蒼い夜の吸血鬼 第三話 戦いの理由

蒼夜♂ 17歳 (そうや) 最近までいたって普通な高校生だった、幼くして両親と死別してる為家事全般完璧。
物腰柔らかな優しい好青年、尽くすタイプ。
ルージュセイヤ♀ 136歳(見た目は13歳位) 吸血鬼界のお姫様、純血の吸血鬼で凄まじい力を持っている。
生粋のお姫様だが、大抵のことはそつなくこなせる。
愛称はルーシェ。
セティアンシア♀ 231歳(見た目は23歳位) お姫様の保護者、もとい付き人兼ボディーガード。
身内にはとっても良いお姉さん、包み込むような優しさを持っている。
こちらも純血の吸血鬼、愛称はセティ。
ヴァン・ド・レーシェル♂ 不明・見た目は70歳前後 吸血鬼達のコミュニティを確立させた主要人物の生き残り。
厳格かつ堅物、頑固者、そして自信家。
身内には凄く面倒見のいいお爺ちゃん、人間界にも財界人としての顔を持つ。
ブラッド♂ 26歳 唯我独尊、絶対俺様至上主義。
他は我が為に有ると信じてやまない、野心とエゴの塊。
常に他人を見下している、見下ろされるのが大嫌い。
シュウ♂ 247歳(見た目は24歳位 純血種、文武両道、何万年に一人といわれる程の天才。
何事も無い平穏な日々に退屈をしている。
クールで多くを語らない、優秀なのに油断の無い完璧超人。
カリスト♂ 24歳 ブラッド旗揚げ時に反逆をした吸血鬼の一人。「無機の支配者」の異名を持つ。
意思ある者を全く信用していなく、自分と無機物のみを信用している。
他人を見下した節があり、舐めたような態度をとることが多い。
ヴェリッヒ♂ 32歳 欲しいと思ったものには忠実に動く。今回も地位と名誉、後は面白そうという理由だけ。
卑屈じみた狂気を帯びている。世間を諦めているが自分なりに満喫している。
痩せ型長身。





蒼夜&カリスト&ブラッド♂:
ルーシェ♀:
セティ♀:
ヴァン♂:
シュウ&ヴェリッヒ♂:


ルーシェ「よし、着いたの、ここじゃ」

蒼夜「えっと、ここは・・・」

ルーシェ「ソーヤの城じゃの、今日から君はここで寝泊まりするのじゃ」

蒼夜「え、えぇ〜!?」

ルーシェ「当然じゃの、君も城主なのじゃからの、さて、行くぞ、セティが待っておる」

(大きな戸を開け、城に入って行くルーシェ)

蒼夜「僕が、ここの、主・・・?」

ルーシェ「お〜い、何をぽけっとしておる、早く行くぞ」

蒼夜「あ、は、はい!」

(蒼夜小走りでルーシェを追い、扉が閉まって行く)

セティ「あら、おかえりなさい、準備、出来たわよ」

ルーシェ「うむ、素晴らしい、セティに任せて正解じゃったな」

蒼夜「・・・すごい」

セティ「なるべく貴方の元の環境に近づけたつもりよ、どうかしら?」

蒼夜「凄いですよ、違和感無さすぎて違和感だらけです!」

セティ「それ、褒めてるのかしら?」

蒼夜「ほ、褒めてますよ」

ルーシェ「ふむ、確かに、外見と中身が違い過ぎか、まぁ、慣れるであろう」

蒼夜「そうですね、問題は全くないと思います」

セティ「なら、遠回しじゃなくて素直に褒めてくれればいいのに・・・」

蒼夜「ご、ごめんなさい」

ルーシェ「ふふ、何はともあれ、ここは君の城じゃ、後は好きなように変えるといい」

蒼夜「はい!」


セティ「蒼い夜の吸血鬼 第三話 戦いの理由」


ルーシェ「さてと、落ち着いた所で、ソーヤも、訳も分からぬまま戦いたくはないであろう?」

蒼夜「訳、ですか、知らなくても、僕はルーシェ様の騎士ですから、戦います、けど・・・」

セティ「そういう立派な台詞は一人前になってからいいましょう、まずは戦えるようにならないと、ね」

蒼夜「そう、ですよね、すみません」

ルーシェ「いや、その心意気はいいの、先が楽しみじゃの」

セティ「ふふ、あんまり甘やかしちゃダメよ、伸びるものも伸びなくなっちゃうわよ」

ルーシェ「それもそうじゃな、では話を戻すとしよう、訳、知らぬままは嫌であろう?」

蒼夜「そう、ですね」

ルーシェ「では、話すとしよう、あれは・・・何年前だったかの?」

セティ「2年くらい前かしら」

ルーシェ「うむ、2年前の事じゃ、我々は定期的に城主を集め、会議をしていたのだ、そこから全て始まったのじゃ」


(ここから過去回想)


セティ「今回は結構出席率高いわね」

ルーシェ「うむ、思ったより多いの」

セティ「同胞も増えたものね、新入りの顔見せに来た人も多いんじゃないかしら」

ルーシェ「そうじゃの」

(二人に老人がゆっくり歩み寄ってくる)

ルーシェ「あ、お爺様!」

ヴァン「ルーシェではないか、久しぶりだな」

ルーシェ「お久しぶりです、本日もお変わりないようで」

ヴァン「うむ、ルーシェも元気そうで何よりだ、セティも勤めご苦労」

セティ「はい、お気遣いありがとうございます」

ヴァン「うむ、ではそろそろ時間だな、議会場へ行くとしようか」

ルーシェ「はい、お爺様」


(三人扉を開き議会上へ)


