蒼い夜の吸血鬼 第六話 幼馴染
蒼夜♂ | 17歳 | (そうや) | 最近までいたって普通な高校生だった、幼くして両親と死別してる為家事全般完璧。 物腰柔らかな優しい好青年、尽くすタイプ。 |
ルージュセイヤ♀ | 136歳(見た目は13歳位) | 吸血鬼界のお姫様、純血の吸血鬼で凄まじい力を持っている。 生粋のお姫様だが、大抵のことはそつなくこなせる。 愛称はルーシェ。 |
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セティアンシア♀ | 231歳(見た目は23歳位) | お姫様の保護者、もとい付き人兼ボディーガード。 身内にはとっても良いお姉さん、包み込むような優しさを持っている。 こちらも純血の吸血鬼、愛称はセティ。 |
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ラティスアレ♀ | 120歳(見た目は10台前半) | 幼さ、無邪気さを装っているが、とても賢く大人な思考をしている。 純血種、今の吸血鬼の体制を生まれたときから退屈に感じている。 その為、面白そうな事には目が無い。 |
蒼夜♂:
ルーシェ♀:
セティ♀:
ラティ♀:
(ノックの音)
蒼夜「蒼夜です、ルーシェ様いらっしゃいますか?」
ルーシェ「うむ、入るがよい」
蒼夜「はい、失礼します」
ルーシェ「いらっしゃい、ソーヤ」
蒼夜「お邪魔します、ルーシェ様、こんばんわ」
ルーシェ「こんばんわ、のぅソーヤ、今宵の月はどうだったかの?」
蒼夜「月ですか、とても綺麗でしたよ」
ルーシェ「ほぅ、なるほどの、形は、覚えておるか?」
蒼夜「形・・・、えっと・・・」
ラティ「力に満ち、狂気を秘めた、まぁるいまぁるいお月様だったよ、ルーシェ」
ルーシェ「む、私はそなたではなくソーヤに聞いておるのじゃ、ラティは少し静かに・・・、ラティ!?」
セティ「蒼い夜の吸血鬼 第六話 幼馴染」
ラティ「はぁい、久しぶりね、ルーシェ」
ルーシェ「久しぶりだのぅ!元気にしておったか?」
ラティ「もちろん、この通りよ」
蒼夜「ルーシェ様、こちらの方は?」
ルーシェ「おっと、紹介が遅れたの、彼女はラティスアレ、城主の一人で、私の幼馴染じゃ」
ラティ「初めまして、ラティスアレよ、よろしくね」
蒼夜「初めまして、蒼夜って言います、よろしくお願いします」
ラティ「彼が噂の?」
ルーシェ「うむ、我らがナイトじゃ」
蒼夜「や、やっぱりその紹介なんですね」
ルーシェ「なんじゃ、嫌なのかの?」
蒼夜「嫌っていうより、恥ずかしいんです、その、身の丈にあってない気がしまして・・・」
ラティ「良いんじゃないかな、ナイトって実績に送られる称号じゃないしね」
蒼夜「そうは言いましても、やっぱりお姫様より弱い騎士って言うのは・・・」
ラティ「大丈夫、そんなこと言ったらこのお姫様にナイトなんて要らなくなっちゃうから!」
蒼夜「なるほど!それもそうですね!」
ルーシェ「っ、ラティだけならまだしも、ソーヤまで言うか!」
蒼夜「あ、ご、ごめんなさい!」
ラティ「いいんじゃない?それだけ力を認めてもらえてるって事だしね」
ルーシェ「む、確かに、そう言われると悪い気はしないがの・・・」
ラティ「でしょ、なら褒め言葉として受け取っときなさいな」
ルーシェ「うむ、それもそうだの、ってそれは私から言い始める事じゃ!」
蒼夜「あっははは!」
ルーシェ「わ、笑うでない!」
蒼夜「ごめんなさい、でも、お二人とも、とても楽しそうだったのでつい」
ルーシェ「そ、そうか、それなら構わぬのじゃ、うむ」
ラティ「へぇー、なるほどねー」
ルーシェ「なにかのラティ、その意味深なリアクションは」
ラティ「いいえ、なんもですよー?」
ルーシェ「ぐぬぬ・・・」
蒼夜「ルーシェ様がここまで一方的に弄られてるの、初めて見た気がする・・・」
ラティ「まぁ、付き合い長いから!」
ルーシェ「そうだの、かれこれ100年以上じゃものな」
ラティ「ほらほら、膨れないのー、可愛い顔が台無しだよー」
ルーシェ「うわっ、やめんか、頬を押すでないー!」
蒼夜「こうしてると見た目通りなんだなぁ」
セティ「あらあら、楽しそうね、お姉さんも混ぜてもらってもいいかしら?」
ラティ「どうぞどうぞ」
ルーシェ「ぬぁー!お主が許可を出すでなーい!」
セティ「ふふっ、残念、本人から許可出なかったから諦めるわね、
っと言う訳でそろそろウチのお姫様を解放してもらってもいいかしら?」
ラティ「しょうがないなぁ、バレットオーガに怒られる前にやめとこっと」
セティ「・・・あら、懐かしいあだ名ね、いやだわ、そんな若気の至りでついた名前で呼ばれたら恥ずかしいじゃない」
ラティ「えぇー、私はいいセンスだと思うのになぁ、その話を聞いて日本語勉強したくらいなのにぃー」
ルーシェ「ラティ、ソーヤの前じゃ、もっと楽しい話題にせぬか?」
ラティ「それもそうだねって言いたい所だけど、そろそろお暇しようかなぁ」
ルーシェ「ん、何か用事かの?」
ラティ「いーえ、帰って一休みしようかなぁって、
帰ってきたばっかりだしちょっとお疲れモードなんだよね」
