっ?」

モブ(痴漢)「な、何って、ぼ、僕は何もしてないよ」

イント「へぇー、しらばっくれるんだぁ」

モブ(痴漢)「しらばっくれるも何も、い、言い掛かりなんだけど」

イント「ふーん、ねぇ君?」

火炎「は、はい」

イント「僕の目からは明らかにそうだったんだけど、真実はどうなのかな?」

モブ(痴漢)「か、火炎ちゃんは僕の味方だよね?僕はこんなに火炎ちゃんを愛してるんだから、ね?」

火炎「っ、こ、この人、痴漢です、今日だけじゃなくて、最近毎日・・・!」

モブ(痴漢)「ちょ、ちょっと火炎ちゃん、なんでだよ、僕は火炎ちゃんの事こんなに愛してるのに、
       どこに住んでるのかだって、どこでバイトしてるのかだって、なんだって知ってるのに、あんな男より・・・!」

イント「余罪判明、痴漢だけじゃなくてストーカーまでしてるなんてね、
    さって、それじゃ大人しくお縄になろっか、車掌さーん!」

モブ(痴漢)「い、いたっ、や、やめてよ、乱暴にしないでよ、待って、火炎ちゃん、火炎ちゃぁぁあああああん!」

火炎「はぁ・・・、助かったぁ、あの、ありがとうございます」

イント「いいって、当然の事をしただけだもん、僕イントっていうんだ、よろしく、君は?」

火炎「えっと、火炎です、よろしくお願いします」

イント「硬い、硬いなぁ、タメ口で話してよ、僕みたいに軽くねっ」

火炎「うん、それじゃあ改めて、よろしくね、イントちゃん」

イント「よろしく!さてさて、女の子二人揃ってする話といえばやっぱり・・・」

火炎「やっぱり・・・?」

イント「恋ばなでしょ!っと言う訳で、さっそくだけど、火炎ちゃんは彼氏いるのかな?」

火炎「い、いる、よ?」

イント「お、いいねぇ、その感じだとラブラブな感じだ、いいねぇ」

火炎「あ、ありがとう、そういうイントちゃんは彼氏、いるの?」

イント「もっちろん、僕の彼氏もね、かっこいいんだよー」

火炎「へぇー!そうなんだ!せっかくだし、今度四人で遊んでみたいなぁ、なんてね?」

イント「いいねっ、強いらしいし、是非とも一回お手合わせしてみたいよね」

火炎「え、お手合わせ・・・?」

イント「おぉっと、僕ここで降りなきゃ、それじゃ、またねっ!」

火炎「え、あ、うん、またねー」

火炎M「なんだか少しだけ、胸騒ぎがする、思い過しだといいけど、
    彼女とは、イントちゃんとは、近い先、また会う気がする・・・」

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イントN「電車を降りた火炎はバイト先であるコンビニに到着し、制服に着替える、
     コンビニの制服が何故スカートなのか、その疑問はとりあえず置いておくとしよう。
     このコンビニ、他の地区より給料がいいのだ、もちろん理由はある」

モブ(強盗)「テメェら、動くんじゃねぇ!おぃレジの女、さっさとこのカバンに金詰めろやゴルァ!」

イントN「そう、何故か強盗が多いのだ」

火炎「はい、どれ程お詰めすればよろしいでしょうか?」

モブ(強盗)「あぁ!? んなもん有り金全部に決まってんだろうが!」

火炎「はい、かしこまりました、ではお荷物お預かりいたしますね」

イントN「火炎はカバンを受け取ると同時にカウンターを踏み台にし、
     ひらりと舞い上がる」

モブ(強盗)「んなぁ!?」

イントN「焦る強盗は銃で動きを追うが・・・!」

火炎「はぁ!」

イントN「火炎はそれを華麗に蹴り飛ばしたぁ!」

モブ(強盗)「っ、テメェ・・・!スカートの中は純白かぁ!」

火炎「うそ、見えた!?」

モブ(強盗)「ハッ、怯んだな、粋がってようと所詮は女よ!」

火炎「やば、もう一挺持ってたのね・・・!」

モブ(強盗)「俺に逆らった罰だ、死ねぇ!」

火炎「間に合え、ウィップ・オン!」

モブ(強盗)「なっ、銃を、炎の鞭で防いだだとぉ!?」

火炎「からの、ホールド!」

モブ(強盗)「あぁぁああああああ!熱い、熱いぃぃいいいい!」

火炎「当然、炎の鞭だからね、女だからって舐めない方が良いよ?」

モブ(強盗)「分かった!分かったから解いてくれぇ!」

火炎「うん、分かればよろしい、リリース」

モブ(強盗)「ぐ、うぅ・・・、て、テメェ、一体何者なんだ・・・」

火炎「私立 邪道 踏破学院、邪学の風紀委員、火炎よ」

モブ(強盗)「なっ、まさか、あの化物学園の・・・!?」

火炎「そっ、さて、大人しく足を洗うのと、学園に突き出されるの、どっちがいい?」

モブ(強盗)「わ、悪かった、俺が悪かった!だからあそこには連れてかないでくれぇ!」

火炎「うん、それじゃあこれからは真面目に仕事して、お金を稼ぎなさい、
   それと、迂闊にはケンカを売らないように、見つけたら捕まえちゃうぞ?」

モブ(強盗)「ひぃ、す、すみませんでしたぁあああああ!」

火炎「よし、ミッションコンプリート!皆様、危機は去りましたので、
   お買い物をごゆっくりとお楽しみくださいませ」

イントN「ちなみに、これは珍しい話ではなく、よくある話である、
     中には鍛えてリベンジをしにくる輩までいるとか・・・、
     何はともあれ、火炎のバイトはこうして進んでいくのであった」
     

