Arc Jihad(アークジハード) -泉の聖剣と炎の魔剣-

水騎剣♂ (みずき けん) 21歳 大学生、真面目かつお人よし、剣術を学んでいる
柚木奏真♂ (ゆずき そうま) 22歳 フリーター、喧嘩っ早く短気、ケンカ殺法
アーサー♀ 21歳 アーサーのパーソナリティをインストールされた女性。
真面目で丁寧、曲がった事が嫌い。
スルト♀ 24歳 スルトのパーソナリティをインストールされた女性。
妖しい雰囲気のお姉様、自信家。




剣♂:
奏真♂:
アーサー♀:
スルト♀:



剣N「とあるなんでもない日、俺はいつものように裏庭で剣の型の練習をしていた、
   本当に、なんでもない日、そんな時に、それは突然やってきたんだ・・・」


アーサー「Arc Jihad(アークジハード) -泉の聖剣と炎の魔剣-」


剣「いってて・・・、なんだ、いきなりなんか降って・・・・、って剣と人!?
  だ、大丈夫か!?」

アーサー「はい、何も問題はありません、よかった、最初に会った人が善人そうで・・・」

剣「・・・・・え、普通に立ち上がった?あの、今空から降ってきたよな?本当に大丈夫なのか?」

アーサー「先程何も問題ないと申し上げました、信じていただいて大丈夫です」

剣「わ、分かった、けど、君は一体・・・?」

アーサー「私の名はアーサー、そしてこの剣は聖剣エクスカリバーです」

剣「アーサーにエクスカリバーって・・・まさかアーサーってあのアーサー王!?」

アーサー「同一ではありませんが、認識は間違っていません」

剣「・・・どういう事だ?」

アーサー「私も説明したいのですが、どうやら時間がなさそうですね」

剣「え?・・・・うぉう!?またなんか降ってきたよ!?今日はなんなんだ一体!」

奏真「ククク・・・、その様子だとコントラクトはまだみてぇだな、好都合だぜ、なぁスルト・・・?」

スルト「えぇ、本当ね、それも相手はあのエクスカリバーよ、幸運よ、ふふふ・・・」

剣「な、また、人!?しかも今度は二人も!?」

アーサー「いえ、一人は人じゃありません、私と同じ、いえ、私と相成す存在、魔剣の者」

剣「魔剣、だって?」

奏真「テメェにはまだ関係ねぇ、そして関係する必要もねぇ、だから、その剣を俺によこしな」

剣「・・・・理由は」

奏真「だから関係ねぇつってんだろ、命が惜しけりゃつべこべ言わず渡せ」

剣「これは、命を取らなきゃいけないほどの物なんだな」

奏真「・・・・・聡い奴だ」

アーサー「残念でしたね、そう簡単には行きませんよ、魔の者」

奏真「テメェら・・・・」

スルト「あっはははは!奏真、彼らはこの上ない障害の様よ!」

奏真「気にくわねぇ、ぶっ殺す、スルト!」

スルト「分かったわ、来なさい、終焉の炎、レーヴァテイン!」

アーサー「ありがとうございます、やはり貴方こそこの聖剣の担い手に相応しい、
     さぁ、エクスカリバーを・・・」

剣「それは君の剣だろ、俺だってこいつがある!」

アーサー「なっ、いけません、普通の剣では・・・!」

奏真「もうおせぇ、はぁ!」

剣「何が、遅いって!」

スルト「へぇ、そんなナマクラで私のレーヴァテインを受けるなんて、中々やるじゃない」

奏真「感心してねぇでさっさと焼き斬りやがれ!」

スルト「言われなくても分かってるわ、さぁ、燃え上がりなさい、禁忌の焔よ!」

アーサー「っ、離れてください!」

奏真「逃がすかよ!」

剣「なっ、剣が燃え上がって!?」

奏真「おらぁ!」

剣「うぉ!?剣が融けて、くぅ!」

スルト「奏真逃がさないで!」

奏真「ちぃ、分かってんよ!」

剣「ぐぅ!?」

アーサー「なっ、剣の戦いで足を出した!?」

剣「げほっげほっ、くっ、お前、それでも剣士か!」

奏真「ハッ、くだらねぇ、とんだ甘ちゃんだ」

剣「なんだと」

奏真「命のやり取りに形なんざ関係あるかよ」

スルト「拍子抜けね、超一級の聖剣、その担い手が選んだパートナー、
    期待外れもいい所よ、揃いも揃ってこれとはね」

アーサー「期待外れと言うのは早計過ぎませんか、まだ、私は力を見せていません」

スルト「見せる前に貴女の戦いが終ると言っているの」

奏真「テメェは、実体を持つ前にこの舞台から姿を消す、
   エクスカリバーはこの戦争には最初から存在しねぇ事になんだ」

アーサー「いいえ、まだ終りません」

奏真「あぁ?」

剣「ごめん、借りるぞ、その剣!」

スルト「っ、奏真!」

奏真「くっ、させるかよ!」

アーサー「出でよ、聖剣、エクスカリバー!」

剣「うぉぉおおおおおお!」

奏真「おらぁ!」

剣「はぁ!」

スルト「っ、この感触・・・・!」

アーサー「やっと、打ち合えましたね、魔剣、レーヴァテイン」

奏真「怯んでんじゃねぇスルト、燃やせ、何もかも!」