ルーシェ「そうか、時間を取ってしまってすまなかったの」
ラティ「そんなそんな、久しぶりに話せて良かったよー、
それじゃあ、またね」
ルーシェ「うむ、またの」
ラティ「蒼夜君、色々大変だと思うけど、頑張ってね?」
蒼夜「はい、ありがとうございます、またお会いしましょうね」
ラティ「うん、是非とも、また会おうね」
セティ「それじゃ、玄関までお見送りするわね」
ラティ「大丈夫だよ、何回も来てるんだし、案内してもらわなくても」
セティ「折角来てもらったお客様だもの、たまには姫の付き人らしい仕事をちゃんとさせてちょうだいな」
ラティ「むぅ・・・、しょうがないなぁ、同行を許可しよう!」
セティ「ふふっ、ありがと、それじゃ行きましょ」
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蒼夜「とても活気のある方でしたね」
ルーシェ「うむ、あやつと話していると楽しいじゃろ」
蒼夜「えぇ、とても」
ルーシェ「自慢の幼馴染じゃ、互いに忙しく中々話せぬのが残念だがの」
蒼夜「なるほど、忙しいって何かしてらっしゃるんですか?」
ルーシェ「ラティは表現者じゃからの、人の世界にも作品を送り出しているのじゃ」
蒼夜「へぇー、じゃあ歴史の教科書とかに載ってた人が吸血鬼だったー!ってありそうですね!」
ルーシェ「かもしれぬな、串刺し公とか、の」
蒼夜「・・・冗談、ですよね?」
ルーシェ「さぁの、私は面識が無いから分からぬが、ひょっとするかもしれんの」
蒼夜「あ、あははは!うん、この話は無かったことにしましょう」
ルーシェ「うむ、ソーヤに難しい話はまだ早い、その辺りは追々考えるとよい」
蒼夜「そうですね、僕も新しい事を覚えるのはゆっくりがいいなぁ・・・」
ルーシェ「ゆっくり、しかし確実に、だの」
蒼夜「はい、急がば回れの精神ですね、あ、そういえば・・・」
ルーシェ「ん、なにかの?」
蒼夜「セティさんのバレットオーガって・・・」
ルーシェ「うむ、それも追々じゃな」
蒼夜「分かりました、それじゃそれもゆっくりお待ちしてます」
ルーシェ「ん、中々聞き分けがいいではないか」
蒼夜「だって、聞いても教えてくれないですよね?」
ルーシェ「確かにその通りだの、だが悟った事を言うのにはまだ早いのじゃ」
蒼夜「は、はーい」
蒼夜M(でも、あの名前が出た瞬間のセティさん・・・)
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ラティ「いやぁ、珍しいね、セティがちゃんと召使らしい事してるの」
セティ「あら、それは人前でだけよー、見えない所でちゃんと仕事してるんだから」
ラティ「それ、反対の方がいいよー?」
セティ「いいのよ、これで、あまり見栄張るの好きじゃないもの」
ラティ「なるほど、それなら仕方ないね、まぁ人それぞれだし、分かってるならいっかな」
セティ「ご理解いただけたようで幸い、とりあえずそれは置いておいて、ちょっとお話いいかしら?」
ラティ「そんな改まって何かな?」
セティ「どうしてあの名前で呼んだの?」
ラティ「言ったでしょ、私は好きなんだっ・・・」
セティ「とうに捨てた名よ」
ラティ「・・・私には理解できないけどね、姫の称号を捨てるだなんてね」
セティ「プリンセスと呼ばれていたのなんて最初の数年じゃない、
気付いた時にはオーガだったわよ」
ラティ「私が生まれる前の話なんて知らないよ、知ってるのは武勇伝だけだよ、
バレットオーガ」
セティ「・・・・それは、私を怒らせたくて言ってるのかしら」
ラティ「受け取り方は自由だと思うけど?」
セティ「それなら冗談として受け取っておくわ」
ラティ「そっ、ならもう用事はお終いでいいかな、もう入り口見えてきたし」
セティ「最後にもう一ついい?」
ラティ「はぁ・・・、何?」
セティ「シュウ、どうしてるか知らない?」
ラティ「連絡、取れないの?」
セティ「えぇ」
ラティ「心配だね、まぁ大丈夫でしょ、のたれ死ぬような人じゃないし」
セティ「それもそうね、ありがと」
ラティ「無事を願ってるよ、それじゃあね」
セティ「あぁ、もう一つ」
ラティ「っとと、最後じゃなかったの?」
セティ「ごめんなさい、そういえばちゃんとした意思表示を聞いてなかったなぁと思ってね、
あなた、どっちの陣営に付くの?」
ラティ「そんな、私があの子を裏切るわけがないじゃんか」
セティ「そうね、ありがと」
ラティ「うん、それじゃ、またねー」
セティ「・・・・・・穴だらけよ、ラティスアレ」
蒼夜「次回予告」
ルーシェ「戻ったかセティ」
セティ「えぇ、ただいまルーシェ」
ルーシェ「セティがラティと二人とは珍しいの」
セティ「自分でもそう思うわ」
ルーシェ「私のいない所で何を話しておったのかの?」
セティ「ふふっ、内緒よ」
ルーシェ「む、何やら怪しいではないか」
蒼夜「次回、蒼い夜の吸血鬼 第七話 画策」
ラティ「さて、誰のでしょう」
蒼夜「誰のなんですか?」
ラティ「ここで言ったら面白くないじゃん!」
もどる
シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w