蒼い夜の吸血鬼 第五話 ファーストコンタクト

蒼夜♂ 17歳 (そうや) 最近までいたって普通な高校生だった、幼くして両親と死別してる為家事全般完璧。
物腰柔らかな優しい好青年、尽くすタイプ。
ルージュセイヤ♀ 136歳(見た目は13歳位) 吸血鬼界のお姫様、純血の吸血鬼で凄まじい力を持っている。
生粋のお姫様だが、大抵のことはそつなくこなせる。
愛称はルーシェ。
セティアンシア♀ 231歳(見た目は23歳位) お姫様の保護者、もとい付き人兼ボディーガード。
身内にはとっても良いお姉さん、包み込むような優しさを持っている。
こちらも純血の吸血鬼、愛称はセティ。
ブラッド♂ 26歳 唯我独尊、絶対俺様至上主義。
他は我が為に有ると信じてやまない、野心とエゴの塊。
常に他人を見下している、見下ろされるのが大嫌い。
シュウ♂ 247歳(見た目は24歳位) 純血種、文武両道、何万年に一人といわれる程の天才。
何事も無い平穏な日々に退屈をしている。
クールで多くを語らない、優秀なのに油断の無い完璧超人。
ミレナ♀ 22歳 ブラッドの付き人にして一城の主、明るくノリのいい性格。
面倒見も良く、他の人より気軽に一歩踏み込んだ対応を軽々とやってしまう。




蒼夜♂:
ルーシェ♀:
セティ♀:
ブラッド♂:
シュウ♂:
ミレナ♀:



ルーシェ「うぅむ、どうしたものかの・・・」

セティ「貴女がそわそわしないの、確かに早すぎる気がしないでもないけど、
    いつかは経験すること、彼らのやった事は間違いではないわよ」

ルーシェ「分かっておる!そんな事は言われなくとも重々な、だが・・・」

セティ「ふふっ、素直じゃないのねぇ」

ルーシェ「私が私情を曝け出す訳にはいかないであろう、
     せめて戦いが終わるまでは主人でいるつもりであるぞ」

セティ「あら、じゃあ私が貰っちゃおうかしら、戦いが終わる前に」

ルーシェ「なっ、お、お主!ふふふ、ふざけるでないぞ!」

セティ「冗談よ、ちゃんと応援してあげるわ」

ルーシェ「そ、そういう問題でもなかろう!」

セティ「ふふっ、それじゃ、場も和んだことですし、解決策を考えようかしら」

ルーシェ「むぅ、なんか納得いかぬが、その策に乗ってやろう」

セティ「ありがと、実は、一つ計画してた事があるの」

ルーシェ「ほぅ、どんな事かの」

セティ「それはね・・・」


ルーシェ「蒼い夜の吸血鬼 第五話 ファーストコンタクト」


蒼夜「やっぱり、外出も夜なんですね」

セティ「当たり前でしょ、日の出てる時間に外にでる必要性はないじゃない」

蒼夜「ですね、この体だからって言うのもありますけど、お散歩は夜がいいです」

ルーシェ「そうだの、こんな日は絶好の散歩日和だの」

セティ「そうね、・・・ちょっとちょっとルーシェ?」

ルーシェ「ん、何かの」

(こそこそ話)

セティ「なんでこんな所を選んだのよ」

ルーシェ「こんな所とはなんだ、深くも綺麗な素晴らしい森林ではないか」

セティ「でも、敵城も遠くないでしょう、なんでこんな所にしたのよ」

ルーシェ「ふふっ、ここには面白いものが住んでるらしいのでな」

セティ「面白いもの・・・、ハッ」

ルーシェ「そういう事じゃ、のぅソーヤ、知っておるか?」

蒼夜「あ、あの、主語が抜けてちゃ答えようが無いですよ?」

ルーシェ「む、それもそうだの、この森にはドラゴンが出るらしいぞ」

蒼夜「ド、ドラゴン!?ドラゴンって、空想の生き物じゃ・・・」

セティ「ソーちゃん、毎回同じ驚き方してたらツッコミ役失格よ」

蒼夜「いや、だって内容の本質は一緒じゃないですか!?」

ルーシェ「ならば何故その本質が分からんのだ」

蒼夜「・・・・あ、ロウガさん達と一緒?」

ルーシェ「そういう事だの、吸血鬼になったトカゲ」

セティ「それがドラゴンよ」

蒼夜「なるほど、じゃあ竜人なんですか?」

ルーシェ「ぬ・・・、セティ、竜人、なのか?」

セティ「私に聞かないでよ、私だって見たこと無いもの」

蒼夜「じゃあ、可能性はあるんですね、ちょっと会ってみたいかも」

セティ「でも人になれる様になるケースの方が珍しいらしいわよ」

ルーシェ「ならば我々で謎を解き明かそうではないか!」

蒼夜「そうですね、それも面白そうです!」

セティ「ふふっ、いい感じじゃない」(ルーシェにこそこそ話)

