Arc Jihad(アークジハード) -聖人と逆徒と-

モードレッド♂ 19歳 モードレッドのパーソナリティをインストールされた青年。
一見ぶっきら棒だが考えはしっかりしてる、面倒くさがりや。
ゲオルギウス♂ 26歳 ゲオルギウスのパーソナリティをインストールされた男性。
表裏が激しく、敵には容赦がない。
高橋 正也♂ (たかはし まさや) 23歳 キリスト教に傾倒する男性、聖人であるゲオルギウスに心酔している。
進藤 若菜♀ (しんどう わかな) 17歳 ミッション系の学園に通っている少女、虐められっこ。
親元を離れ一人暮らし、暗くはないが内向的な性格。




レッド♂:
ゲオル&正也♂:
若菜♀:


ゲオルギウスと正也が被りになっていますが、ゲオル表記の際も体は正也の為、
声を無理に変える必要はないかと思います、参考までにどうぞ。



レッド「ん・・・・、ここは・・・、ビルの上、か、って事は移動には成功したみたいだな」

若菜「失礼しまー・・・、ってうわっ、先約がいる!?」

レッド「あ?いちゃ悪いか」

若菜「わ、悪くなんて、ないわよ?別に、私のする事を邪魔しなければ、ね」

レッド「ふぅん、そうか、何をするかは知らねぇが、どうぞご勝手に」

若菜「言われなくても、ご勝手にさせてもらいますよーっだ!」

レッド「・・・靴なんて揃えて、どうするつもりだ?」

若菜「っ、邪魔しないんじゃなかったの!?」

レッド「邪魔はしてねぇだろうが、どうするつもりだって聞いてるだけだろ」

若菜「ぅ・・・、と、飛ぶのよ、ここから」

レッド「飛べる訳がないだろ、人間が」

若菜「うるさいなぁ!いいでしょ!貴方には関係ないじゃんか!」

レッド「あぁ、関係ないな、で、飛べるのか、お前は」

若菜「と、飛べるわよ!私は、その為に、ここに来たんだから・・・」

レッド「ん、分かった、お前、俺のモノになれ」

若菜「・・・はぁ!?」

レッド「自殺するくらいなら、俺がお前の命有効活用してやるよ」

若菜「え、え?どういう・・・」

ゲオル「お待ちなさいお嬢さん、その男の言葉に耳を傾けてはいけません」

若菜「っ!?」

ゲオル「その男は父親でもある主君を裏切り、国を滅亡へと追いやった悪魔のような男だ、
    甘言に惑わされると、あなたも酷い目に合いますよ」

若菜「国を、滅亡に・・・?」

レッド「テメェ、俺が誰か分かったような口ぶりだな」

ゲオル「それだけのオーラを纏わせておきながら、分からぬとお思いか、反逆の徒、モードレッドよ」

若菜「裏切り、国を滅亡って、もしかしてアーサー王伝説のモードレッド!?」

レッド「・・・その通りだ」

ゲオル「私は運が良い、この様な巨悪を、契約前に見つける事が出来たのだからな」

レッド「はぁ・・・、巨悪つっても、俺はまだ何もしてないんだが?」

ゲオル「まだ、という事はこれから何かをするつもりなのであろう」

レッド「チッ、めんどくせぇ、何が言いたい」

ゲオル「貴様の命運も、ここまでという事だ」

若菜「ま、待ってよ!意味が分かんないんだけど!」

ゲオル「何がだね、お嬢さん」

若菜「全部だよ!モードレッドがここにいる理由も貴方が突然どこから現れたのかも!」

ゲオル「私は、下からビルに飛び乗っただけだ」

若菜「・・・えぇ!?」

ゲオル「そして、その男は、この世界を侵略に来たのだ、その魔剣、クラレントを携えてな」

レッド「・・・・もういいや、興味ねぇ」

ゲオル「何?」

レッド「おい、女」

若菜「っ、な、何?」

レッド「もう一回言うぞ、俺のモノになれ」

ゲオル「貴様、この私の前でおなごを誑かそうとするか!」

レッド「うるせぇ、黙ってろ聖剣」

ゲオル「なっ、貴様・・・!」

若菜「そんな、いきなりそんな事言われても、まだ私達知り合ったばっかりだし・・・」

レッド「分かった、もうちょっと分かり易く言ってやる、このクラレントを取れ、それが俺との契約となる、
    どうせ死ぬなら自殺より、その命、他人のために、俺のために使ってみろ」

