Arc Jihad(アークジハード) -人斬りの仁と騎士の信念-

モードレッド♂ 21歳 モードレッドのパーソナリティをインストールされた青年。
一見ぶっきら棒だが考えはしっかりしてる、面倒くさがりや。
岡田以蔵♂ (おかだ いぞう) 30歳 幕末に生きた人斬りのパーソナリティをインストールされた男性。
はっきりと物事を言う性格。よく言えば忠実、悪く言えば自分がない男。
進藤若菜♀ (しんどう わかな) 19歳 フリーターの女性、学生時代に親元を離れ、今はモードレッドと暮らしている。
暗くはないが内向的、虐めはなくなったが相変わらず私生活では孤独。
成川菫♀ (なるかわ すみれ) 24歳 ミスティオンの職員、自身は聖剣の契約者だが、魔剣に手を貸している。
真面目で苦労人、尊敬する上司の為に身を粉にして働いている。






レッド♂:
以蔵♂:
若菜♀:
菫♀:



菫「もしもし、成川です、見つかりましたか、
  場所は?・・・なるほど、分かりました、すぐ向かいます、では」

以蔵「いたか」

菫「えぇ、電車で20分の場所よ」

以蔵「では跳んだ方が早いな」

菫「そんな接近の仕方では警戒されてしまうでしょう」

以蔵「相手が魔剣である以上どの様な接近だろうと警戒は付き物だ」

菫「分かっているわ、だとしてもよ」

以蔵「・・・また鉄の箱にすし詰めにされるのか」

菫「それが本音?」

以蔵「どちらも本音だ、それに銭も掛かるのだろう?」

菫「経費で落ちるわよ」

以蔵「そうか分かった、もう何も言うまい」

菫「それじゃ行きましょう、今度は素直に従ってくれるといいわね」

以蔵「どうせいつも通りさ」


菫「Arc Jihad(アークジハード)-人斬りの仁と騎士の信念-」


若菜「ただいまー」

レッド「ただいま」

若菜「おかえり」

レッド「ん、買ってきたもの冷蔵庫でいいか?」

若菜「あ、置いといて、私がしまうよ」

レッド「分かった、ありがとう」

若菜「うん、モードレッドは休んでて」

レッド「あぁ」

若菜「(適当に鼻歌)」

レッドM「はぁ・・・、今日の戦闘は二回、この頃聖剣も魔剣も血気盛んな奴が多いな、
     契約者も素人とは思えないのばかり・・・、小物は淘汰されきったか・・・?」

若菜「はい、お茶、どうしたの?考え事?」

レッド「ん、いや、なんでもない、ありがとう」

若菜「・・・ごめんね?私が役立たずなせいで苦労してるよね?」

レッド「だからそれはいいって言ってるだろ、気にしてない」

若菜「うん・・・、ありがと・・・」

レッドM「そうだ、例え相手が多かろうとマージ・ウェイクが出来なかろうと、
     負ける気はしない、危なげなくここまで勝ててる、だけどなんだ、この感情・・・」

(ノックの音)