ルーシェ「だの、やっと笑ってくれたの」(セティにこそこそ話)

蒼夜「楽しみだな、友達が増えるといいですねっ」

ルーシェ「うむ、仲間は大いに越したことは無いからの」

セティ「・・・・・仲間、ね、あれと、仲良くなれるのかしら・・・」

蒼夜「え?」

ルーシェ「あれ、か、噂をすればなんとやら、か」

蒼夜「えっと、あの、木より背の高い、爬虫類ですか」

(ドラゴンの咆哮、木の枝を折りながら走ってくるドラゴン)

セティ「に、逃げるわよ!」

ルーシェ「ぬ、その方が良さそうじゃ、動物虐待はいかんからの」

蒼夜「こんな時に強がりはいりませんよぉ!」

ルーシェ「強がりなものか、事実じゃ」

セティ「はいはい、雑談は後々、散ばって撒くわよ」

ルーシェ「うむ!」

蒼夜「えぇ!?」

(他の二人が木々を揺らして方々へ飛ぶ)

蒼夜「あははは・・・、まっすぐこっち来てるんですけど?」

(ドラゴン咆哮)

蒼夜「ひぃぃぃぃいいいいいいい!」

(蒼夜、走って逃げる)

蒼夜「はぁ・・・はぁ・・・、くっ、やばっ」

(ドラゴンが攻撃し、蒼夜回避、地を叩く音)

蒼夜「あぶなっ、こんなの、一回くらったらお陀仏じゃないか」

(ドラゴンの低く唸る声、から飛び立つ音)

蒼夜「っ、消えた?・・・っ、上!?」

(ドラゴン咆哮、滑空と同時に振り下ろされる爪)
(ドンという音)

ミレナ「弱いものいじめは感心しないなぁ」

蒼夜「・・・・え、えぇ!?ひ、人がドラゴンの攻撃受け止めてる!?」

ミレナ「あ、その辺りは後から詳しく話すよ、そんな事よりも・・・
    ドラゴン君、君じゃ私には勝てないよ、弱いものいじめは嫌いなの」

(ドラゴンの低く唸る声)

ミレナ「うん、いい子だ、それじゃ大人しくお家帰るんだぞー」

(大きな羽音、ドラゴン飛び去る)

蒼夜「あ、あの・・・」

ミレナ「ん、大丈夫だった?」

蒼夜「え、いやいや、僕より貴女の腕とかは・・・?」

ミレナ「腕?平気平気、理由はちょっと話せないんだけどね」

蒼夜「は、はぁ・・・」

ミレナ「でも、ここはあんなのが住んでるんだから、もう近づいちゃダメだよ?」

蒼夜「はい、他の皆にもそう話すことにします」

ミレナ「あれ、友達と一緒なの?」

蒼夜「厳密に言うと友達、ではないんですけど、三人で来てたんですよね」

ミレナ「そっかぁ・・・、あれ、その人たちは・・・」

蒼夜「実はドラゴンに追われてる途中で置いてかれちゃって・・・」

ミレナ「あらら・・・、それじゃ、その人たちも探さなきゃね」

蒼夜「ですね、あ、遅くなりました、僕蒼夜って言います、
   助けてくれてありがとうございました」

ミレナ「あぁ、お礼なんていいよ、たまたまだしね、私はミレナ、
    よろしくね、それで、良かったらなんだけど・・・」

蒼夜「なんですか?」

ミレナ「実は私も人と一緒に来たんだけど、お互い探し人もいるみたいだし、
    どっちかが合流するまで一緒にいない?」

蒼夜「むしろこちらからお願いしたいくらいです」

ミレナ「良かった!じゃあ交渉成立だね、行こっか」

蒼夜「ですね」

(二人の歩く音)

ミレナ「でも、なんでこの森に来たの?」

蒼夜「理由までは・・・、夜の散歩に行くぞ!って連れて来られただけなので・・・」

ミレナ「んー、散歩でここ・・・かぁ、あれ、ん?」

蒼夜「ど、どうしました?」

ミレナ「う、ううん、気にしないで、たいした事じゃないからさ」

蒼夜「そ、そうですか、分かりました」

ミレナ「・・・・・・・」

蒼夜「・・・・・・・」

ミレナ「え、えっと、ご、ご趣味は?」

蒼夜「あははっ、と、突然どうしたんです?」

ミレナ「いや、だって折角相手いるんだし会話無いと気まずいでしょ?」

蒼夜「僕はその空間楽しめちゃうんで気まずくは無いかな?」

ミレナ「そ、そうなんだ」

蒼夜「ですね、っと話がそれちゃった、趣味でしたよね、料理、とか夜の散歩とかかなぁ」

ミレナ「へぇっ、料理好きなんだ」

蒼夜「大好きですよ、趣味の範疇ですけどね、ミレナさんはなにか趣味とかあるんですか?」

ミレナ「へっ?私の趣味?」

蒼夜「はい、そうですよ」

ミレナ「趣味かぁ・・・、う〜ん・・・、強いて言うなら人と話すこと?」

蒼夜「人と話すことが趣味ですかぁ」

ミレナ「へ、変、だよね?」

蒼夜「そんな事無いですよ、人と話すこと自体苦手な人が多い時代ですもん、
   人と話すことが好き、素敵じゃないですか、話してるだけで人も自分も楽しくなれるなんて」

