Arc Jihad(アークジハード)-尊敬と憎しみの狭間で-

ヤマトタケルノミコト♂ 25歳 日本の英雄のパーソナリティをインストールされた男性。
普段はおちゃらけているが、やる時はやる男。
ガウェイン♂ 33歳 円卓の騎士のパーソナリティをインストールされた男性。
生真面目で実直な性格。




タケル♂:
ガウェ♂:




タケル「よぉ、今日もお早いお帰りだな」

ガウェ「あぁ、何かあってはいけないからな、
    少しでも万全でないのであれば引くべきだ、
    っというのはここの方針でもあるのだろう?」

タケル「そういやそうだった、お陰で未だにお留守番だ、
    折角担い手増えて俺もペア組めるようになったのになぁ」

ガウェ「・・・そんなに酷かったのか?」

タケル「いいや、あいつが心配性なだけさ、もう運動くらいしたって大丈夫だ」

ガウェ「戦うことは?」

タケル「お前さんまで疑うかよ、一緒のことだろ?」

ガウェ「それに関しては同意だが・・・、見せてもらえないか?」

タケル「別に構わねぇよ、・・・っと、ほれ」

ガウェ「・・・よく生きていたな」

タケル「あっははは、見せた奴口揃えてそれ言うよなぁ、
    そんなに酷いかねぇ?」

ガウェ「言うまでもないだろう、それに」

タケル「いっ・・・!」

ガウェ「まだ痛むんだろう?」

タケル「分かってるなら触るなよ・・・」

ガウェ「お前がなんでもないような顔をするからだ」

タケル「へぇへぇ、そーですね、お前さんはなんも悪くないですねー」

ガウェ「分かってくれているならいい」

タケル「こんの野郎・・・、はぁ、綺麗な切り傷ではなかったらしい、
    それが深い上に広かった、完治には時間がかかるそうだ」

ガウェ「光の刃だ、フランベルジュのように波を付ける事も、
    刀身の側面をやすりの様にする事も、自在なのだろうな」

タケル「あー、なるほどな、そういう事だったのか」

ガウェ「まさか、気付いていなかったのか?」

タケル「半分くらいは目を逸らしてたのもあるけどな」

ガウェ「はぁ、全く・・・、と言いたい所だが、
    傷を押して戦場で不覚を取った私の言えた事ではないか」

タケル「お前さんはそっちのガウェインか」

ガウェ「どれも私であって、私ではない、奴がいない時代の物も私であれば、
    奴を憎み、己の強情で国を滅ぼしたと嘆いたのも私だ、
    担い手というのはそういうものだろう」

タケル「・・・それもそうだ、ったく、片っ端から情報叩き込むのも勘弁して欲しいもんだよなぁ」

ガウェ「それもそうだな、お陰でとある一定の事に関しての自己嫌悪が著しい」

タケル「苦労するな」

ガウェ「お互い様だ」

タケル「おぅ」

ガウェ「さて、それでは今日もまた修練場を借りるぞ」

タケル「あいよ、今日も精が出るねぇ」

ガウェ「パーソナリティの影響だろうな」

タケル「本来のお前さんはそんなに勤勉ではないって?」

ガウェ「・・・それに関しては言及を避けさせてもらおう」

タケル「あっはっは!しょうがねぇなぁ、そんじゃ、頑張れよ」

ガウェ「応援感謝する」

タケル「おぅ、じゃーまた後で」

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ガウェ「はぁ・・・はぁ・・・、まだだ・・・、まだこれでは足らぬ・・・、
    更に速く、更に強くだ・・・、ぐっ、うぉぉおおおおお!」

ガウェ「っうぉ!?・・・づぅ、足元が疎かな様では、まだまだだな・・・」

タケル「だ、大丈夫か・・・?」

ガウェ「っ、タケル!?・・・見ていたのか?」

タケル「おぅ、躓いて盛大にぶっ飛ぶ辺りからな」

ガウェ「よりによってそこだけか・・・」

タケル「なんかすまねぇ・・・」

ガウェ「いや、構わない、っと、何かあったか?」

タケル「あー、いやさ、トリスタンに聞いたらお前さん、いつも1人でやってるらしいじゃん、
    俺も動かねぇと鈍っちまうし、よかったら相手してくれねぇかなぁって思ってさ」