若菜「ん、お客さんだ、出てくるね」

レッド「あぁ・・・、ん、待て、開け・・・!」

若菜「どなた様ですか?」

レッド「っ、しまった・・・!」

菫「こんにちは、はじめまして進藤若菜さん、成川菫と申します」

若菜「え、こんにちは、は、はじめまして・・・、あの、なんで私の名前を・・・?」

菫「立ち話はなんですし、失礼してもよろしいでしょうか?」

若菜「えっと・・・」

レッド「・・・・・・」

菫「おっと、同居人の方がいらっしゃったんですか、
  入ってもよろしいですよね?」

レッド「どうぞって言うと思うか?」

菫「えぇ、もちろん」

レッド「・・・・チッ、若菜、入れていいぞ」

若菜「えっと・・・、どうぞ・・・?」

菫「ふふっ、では失礼します」

若菜「あ、お茶持ってくるので、座って待っててください」

菫「ありがとうございます、では」

レッド「・・・・・・」

菫「そんな怖い顔をして、どうしたんですか?」

レッド「どういうつもりだ」

菫「何がですか?」

レッド「そんな血生臭いニオイさせやがって、
    何をしにきた」

若菜「血生臭い・・・?」

菫「あ、気にしなくてもいいですよ、いただきます」

若菜「は、はい・・・」

レッド「若菜、突っ立ってないでここに座れ」

若菜「え、うん」

菫「はぁ・・・、分かりました、本当はもっと和やかにお話したいんですけどね、
  そちらがそうなら私もそうさせてもらいます」

レッド「で、用件はなんだ」

菫「先に言っておきます、私は争いに来たわけじゃありません」

レッド「テメェはだろうが」

菫「私以外に誰かいますか?」

レッド「契約者が一人で敵地に来るかよ」

若菜「契約者・・・!?」

以蔵「もういいだろう」

レッド「っ!」

菫「待って以蔵、まだ話し始めてすらいないでしょう」

以蔵「話さなくても分かる、こやつらの出す結論はお断りだ」

若菜「あ、あの!」

以蔵「ん?」

若菜「っ、あの、話、聞きますから・・・」

レッド「若菜?」

若菜「だ、大丈夫だよ、争いに来たわけじゃないって、言ってたでしょ・・・?」

レッド「・・・分かった」

菫「以蔵もそれでいい?」

以蔵「話し合いになるのなら俺は構わん」

菫「それじゃあしましょう、話し合いを」

レッド「なればいいがな」

菫「ミスティオンという組織をご存知ですか?」

若菜「ミスティオン・・・?」

レッド「戦争の影でこそこそ動き回ってる奴らか?」

菫「恐らくあなたがそう認識している集団であっているかと」

以蔵「この時期に生き残っている担い手だ、
   多かれ少なかれ気付いてはいるか」

レッド「毎日のように人の生き死にが知らされている
    この世界で流れないのは不自然だと思っていたんだ」

若菜「あ、そう言われてみれば・・・」

菫「そこまで感付いているなら話は早い、
  その情報操作を担っているのがミスティオンです」

若菜「そんなに大きな組織なんだ・・・」

以蔵「それは少し語弊があるな」

若菜「え?」

菫「そうね、大きい組織に伝手(つて)がある組織、という方が近いニュアンスになるかと」

レッド「なるほど、それで、そんな奴らが俺たちに何のようだ?」

菫「この戦いは二つの陣営に分かれて戦っています、
  同じ様に、私たちミスティオンも二つに分かれている」

以蔵「聖剣を持つ派閥と魔剣を持つ派閥にな」

若菜「もしかして、仲間になれって、事ですか・・・?」

レッド「魔剣の俺達に、聖剣の仲間になれって?そんなバカな」

以蔵「なんだ、ただの小娘かと思ったら思いの他話が分かるじゃないか」

若菜「え?」

菫「えぇ、私たちはこうして個人で行動をしている契約者たちに、
  声をかけて回っているんです、魔剣派として」

レッド「・・・なんだって?」

菫「分かりました、もう一度言いましょう、
  あなたたちに、ミスティオン魔剣派の仲間になっていただきたいんです」

レッド「どういうつもりだ」

以蔵「何がだ?」

レッド「何故聖剣が、魔剣に加担する?」

以蔵「雇い主がそうすると言った、それ以上の理由は必要ない」

レッド「それで納得できるのか?」

以蔵「俺は承知している」

若菜「今まで聖剣の人は、私たちが魔剣だって分かると話も聞かずに襲い掛かってきてた。
   正義のためだって、魔剣は悪だって決め付けて、でもあなたは違うの?」

以蔵「正義か悪かは他人が決める物だろう、
