Arc Jihad(アークジハード)-これまでとこれから-

ヤマトタケルノミコト♂ 25歳 日本の英雄のパーソナリティをインストールされた男性。
普段はおちゃらけているが、やる時はやる男。
ジュナス・コーベット♂ 21歳 ミスティオンの構成員、セレスの秘書、本業である学者の助手でもある。
真面目で丁寧な性格、力仕事は自信無し。
トリスタン♂ 35歳 円卓の騎士のパーソナリティをインストールされた男性。
ノリが軽く、気さくで親しみやすい兄貴分。
ガウェイン♂ 33歳 円卓の騎士のパーソナリティをインストールされた男性。
生真面目で実直な性格。
神蔵俊久♂ 35歳 ミスティオン関東支部の支部長、不思議な事が好きな学者。
飄々としていて人をからかうのが好き。
アシュレイ・コールソン♀ 22歳 イギリス出身、地元ではアルバイトをして生活をしていた。
快活で友好的な性格、一人称は僕。
セレス・カーライル♀ 23歳 ミスティオンの支部長、オカルトマニアな歴史学者。
ノリは軽いが頭の回転が凄く早い、一部からは天才と言われている。
エマ・アッシュベリー♀ 21歳 ミスティオン、アメリカ支部の構成員、経理担当、ジェイクの義理の娘。
明るく元気な子、仕事に関しては真面目。




タケル♂:
ジュナス♂:
トリスタン♂:
ガウェイン♂:
俊久♂:
セレス♀:
エマ♀:
アシュレイ♀:


(ミスティオン日本関東支部礼拝堂)

俊久「皆、これで葬儀は終わりだよ、ゆっくり休ませてあげよう、
   さぁ持ち場に戻ろうか」

セレス「ありがとう俊久、突然なのにこんなにしっかり送り出してくれて・・・」

俊久「気にしないでよ、僕と君の仲でしょ?」

セレス「そうね、ありがと・・・」

俊久「んー、そんな君を見たのは初めてだなぁ」

セレス「え?」

俊久「いいや、気にしないで、さて、僕はお客さんが来てるみたいだから行って来るよ」

セレス「あ、えぇ、それじゃ私は借りてる部屋で休まさせてもらうわね」

俊久「うん、分かったよ、それじゃまた後で」


タケル「Arc Jihad(アークジハード)-これまでとこれから-」


(同支部本館ロビー)

俊久「申し訳ない、お待たせしてしまって」

アシュレイ「あ、どうも、僕こそ大変な時に来てしまってすみません」

俊久「いやいや、こんな時だからこそですよ、感謝しています」

アシュレイ「そう言ってもらえると助かります、っとそうだ、
      改めまして、アシュレイ・コールソンです、よろしく」

俊久「神蔵俊久です、よろしくお願いします、アシュレイさん」

アシュレイ「アシュリーでいいよ、俊久、これから仲間になるんだし」

俊久「おや、それはありがたい申し出だね、ではそう呼ばさせて貰おうかな、
   それで、そちらの殿方は?」

アシュレイ「っと、俊久も適合者だったのか、紹介が遅れてごめんね」

ガウェイン「ガウェインだ、以後お見知りおきを」

俊久「よろしく、もしかしても何もないと思うけど、
   円卓の騎士のガウェインかい?」

ガウェイン「まさしく、説明が不要で助かる」

アシュレイ「あーもう、説明させて悪かったって言ってるだろ」

ガウェイン「いや、別に他意はないぞ、アッシュ」

アシュレイ「だからそっちで呼ぶなって!」

俊久「あっははは!仲良き事はいい事だ!」

ガウェイン「失敬」

俊久「いやいや、良いものを見させてもらったよ、
   それじゃこれ以上立ち話もなんだし、部屋に案内しようか」

ガウェイン「待って欲しい」

俊久「ん、なんだい?」

ガウェイン「私も勇敢な戦士に祈りを捧げたい」

俊久「きっと彼も喜ぶよ、さっ、こっちだよ」

アシュレイ「行こう、ガウェイン」

ガウェイン「あぁ」

(扉が勢いよく開く)

