Assault Memories ~不明存在~ 第三話 正常と異常の邂逅

トーマ=アサクラ♂ 20代半ば
搭乗機体『エンドレス』(終わりがない)
傭兵団『ラインゼーレ』所属の傭兵、エンドレス隊の隊長。
根はマジメだが面倒臭がりやで短気。
長時間戦う事を得意としており、視野も広く幅広い戦い方をする。


タクト=カシマ♂ 10代後半
傭兵団『ラインゼーレ』に新たに入団した傭兵、エンドレス隊隊員。
ビックマウスかつ小心者、すぐテンパる。
ヒットアンドアウェイを得意としており、近~中距離で暴れまわる。


カークス・ブライアント♂ 30代後半~40代前半
シュナイドリス軍の教官、大勢の凄腕を送り出している。
人として経験も豊富なため、大人な対応が出来る。
ライフル・ミサイルポット・ブレードを使って堅実な戦いをする。


ビリー・アッシャー♂ 20代前半
シュナイドリスCブロック出身の青年、正規の軍兵ではなく現地の志願兵。
調子に乗りやすいが根は真面目、器用で機械にも比較的強い。


ダニエル・ケアード♂ 20代前半 愛称:ダン
シュナイドリスCブロック出身の青年、正規の軍兵ではなく現地の志願兵
不器用な性格で熱くなりやすい、挫けない粘り強さがある。


ユーナ=トージョー♀ 20代半ば
搭乗機体『シーカー』(探求者)
傭兵団『ラインゼーレ』所属の傭兵、エンドレス隊のオペレーター。
面倒見はいいがサラっと核心を突いてくる、物腰は柔らかい。
索敵特化の機体に乗っており、基本的に敵前に立つことはない。


シオン=キサラギ♀ 10代後半
搭乗機体『ノイジィ』(騒がしい)
傭兵団『ラインゼーレ』に新たに入団した傭兵、エンドレス隊隊員。
丁寧で真面目な性格、戦闘になると人が変わる。
固定砲台かつトリガーハッピー、高めの火力を可能な限り撃ちまくる。



トーマ♂:
タクト♂:
カークス♂:
ビリー♂:
ダン♂:
ユーナ♀:
シオン♀:





ユーナ「こちらシーカー、どうかなー?回線状態良好?」

トーマ「こちらエンドレス、問題ない、クリアだ」

シオン「こちらも大丈夫です」

タクト「だ、大丈夫だ、こっちも聞こえてるぜ」

ユーナ「うん、全回線良好、それじゃ索敵始めてくよ、
    みんな警戒態勢入ってねー」

タクト「ちょ、ちょっと待ってくれよ、なんで索敵で警戒態勢?」

トーマ「相手の管制が優秀だと、逆探知される可能性がないとも言い切れねぇ、
    油断してると奇襲に対応できねぇだろ」

シオン「なるほど・・・」

タクト「マジかよ、そんなん聞いてねぇぞ・・・」

トーマ「まぁ習わねぇだろうからな、安心しろとはあんま言いたくねぇが、
    ここはそんなに配備しっかりしてねぇし、逆探知はよっぽどの事がない限りされねぇだろうよ」

タクト「それならいいんだけどよ・・・」

ユーナ「スキャンコンプリート、敵アームドメタル、数7」

タクト「7!?」

トーマ「01(ゼロワン)遮るな」

タクト「っ、す、すみません」

ユーナ「続けるよ、12時に戦闘用1、2時10時にそれぞれ武装した作業用が3、
    予想より少ないし、楽勝楽勝」

トーマ「2時はノイジィ、10時は01、戦闘用は俺がやる」

シオン「了解」

タクト「え、何、俺一人で3機やんの?マジで?」

トーマ「腕、見せてくれるんだろ?」

タクト「っ、あぁ、やるよ、やってやんよ!」

トーマ「おし、その意気だ、シーカー、プランを」

ユーナ「はーい、今回の依頼は兵站(へいたん)の確保でーす、資材などをふっ飛ばしちゃう可能性があるから、
    建物への被害は極力抑えてねー、
    作業もさせたいから出来ればアームドメタルも修理が可能なレベルまでしか壊さないで、
    降伏、屈服させるのが目的だと思いましょー」

シオン「・・・善処します」

タクト「マジかよ、マジかよ・・・」

ユーナ「エンドレス」

トーマ「なんだ」

ユーナ「私すっごく不安」

トーマ「同じくだ、まぁ戦闘用を抑えれば全面降伏してくれるだろ、俺がなんとかすりゃいい」

ユーナ「迅速によろしくね」

トーマ「オーライ、そんじゃ、準備はいいなお前ら、行くぞ」

ユーナ・シオン「了解」
タクト「お、おぅ!」

トーマ「よし、ミッションスタートだ、散開!」

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カークス「よし、両チーム1番は交代!次は2番と3番で演習だ!」