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イントN「時は進んで夕方、バイトを終えた火炎は家に辿り着く」
     
火炎「ただいまー!・・・・・・・あれ?」

火炎M「いつも欠かさず聞こえてたおかえりが聞こえない、
    嫌な、予感がする」

火炎「っ、焔!」

イントN「寝室に駆け込んだ火炎が見つけたのは、ベッドに眠る焔だった、
     首には、乱雑に包帯が巻かれている、恐らく自分で処置をしたのだろう」

火炎「嫌な予感って、よく当たるんだよね・・・」

火炎M「本当はすぐにちゃんと手当てをしたかった、
    けど、これだけ音を立てても起きないんだもん、疲れてるに決まってる、
    だから、起きるのを待ってからにするんだ・・・」

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焔「ん・・・・」

火炎「おはよ、焔」

焔「っ、火炎、帰ってたのか、おはよ」

火炎「ご、ごめん、驚かせちゃったね」

焔「いや、平気だよ、こっちこそごめん、晩飯の準備出来てないや」

火炎「いいの、それよりも傷、ちゃんと消毒した?」

焔「あー・・・、水で洗っただけ、かなぁ・・・?」

火炎「やっぱり・・・、包帯、取るよ」

焔「あ、いや、平気平気、こんくらいほっとけば治るって」

火炎「ダメ、消毒するの」

焔「・・・はぁ、分かった、こうなったら聞かないもんな」

火炎「うん」

焔「よっと・・・」

火炎「っ、切り傷・・・」

焔「あっははー、今日は流石にちょっと危なかったかなぁー」

火炎「危ないってレベルじゃないよ、なんでこれをほっとこうとしたの・・・?」

焔「えっと、しみるのイヤだったから?」

火炎「・・・・・・」

焔「ご、ごめん」

火炎「消毒、するよ」

焔「お、おぅ、・・・・いっ!」

火炎「もうちょっと我慢してね・・・?」

焔「おぅ・・・」

火炎「包帯巻きなおして・・・、うん、これでよし」

焔「ありがと」

火炎「ううん、でももうこんな無茶したらイヤだよ?」

焔「あー、その事なんだけど、さ、話さなきゃいけないことがあって、
  いやその、事後報告で悪いんだけど・・・」

火炎N「焔から聞かされたのは、封印師と戦い、これから仕事を手伝うことになったという物だった」

焔「まぁ、なんとかなるって!俺なら大丈夫だって!」

火炎「首にそんな大層な包帯巻いて、よくそんな事言えるね?」

焔「う・・・、そ、それを言われると」

火炎「ふふっ、冗談だよ、だって、焔が強いのも知ってるから」

焔「お、おぅ!任せとけ、もうこんなヘマしないからよ!」

火炎「ヘマじゃなくて、無茶をしないで、お願い」

焔「・・・あぁ、分かってるよ、約束する」

火炎「うん、約束、指切りげんまん」

焔「おう」

火炎「破ったらご飯抜きね」

焔「げ、そ、それだけは勘弁していただけ・・・」

火炎「大丈夫!その時は私も一緒にご飯抜くから!」

焔「どこが大丈夫だよ!余計気まずいわ!」

火炎「ふふっ、それじゃあちゃんと約束守ってね」

焔「わ、分かった、ちゃんと守る、でもせめて火炎はちゃんと食べてくれ」

火炎「ダメですー、そんな破る前提みたいなお話は出来ませーん」

焔「うっわ、超信用無いじゃん」

火炎「信用してるよ、だからこそ逃げ道は作りません」

焔「分かった、約束はちゃんと守る!とりあえず飯作る!」

火炎「あっ、無理やり話終らせたー」

焔「だって腹減ったんだもーん、何食いたい?」

火炎「もやし炒め!」

焔「よっし、任せとけ!」

火炎M「不安が無いって言ったら嘘になる、でも、それでも私は今を、
    焔を信じてるから、不安を笑顔で隠して、泣き叫びたい自分を騙して・・・」


モブ「次回予告」


イント「あっははは!さぁ、僕たちと遊ぼうよ!」

焔「クソ、ふざけやがって、火炎を返しやがれぇ!」

モブ「次回、箱庭の世界で 第三話 エンジェリック・バトルロンド」

火炎「嫌な予感は、いつだって現実に・・・」








とぅーびー・こんてにゅーど




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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w