機甲戦記(仮) 第一話

新庄 司♂ 19歳 本作の主人公、友達思いの熱い奴、
我を忘れると歯止めが利かなくなる。
親は既に他界し、今は一人暮らし。
  
時雨 美影♀ 18歳 遠くに住む司の彼女、チャットでこまめに連絡を取り合っている。
  
タケ♂ 19歳 司の友人、近所に住むということで大の仲良し。
  
隊長♂ 24歳 敵軍の隊長、自信に溢れた指揮官。
  
敵兵1♂ 22歳 敵軍の兵士、口が悪い、頭も悪い。
  
敵兵2♀ 21歳 敵軍の兵士、敵兵1とは恋人同士、丁寧な口調。
  
司♂:
美影&敵兵2:
タケ&敵兵1:
隊長:




司「よっ、美影、おはよ〜さん」

美影「おはよ〜って、もうお昼よ?ちょっと遅くない?」

司「気にすんなって、一日の最初の挨拶はおはようなんだって」

美影「あはは、確かに仕事場とかだとそうかも」

司「だろ?んな事より最近ずっとオフラインだったじゃん、急がしいん?」

美影「あー・・・、ごめんね、最近仕事が忙しくてね・・・」

司「いい事じゃん、商売繁盛、儲かってるんだろ」

美影「う、うん、そうだね、っと、ごめん、ちょっと呼ばれちゃった、またね」

司「おう、頑張ってな」

美影「うん、それじゃ落ちるね、ばいばい」

司「ノシノシ」

司M「美影がオフラインになるのを見届けて、俺もオフラインにする」

タケ「おぉ〜い、つーかさ〜!暇か〜!?」

司「お、ナイスタイミング、お〜う!丁度暇んなった!そこで待っとけ!」

タケ「おっけぇ〜い!」


司「ごめ、お待たせ〜」

タケ「いいよ、そうたいして待ってねぇし、あれか、丁度ってことは彼女とのラブチャットが終わったとこか、んぅ?」

司「へっへへ〜、そんな所、マジナイスタイミングだったんだけど」

タケ「正しく見計らったかのように!だなっ」

司「だなっ、と、そんで、今日は何すんだ?」

タケ「今から考える!」

司「お前らしいなぁ、ま、それでいいけど」

タケ「そー言うお前はなんかあんのかよ〜」

司「今誘われたんだぞ、ある訳あるか!」

タケ「そらそーだ!」

美影N「その時、地面が大きく揺れた」

司「っとと、地震か?」

タケ「いや、なんかそんな感じじゃなかったぞ、なんとなくだけど」

司「・・・・・・あれ」

タケ「は、あれってなんだよ」

司「だからあれ、空、見てみろって」

タケ「あ?・・・って、あれ、機械人形だ!」

司「しかもあれ、神威の刻印じゃねぇか!なんでこんな弱小国の片田舎まで!?」

タケ「おぃおぃ、止めろよ・・・、そっち俺んちがある方じゃねぇかよぉ、くそ!」

司「おぃタケ、待てよ!くそ、聞こえてねぇか、待てってば!」


司N「俺がたどり着いた時、そこは既に火と血の海、生の気配なんて皆無だった、
    銃を持った、クソヤロウども以外には・・・」

敵兵1「あっはっは!やっぱりこんな辺境だったら機械人形なんて要りませんでしたねぇ!」

隊長「そうだな、だが、備えは確かな方がいい」

敵兵2「ははっ、隊長殿は心配性だ、そんなに気にされるようなことでもないでしょう」

司「テメェらか・・・」

隊長「ん、まだ生存者がいたか」

司「テメェらか!俺たちの町を、こんなんにしやがったのは!」

敵兵1「俺たち以外にいるように見えるかガキィ、分かりきったこと聞くんじゃねぇよ!」

司「こんの、クソヤロォオオオオオオ!」

敵兵1「お、やるか?・・・って素通り?」

敵兵2「まさか、機械人形が目的!?」

隊長「ふん、降りる時はコンソールにロックをかけるのが基本だ、すぐ動かせるわけが・・・」

敵兵2「えっと、すみません、申しづらいのですが・・・私はノーロックで・・・」

敵兵1「すんません、実は俺も・・・」

隊長「なっ、バカモノ!ならば早くあの愚か者を止めんか!」

敵兵1「へ、へぃ!うら、止まれクソガキ!」

司「もぅおせぇんだよ!」

敵兵2「く、ハッチを閉められましたか・・・」

隊長「えぇい、やむを得ん、落とすぞ!お前は帰ったら始末書だ!」

敵兵2「も、申し訳ございません!」

敵兵1「ハン、シロウトがプロに勝てると思うなよ!」

司「ちぃ、もう乗られたかよ・・・、なら生身のお前からだぁああああ!」

敵兵2「は、ちょっと待って、なんでそんな、きゃあああああ!」

隊長「なっ、こいつなんでこうも簡単に機械人形を!?」

敵兵1「あ・・・、あぁあああ!よくも、よくもぉおおおおおお!」

隊長「待て!落ち着け!」

司「くっ、武装は、どこになにが・・・、あった、ブレード!」

敵兵1「あいつの仇だ、死ねぇええええええ!」

司「うるせぇ!テメェらが言える言葉じゃねぇだろうがぁあああああ!」

敵兵1「なっ、動力部が!?うぉおおおおおおお!」

隊長「っ、舐めるなよ、小僧!」

司「逃げた!?いや・・・、ハッ、空中戦がご所望かよ、やってやらぁ!」

隊長「ふん、どこで動かし方を覚えたかは知らんが、初めてでこの私に勝てると思うな」

司「初めてだろうが玄人だろうか知るかよぉ!うらぁあああああああ!」

隊長「突っ込むことしか知らぬ猪か・・・、その程度の動き、バレバレだ!」

司「外した!?」

隊長「外したのではない、避けられたのだ!そして、思い上がったまま堕ちろ!」

司「ぐっ!バーニアに直撃!?まずい、止まれねぇ!?うわぁああああああああ!」

隊長「森の方に落ちたか、あの程度の損傷なら爆発もない、か、チッ、殺し損ねたか・・・、
    本国へ、任務完了、被害は死者二名、一機損失、これより帰還いたします」


司N「俺はそのまま機械人形と一緒に町外れの森に落ち、気を失った、
   チクショウ、俺は、守ることも出来なきゃ、仇を討つ力もねぇのかよ・・・」


とぅーびー・こんてにゅーど