Assault Memories ~楯心夢駆<ジュンシンムク>~ 第一話 志ある者達
アルス・クロフォード♂ 20歳
シュナイドリス中部出身のレクレス、戦闘の腕は地元の仲間内ではトップ。
正義感が強く、仕事に対する姿勢は真面目。
真っ直ぐな好青年。
ギルバート・カーヴェル♂ 20歳
シュナイドリス中部出身のレクレス、アルスの幼馴染、仕事でもパートナー。
人付き合いが良くムードメーカー、気のきく男。
明るい好青年。
ライナス・キャラック♂ 39歳
シュナイドリス西部出身のレクレス、歴も長くベテランの域。
気さくで明るい性格、面倒見がいい。
妻子持ち、家族バカ。
ファラ・ハーコート♀ 19歳
シュナイドリス北部出身のオペレーター。
真面目で少しだけ人見知りをする性格。
根は明るく優しい。
アルス♂:
ギル♂:
ライナス♂:
ファラ♀:
ファラN「デスグラッサの侵略を受けて数日、同盟を組み、
シュナイドリスに加盟したばかりの四つの州が完全に制圧された、
事を深刻に捉えた政府は、国内全土に志願兵を募る」
ライナスN「集められた兵士たちはそれぞれ少数のチームを組むこととなる、
第一陣とされた者たちが集まったのは、日も落ちた頃であった・・・」
ギル「あぁー、やっと開放されたぜ、流石の長旅だったなぁ」
アルス「そうだな、中部から列車で5時間か、仕方ないとはいえ、戦闘前にこれか」
ギル「更にこの後チームメンバーと顔合わせだろ?お偉いさんは何考えてんだ」
アルス「本当だよ、そんな事してる間にデスグラッサが攻め込んできたらどうするって言うんだ」
ギル「いやそうじゃねぇだろ、俺たちより長い距離移動してる奴らもいるんだ、
そんな状態で戦わせる訳にはいかねぇって、まずは休憩じゃね?」
アルス「んーそれもそうか、万全じゃない状態で戦っても危ないだけか・・・」
ギル「そういう事、お、あれじゃね、宿舎」
アルス「何番だったっけな、えっと・・・、F-3か」
ギル「F棟は・・・、あった、あれだあれ」
アルス「よし、そんじゃ行こうぜ」
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アルス「失礼します」
ギル「失礼しまーす」
ライナス「お、いらっしゃい、やっと来たかぁ」
アルス「えっと、俺部屋番号間違えてないよな?」
ライナス「F-3だったらここであってるぜ、若いの」
ギル「って事は・・・?」
ライナス「おぅ、これからチーム組まさせてもらうもんだ、よろしくな、
っとそんな入り口で固まってねぇで荷物と腰降ろしなって」
アルス「あ、あぁ」
ギル「そんじゃ遠慮なくっと」
アルス「失礼します、あ、そうだ俺は・・・」
ライナス「あぁー、後もう一人来るらしいから、自己紹介はもうちょっとだけ待ってくれよ、
纏めてやっちゃった方がいいだろ」
アルス「もう一人?」
ギル「でも、ここベッド3つしかないぜ?」
ライナス「オペレーターの女の子なんだそうだ、その子あわせて四人でチームだとよ」
ギル「各チームにオペレーターが付くのか、凄いな」
アルス「そりゃ国を守るためなんだから沢山の人が動くのは当然だろ」
ギル「それもそうか」
ファラ「すみません、入ってもよろしいでしょうか?」
ライナス「お、噂をすればなんとやら、どうぞー」
ファラ「はい、失礼します、遅くなってしまってすみません」
ギル「いやいや、俺たちも今さっき着いたばっかりだから気にしないでよ」
ファラ「本当ですか?よかったぁ、それじゃえっと、
これから皆さんのオペレーターを務めさせて頂きます、
ファラ・ハーコートです、よろしくお願いいたします」
アルス「レクレスのアルス・クロフォードだ、よろしく」
ギル「ギルバート・カーヴェルだ、よろしくな!」
ファラ「よろしくお願いします」
ライナス「俺はライナス・キャラックだ、よろしくな、ファラちゃん、
そんな固くならんでくれ、これから長い付き合いになるだろうし、
もっと仲良くやろうぜ、なっ?」
ファラ「あ、はい!ありがとうございます」
ライナス「あっはっは!ファラちゃんは真面目だなぁ!