ジュナス「デイヴさん!」

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セレス「っ!?」

タケル「ん、どうしたセレス?」

セレス「・・・ううん、多分気のせい、あの子がここにいるわけないもの」

タケル「そうだな、・・・立てそうか?」

セレス「大丈夫よ、そこまで疲れてないわ」

タケル「そうじゃないだろ」

セレス「え?」

タケル「続けられるのか?」

セレス「・・・当たり前でしょ、こんな所で止まってられないわ」

タケル「そうか、それじゃ後悔はしてないな?」

セレス「どこをどうしていれば変わっていたかな、って思ってるわ、
    これはあなたの言ってる後悔と一緒かしら」

タケル「こんな時でも口の減らない奴だ」

セレス「だって、さっき俊久に言われちゃったんだもの、張り合いがないって」

タケル「そんな事言ってたか?」

セレス「えぇ、口には出してなかったけどね」

タケル「へっ、そういう事か、ったくしょうがねぇな」

セレス「悪いけど、まだまだ付き合ってもらうわよ、タケル」

タケル「分かってるよ、でもな」

セレス「なに?」

タケル「たまにはガス抜けよ、っていうか俺の前でそんな気張んな、
    相棒だろ?」

セレス「・・・ありがと、でも今はもうちょっと気を張らせて、泣きたくないの、まだ」

タケル「はぁ・・・、分かった、お前がそういうなら」

セレス「世話かけるわね」

タケル「構わねぇよ、で、これからはどうするんだ?」

セレス「力を集めるわ、みんなに単独行動をさせない、
    聖剣も、敵に属さない魔剣も全部ミスティオンに集める」

タケル「敵もか?」

セレス「えぇ、可能な限り犠牲を減らすためよ」

タケル「ったく、中々無茶な注文をする、頑張らねぇとな」

セレス「タケルはしばらくお休み」

タケル「あ?」

セレス「傷、浅くないでしょ」

タケル「このくらい普通に動くぶんには影響ねぇよ」

セレス「戦いは?」

タケル「・・・分かったよ、しばらくは大人しくしてる」

セレス「それでよし」

タケル「けど、目の前に敵が来たら戦うぞ」

セレス「それは、・・・分かってるわよ」

タケル「分かってなかったなこいつ」

セレス「分かってたわよ!自分がやられてちゃしょうがないものね!」

タケル「へぇへぇ、そういう事にしといてやるよ」

セレス「もぅ・・・」

タケル「・・・ん?」

セレス「どうしたの?」

タケル「外が騒がしいな」

セレス「敵?」

タケル「いや違う、これは・・・」

(ドアが勢いよく開く)