ミレナ「そう、かな、えへへ、ありがとっ」

蒼夜「?お礼言われるほどの事した覚えは・・・」

ミレナ「いいの、素直に受け取っときなさいな」

蒼夜「それもそうですね」

ミレナ「そういう事、んー、しかし、そろそろ合流出来ないと辛いなぁ」

蒼夜「確かに夜明けもそう遠くないですからね、日には当たりたくないなぁ」

ミレナ「うん、・・・・あ」

蒼夜「どうしました?」

ミレナ「いた!シュウ君〜!ブラッド様〜!」

蒼夜M「シュウとブラッド・・・聞き覚えが・・・、あ」

シュウ「はぁ、やっと見つけた・・・、んで、その人は?」

ミレナ「迷ってる時に知り合ったソーヤ君だよ」

シュウ「へぇ、ソーヤ、か、君が、ね」

ブラッド「フッ、ミレナが世話になったな」

蒼夜「い、いえいえ、こちらこそ危ない所を助けていただいたので、
   助かりました、み、ミレナさん、合流できて良かったですね」

ミレナ「うん、ソーヤ君のおかげだよ、ブラッド様、ソーヤ君も人さが・・・」

蒼夜「あっ、大丈夫ですよ、後はなんとか一人で探して見ますよ、
   で、では、ありがとうございました!」

(蒼夜一礼、飛び去る)

ミレナ「あっ、もう、見つかるまで一緒にいればよかったのに」

シュウ「ミレナ、気付かなかったのか?」

ミレナ「え?」

ブラッド「あの小僧、姫派の新しい吸血鬼だ」

ミレナ「・・・・・え?」

シュウ「死んだクストの後継ぎだよ、ルージュセイヤの新しいナイト、
    っていうふれこみだったかな」

ブラッド「俺様で気付いたようだな、なって浅いのであろう、あの小僧、
     敵の総大将である俺様は知っていても、配下であるお前までは知らなかったのであろう」

ミレナ「それじゃあ、ソーヤ君は、敵なの?」

シュウ「そういう事になるな」

ブラッド「クッ、アッハハハハハハ!姫も落ちたものだ、あんなガキに頼るとはなぁ!」

シュウ「ブラッドはどう見る?」

ブラッド「フン、歯牙にかける程の物かよ、この俺様が手を下すまでもない」

ミレナ「ブラッド様、申し訳ございません、敵を助けるような真似をしてしまい・・・」

ブラッド「敵と認識する間でもない、もう会うこともないだろうしな、アッハハハハ!」

(ブラッド笑いながら一人先に行ってしまう)

シュウ「さて、慢心が足をすくわないといいけど」

ミレナ「どういう事?」

シュウ「今はどんなに弱かろうと姫の直系、化ける可能性はいくらでもある」

ミレナ「強くなるって事、だよね」

シュウ「生き残りさえすればね、ブラッドの言うとおりそれまでに死ぬ可能性だってある」

ミレナ「そう、だよね・・・」

シュウ「ふん、敵の心配をするくらいなら自分の心配をするんだね」

ミレナ「え?」

シュウ「今の君、弱所だらけだ、迷いを持ったまま生き残れると思わないほうがいい」

ミレナ「うん・・・、ってあれ、もしかして心配してくれてる?」

シュウ「戦力が下がるのはごめんなだけ、期待外れだ」

ミレナ「ちぇー、残念」

シュウ「下らない事言ってないで帰るよ」

ミレナ「あぁ〜!待ってよ〜!」

(シュウ歩き出す、ミレナ走って追いかけ、一度足を止め空を見上げ)

ミレナ「・・・・・・ソーヤ君、か」


ブラッド「次回予告」

ミレナ「そういえばブラッド様、ご存知ですか?」

ブラッド「当然だ」

ミレナ「え、まだ何も・・・」

シュウ「あの女のことでしょ」

ミレナ「あ、あれ、二人ともご存知、で?」

シュウ「結構有名人だよ、彼女」

ブラッド「あれで純血だ、甘く見ている訳ではない」

シュウ「次回 蒼い夜の吸血鬼 第六話 幼馴染」

ミレナ「あ、あれー、私だけ情弱だよー?」


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w