まぁ追々慣れてけばいいか!」
アルス「初対面だし、しょうがないって」
ファラ「そ、そうですねっ」
ギル「ん、そうだ、ファラちゃんってどの辺の出なんだ?」
ライナス「おっ、いきなりアプローチか、若者ー?」
ギル「っ、そういうのじゃないって!
ほら、遠方からの移動だったら疲れてるだろって思ってだなぁ!」
ライナス「あっはっは!そういう事にしておいてやるから続けなって」
ギル「だぁー!違うって言ってるってのに!ファラちゃんは信じてくれるよな、なっ?」
ファラ「だ、大丈夫ですよ、あ、じゃなくて、大丈夫、だよ?」
ライナス「んー、若いっていいねぇ」
アルス「この流れを作ったのはライナスさんだと思うんだが・・・」
ライナス「お、アルスは中々察しがいいな」
ファラ「あの、誰でもわかると思います・・・」
ライナス「おぉう、これは一本取られたな、あっはっは!」
ギル「もー、疲れてる所に重ねないでくれよ・・・、そんな事よりさっきの話だ、
大丈夫か、ファラちゃん、疲れてない?」
ファラ「うん、大丈夫、ありがとうギルバートさん」
ギル「あ、俺の事はギルでいいぜ、ライナスさんもな!」
ライナス「んじゃありがたく」
アルス「・・・こんなんで大丈夫なのか・・・?」
ライナス「ん、どうしたよ、アルス?」
アルス「いや、戦闘前にこんなんで大丈夫なのかって思って」
ライナス「これから長くなるだろうし、ずっと気を張ってたら疲れちまうぞ?」
ギル「そうだぜアルス、カッチリやるのは明日の朝からだ、な?」
アルス「んー・・・」
ファラ「それじゃ少しだけ真面目な話しませんか?
気を抜くのはその後、ね?」
アルス「そう、だな、あぁ、そうしよう」
ファラ「それでは。これから私たちは四人でチームを組み、
作戦は基本的にチームで纏まって行動することになります、
チームコードはフォルテです」
ライナス「あいよ、了解だ」
ファラ「明日時刻は0600(マルロクマルマル)、シュナイドリス西部Hブロック、
エリツェール州に在中するデスグラッサ軍に戦闘を仕掛けます、
住民の避難は既に済んでいるため、作戦内容は領地の奪還のみになります」
ギル「人質とかがいねぇならまだ気は楽だな」
アルス「あぁ、敵を止めればいいだけだからな、戦闘に集中できる」
ファラ「私たちフォルテが属する部隊は、州境付近にある仮設基地へアプローチをかけます、
目的は基地の機能を低下させる事なので深追いは厳禁、との事です」
ライナス「おっと、これは貧乏くじ引いたかな」
アルス「とんでもない、これはチャンスだ、俺なら出来る、
必ずデスグラッサを追い返してやるんだ」
ギル「そこまでは行けないにしても、基地奪還くらいはしてぇ所だな!」
ライナス「ほーぅ・・・・」
ファラ「凄い自信だね」
ギル「へへっ、地元の方では若手のエースだからな」
アルス「実戦でも結構成果出してるからな、任せといてくれよ」
ファラ「うわぁ、頼もしいなぁ、私も大丈夫な気がしてきた!」
ライナス「なぁなぁ、お三方はデスグラッサがどんな国か知ってるか?」
アルス「シュナイドリスに攻め込んできた戦争狂だろ?」
ギル「ちょっと前まで隣国と戦争してたって聞いたことあるけど」
ファラ「私も、そんなに詳しくは・・・」
ライナス「まぁそうだろうな、お前さんら列車に乗ってきた組だろ?」
アルス「あぁ、そうだけど」
ライナス「俺は元々西部の人間だからデスグラッサの話は意外と身近だったんだよ、
後何回戦争したらこっちまで来るかねぇって話をする程度にはな。
大婆ちゃんなんかは元々デスグラッサに飲み込まれた国の人でよ、
小さい頃、悪いことするとデスグラッサが来るぞぉって脅かされたもんだ」
ギル「えっと、つまる所戦争で大きくなった国って事か?」
ライナス「まぁ簡単に言うとそういうこったな、子供の脅しになる位には怖いらしいぞ」
アルス「それなら余計になんとかしないと、そうだろ?」
ライナス「そうだな、間違いねぇ」
ファラ「私も頑張ってサポートする!」
ギル「あぁ、頼んだぜ、ファラちゃん」
ファラ「えっと、皆さん、呼び捨てでもいいんですよ?