ガウェ「動けるのか?」

タケル「言ったろ、運動くらいしたって問題ないって」

ガウェ「そうか、感謝する、ではお手合わせ願いたい」

タケル「任せとけって、ほい、木刀でいいだろ?」

ガウェ「重ねて感謝する、さて、先に1つ宣言しておこう」

タケル「ん?」

ガウェ「今練習中の技だが、まだ人相手に試したことがないのでな、加減は出来ないぞ」

タケル「え、それが今まで人の傷を気遣っていた人のセリフですか?」

ガウェ「運動くらいしても問題はないのだろう?」

タケル「あーそう言ったのは俺でしたねー、分かった、
    遠慮なくこい!」

ガウェ「あぁ、さぁ行くぞ!はぁ!」

タケル「そらぁ!」

ガウェ「っ、上手いな、だが!」

タケル「うぉ!?そこから返して、くるかよ!」

ガウェ「くっ、それはこちらの、セリフだ!」

タケル「ちぃ、やっぱ西の剣士は一発が重たいな、なら!」

ガウェ「ぬっ!?」

タケル「そらそらそらそらぁ!」

ガウェ「くぅぅぅぅううう!」

タケル「どうしたぁ!このままだと技も何もなく、終わっちまうぞ!」

ガウェ「っ!・・・ならば、行かさせてもらう、ふっ!」

タケル「早い!?うぉ!?」

ガウェ「あぁぁぁぁあああああああああ!」

タケル「くっ!っと、マジかよ・・・!?」

ガウェ「更に速く!更に強く!まだ、まだまだまだまだぁあああああ!」

タケル「今、昼過ぎだよなぁ!」

ガウェ「ふっ、そうだ!これは私自身の、力だぁ!」

タケル「ぐぅ!っそ、やられっぱなしで黙ってられるか、よぉ!」

ガウェ「っ!?」

タケル「うぉ!?っぶねぇ・・・、木刀、折れちまったよ・・・」

ガウェ「これがレプリカだったら、死んでいたな・・・」

タケル「・・・ぞっとする話だな、それ」

ガウェ「冗談では済まないな・・・」

タケル「ぷっ、はははっ、あっはははは!」

ガウェ「ど、どうしたのだ?」

タケル「いやぁ、お前さんのあれ、凄いな!聖剣なくてもいけるのか?」

ガウェ「・・・まだ足りないんだ」

タケル「へっ?」

ガウェ「もちろんガラティーンの力無しでは3倍の力は出せない」

タケル「じゃあさっきのはやっぱり?」

ガウェ「あぁ、さっきも言ったとおり、私自身の力だ」

タケル「すげぇじゃん、使ってるんじゃって思うくらいには困ったぜ?」

ガウェ「だがあれでは足らないんだ、ガラティーンの力には遠く及ばない」

タケル「ふーん、そうなのか・・・」

ガウェ「あぁ、・・・私はガラティーンの力無しではタダの騎士だ」

タケル「炎は出せるんだろ?」

ガウェ「分かった、訂正しよう、炎が扱えるだけの騎士だ」

タケル「十分強いだろ、今だって俺と渡り合えてた」

ガウェ「それでは奴に勝てないんだ・・・」

タケル「・・・ランスロットか」

ガウェ「あぁ、私はガラティーンの力がなくなるのを待たれ、返された、
    奴は3倍の力がある私の剣でさえ凌げるだけの力を持っている、まさに騎士の鑑だ」

タケル「だから、それ無しでそれに近付こうって事か」

ガウェ「その通り、・・・私はもう負けたくない、同じ負け方は絶対にしたくない、
    だから、私はガラティーンがなくとも負けない騎士になりたい」

タケル「・・・なれるさ、ガウェインならな」

ガウェ「ありがとう・・・、また、協力してくれるか?」

タケル「もちろん、暇だからな」

ガウェ「ふっ、あぁ、よろしく頼む、タケル」

タケル「おぅ、よろしく、ガウェイン」

ガウェ「あ、そうだ」

タケル「お、どうした?」

ガウェ「傷は、大丈夫か?」

タケル「・・・あ、いたたた・・・、アドレナリン切れたら、痛みがぁ・・・!」

ガウェ「え、衛生兵を呼んでくる!」

タケル「衛生兵とかいねぇよ・・・!ってか人呼ばないで!
    激しい運動したのばれるから・・・!」

ガウェ「やはりダメなんじゃないかー!」




to be continued...




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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w


こちらの台本はコンピレーション企画「Arc Jihad(アークジハード)」にて
書かせて頂いたものです。
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