若菜「他人のために、命を、使う・・・?」

ゲオル「いけませんお嬢さん!その様な口車に乗せられては!魔剣を手に取れば貴方の歩む道が血に染められてしまう!
    そんな男の言葉より、キリスト様を信じるのです、そうすれば、私が、このゲオルギウスが貴方を救って見せましょう!」

若菜「ゲオルギウス、様?聖大致命者(せいだいちめいしゃ)、凱旋者の・・・?」

ゲオル「その通りです!なんと、その呼びを知っていると言う事は、貴方は敬虔(けいけん)な信者なのですね、
    分かりました、ならばすぐに・・・」

若菜「モードレッド!」

レッド「フッ、それでこそだ、冠(かん)を仰ぎし剣(つるぎ)よ、堕ちた姿で王を討て!出でよ、魔剣クラレント!
    さぁ掴め、女!」

若菜「うん!」

ゲオル「っ、しまった・・・!」

若菜「って言うか、そんな呼び方しないで、私には、若菜って言う名前があるの!」

レッド「しないでつっても、名前なんて今初めて聴いたっつうの」

若菜「あ、そ、そうだった」

レッド「フッ、まぁいい、契約はなった、これで若菜、お前は俺のモノに、俺はお前のモノになった、
    これから否応なく戦いに巻き込まれる事になる、が、その火の粉、このモードレッドが全て払ってやる」

ゲオル「くっ、何故だ、先ほどの呼び名、キリスト教徒でなければ知らぬはず、なのに何故だ!」

若菜「神様は、いくら祈っても助けてくれなかった、人だって、みんな見て見ぬ振りで、誰も助けてくれなかった!
   だったら、裏切り者だろうと、悪魔だろうと、なんだろうといい、私を見てくれるなら、誰だっていい!」