ジュナス「いた・・・!」

セレス「ジュナス・・・!」

ジュナス「タケルさん!」

タケル「っ!?」

ジュナス「なんで、なんでデイヴさんを守ってくれなかったんですか!」

セレス「待ってジュナス、ちが・・・」

ジュナス「この世界を守りに来たってあの時言いましたよね、
     セレスさんを危ない目に合わせて、デイヴさんを死なせて、全然出来てないじゃないか!」

タケル「それは俺の力不足だ、悪かった、けどそれは違うぞ」

ジュナス「何が違うって言うんだ!人一人守れないで何が世界を守るだ!」

タケル「ちっ、俺達がしてるのは戦争だ、甘ったれたこと言ってんじゃねぇぞ」

ジュナス「何だって!?」

トリスタン「ジュナスそこまでだ」

ジュナス「っ、なんで止めるんだよ、トリスタン!」

トリスタン「それ以上は男が廃るぞ」

ジュナス「大切な物は譲るなって言ったのはトリスタンでしょ!」

トリスタン「だからお前さんは子供だって言うんだ」

ジュナス「えっ?」

セレス「・・・・・・」

ジュナス「セレス、さん・・・?」

セレス「私を無視するだなんて、偉くなったわね・・・」

ジュナス「っ、泣いて・・・!?」

セレス「ないわよ!バカ!」

ジュナス「っ!?」

セレス「謝りなさい」

ジュナス「・・・え?」

セレス「二度言わせるつもり?」

ジュナス「っ、すみませんで・・・」

セレス「私にじゃないでしょ」

ジュナス「え、だ、誰に・・・?」

セレス「そんな事も分からないの?」

トリスタン「あー、みんな一旦落ち着こう、色んな人が見てるぞ?」

セレス「え・・・?」

俊久「あっはっは、どうやらお邪魔をしてしまったみたいだねぇ」

アシュレイ「この状況でよく笑えるね、俊久・・・」

ガウェイン「大物の証拠だろう」

セレス「と、俊久・・・」

俊久「入っても良いかな、セレス?」

セレス「ど、どうぞ・・・」

エマ「ジュナス」

ジュナス「っ、エマ!?」

エマ「かっこ悪かったわよ」

ジュナス「っ・・・!」

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俊久「さてさて、みんな席についたところで時計回りで自己紹介と行こうか、
   っという訳でまずは僕から、ここの支部長をやっている神蔵俊久だ、よろしくね」