   己を正義といって刀を振りかざす人間にまともな奴はいない」

レッド「自分はまともだって言いたいのか?」

以蔵「ふっ、人殺しを嗜むような者がまともなはずあるかよ」

菫「以蔵」

以蔵「あぁ、分かっているさ」

若菜「人殺し、もしかして人斬り以蔵・・・?」

以蔵「後世ではそう呼ばれているらしいな」

若菜「人斬りが聖剣だなんて・・・」

菫「人を斬っていない剣客なんていないと思いますよ」

若菜「でも殺しを楽しんでいた人なんでしょ・・・?」

以蔵「剣を楽しんでいた事をそう呼ぶのならそうなるだろう」

若菜「え?」

以蔵「己の高めた力を行使し、成果を出すことに喜びを感じる、
   それは人として自然なことだと思わないか?」

レッド「それは正当化だろ」

以蔵「正当化出来ない事ならやらない方がいい」

レッド「・・・それは俺の事を言ってるのか?」

以蔵「俺にそのつもりはないが、心当たりがあったのなら今後改めた方がいいだろうな」

レッド「テメェ!」

菫「以蔵!」

若菜「モードレッド・・・!」

レッド「・・・チッ」

菫「私たちは争いに来たわけじゃない、分かってるわよね?」

以蔵「俺はどちらでも構わんといつも言っているだろう」

菫「あぁーもう・・・」

若菜「あ、あの、成川さん、あなたに戦う気がないのは分かりました」

菫「おぉ、本当ですか!」

若菜「でも・・・」

菫「でも?」

若菜「少しだけ考えさせて欲しいんです、
   モードレッドとも相談がしたいし・・・」

菫「残念だけどそれは出来ないわ」

若菜「っ!?」

菫「あぁ、申し訳ございません、私も一件にあまり時間を割いていられないんですよ、
  今この場で、お答えいただきたいんです」

若菜「うぅ・・・」(視線をモードレッドに)

レッド「なら交渉決裂だ」

菫「・・・分かりました、では」

レッド「あぁ、大人しく帰れ」

菫「えぇ、帰ります、但し」

若菜「えっ?」

菫「大人しくはしません!」

以蔵「下せよ天誅、肥前忠吉(びぜんただよし)」

レッド「若菜!チッ、冠(かん)を仰ぎし剣(つるぎ)よ、堕ちた姿で・・・!」

以蔵「シャッ!」

レッド「っ!」

菫「廃校のグラウンドで待ってるわ、追って来なさい!」

若菜「モードレッド!」

レッド「クソ、逃がす・・・!」

以蔵「させんよ」

レッド「くっ!」

以蔵「・・・場所は分かるな?」

レッド「この辺りにいくつあると思ってやがる」

以蔵「それを知っているのなら十分だ、探してみるといい、では」

レッド「クソ、逃がすかよ!」

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以蔵「っとやはり鉄の箱に揺られるより跳んだほうが早いな」

レッド「はぁあああああああ!」

以蔵「ふっ!」

レッド「ちっ、やっと追いついたぞクソ」

以蔵「いいや、俺が待ってやったのさ」

レッド「口の減らねぇ・・・、さっさと若菜を返せよ」

以蔵「この仕合が終われば返してやる」

レッド「なら速攻で終わらせてやる、ふっ!」

以蔵「勢いはよし、だが」

レッド「はぁ!」

以蔵「そぅら」

レッド「っ、うぉ!?」

以蔵「技はなし、シャッ!」

レッド「くっ!」

以蔵「よくあそこから避けた、が次はどうか!」

レッド「っ、ちぃ!」

以蔵「面白い、そぅら!」

レッド「まだ追って来るかよ・・・!」

以蔵「そらそらそらぁ!」

レッド「くぅううううう!だぁ!」

以蔵「っと、それと打ち合うわけにはいかんな」

レッド「ちっ、これだから道無き剣は・・・」

以蔵「ハッ、そんな大層な志なんて物を持つから負けるんだ」

レッド「なんだと?」

以蔵「殺らねば殺られる、他人の志など己が生の前では塵も、同然よ!」

レッド「クズが、テメェの笑い飛ばした志の前に沈めてやる!」

以蔵「ふっ!」

レッド「はぁ!」

以蔵「打ち合ってやらぬと、言っている!」

レッド「いつまでも翻弄されっぱなしだと思うなぁ!」

以蔵「むっ」

レッド「そこ!」

以蔵「やはり体はよし」

レッド「っ、だぁ!」

以蔵「だが技は足らん!」

レッド「受け流された・・・!?」

以蔵「猪では、戦に勝てぬと知れ!」

レッド「クッソが・・・!」

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菫「どうですか、改めて自分の担い手が苦戦している様子を見るのは」