スルト「言われなくても!枝の破滅を齎<モタラ>すと言われた私の炎、存分に味わいなさい!
    はぁぁぁああああああ!」

剣「くぅ、さっきよりも強い・・・・!」

アーサー「マスター下がって!」

剣「あぁ!」

アーサー「確かに恐ろしい炎です、ですが、この鞘は持ち主を守る盾、
     これがある限り、私たちは負けません!」

奏真「なっ、炎が奴らを避けて・・・!?」

剣「これなら行ける、はぁ!」

奏真「ぐっ!?っそ、舐め、やがってぇ!」

アーサー「マスター、また足です!」

剣「あぁ、今度は、見えてる!」

奏真「ハッ、まだ、止まるかよぉ!」

剣「っ、ぐぅ!」

アーサー「今度は肘・・・!」

スルト「そっちに気を取られてても、いいのかしら!」

アーサー「ふっ、それで、奇襲のつもりですか!」

スルト「っ、あら、奇襲だなんて甘く見られたものね、
    レーヴァテインの担い手の名を、お忘れかしら!」

アーサー「くっ!?なんて、力・・・・!」

スルト「私はスルト、神すら薙ぎ払う、炎の巨人よ!」

アーサー「っ、きゃあ!?」

剣「ぐ、ぅ・・・、こいつ・・・」

奏真「ちっ、中々耐えやがる」

スルト「あら奏真、珍しく苦戦?」

奏真「苦戦はしてねぇ、長引いてるだけだ」

剣「くっ・・・、手やら足やら、こんな剣の戦いがあってたまるかよ・・・」

アーサー「北欧の巨人を模す者がこれ程に強いとは・・・」

スルト「その驚きはお互い様よ、たかが人間如きにここまで手間取るとは、思っても見なかったわ」

奏真「なんだ、テメェも苦戦か、珍しいじゃねぇか」

スルト「苦戦はしてないわ、長引いてるだけよ」

奏真「ハッ、言うじゃねぇか、そんじゃ、さっさと終らせんぞ」

スルト「分かったわ」

剣「くっ・・・・」

奏真「ふん、お前の敗因を教えてやるよ、実戦経験の不足だ、
   型練習だけの奴が、一線張ってた人間に勝てる訳がねぇんだ」

アーサー「マスター、何故本気を出さないのです」

剣「・・・・ダメだ、素人に武術は使っちゃいけない」

アーサー「っ、そんな、これは命のやり取りですよ!手加減なんかして、殺されたら・・・・!」

奏真「手加減、だと・・・・?」

スルト「あぁあ、甘く見られたものね奏真、あなた、素人らしいわよ」

奏真「ちぃ、テメェが何流何段か知らねぇが、俺は自己流免許皆伝だぁ!」

アーサー「来ます!」

剣「分かってる!」

奏真「おらぁ!」

剣「よっ、そう毎度、バカ正直に受けるか!」

奏真「っ、だがまだ!」

剣「ちゃんと見てれば、蹴りだって当たるものか」

奏真「ちぃ、舐めやがって、避けてばっかりで勝てると思ってんのか!」

剣「お望みなら、はぁ!」

奏真「っ、ぐぅ!」

アーサー「その調子ですマスター、あれなら私も、こっちに集中が出来る!」

スルト「言うじゃない、今度は無様に飛ばされないといいわねぇ!」

アーサー「私とて、何度も同じ手には、かかりませんよ!」

スルト「っ、速い!けど!」

アーサー「その太刀筋は、もう見ました!」

スルト「くぅ!?」

アーサー「これで、終いです!」

スルト「まずい、炎よ!」

アーサー「っ、強いですね、くっ」

剣「大丈夫か!」

アーサー「問題ありません、マスターもご無事のようで」

剣「あぁ、けど、あいつの様子がおかしい」

アーサー「様子?」

奏真「おいスルト、あれだ」

スルト「えぇ、異論無いわ、やりましょう」

アーサー「っ、まさか」

剣「一体何が・・・?」

スルト「行くわよ、奏真!」

奏真「あぁ、行くぜ、マージ・ウェイク!」

剣「っ、合体した!?」

奏真「覚悟しやがれ、もう生き残る術はねぇぞ」

スルト「残念だったわねアーサー、もう少し早く主に会っていれば、違ったかもしれないのに」

剣「アーサー、あれと同じ事を」

アーサー「ダメです、いきなり実戦でなんて、危険すぎます!」

剣「このままの状態で戦う方が危険だ、俺は、君を死なせたくない!」

アーサー「っ、分かりました、マスター、名前を教えてください」

剣「剣、水騎 剣だ」

アーサー「ありがとうございます、剣、武器を合わせるのです!」

剣「分かった!うぉぉおおおお、マージ・ウェイク!」

奏真「なっ・・・・!?」

スルト「まさか、初戦でマージ・ウェイクを!?」

剣「凄い・・・、力が溢れてくる・・・・!」

奏真「一発で成功させただと、俺でさえ二回かかったっていうのに!」

アーサー「私も驚いています、初めてで、こんなに馴染むなんて・・・・!」

スルト「これはエクスカリバーのお陰なのか、それとも適合率が高かったのか・・・」

奏真「認めねぇ・・・、こんな甘ちゃんが俺より優れてるなんざ認めねぇ!
   燃え上がれレーヴァテイン、全てを、焼き尽くせぇ!」