アシュレイ「僕はイギリスから来たアシュレイ・コールソン、よろしく」

ガウェイン「ガウェインだ、以後お見知りおきを」

エマ「えっと、エマ・アッシュベリーです、ミスティオンアメリカ支部で経理をしてます、
   よろしくお願いします」

ジュナス「ジュナス・コーベットです、よろしくお願いします・・・」

トリスタン「トリスタンだ、よろしくな!」

タケル「ヤマトタケル、タケルって呼んでくれ、よろしく」

セレス「セレス・カーライルよ、よろしくね」

俊久「うん、みんなありがとう、あ、お茶菓子持ってこさせるけど何か好きなものとかある?」

セレス「話が終わってからでいいわ」

俊久「おや、そうかい?それじゃさっさと本題を終わらせてしまおう、
   早く換気もしてしまいたいしね」

トリスタン「確かに、こう人が多いと空気も悪くなるからなぁ」

エマ「それは私も同感ですね、特に私の隣が淀んでるから早く何とかしたいな」

ジュナス「うぅ、エマ・・・」

エマ「さっ、始めましょう」

俊久「あははっ、そうだね、さて、みんなに集まってもらったのは他でもない、
   これからの魔剣対策についてだ」

ガウェイン「わざわざこの並びにしたと言う事は、円卓の騎士でも結成するつもりなのか?」

俊久「お、中々良い所をついてくれるね、流石はガウェイン殿!
   まぁアシュリー組はその計画の走りでもあるからお話してたしね」

タケル「計画、もう何か動き始めてるのか?」

セレス「えぇ、準備は始まってたわよ」

タケル「始まってた・・・?」

アシュレイ「僕たちはジェイクって男に誘われてここに来たんだ、
      って言ったら多分分かるよね」

エマ「え、ジェイクの!?」

タケル「この間の話に出てきた凄い奴か」

セレス「そうよ」

エマ「連絡取れないと思ったら、そんな事してたんだ、もぅ・・・」

ガウェイン「ガラハッドも元気そうだったぞ」

トリスタン「おぉ、あいつも来てるのか!これは我らが王の円卓も再現出来そうだな!」

ガウェイン「魔剣がいなければいいが」

トリスタン「おっと、その可能性を忘れてた、ってなるとモードレッド辺りはあっち側だろうな」

セレス「ジェイクも良いカードを引いたみたいね、安心した」

ジュナス「僕がもっと早く来てれば・・・」

エマ「過ぎた事を悔いてても仕方ないでしょ」

俊久「積もる話もありそうだけど先に進めていいかな?」

トリスタン「あぁ、すまない、また時間があるときにでも語り明かすことにするよ」

俊久「是非混ざりたいけどお邪魔になっちゃいそうだね、
   さてさて、計画の全容はセレスのほうからお願いしようかな」

セレス「分かったわ、まずはざっくりと簡単に説明させてもらうわね、
    私たちはなるべく多くの担い手をミスティオンに、仲間に集めたいの」

エマ「あ、それで各支部に連絡をしてたんですね」

セレス「あの時の動機はまた違ったのだけどね、結果的にはそうなるのかも」

ジュナス「最初は知り合いを敵に回したくなかったらって話だったんだよ」

エマ「そっか、相手も同じ事をしてたら先に取り込まれちゃうもんね」

アシュレイ「敵を増やさない為の行動が仲間を増やすことに繋がってたって事か」

ガウェイン「理には適っているな、よい指揮官に巡り合えた様で安心できそうだ」

アシュレイ「悪かったなぁ、伝手もなんもなくてー」

俊久「いや、むしろ僕たちはそういう人を集めたいんだ」

アシュレイ「僕みたいな人を?」

セレス「えぇ、今回のことでよく分かったの、単独行動は危険よ、
    複数の担い手で集まって行動することで生存確率を上げる、それが目的」

俊久「ここには既に3人も担い手がいる、計画は順調だよ」

タケル「おいおい、それじゃ何で克巳を西にやったんだ?」

