蒼い夜の吸血鬼 第一話 転生

蒼夜♂ 17歳 (そうや) 最近までいたって普通な高校生だった、幼くして両親と死別してる為家事全般完璧。
物腰柔らかな優しい好青年、尽くすタイプ。
ルージュセイヤ♀ 136歳(見た目は13歳位) 吸血鬼界のお姫様、純血の吸血鬼で凄まじい力を持っている。
生粋のお姫様だが、大抵のことはそつなくこなせる。
愛称はルーシェ。
セティアンシア♀ 231歳(見た目は23歳位) お姫様の保護者、もとい付き人兼ボディーガード。
身内にはとっても良いお姉さん、包み込むような優しさを持っている。
こちらも純血の吸血鬼、愛称はセティ。



蒼夜♂:
ルーシェ♀:
セティ♀:

蒼夜M「とても綺麗な夜だった、満月の浮かぶ、とても綺麗な夜、
    その日も、僕はいつものように、街を散歩していたんだ」

(蒼夜後ろから刺される)

蒼夜「あれ・・・血?」

ルーシェ「ふむ、たまには遠出もしてみるものだ、
     まさかこんな極東の地でこんなものに出会えるとはの」

蒼夜M「掠れる視界で声の主を探す、そこには白い、真っ白なドレスを着たお姫様が・・・」

ルーシェ「君、夜は好きか?」

蒼夜「うん・・・」

ルーシェ「ならば、例え朝日を浴びれなくなったとしても、決して平穏でなくとも、
     ・・・人でなくなったとしても、生きていたいと思うか?」

蒼夜「生きたい、朝日が無くても、平穏じゃなくても、僕は、生きたい」

ルーシェ「では、貴方を誘いましょう、美しくも切なく辛い、夜の世界へ」

蒼夜M「お姫様が僕の首筋に口づけをし、ちくりと、痛みが走る、
    それと同時に、僕の意識は、闇に吸い込まれて行った」


セティ「蒼い夜の吸血鬼 第一話 転生」


蒼夜「・・・ん、ぅ」

セティ「あら、思ったより早いお目覚めね、あの子呼んでこなきゃ」

蒼夜「あ、待って!・・・行っちゃった、そんな事よりも」

蒼夜M「ここはどこだろ、パッと見、西洋のお城、だよなぁ」

セティ「お待たせ〜」

蒼夜「あ、どうもです」

ルーシェ「おぉ、目が覚めたか、おはよう、私の名前はルージュセイヤ、
     この城の主じゃ、よろしくの、こっちは・・・」

セティ「私はセティアンシアと申します、ルージュセイヤ様の付き人をやっております、
    以後お見知りおきを・・・」

ルーシェ「セティ、そんな形式張った物でなくても良かろう、
     これから彼に早く馴染んでもらわねばならんのだからな」

セティ「ふふっ、そうね、私の事はセティでいいわよ」

蒼夜「セティさんに、えっと・・・」

ルーシェ「ルーシェでよい、親しい者にはそう呼ばれている」

蒼夜「ルーシェ様、ですね、僕は蒼夜です、よろしくお願いします」

セティ「くすっ、ルーシェ様、ですって」

ルーシェ「もっと、砕けても良いのだぞ?呼びやすいように呼んでもらって構わないぞ」

蒼夜「んー、ルーシェ様はルーシェ様がしっくり来ますよ?」

ルーシェ「そ、そうか、まぁ、呼びやすいのであれば良い」

セティ「さてさて、自己紹介はこの辺りにしておいて」

ルーシェ「うむ、状況を知ってもらわねばな」

蒼夜「あ、そうですよ、ここ、どこなんですか?」

ルーシェ「ここは私の城じゃ、君がいた日本とは違う国にある」

蒼夜「日本じゃないんですか、まぁ、それはなんとなく納得ですけど、
   僕、刺された、んですよね?なんでこんなピンピンしてるんでしょう?」

セティ「貴方は、ルーシェに血を吸われて吸血鬼になったのよ、
    吸血鬼は怪我の治癒も早いの」

蒼夜「あー、なるほど、吸血鬼にかぁ、それでなんですねぇ」

ルーシェ「そうじゃ、それでなのじゃ」

蒼夜「なるほどなるほど、あっははは、ってえぇ〜!?」

セティ「あら、それがノリツッコミというものかしら、初めて見たわ」

蒼夜「そうなんですよ〜、じゃなくて!きゅ、吸血鬼って本物ですか!?」

ルーシェ「うむ、証拠もあるぞ」

(ルーシェの背中からコウモリの様な羽がはえ、宙に浮かぶ)