やっぱり信頼し合わないと、だと思いますし・・・」
ギル「ん、それじゃあ遠慮なくファラって呼ばせてもらうな」
アルス「俺もだ、頼りにさせてもらうぞファラ」
ファラ「はい!よろしくお願いします!」
ライナス「よきかなよきかな、若者同士の交友はかなり深まったみてぇだな」
ギル「おいおい、最初に仲良くしようって言ったライナスさんはどうなんだよ?」
ライナス「おじさんは誰とでも仲良く出来るからなぁ、任せとけぇ!」
ギル「そうですかー・・・」
ファラ「私はライナスさんとも仲良くしたいですよ?」
ライナス「お、ありがたい言葉だねぇ、そんな事言われたらおじさん気合入れちゃうぞー?」
アルス「気合の入れ所はそこなのか・・・」
ライナス「おぅよ当たり前だろう!何から聞きたい?何から聞きたい?」
ファラ「そうですね・・・、家族のこと、とか?」
ライナス「良くぞ聞いてくれました!」
ファラ「へっ!?」
ライナス「へっへっへ、これ見てくれよー!」
ギル「あー、これ長くなる奴だ・・・」
ファラ「ロケットですね、開けてもいいですか?」
ライナス「どーぞどーぞ」
ファラ「それじゃ・・・、わぁー、可愛いー!」
ライナス「それ、ウチのかみさんとせがれなんだわぁ」
ファラ「最近生まれたんですか?」
ライナス「うんにゃ、15年位前の写真だ」
ファラ「・・・そ、そうなんですね」
ライナス「おぅよ、いやぁ、あいつも今、軍警察の訓練校に通っててなぁ、
今から将来が楽しみなんだよー」
アルス「って事は息子さんもレクレスに?」
ライナス「昔からの夢なんだとよ、
僕も父さんみたいな立派なアームドメタル乗りになりたいってな!」
アルス「将来が楽しみだな?」
ライナス「本当だよ!早く肩並べて出撃してぇなぁ」
ギル「親子で同じ隊とかいいなぁ、ちょっと憧れるかも」
アルス「俺たちも親がレクレスだったらやってみたかったな」
ギル「そうだなぁ、あ、いや、俺はやっぱいいや、親父と同じ職場は勘弁」
アルス「あっはっは!ギルの所、仕事は厳しそうだったしな」
ギル「そうだったじゃなくて厳しいんだよ、実際・・・」
ライナス「仕事にマジメな事はいい事だぞー、隣のお友達見てても思うだろ?」
ギル「まぁな、お陰で俺もいい感じに引っ張ってもらえてるしな」
ファラ「二人は仲がいいんだね」
ギル「おう、ガキの頃からの腐れ縁だ」
アルス「待て、もうちょっとなんか言い方があるだろ」
ファラ「大丈夫、ちゃんと伝わってますよ」
アルス「いやそうじゃなくてだな・・・」
ライナス「細かい事はいいじゃねぇか!照れんなよ少年!」
アルス「照れてない!」
ライナス「あっはっは!いいねぇ、青春だ!」
アルス「聞いてないな・・・」
ファラ「ふふっ」
アルス「っ、ファラも何笑ってんだよ!」
ファラ「ごめんなさい、そうじゃなくて、みんなとなら上手くやれる気がするなぁって」
ギル「そうだな、明日から頑張ってこうぜ?」
アルス「当たり前だ、言われなくてもやってやるさ」
ライナス「あんま張り切りすぎて空回るなよー?」
ファラ「大丈夫です、そうなったら私がサポートしますから!」
ギル「お、それはありがたい、こいつ時々突っ走るから、
ちゃんと付いていける様に案内頼むぜ?」
ファラ「うん、任せて!」
アルス「よし、明日に備えて、そろそろ休むぞ」
ファラ「うん、それじゃまた明日っ」
ギル「おう、おやすみー!」
to be continued...
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