俊久「関西にはもう担い手が1人いるんだよね、そっちの戦力強化だよ」

タケル「組織の情報網ってすげぇな・・・」

エマ「これならすぐに沢山集まりそうですね」

セレス「ミスティオンに所属してる人はね」

アシュレイ「なるほど、それでジェイクなんだ」

セレス「その通り」

ガウェイン「あの男の身軽さなら適任だな」

トリスタン「ガラハッドもいるしな、聖杯を見つけたあいつなら人選は間違いないだろ」

俊久「どうやら彼のパートナーも信頼されている人みたいだね」

ガウェイン「あぁ、父親はとんでもない奴だが、彼は立派は騎士だよ」

トリスタン「お前って本当にランスロットの事嫌いな」

ガウェイン「・・・憎くもなるさ、あんな事があればな」

アシュレイ「ガウェイン、人前だよ」

ガウェイン「っ、すまない、話を続けてくれ」

セレス「ありがと、って言ってもここまで来たらお三方なら後は分かるでしょ?」

アシュレイ「僕たちも担い手を仲間に誘っていけば良いんだよね」

セレス「流石」

アシュレイ「それ程でも」

トリスタン「だとさ、しばらくは地味な行動になりそうだな」

ガウェイン「あぁ、まさか魔剣ではなく聖剣を探すことになるとは」

俊久「あ、それなんだけど、仲間になってくれる魔剣も一緒に探して欲しいんだよねぇ」

トリスタン「おぉー、魔剣も仲間にかぁー、なるほどなぁ!・・・どういう事?」

ガウェイン「事と次第によっては承服しかねるが」

セレス「この世界を侵略しようとしていない魔剣がいるらしいのよ」

ガウェイン「・・・・・・!?」

トリスタン「はぁー・・・、なんとも信じがたい内容だが・・・」

エマ「もしかしたら好戦的なだけで、それが目的じゃない人もいるって事じゃないかな?」

トリスタン「好戦的な時点で厄介だけどな」

ジュナス「・・・グレアムさんみたいに、望まずに戦わされている人だっているかもしれない」

タケル「そうだな、最大の目的は契約者の保護、って所だ」

ガウェイン「一度魔剣に手を貸したとはいえ、守るべきこちら側の人間、と言う事か」

タケル「それもあるが、相棒を殺された恨みでもう一度魔剣を手に取る可能性だってある」

アシュレイ「一番考えたくないケースだね、不毛すぎるや」

俊久「その時は留置所かどこかに放り込めば良いよ、これで万事解決だ」

俊久以外「っ!?」

俊久「どうしたんだい?揃って変な顔しちゃって」

アシュレイ「日本は法治国家でしょ、そんな事出来る訳が・・・」

俊久「んー、警察の友達いるし、いけると思うけどなぁ、
   日本がダメならどこかいけそうな国あるかな?」

アシュレイ「この男本気だ・・・」

エマ「あ、あの、公的な場所はやめておいたほうがいいんじゃないかと・・・」

俊久「そうかい?そしたら敷地内に何か作ろうか、それが一番良いね」

エマ「そ、そうですね」

トリスタン「ま、まぁ捕虜を牢に捕らえておくのはよくある事・・・、だよな?」

ガウェイン「あぁ、私たちの時代ではよくある事だ、戦争をしていたからな」

ジュナス「これは戦争だよ」

ガウェイン「何?」

ジュナス「それも全世界を巻き込んだ戦争、だって、人が死んでるんだよ・・・?」

エマ「ジュナス・・・」

タケル「・・・こっちの世界の人間から言われると、こう、来るものがあるな」

トリスタン「間違っちゃいないのが余計にな・・・」

ジュナス「今なら、デイヴさんがあの時怒っていた気持ちがよく分かる」

セレス「それでも、それでも私たちは戦い続けなければいけない」

ジュナス「っ!」

セレス「この世界を、守るために」

ジュナス「セレスさん・・・」

セレス「確かにこの戦いは彼らの世界から持ち込まれたものかもしれない、
    だからって彼らに当たるのは違うでしょう、
    だって彼らは私たちに手を貸してくれているのだから」