蒼夜「飛んでる・・・、種も仕掛けもないですよね、多分」

セティ「えぇ、無いわよ、だって、貴方も出来るもの」

蒼夜「じ、冗談ですよね?」

ルーシェ「本当じゃ、自分に羽が生える事をイメージしてみるとよい」

蒼夜「い、イメージですか」

(蒼夜、目を閉じイメージする、と背中からはねが)

蒼夜「・・・本当だ」

ルーシェ「これで、信じてもらえたかの?」

蒼夜「は、はい、身を以て実感しました」

セティ「それじゃ、ソーちゃんは吸血鬼の事は詳しいかしら?」

蒼夜「月並みの知識であれば、えっと、日の光に弱い、流れる水は渡れない、十字架に弱い、
   あとは、心臓に杭を打たれると死ぬ、とか、後は血を吸われると手下にされる、とか?」

セティ「ある意味正解である意味不正解ね」

蒼夜「どういう、ことですか?」

ルーシェ「誇大表現があったり、と行った所かの、我々は夜行性でな、普段日に当たらぬから苦痛なだけじゃ、
     別に溶けたりする訳ではない、流れる水は渡る方法が無い訳ではないしの」

セティ「十字架に弱いのは元々クリスチャンだった吸血鬼だけよ、
    人間だった頃に信奉してた宗教にゆかりある物に弱い、と言った所かしら」

蒼夜「じゃあ、心臓に杭が、っていうのは?」

ルーシェ「心臓が止まって生きていられる生物はおらぬ、それだけじゃ」

蒼夜「なるほど、じゃあ血を吸われたら?」

ルーシェ「手下にはならぬが、吸血鬼にはなるの、親子みたいな物じゃ」

セティ「吸った方が親、吸われた方は子、と言った所ね、私たちはしきたりとか形式にうるさい生き物だから、
    親子関係がそのまま主従関係になることが多いのよ」

蒼夜「ふむふむ・・・」

セティ「それじゃ、何故こんな事聞いたか分かるかしら?」

蒼夜「え、理由なんてあるんですか?」

セティ「当然よ、自分の体について知らないって言うのもおかしいしね」

ルーシェ「そして、敵を知らねば戦えぬのでな」

蒼夜「敵?」

ルーシェ「簡単に言うと、派閥争いをしているのだ、吸血鬼同士でな」

蒼夜「は、はぁ」

セティ「自らを知れば敵の弱点も分かる、っと言う感じね」

蒼夜「派閥争い・・・、平穏じゃないって、この事だったんですね」

ルーシェ「うむ、ソーヤには私のナイトになってもらうからの、姫を守る騎士じゃ」

蒼夜「え!?ぼ、僕が、ナイトですか!?」

セティ「そうよ、ルーシェちゃんはこう見えても強いんだから」

ルーシェ「うむ、ナイトがプリンセスより弱くては話にならんからの、
     びしばししごいて行くから覚悟しておくのじゃ!」

蒼夜「え、えぇ〜!?」


ルーシェ「次回予告!」


セティ「さて、ナイト様が目覚めた事ですし、仲間に紹介にいかないとねぇ」

ルーシェ「そうだの、あいつの所は面倒見もいいしの」

蒼夜「しょ、紹介ですか、ん、め、面倒見?」

セティ「えぇ、これから、特訓の日々よ!」

蒼夜「は、はい!」

ルーシェ「次回 蒼い夜の吸血鬼 第二話 仲間」


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w