ジュエルファイター



竹下 穂乃香:♀ (たけした ほのか) 19歳
            どこまでも前向きで明るい少女、面倒見もよく、
            自然と回りに人が集まるようなタイプ。

中月 俊斗:♂   (なかづきしゅんと) 22歳
            熱血正義感、頭は結構足らない、必要以上に前向き。
            カッコつけたがりだが、結果は三枚目になることがほとんど。

神代 拓真:♂   (かみしろ たくま) 21歳
            感じの悪い男、自信家で人を見下している。
            だがそれに見合うだけの実力はある。

水橋 響:不問   (みずはし きょう)
            迷子の子供。ただそれだけ。
            男の子。

穂乃香♀:
俊斗♂:
拓真♂:
響不問:

※ト書きはナレとして各役に振っていますが、不要と感じれば読まずでも構いません。
  ただナレはその前後で台詞が少ないキャラに振ってますので読んだ方が出番はバランスいいかも・・・


俊斗N「日も落ちて辺りも暗くなった道を、一人の少女が歩く、
     その胸元には大きなアゲートのペンダント・・・」

穂乃香「ふぅ、遅くなっちゃったなぁ、ま、今日もお母さんが守ってくれるから平気だよね♪」

俊斗N「そう言って、ペンダントを握り締める、それは、母親の形見のお守りだった」

穂乃香「あれ、こんな時間にあんな小さな子が・・・?
     ねぇ君、どうしたの?迷子?」

響「う〜ん、迷子・・・、うん、迷子」

穂乃香「(い、今の間はなんだったのかな?)えっと、お家は?お父さんとお母さんは?」

響「お家わかんない、でもパパとママはお家だよ」

穂乃香「じゃあ、一人で出てきちゃったのかな?」

響「そうだよー、響ね、一人でお出かけできるんだよー、凄いでしょ?」

穂乃香「(いや、迷子になってるじゃん!出来て無いじゃん!)
     そ、そうだね、偉いねぇ、じゃあ、どっちから来たか分かるかな?」

響「ん〜、あっち?」

俊斗N「そう言って、子供は首を傾げながら指をさす」

穂乃香「あぁ〜・・・・、と、とりあえずおまわりさんの所に行こうか・・・」

響「うん、迷子になったら交番に行くんだよね?」

穂乃香「そうだね、じゃ、いこっか」

拓真「ちょっと待ってもらおうか、そこのお姉さん」

穂乃香「はい?私?」

拓真「そうそう、そこの君、ちょっとお話いいですか〜?」

穂乃香「う〜ん、早く帰りたいし、この子も交番連れて行かなきゃいけないから・・・」

拓真「大丈夫大丈夫、すぐ終わるって」

響「すぐってどれくらい?」

拓真「本当にすぐだって、用件をサクッと言っちゃうとさぁ、あれなんだけど・・・
    そのペンダント、いや、それにハマってるアゲート、俺にくれない?」

穂乃香「あ、はいどうぞ、って渡すバカがこの世界のどこに居るか!
     もぅ、そんな冗談言うために呼び止めたの?ほら、僕、変なお兄さんほっといてお姉さんと行こ?」