若菜「あんな危ない戦いを、ずっとしてたんだ・・・」

菫「最初の一度しか戦闘を見ていないって言うのは本当みたいですね」

若菜「・・・はい」

菫「どうりで危機感が足りないと思ったんです」

若菜「危機感・・・?」

菫「はい、今まで見てきたどの契約者よりも、圧倒的に足りません」

若菜「なんで、戦うのはモードレッド、担い手でしょ、なんで私に必要なの・・・?」

菫「はぁ・・・、これでも分かりませんか?」

若菜「っ、銃・・・!」

菫「・・・・・・」

若菜「私、分かるんです・・・」

菫「分かる?」

若菜「ずっと1人だったから、ずっと虐められてたから、
   害を加えようとしてる人は、よく分かるんです・・・」

菫「この世界はそんな甘い物じゃない、
  全く目をくれずに人を殺す奴は大勢いる」

若菜「でも、成川さんはそんな人じゃ・・・」

菫「っ・・・!」(若菜を外して発砲)

若菜「ほ、ほら、当てなかったじゃないですか」

菫「・・・はぁ、あなた、戦いから身を引いた方がいいわ」

若菜「自分でも、そう思います」

菫「モードレッドがそうさせてくれない?」

若菜「彼は、私がいないと戦えませんから」

菫「っ」

若菜「私を必要としてくれたのは、しているのは彼だけなんですよ」

菫「利用されているだけかもしれないわよ」

若菜「それでもいいんです」

菫「え?」

若菜「だって、彼は私を助けるためにあそこで戦ってくれている、
   それだけで十分なんです、私には」

菫「・・・はぁ、あなたと話していると嫌になるわ」

若菜「な、なんでですか?」

菫「はたから見ていると私もそう見えるんだろうなと思わされるからよ」

若菜「成川さんも以蔵に利用されているんですか?」

菫「彼じゃないわ、私はよく上司に従順すぎると言われるの、
  相手は使える部下くらいにしか思っていないぞってね」

若菜「その上司の方が、好きなんですか?」

菫「・・・それは、あなたがモードレッドの事を好きだと言ってる様なものよ?」

若菜「好きじゃいけませんか・・・?」

菫「あぁー、この話は止めましょう、私の精神衛生に優しくないわ」

若菜「ふふっ、成川さんの素ってそっちの喋り方なんですね」

菫「普段から敬語な訳がないでしょう?」

若菜「それもそうですね」

菫「はぁ・・・、そんな事より、流石はモードレッドと言った所ね、
  以蔵からまだ連絡がこないなんて、っ!?」

若菜「今、何か電気みたいなものが・・・」

菫「まさか、くっ・・・!」

若菜「あっ、成川さん!」

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レッド「舐めんじゃねぇ、サンダーバースト!」

以蔵「ちぃ!」

レッド「こうなったら形振り(なりふり)構ってられねぇ、行くぞ・・・」

以蔵「あからさまな打突の構え、そんな物が通用すると・・・」

レッド「アサルトライトニング・ショット!」

以蔵「飛び道具か、くっ!」

レッド「初見で避けるかよ、だが連射ならどうだ!」

以蔵「砲口を動かさずに狙いを変えるか、読みづらい事この上ない・・・!」

レッド「そらそらそらぁ!」

以蔵「ふっ、よっ、っと!このままではジリ貧か、ならば!」

レッド「飛び込んでくるか、ソードチャージ」

以蔵「っ、あれは・・・!」

レッド「薙ぎ払えクラレント!サンダーブレード!」

以蔵「くっ・・・!」

レッド「その体勢ならもう一発は避けれないだろ!」

以蔵「避けれないなら、撃たせぬまでよ!」

レッド「うぉぉぉおおおおおおお!」

以蔵「シャァアアアアアア!」

若菜・菫「待って!」

レッド・以蔵「っ!」

菫「はぁ・・・はぁ・・・、なんとか間に合ったわね・・・」

レッド「天秤がどっちかに少しでも傾いてたら片方死んでたな・・・」

以蔵「っはぁ・・・、いや、どちらも死んでいたの間違いだろう、
   首を刎ねたところで雷を纏ったその剣は振り下ろされていただろう」

レッド「当たり前だ、死んでも殺すぞ」