スルト「ふっ、そうよ、いくら素材が良かろうと、力の扱い方を知らなければ!」

アーサー「剣、大丈夫です、信じてください、エクスカリバーを、自分の力を!」

剣「あぁ、分かった、すぅ、おぉぉぉおおおおおお!」

奏真「バカが、この炎の中を真っ直ぐ・・・・!」

スルト「迎え撃つわよ」

アーサー「はぁ!」

奏真「っ、ちぃ!」

剣「だから素人だっていうんだ、本当の達人は自分の力に驕ったりなんかしない!」

奏真「テメェが、達人だって言うのかよ・・・・!」

剣「違う、けど、剣の道を志す者としての、忘れてはならない心得だ!」

奏真「く、うぉ・・・!?」

スルト「巨人の力を、押し返すというの・・・・!?」

アーサー「私達は、力のみを盲信してる貴方達のような者には、負ける訳には、いかないんです!」

スルト「くぅ!?」

剣「これで・・・!うっ!?」

アーサー「シンクロが・・・・!?」

奏真「揺らいだ、そこ!」

剣「っ、はぁ!」

奏真「チッ、動けるかよ、うぉぉおおおおお!」

スルト「はぁ・・・はぁ・・・・、流石ね、奏真・・・・」

アーサー「あの体勢から、避けるだなんて・・・・」

剣「・・・・それだけの腕があるのに、何で」

奏真「力は、道だけじゃねぇ、間違ってる事すら正すのが力だ、
   なら、自分を通す為には力が必要なんだ」

アーサー「貴方は、力だけが全てだというのですか」

奏真「ちげぇ、何かをするのには力が必要ってだけだ」

スルト「我を通すには、まだ足らないようだけどね」

奏真「今回は預けるぜ、アーサー、そしてそのマスター」

剣「っ、逃げるつもりか!」

奏真「逃げる?今回は、引き分けだ」

剣「どういう、っ!?」

アーサー「くっ、やはり・・・」

スルト「マージ・ウェイクは契約者の負担になるの、強力な分ね、
    慣れない疲労はいつもより早く来るものよ」

奏真「剣とかいったな、俺の名前は奏真だ、借りはいつか返しに来る、
   それまで、他の奴にやられるんじゃねぇぞ」

アーサー「・・・・・行って、しまいましたね」

剣「だな・・・・、あいつ、いい奴なのかな」

アーサー「・・・・・え?」

剣「だって、他の奴にやられるなって」

アーサー「あの、一つ聞いてもいいですか?」

剣「ん?」

アーサー「剣、貴方もいい人と言われませんか?」

剣「よく分かるね?」

アーサー「はい、とても分かりやすかったですよ」

剣「そ、そうか、・・・・・・そうだ」

アーサー「ん、どうされましたか?」

剣「アーサーは、どこから来たんだ?」

アーサー「話すと長くなるのですが、異世界から来ました」

剣「・・・・・・ほぅ」

アーサー「本当は、ちゃんとお話してから契約したかったのですが・・・、
     申し訳ありません、説明も無く巻き込んでしまい」

剣「いや、まぁ、強引に首を突っ込んじゃった部分もあるからそれはいいんだけど、
  何が起こってるんだ?」

アーサー「一先ず、簡単に概要だけお話させていただきますね、先ほどのスルト属する魔の者たちは、
     この世界を侵略しようとしています」

剣「・・・・・・はぁ」

アーサー「そして、私属する聖の者達は、その侵略を止める為にこちらに来ました」

剣「分かった、手伝うよ」

アーサー「・・・・・あの、何を言ってるか分かっていますか?」

剣「分かってる、困ってるんだろ、もしくは、困るんだろ?」

アーサー「はぁ・・・、本当に、いい人なんですね、剣は」

剣「よく言われる」

アーサー「分かりました、詳しい事は必要に応じて説明していきます、
     今は、貴方の意思を尊重させていただきますね、ありがとうございます、それから」

剣「それから?」

アーサー「剣は、今の戦いでとても消耗しています、まずは体を休められる所へ行きましょう」

剣「ははっ、そうだな、ありがとう、よろしく」

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奏真「クソ、クソ!このままじゃダメだ」

スルト「そうね、素質のみの相手に負けるようじゃ、まだ」

奏真「強くなるぞスルト、なりふり構ってられねぇ」

スルト「手当たり次第焼き払いましょう、そして、我らの糧に」



to be continued...



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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w


こちらの台本はコンピレーション企画「Arc Jihad(アークジハード)」にて
書かせて頂いたものです。
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