響「響、僕って名前じゃないもん、響は響って言うんだよ」

穂乃香「そ、そっか、じゃあ行こ、響くん」

拓真「君君、誰が帰って良いって言ったよ?」

穂乃香「わ・た・し、用はそれだけなの?」

拓真「そうなんだよね、用はその石にしかないんだよねぇ・・・」

響「お兄さん、どろぼーさん?」

拓真「んー、その表現は適切じゃないなぁ、だって、盗むんじゃなくて、奪うんだからさ」

俊斗N「男はポケットから一つの宝石を取り出した、
     それは、こぶし大もあろうブラックオパール」

拓真「さぁ・・・、行くぜ?」

穂乃香「きゃ!?」

俊斗N「一陣の風が吹いたかと思うと、男の手から宝石が消えている」

拓真「鬼ごっこの始まりだ、精々足掻いてみな」

穂乃香「えっ、消えた!?」

響「・・・・・風?」

拓真「クククッ、坊主の方が鋭いみたいだな、消えたんじゃなくて移動しただけなんだよな」

穂乃香「後ろ!?」

俊斗N「少女が振り返ると、真後ろに男が立っていた」

拓真「これで鬼の一勝、さて、宝石、ちょ〜だぃ?」

穂乃香「だからっ、あげないって言ってるでしょ!」

俊斗N「少女は子供の手をつかみ駆け出した」

響「痛い痛い、お姉ちゃん痛いよ」

穂乃香「ごめんね、でも、あそこに居たらもっと危ないからっ」

拓真「どこに居ても、一緒なんだけどなぁ」

穂乃香「えっ!?」

俊斗N「息を切らし走った先、そこにはさっきの男・・・」

穂乃香「なんで・・・」

響「瞬間移動?」

拓真「に見えるでしょ?でも、ただ移動してるだけなんだなぁ、これが」

穂乃香「ど、どっちにしてもありえないって!」

拓真「だよねぇ、・・・・最後にもう一回だけ、宝石、くれる?」

穂乃香「どうせ渡しても、「あ、これ見た奴は殺す決まりなんだよねぇ」とか言ってグサッと行くんでしょ!?」

拓真「そういう事、お約束ッしょ?」

穂乃香M「くぅ、どうして私がこんな目にぃ・・・、誰でもいいから、助けて・・・!」

響N「少女がそう願った瞬間」

俊斗「その願い、俺が叶えてやろう、穂乃香よ!」

穂乃香「え、なんで私の名前を!?」

拓真「あぁ?」

俊斗「とぅ!」

響N「屋根の上から現れた影、それは、少女のよく知る男だった」

俊斗「正義のヒーロー!中月俊斗ぉ!ただいま参上!」

拓真「正義の・・・」

響「ひーろー・・・」

穂乃香「あ・・・あぁ・・・!中月って・・・・まさかあの中月先輩!?」

俊斗「そう!君の通う学校で超有名人の中月俊斗だ!」

穂乃香M「うわぁ・・・知り合いたくなかったのにぃ・・・」

響N「説明しよう、突然現れたこの男、少女、穂乃香の通う学校で超有名な
   熱血お節介バカなトラブルメイカーなのだ!」

拓真「・・・・・・知り合い?」

穂乃香「いやいやいや!ただ同じ学校に通ってるだけよ!」

俊斗「その通り!そしてお互い有名人だからお互い知ってるだけで知り合いでは無いんだ!」

響「お兄ちゃん、うるさい・・・」

拓真「色んな意味でご愁傷様だよ、穂乃香・・・だっけ?」

穂乃香「その通りですぅ・・・」

俊斗「フッ、ご愁傷様なのはお前だ変態ヤロウ!」

拓真「貴様にだけは言われたくない!あぁ〜!もぅいい加減、殺すぜ・・・」

穂乃香「ばかぁ〜!怒らせちゃったじゃんかぁ!」

俊斗「フッ、任せておいてくれ、この俊斗様が来たからには安心さっ」

響N「そう言って俊斗が取り出したのはこれまた大きい真っ赤なルビー」

拓真「チッ、まさか貴様もか!?」

俊斗「そのとぉーり!行くぜ!ルゥゥゥウウウジュッ・・・チェェェェエエエエエエンジッッッッ!!!」

響N「真夜中に響く叫び声、それと同時に、俊斗は眩い光に包まれた」

拓真「うわ・・・」

穂乃香「さいてぇー・・・・」

響「変身ヒーローだぁ・・・」

俊斗「ジュエルガイツ、ただいま見参!」

響N「宝石が無くなっているのは男と一緒だった、が、明らかに違うのはその格好、
   いでたちは正しく日曜朝にやっている変身ヒーローのそれ・・・」

拓真「はぁ・・・・、今からこれを相手にするのか・・・」

穂乃香「ご愁傷様です」

拓真「言ってくれるな・・・・」

俊斗「フッ、相手は俺様だけでは無いぞ!さぁ、穂乃香!君も変身するのだ!その石で!」

穂乃香「えぇ!?」

拓真「っ!テメ、言ってること分かってるのか!?」

俊斗「分かってるさ、だが、こうなればこの子も部外者ではあるまい!」

拓真「チィ、バカの癖に道理を・・・」

俊斗「さぁ!変身の言葉を叫ぶんだ!」

穂乃香「えぇーーーー!?」

穂乃香M「やだやだ!私、あんな恥ずかしい格好したく無いし叫びたくも無いぃ〜!
      あれ、でも待って、あの男の人は何にも言わずにパワーアップした気がする・・・、
      でもでも!やり方なんて私わかんないよ!?」

