Arc Jihad(アークジハード)-揺れ動くシン-

ディートリッヒ♂ 24歳 ベルンの王子のパーソナリティをインストールされた男性。
真面目な好青年、少し早とちりする所がある。ウィルとは恋仲。
レーヴェ=グリーヴァ♂ 41歳 よく言う適当なおっさん。紳士的な一面を見せることはあるが、基本は面倒くさがり。
みんなのまとめ役。お父さん的。
バン♂   物凄く気の利く紳士。口数は少ない。物腰柔らか。騎士道精神まっしぐら。
その振る舞いにはどこかの王族を思わせる。
ウィルミヒルデ・アインハルト♀ 23歳 ミスティオン、ドイツ支部の構成員、地域の守護をしてる一族の跡取り。
負けず嫌いで強気な女性、親しい人の前以外では口調を変えている。
オルカ=クラオエ♀ 27歳 大人しい性格、熱くなった人を宥める大人の余裕を持ち合わせている。
人見知りが激しくコミュニティーが苦手。
ペルセウス♀ オルカの変わりによくしゃべる。元気ハツラツキャピキャピのお姉ぇ系をイメージ。
オルカのためなら何でもこなしちゃう実は賢い子。



ディート♂:
レーヴェ♂:
バン♂:
ウィル♀:
オルカ♀:
ペルセウス♀:


ウィル「ただいまー、・・・ふぅ、疲れたー」

ディート「お疲れ様、ウィル」

ウィル「ディートもお疲れ様、ごめんね、色々ワガママ言っちゃって」

ディート「大丈夫だよ、俺も楽しかったし、結果としてあちらの契約者とは分かり合えたのだしね」

ウィル「ありがと、そう言ってもらえて嬉しいな」

ディート「ただ、俺もだけど、もうちょっと相手を見る眼を養わないと、だな」

ウィル「そうね、でも、今回はちゃんと相手を見て考えて決めたのよ?
    ハイドなら分かってくれるって思ったからあぁしたの」

ディート「あぁ、そうだな、担い手はともかく、彼は良い男だった」

ウィル「い、色々と棘のある言い方ね・・・」

ディート「そんな事はないさ」

ウィル「ならいいけど・・・」

ディート「じゃあそういう事で」

ウィル「む・・・、なんかしっくり来ない」

ディート「あっはは、ごめんって」

ウィル「もう、私にも非があるから言い返しづらいじゃない・・・、
    でも、みんな早く帰ってこないかな、報告もしたいし」

ディート「今後の方針も決めなくちゃいけないしな・・・、っと噂をすれば、かな」

ペルセウス(声)「あん。変に疲れちゃったわ。シャワーでも浴びたいくらい」

バン(声)「それは、報告を済ませてからでも良いのでないか?」

ペルセウス(声)「あん、いけずー」

レーヴェ(声)「ま、そうだな。後、クリークの奴はこのままイクスに任しとけば問題ないだろ。
        俺らは俺らのやる事を先にやっちまおうか」

オルカ(声)「うん」

バン(声)「了解した」


ウィル「Arc Jihad(アークジハード)-揺れ動くシン-」


レーヴェ「っと、帰ったぞー」

オルカ「ウィルにディート、ただいま」

ディート「みんな、おかえり」

ウィル「おかえりなさい」

ペルセウス「帰ってくる場所にイケメンがいると本当癒しになるわねん」

オルカ「ペルセウス」

レーヴェ「あー、二人ともご苦労さん。俺らが出てる間何か変わった事はなかったか?」

ウィル「あ、その事なんだけど、凄く沢山あって・・・」

レーヴェ「ん?」

バン「そういえば、二人とも酷く疲れているように見えるが」

ディート「まず、アメリカ支部から来たジェイクと言う者と一波乱あった」

ウィル「まぁ、一番大変だったのはここかな・・・」

レーヴェ「ほう、ジェイクが来たのか」

ウィル「あれ、レーヴェは彼のこと知ってるの?」

レーヴェ「いんや、一方的に知ってるだけだ。顔見知りって訳じゃない」

オルカ「アメリカ支部から、そのジェイクって人が来て・・・。大変って? 味方の人でしょ?」

ディート「凄く癖のある人だったんだ、結果として味方だったんだが、戦闘させられた」

ウィル「細かい事話すと長いのだけど、魔剣の気配がする聖剣だった、のよね・・・」

ディート「お陰で気付かず思いっきり戦ってしまったよ・・・」

レーヴェ「バトったのか、そりゃ見ものだったろうな」

オルカ「うん」

ウィル「見ものだなんてとんでもない、良い勝負をしたっていう自信はあるけど、
負けちゃったんだもの、出来れば見て欲しくは無いかな」

レーヴェ「そうか? 残念だなぁ」

バン「しかし、魔剣の気配がする聖剣か・・・。そんな物が存在するとは、
   誰か聞いたことがある者はいるか?」

ペルセウス「さぁ、私は聞いたこと無いわね」

バン「ふむ・・・、ジェイクという人物の担い手は一体・・・」

ディート「円卓の騎士ガラハッド、やはり名高い騎士なだけはあったよ、強かった」

バン「っ!? ガラハッド、と言ったな」

ペルセウス「そうね。名前だけなら私も知ってるわん」

ウィル「バン、知り合いなの?」

バン「記述通りなら、私の孫に当たる人物だ」

レーヴェ「お前の息子、ランスロットの子供だっけか?」

バン「あぁ、実際ならば会うことは叶わぬ相手なのだが・・・。
まさか担い手としてこちら側に来ているとは予想だにしていなかった」

ディート「過去に会う事が叶わなかった孫と会える可能性、か、この戦いならではの奇跡だな、
そうと知っていればもうしばらくいて貰ったんだが、すまないな」

バン「今会えずとも、然るべき時が来れば何れは。
それよりも、話を逸らしてしまってすまない。
そちらの動きについて詳しく教えて貰えないだろうか」

ディート「分かった、それじゃあ事の始め、ジェイクとガラハッドの話からだな、
武器の特徴はさっき言ったとおりなんだが、どうやら俺達は試されたみたいなんだ」

ウィル「聖剣だからこの世界の人の味方とは限らない、魔剣だからこの世界の敵とも限らない、
ってね、私たちは魔剣だと思ってろくに話も聞かず戦闘に入っちゃって、そこを指摘されちゃった」

ディート「その時にロンギヌスの事も言われたよ、あれがこの世界の事を思っているように見えるかってね」

オルカ「確かに・・・」

レーヴェ「あいつの場合、聖剣魔剣って区別つけるより、正義か悪かって判別した方が早いだろうな」

ペルセウス「私たち聖剣側も世界への想いや個々の私情によっては悪に成り得るってことよねん?」

バン「それで、その両名はわざわざウィル殿とディート殿を試しにドイツ支部まで来たのか」

ディート「いや、俺達はついでだったらしい」

ウィル「魔剣であるシュヴァイツァー一行が敵なのか味方なのか、それを確かめに来たみたい」

レーヴェ「っつー事は・・・」

ウィル「うん、シュヴァイツァーの人たちと接触してきたわ」

ペルセウス「えぇ~、私もいきたかったぁああ」

ディート「あんまり大勢で押し掛けちゃ敵対行為に取られかねない、
     少人数だからこその結果だと俺は思ってる」

レーヴェ「ほう。まぁ、取り敢えずもう少し詳しい話を聞いとくか」

バン「そうしよう」

ウィル「それじゃ話してくわね、ジェイクはゼラフィーネ、私はハイドと会ってきたの」

ディート「戦闘結果は置いておくとして、どちらも相手の契約者とは和解して、
     シュヴァイツァー一行は正式にミスティオンの聖剣派と同盟を組む事になった」

オルカ「魔剣側の人間が・・・味方に? どういうこと?」

ディート「さっきウィルが言ったとおりだよ、魔剣だからこの世界の敵とも限らない、
     あの一行と一緒にいる担い手は、この世界への侵略なんて全く考えてなかった、ってことだな」

レーヴェ「成る程。最早聖剣だから良い奴、魔剣だから悪い奴っていう識別は時代遅れって事か」

ペルセウス「でも、なんだか不思議な感じね。私たちは魔剣側からこの世界を守る為だと思って来てるのに」

バン「うむ、大多数が同じ志で来ているはずだ。だがそれも適合者次第・・・? 
いや、我々の元々持っていた意識の問題なのか?」

オルカ「・・・不思議」

ウィル「私も最初は魔剣は悪だって思ってたからびっくりしちゃった、
    でも、よくよく考えたら魔剣とまともに話したことなんてなかったもんね」

ディート「実際に話してみると意外と普通・・・ではなかったか、
     まぁ、思ったより話せたよ」

レーヴェ「っつー事は、それでシュバイツァー一行は味方になったわけだ。
     そんで、つまり・・・魔剣側が味方になるってことは今までの常識は通用しない。
     敵味方の判別はどうすりゃいいのかって話だな」