ヴァン「ふむ、既に参加予定者は集まっているか」

セティ「そうですね、早速始めますか?」

ルーシェ「そうだの、では皆の者、これより、定例議会を始める!」

セティ「では、まずは各々近況報告から行きましょうか」

ヴァン「うむ、私の方では特筆すべきような事例はなかったが、皆はどうであろうか、シュウ」

シュウ「同じく、僕の方でも変化はない」

ルーシェ「ふむ、次は・・・」

(扉が勢いよく開き、男が一人入ってくる)

ブラッド「ここが議会か、来てみたはいいがなんの面白みもない所だな」

ルーシェ「き、貴様、ここをどこだと思っておる!」

ブラッド「ふん、議会だろうが、貴様のような者に言われ・・・・」

ルーシェ「ん、どうした、いきなり黙りこくりおって」

ブラッド「貴様美しいな、俺の女にな、ぐぅ!?」(なの辺りで殴られる)

ルーシェ「フザケルでない!この定例議会をなんと心得る!」

ヴァン「ふむ、こやつは確か最近城主となった者だったな」

セティ「ですね、所詮は成り上がりといった所ですか」

(周りからクスクスと笑い声)

ブラッド「くっ、貴様ら、俺様を、コケに、したな・・・」

ルーシェ「ふん、貴様程度、いくらでもコケにしてくれよう」

ブラッド「後悔させてやる・・・」

ルーシェ「出来るものならばやってみるがいい」

ブラッド「クックック、ならば、今すぐさせてやる!」

(ブラッド、机の上に飛び乗る)

ブラッド「ブラッドミストォ!」

(ブラッドを中心に真っ赤な血の霧が噴出す)

ルーシェM「なんだこれは、血の、霧?」

ブラッド「我が名はブラッド、血の盟主なり!血に飢えし吸血鬼よ、我が言の葉をよく聞き届けよ!」

ルーシェM「声が、頭に響く・・・」

ブラッド「変わりなき年月に辟易した鬼達よ、牙を剥け、我が敵を鏖殺せよ!
     さすれば、汝に地位と栄誉を授けよう!さぁ、我と盟約を!」

ルーシェM「敵を、ころ・・・」

(数個同時に悲鳴(断末魔)が上がる)

ルーシェ「っ!?」

カリスト「地位と名誉、約束してくれるんでしょうね、本当に」

ブラッド「フッ、今貴様が殺したのは城主だろう、まずはその領地をくれてやろう」

ヴェリッヒ「なら俺もこいつの領地を貰うとして、その先はどうすんのさ?」

ブラッド「敵を殺して奪えば良かろう」

ルーシェ「き、貴様ら、親殺しとは何事だ!」

カリスト「貴方達の仕来りなんて知りません」

ヴェリッヒ「知り合って数ヶ月、無理やり連れてったような奴を親なんて、気が知れねぇな」

ルーシェ「おのれ・・・」

(ヴァンがルーシェの肩に手を置く)

ヴァン「そう憤ることはない」

セティ「そうね、来るものは迎え撃つ、それだけの事よ」

シュウ「じゃあ、僕とは敵同士だな、セティ」

セティ「シュウ・・・、あなた」

シュウ「僕の性格は知っているだろ、変化無き生活には飽き飽きしていた、
     下らない甘言に乗ることにするよ」

ブラッド「下らなかろうと何だろうが、多く支持をつけた方が勝ちだ」

ルーシェ「くっ・・・吸血鬼としての誇りはないのか!?」

ヴェリッヒ「ハン、吸血気になりたての俺たちに誇りを問おうって方が間違ってんだよ」

カリスト「そうです、人間って言うのは欲深き生き物なんですよ」

ルーシェ「き、貴様ら・・・・!」

セティ「ルーシェ落ち着きなさい、こちらから仕掛けては相手の思う壺よ」

ヴァン「そうだ、我らはこのような奴らに付き合う事はない、
    向かって来るのであれば迎え撃てばよい」

ルーシェ「お爺様・・・、はい!」

ブラッド「ならば戦争だ!俺様を愚弄したことを後悔させてやる、
     俺様が今の体制を全てぶち壊してくれよう!アッハハハハハハ!」


(回想終了)


セティ「という訳ね、始まりはこんな簡単な事だったのよ」

蒼夜「簡単なことって、そんな風に済ませていいんですか!?
    その人のせいで沢山人が死んでるんでしょう!?」

ルーシェ「・・・うむ、よく言った!」

蒼夜「え?」

ルーシェ「その気持ちを忘れるでないぞ」

セティ「私たちはこれから敵城を攻め落とす事もあるでしょう、
    けど、目的は皆のため、ね」

蒼夜「相手と一緒になっちゃダメ、って事ですね」

ルーシェ「だの、その気概だったら、安心して背中を預けられるの」

蒼夜「あ、ありがとうございます!」

セティ「それじゃ、次の目標は、気概じゃなくて強さで背中を預けられるようになってもらわないと、ね」

蒼夜「う・・・、頑張ります・・・」

ルーシェ「では、早速明日から特訓だ!」



セティ「次回予告」


ルーシェ「さぁ、とうとう初陣だな」

蒼夜「そ、そそそうですね」

セティ「そんなに緊張しないで、ロウガとリムも一緒だから平気よ」

蒼夜「それはそうですけど・・・」

ルーシェ「しくじるでないぞ、気をつけてな」

蒼夜「蒼い夜の吸血鬼 第四話 ロストバージン」

セティ「命のやり取りで怖いのは、そこもなのよね」


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w