俊斗「何をしている!ためらうな!君にはその力がある!」

響「わくてかわくてか」

穂乃香「わくて・・・?ってすっごく目キラキラしてるよ響くん!?」

拓真「はぁ・・・・、石に念じてみろ、力を貸してくださいって」

穂乃香「え・・・、う、うん!お願い!私に力を!」

響N「その時!穂乃香を眩い光が包み込む!」

穂乃香「うわぁ〜、うわうわっ!すっごい!力が溢れてくる!今なら勝てる気がする!」

俊斗「む、ちょっと残念・・・」

響「残念・・・」

拓真「それで正解だ、貴様が残念なんだ・・・」

穂乃香「お兄さんも残念なんじゃない?私、さっきまでとは違うわよ、・・・多分」

拓真「ふん、バカ一人に戦い方も知らない女一人、負ける要素は見当たらない・・・、
   が、無事にはすまないだろうな・・・」

響N「そういうと、男はどこからともなく石を取り出し、背を向けた」

俊斗「む、貴様!どこへ行く!?」

拓真「帰る、割に合わない仕事はしないタチなんで、ただ、あんたらの石はいつか頂く、
    俺は神代 拓真、覚えておけ、また奪いに来る・・・」

穂乃香「ま、待ちなさいよ!ただで帰すと思う?」

拓真「穂乃香・・・だっけ?折角無傷で帰れるんだから、そのチャンス使っとけば?
    カウンター打たせずに俺を無力化できる自信ある?」

俊斗「俺様は出来る自信あるぞ!」

拓真「正義の味方が変身といた相手に攻撃するのか?」

響「しちゃうの・・・?」

俊斗「ぐぅ・・・、卑怯な・・・」

拓真「クククッ、そういう事だ、じゃーなー」

響N「そう言って男、拓真は去っていった」

穂乃香「た、助かったぁ・・・」

俊斗「フフフッ、これも全て俺様のおかげだなぁ」

穂乃香「認めたくないけどね・・・」

響「ヒーローはいつまで変身できるの?○分?」

穂乃香「こらっ、それは危ないから止めなさい」

俊斗「そういう事だ、ヒーローは秘密に包まれていなくてはな!」

響「かっこいいなぁ・・・」

俊斗「そうだろうそうだろう!アッーハッハッハッハ!」

穂乃香N「え〜っと、こうして、私はよく分からない宝石の力と、
      訳分かんない人との関係を手に入れてしまった訳で・・・、
      でも、お母さんから貰ったこの石にこんな力があったなんて・・・、
      なんだか、明日から不安だよぅ〜!」

俊斗「続くぅ!」


響「お・ま・け」

穂乃香「はいっ、お疲れ様〜!」

響「おつかれさまぁ〜!」

拓真「ぱちぱちぱちー、お疲れ様ー」

俊斗「やる気なっ!折角のおまけなのにやる気なっ!」

拓真「だって、こんなけ続きそうな内容で読みきりなんだろ?これ」

穂乃香「らしいねー、主に作者の事情で」

俊斗「なぁんだってぇー!?これからの俺様の活躍は!?」

響「これでお終いだね〜」

俊斗「ガァーーッデム!これじゃ俺様、ただのバカキャラじゃないか!」

穂乃香「いや、どっからどう見てもただのバカでしょ?」

拓真「あぁ、正真正銘のバカだ」

響「ば〜かば〜か」

俊斗「うわぁあああああああああ!」

拓真「では、続く、って言ったばっかりであれだけど・・・」

穂乃香「これで、お・し・ま・い」

俊斗「頼むから、続いてくれぇええええええ!」


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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w