バン「全ての魔剣側と、出会う度同じような話し合いが出来る可能性は低いと見られるが・・・」

ペルセウス「そもそもぉ、そんな混雑した状態で最後ってどうなるのん? 目的が分からなくなってきちゃったぁ」

ウィル「最後かぁ・・・、あまり考えたくは無いけど・・・」

ディート「確かに、神が敵にいると思うと、戦いの終盤は考えたくないな」

ウィル「そ、そうね、けど、レーヴェの言う事ももっともね、
    今の所セレス派が味方で、グレアム派が敵だという事は分かってはいるけど・・・」

オルカ「待って、グレアムって、本部長のグレアムさん・・・?」

レーヴェ「そんなまさか、あの人が発信した連絡だって時々回ってきてただろう?」

ディート「俺だって同じ疑問を抱いたさ、あの人が魔剣に取り込まれてたなんてな」

オルカ「だから待って、それって、確かなの?」

ペルセウス「だってぇ、情報も魔剣持った『自称聖剣』が出所なわけでしょぅ?」

バン「我が孫であるから疑いたくはないのだが、そういう事になるか」

ウィル「え、ちょ、ちょっと待って、それじゃ私たち、騙されたって事?」

オルカ「あくまでも、可能性の話・・・」

ペルセウス「そのガラハッド以外の担い手とは話さなかったのぉ?」

ウィル「うん、強いて言うなら、ハイドと契約してるロキくらいかな」

レーヴェ「それはそもそも陣営が違うから、論外だな」

ウィル「うーん・・・、あの時は信用しても大丈夫そうだと思ったんだけど・・・」

ディート「確かに、状況証拠だけ見たら信用できる要素は皆無か・・・」

レーヴェ「俺は、お前さんらが信用に足る人物だと思ったんなら、
     信じてみるのも手だと思うけどな」

ディート「いや、万全は期すべきだ、危険分子の可能性がある以上招くのも、
     こちらから出向くのは得策じゃない」

バン「とはいえ、その情報がある以上、グレアム殿を信用するわけにもいかない」

ペルセウス「やだぁ、情報が錯綜しすぎてドイツ支部孤立しちゃってるぅ」

ウィル「ごめん、私のせいだ・・・」

オルカ「ウィルは、悪くない」

ウィル「ううん、もっとしっかりしてれば、ちゃんと情報だって精査出来たはずだもの、
    穴を見落として鵜呑みにした私の落ち度よ」

レーヴェ「自分の責任だと思うなら、次やるべき事は分かるな」

ウィル「もちろん」

ペルセウス「まぁどっかの誰かさんは自分の不祥事を片付けられもしない癖に、
      いまだにピーピー騒いでるくらいだし、いいんじゃなぁい?」

ディート「それで納得できる俺たちじゃないことくらい、分かってるだろ」

ペルセウス「うふ、当然でしょ?改めて言われなくても、分かってるわよん」

オルカ「・・・その誰かさんって、今日誰か、見てる?」

バン「その誰かさんとは、レギーナ殿のことで間違いないか?」

オルカ「多分・・・」

ペルセウス「もちろん、私の言ってる誰かさんってレギーナの事よぉ」

レーヴェ「他の職員が面倒見てるんじゃねぇのか」

ウィル「・・・・忘れてた」

レーヴェ「おい?」

オルカ「もしかして、誰にもお願いしてない・・・?」

ウィル「そう、ね・・・」

ディート「となると、この時間まで食事も何もしていない事になるな」

オルカ「様子、見てくる」

レーヴェ「すまねぇ、頼んだ」

ペルセウス「あぁん、待ってぇ、私も付いていくわよぉ」

ウィル「はぁ・・・、なんか今日はボロボロだなぁ・・・」

レーヴェ「まぁまぁ、そんな日もあるさ、そう気を落とさんな」

ディート「次同じ事をしないよう気をつければいいさ、な?」

ウィル「うん、そうだね」

バン「取り戻せるミスは取り戻せばいい、ウィル殿ならそれが出来ると私は思っている」

ウィル「どういたしまして、そんな事言われたら頑張るしかないよね」

ペルセウス「っ、大変よ、みんなぁ!」

レーヴェ「どうした!」

ペルセウス「レギーナがいなくなってるわ!」

ディート「あの拘束を自分で解いたのか!?」

オルカ「マージ・ウェイクすれば、可能」

ウィル「ディート」

ディート「あぁ、分かってる」

ウィル「みんなは周辺住人の避難と保護を」

バン「ウィル殿はどうする?」

ウィル「レギーナを追うわ」

レーヴェ「一人で行くつもりか」

ディート「一人じゃない、俺もいる」

レーヴェ「言い方が悪かったな、一組で行くつもりか」

ウィル「あの子には言ってやりたいことがあるの」

オルカ「ウィルは、言っても曲がらない」

レーヴェ「あぁそうだったな、分かった、行ってこい、そしてちゃんと二人で帰って来い」

ウィル「当然」

ディート「急ごう、取り逃がす事はないが、周りの被害が心配だ」

ペルセウス「それじゃ、みんな終わったら元気にここに集合ねぇ!」

バン「承った」

レーヴェ「よしっ、そんじゃ、行くぞ!」



to be continued...




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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w


こちらの台本はコンピレーション企画「Arc Jihad(アークジハード)」にて
書かせて頂いたものです。
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