エマ「・・・そうですね、ここに来るまでだって、トリスタンは私たちの事を沢山助けてくれた」

トリスタン「へへっ、レディにこう言ってもらえると照れるねぇ」

エマ「もう茶化さないの」

セレス「いいのよエマ、お陰で気が楽だわ」

トリスタン「お、流石話が分かるな!」

セレス「話は進め辛いけどね」

トリスタン「っと、そいつはすまない」

セレス「こほん、私は、この世界を守りたい、そしてもう誰も死なせたくない、
    だから、みんなの力を貸して欲しい」

ガウェイン「あなたは一体何を言っているんだ?」

セレス「っ、分かってる、青臭くて甘い事を言っているのは分かってるわ、だから・・・」

ガウェイン「そうではない」

セレス「え・・・?」

ガウェイン「この戦いは元より我々の物、力を借りるのは我々の方だ」

トリスタン「ん、ガウェインの言う通りだ、俺たちはお前さんがたの力を借りなきゃ何も出来ない、
      こうして仲間とも会えた、ありがたいと思ってるんだぜ?」

タケル「勝つ為の舞台を整えてくれる、なら俺たちは勝つために戦うだけだ」

セレス「・・・・・・」

タケル「だから、そっちがそれだけ本気で力を貸してくれるって言うなら、
    俺は全力で戦うよ」

トリスタン「おいおいタケルさんよ、1人でかっこつけないでくれよ」

タケル「へっ?」

トリスタン「俺たちは、だろ?」

タケル「・・・それもそうだな、わりぃ、カッコ良い所1人で持ってっちまって」

トリスタン「今回だけにしてくれよー?」

タケル「おう、分かってるって」

俊久「そこの組も仲直りでき・・・そうじゃないねぇ?」

ジュナス「何で僕を見て言うんですか」

俊久「さぁー、なんででしょう」

セレス「あなたに慣れてない人をおちょくらないの」

俊久「あっはっは、ごめんごめん」

セレス「もう・・・、でもみんなありがとう、一応これで作戦会議はおしまいよ、
    何か質問はある?」

エマ「私からは特にないですよ」

トリスタン「俺も大丈夫だ」

ジュナス「大丈夫です」

アシュレイ「僕も平気だよ」

ガウェイン「質問ではないが、聞きたいことがあるのだがいいだろうか?」

セレス「いいわよ、何かしら?」

ガウェイン「ヌアザについてなのだが」

セレス「っ!」

アシュレイ「ガウェイン!?」

ガウェイン「敵の情報を共有するのも集団では大切だ」

アシュレイ「そうだけど、もうちょっと空気読めないかなぁ・・・!」

ガウェイン「それに」

アシュレイ「それに?」

ガウェイン「私は、素質を持たないにもかかわらず、
      強大な敵に立ち向かった勇者の話を聞きたい」

セレス「デイヴの、話を・・・?」

ガウェイン「勇気や決意に誤解があってはいけない、
      そうだろう、それは死者を辱める行為と同義だ」

セレス「・・・分かったわ、それじゃ、ほんの少しだけ時間を頂戴、
    心の整理だけさせて」

ガウェイン「もちろんだ」

ジュナス「先に部屋へ戻ってますね」

エマ「ちょっとジュナス!」

トリスタン「お前が一番聞いた方が良いんじゃないか?」

ジュナス「人前で泣けって言うの!?」

トリスタン「それを我慢してこそ男だろう」

ジュナス「っ・・・!」

エマ「ほっ・・・」

セレス「お待たせ、それじゃ、話していくわね、まずはヌアザの事からね、
    あいつの剣は・・・」

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セレス「これで、おしまいよ」

エマ「デイヴさん・・・」

ガウェイン「・・・ありがとう、その振る舞い、まさに勇者だ、敬意を払わねばな」

ジュナス「ごめんなさいタケルさん、何も知らないのに、あんな事・・・」

タケル「いや、いいんだ、俺の力不足は本当のことだからな」

トリスタン「よかったよかった、やっと空気が綺麗になったぜ」

エマ「ふふっ、そうだね」

俊久「いやぁー、彼がそんなロマンチックだったとは、
   良いものを聞かせてもらっちゃったね」

アシュレイ「良い話だとは思うけど、指輪のくだりはなくてもよかったかなぁって」

セレス「ぅ、言われて見れば・・・」

エマ「でもでも、不謹慎だけど、ドラマみたいで素敵だなぁって思います!」

トリスタン「そうだな!俺もイゾルデにそれくらいの事してから死ねばよかったぜ!」

ガウェイン「もしこっちで会えたら指輪の1つでも渡してやれば良い、
      そんな事よりトリスタン」

トリスタン「おぅよ」

ガウェイン「漆黒の闇を払う太陽の輝き、ガラティーン!」

トリスタン「全てを射止めろ、そこに無駄など無し、フェイルノート!」

ガウェイン「我ら王の下に集いし円卓の騎士なり!」

トリスタン「アーサーの名の下、ここに誓おう!」

ガウェイン「身命を賭して、汝らを守る剣とならん事を!」(可能であればトリスタンも)

俊久「おぉ・・・!」

ジュナス「カッコ良い・・・!」

ガウェイン「お前の武器は弓だったか、少しカッコがつかないな」

トリスタン「大丈夫だ、最高に決まってるぜ」

タケル「そのやり取りさえなければな」

アシュレイ「あっははは!タケルの言うとおりだ!」

セレス「ふふふっ、そうね、でも、ありがとう、2人とも」

ガウェイン「礼を言われるような事ではない、我らは騎士だ」

トリスタン「あぁ、護るべき国が、王が変わろうとテーブルを囲んで誓った約束」

ガウェイン「必ず果たして見せよう」

セレス「そうね、必ずやりとげましょう!」

エマ「あんなカッコ良いトリスタン、初めて見た・・・!」

ジュナス「あぁ、エマの目が輝いてる・・・」

タケル「俺たちも負けてられねぇな、ジュナス?」

ジュナス「うー!僕もかっこよくなるぞー!」







to be continued...



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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w


こちらの台本はコンピレーション企画「Arc Jihad(アークジハード)」にて
書かせて頂いたものです。
他の参加者様の台本はこちら