以蔵「クッ、それくらいの跳ね返りが無くてはな」

レッド「・・・どういう事だ?」

若菜「成川さんは、本当に争う気がないみたいなの」

レッド「じゃあこいつは何だ?」

菫「その人は普段からそうなのよ、あまり気にしないでくれると嬉しいわ」

レッド「はぁ・・・、そういう手合いかよ・・・」

以蔵「俺もこれ以上は御免だ、本来なら死んでまで果たすような義理はない」

レッド「本当の狙いは別だな?」

以蔵「皆までは言えん、故に察してくれとだけ残すとしようか」

菫「連絡先よ、何かあれば電話して」

若菜「あ、ありがとうございます・・・」

レッド「俺は、どこかに入る気はねぇぞ」

以蔵「それならばそれで結構、むしろその方がありがたい」

レッド「手の内かよ、気にくわねぇ」

菫「ごめんなさい、でもこれだけは信じて欲しい、敵対するつもりはないわ」

レッド「じゃあなんで若菜攫ってケンカ吹っ掛けた?」

菫「優位に立って思い通りに出来ればそれが一番だった、それだけよ」

レッド「見事失敗だな」

以蔵「いいや、魔剣に属さない魔剣を見つけられた、十分すぎる収穫だ」

レッド「いったいどこの味方なんだか」

以蔵「複雑なんだ、察してくれ」

レッド「はぁ、分かったよ・・・」

菫「納得してくれた?」

レッド「出来るか!」

菫「ふふっ、そうよね、大丈夫よ」

レッド「何がだ?」

菫「返答はいらないわ、その代わり生き残って」

レッド「言われなくても」

菫「ありがとう」

以蔵「成川」

菫「分かってる、早くここから離れたほうがいいって言うんでしょ?」

以蔵「分かっているならいい」

若菜「ど、どう言う事ですか?」

菫「モードレッドの力は強烈だった、それこそ離れていても力の発現が分かるほどに」

若菜「そんなに・・・?」

菫「えぇ、あなたは他の担い手を見た事ないから比較が出来ないでしょうけどね」

以蔵「幻想世界の住人が術を使わない事に違和感を覚えていたのだが、
   あれならば頷ける、自分はここにいるぞとアピールしているようなものだからな」

レッド「ふん、本当に面倒なことさせてくれたぜ」

菫「あなた達、拠点は変えるの?」

若菜「・・・どうしたらいいんだろう」

レッド「追々考えるさ」

若菜「っ・・・」

菫「そう、気をつけてね」

レッド「そっちこそ」

菫「心配してくれるなんて意外ね」

レッド「困った時に連絡させてくれるんだろ?」

菫「あなた、意外と抜かりないのね」

レッド「利用できるものはさせてもらうさ」

菫「是非そうして頂戴、じゃあ気をつけてね、2人とも」

レッド「あぁ」

若菜「は、はい、ありがとうございます、2人もお気をつけて」

菫「えぇ、それじゃあね」

レッド「・・・この戦い、思ったより複雑になってきてるな」

若菜「え?」

レッド「ハッ、俺の言えた事じゃないか、帰るぞ若菜」

若菜「あ、待ってよモードレッド!」

レッド「ゆっくり歩くよ、置いていかないさ」

若菜「あ、ありがとう、・・・ねぇモードレッド」

レッド「なんだ?」

若菜「私、足手まとい・・・?」

レッド「はぁ・・・、そう思うなら敵に捕まらないでくれ、
    安全な場所にいてくれれば俺が何とかする」

若菜「う、うん・・・」

レッド「あー、そうじゃない、・・・死なれちゃ困るんだ、
    深く考えるな、降りかかる火の粉は払うって言ったろうが」

若菜「っ、うん!」

レッド「帰ったら食事だ、肉が食いたい」

若菜「分かった、任せて!」







to be continued...



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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w


こちらの台本はコンピレーション企画「Arc Jihad(アークジハード)」にて
書かせて頂いたものです。
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