ゲオル「何を馬鹿なことを、この私が救うと言ったではないか!」

若菜「私、貴方のエピソード嫌いなの、だって、信じてみたって、私は何一つ救われなかった!」

ゲオル「・・・そうか、ならば仕方あるまい、
    神の加護よ、救いを求めし者に血の洗礼を、光臨せよ、龍殺しの聖槍よ、アスカロン!」

レッド「へぇ、やる気かよ、力の差が分からねぇほどの使い手じゃあるまい」

ゲオル「フッ、ふはははは!力の差など関係ない、少女よ、今こそ洗礼の時だ、この聖槍アスカロンにより、
    これからお主が流す血こそが、洗礼となるのだ!」

若菜「っ!?」

レッド「何を言っている、契約者の同行してねぇテメェに、若菜を殺せるわけが」

ゲオル「貴様こそ何を言っている!我が契約者なら目の前にいるではないか!」

レッド「目の前に、まさか」

ゲオル「そうだ、この身こそが、我が契約者の高橋正也である!
    マージ・ウェイクさえしていれば、理の違いなんぞ障害にならぬわ!」

レッド「ちっ、若菜、下がってろ」

若菜「え、う、うん!」

ゲオル「フッ、外道とは思えん行動よ、王に対してもそれだけの思いやりがあれば・・・」

レッド「黙れ、もう一回だけ言ってやる、俺は、まだ、何もしてねぇ」

ゲオル「ほぅ、なるほど、・・・だとしても、貴様はこれから、罪を犯す、そして重ねる!」

レッド「・・・・分かった、テメェは殺す、ここで、なんとしても」

ゲオル「やれるものならやってみろ!この身はこの世界の・・・」

レッド「話してる暇が、あると思うな!」

ゲオル「くっ、この私の言葉を遮るかぁ!」

レッド「うらぁ!」

ゲオル「はぁ!」

若菜「何あの速さ・・・、本当に、人間・・・・?」

レッド「っと、そら、もう一発!」

ゲオル「そんな、大振りで!」

レッド「流石に防がれるか、なら、こいつで、はぁ!」

ゲオル「うぉ!?」

レッド「どうしたドラゴンキラー、その程度か!」

ゲオル「くっ!流石はあのアーサーに致命傷を与えた騎士、半端ではないな・・・」

レッド「だから、まだやってねぇって言ってるだろうが」

ゲオル「あぁ、そうだったな、これからやるのだったな」

レッド「くっ」

ゲオル「ふっ、怯んだな、そら!」

レッド「っ、くぅ!」

若菜「モードレッド!」

レッド「ちぃ、こっち来るんじゃねぇぞ!」

若菜「っ!」

ゲオル「いくら貴様といえど、マージ・ウェイク無しで敵うと思っているのか?」

レッド「ハッ、テメェこそ、マージ・ウェイクの弱点を忘れてねぇか?」

ゲオル「何?」

レッド「はぁぁあああああ!」

ゲオル「っ、まさか!?」

若菜「うそ、屋上から飛び降り・・・!?」

ゲオル「うぉぉぉおおおおおおお!?」

レッド「いいのかそのままで!その体じゃ落下死しちまうぞ?」

ゲオル「くっ!マージ・ウェイク、解除!」

レッド「かかったな、そら!」

ゲオル「ぐぉ!?」

レッド「契約者は助けてと、これで心おきなくテメェを斬れる!」

ゲオル「なっ、私を騙したのかぁ!?」

レッド「そういう事だ、じゃあな」

ゲオル「ぐぁぁああああああああああ!」

レッド「・・・・はぁ、めんどくさかった、戻るか、よっ!」

若菜「わっ!す、凄い、人一人抱えたまま、ここまで跳んでくるなんて・・・」

レッド「ただいま」

若菜「お、おかえりなさい」

レッド「はぁ、終った終った」

若菜「お疲れ様」

レッド「って言いたい所だが、こいつが目を覚まさない事にはな」

若菜「そ、そっか・・・、だ、大丈夫、かな」

正也「ん・・・ぅ・・・」

若菜「あ、気が付いた・・・?」

正也「ここ、は・・・、っ!」

若菜「だ、大丈夫?」

正也「ゲオルギウス様、ゲオルギウス様は・・・」

レッド「俺が殺した、良かったな、これで自由の身だぞ、お前」

正也「ころ、した・・・?そんな、俺は、選ばれたんじゃないのか、
   神に選ばれたんじゃなかったのかよ!」

若菜「え、え?」

レッド「あぁ、確かにお前は選ばれた、だが神にじゃねぇ、剣を持つという素質にな」

正也「そんなもん信用できるか、俺は選ばれたんだ、洗礼を受けたんだ!
   この世界を守るために、ゲオルギウス様に身を捧げたっていうのに!」

若菜「ま、待ってよ!貴方、体のいい様に使われてたんだよ!?」

正也「それで良かったんだよ!俺は、世界の礎になれるのなら、
   この戦いの中で死んでも良かったって言うのに!」

レッド「・・・そうか、なら、今からでも死んどくか?」

若菜「っ、モードレッド!?」

正也「・・・くっ、ゲオルギウス様を死なせてしまって、のうのうと生き残るなんて、出来るかよ!」

若菜「っ、待って!」

レッドN「ゲオルギウスの契約者だった男、正也はフェンスを乗り越え、ビルから飛び降りた、
     下からは悲鳴や怒号が聞こえる、その騒々しさが、事の悲惨さを物語っている」

若菜「そん、な・・・」

レッド「あれが、お前のしようとしてた事だぞ」

若菜「っ、で、でも、あんな、あんな躊躇いなく飛び降りるなんて!」

レッド「あんたもそれ系の所にいるなら、分かるだろ」

若菜「っ・・・・」

レッド「狂信ってのは得てしてそういうもんだ、ま、あんたは違うんだろうけどな」

若菜「でも、貴方がいなかったら、私も・・・」

レッド「あー、お前は生きてる、それでいいだろうが」

若菜「モードレッド・・・」

レッド「さ、普通に降りてくとあれに鉢合わせる、道教えてくれ」

若菜「・・・・え?」

レッド「家だよ、詳しい事は家で話すが、これからあんな奴らと戦う事になる」

若菜「そう、なんだね」

レッド「だから、近くにいねぇと戦えねぇだろう」

若菜「うん、そうだね」

レッド「それに、お前は俺のモノなんだろ」

若菜「っ、そ、そうだね」

レッド「しょっと」

若菜「きゃっ」

レッド「そんじゃ、いくか」

若菜「え、え?もしかして、本当にこのまま行くの!?」

レッド「ちゃんと捕まってろよ」

若菜「待って待って!いぃぃぃぃやぁぁああああああああ!?」





to be continued...



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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w


こちらの台本はコンピレーション企画「Arc Jihad(アークジハード)」にて
書かせて頂いたものです。
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