ビリー「了解です!Aチーム1番アッシャー機下がります!」

ダン「はぁ・・・はぁ・・・、Bチーム1番、ケアード機、下がります・・・!」

カークス「どうしたダン、レクレスが息を上げてどうする」

ダン「そ、そんなこと言いましても、実機を使っての訓練で疲れるなって方が無理ありますよ・・・!」

カークス「ふっ、ビリーは平気そうだが、そこはどう弁明するつもりかな?」

ダン「うっ・・・」

ビリー「ダンは緊張しすぎなんだよ、無駄な動きも多いし、
    もうちょっと落ち着けばそこまで体力使わないって!」

ダン「俺はお前みたいに機械に強いわけじゃないんだ!
   もう計器類追ってるだけで精一杯だよ!」

カークス「そこはもう慣れていくしかないな、安心しろ、
     直(じき)に体が覚える」

ビリー「だってさ、ダン?」

ダン「しょ、精進します!」

カークス「うん、よろしい、だがビリー、言っておくぞ、お前も人に威張れるほど動けてはいないからな?」

ビリー「いっ、しょ、精進します!」

カークスM「やはりいい志を持った者達だ、この若き情熱をデスグラッサなんぞに詰ませる訳にはいかんな」

ビリー「さって、そろそろか、気合入れなおすとするかな!」

カークス「よし、両チーム2番は、っ、敵反応だと、全機、備えろ!」

タクト「うぁぁぁああああああ!死ねよぉぉおおおおおお!」

ダン「っ、ブラウン!」

タクト「ひっ、こっち向くんじゃ、ねぇよぉおおお!」

ダン「ディック!お前よくも二人を!」

タクト「無理!無理無理無理!三機も相手できねぇよぉ!」

ユーナ「01下がりなさい!」

タクト「ひっ!」

ダン「くっ、逃げるかよ!」

カークス「落ち着けダン!深追いするな!」

ダン「でも!」

ビリー「っ、モーリス!ロドニー!」

シオン「よし、二機撃破、ふふふっ」

カークス「4機を、一瞬で失うなど、私は一体何をしている・・・!」

ユーナ「01!ノイジィ!一度引きなさい!」

タクト・シオン「っ!」

トーマ「勝手に動きやがってバカヤロウ!コックピットいっちゃってんじゃねぇか、
    直せる程度に壊せっつわれてだろ!」

シオン「す、すみません!」

タクト「だ、だって、殺らなきゃ殺られちゃうだろ!?」

トーマ「そんな簡単にやられる程度の腕なのかお前は?」

タクト「そうじゃないけど!でも敵が強かったらどうすんだよ!」

トーマ「敵は多分新人だ!落ち着いてやりゃ余裕だろうが!」

ユーナ「01とノイジィは正面の作業用を相手に時間稼ぎ、
    壊さない殺さないこと!」

タクト「そんな事出来る訳・・・!」

ユーナ「これが出来なくてこの先、生き残れる訳がないでしょう、
    やりなさい!」

タクト「生き残れない・・・!イヤだ、生き残る、死にたくない、死にたくない!」

シオン「・・・了解、壊しません」

トーマ「シーカーからプライベートコール?エンドレスだ、なんだ?」

ユーナ「こちらシーカー、ちょっとリスキーだけどオープンで交渉しよう、
    ダメだったら鹵獲(ろかく)で」

トーマ「上手くいくとは思えねぇけどな、やるだけやってみるか、
    こちらエンドレス、聞こえるかシュナイドリス!」

ビリー「オープン回線!?」

タクト「何やってんだよあの人!?」

カークス「こちらシュナイドリスのブライアントだ、奇襲をかけておいて通信とは、
     どういうつもりだ、デスグラッサ!」

トーマ「俺たちはここの設備その他諸々を貰いに来た、素直に従えばこれ以上の犠牲は出さない!」

ダン「四人も殺しといて何言ってやがる!そんな言葉信用できると思ってんのか!」

カークス「っ、ダン!」

ビリー「そうだ、さんざん他のブロック荒らしまくってるくせに!
    ここでぜってぇ止めてやる、皆の仇め!」

カークス「ビリー!」

ダン「止めないでください!ここでやらなきゃ、この先一生立ち向かえなくなります!」

カークス「・・・分かった、聞いての通りだデスグラッサのエンドレスよ、
     私たちは徹底抗戦させてもらう!」

トーマ「オーケーだ死にたがり共、後悔すんなよ?01、ノイジィ、分かってるな!」

タクト「っ、了解!」
シオン「了解!」

カークス「聞いたな二人とも、来るぞ!」

ビリー「はい、やります、やってやります!」

ダン「みんなの、無念を晴らしてやる!」

ビリー「あいつはブレードを持ってない、接近さえすれば、俺の勝ちだ、行くぞ!」

シオン「来た・・・!壊さずに時間稼ぎ・・・、なら、当てなければいい!
    余計な動きしたら当たりますから!」

ビリー「っ!かわせた・・・!これなら行ける、なんだよまぐれ当りかよ・・・!
    まぐれでなんかで、殺しやがって!」

シオン「熱くなった頭に当てる気のない威嚇射撃は無駄ですね、
    なら、もっと際どく、もっとばら撒きます!」

ビリー「当たるか、当たってやるもんか!あと少しなんだ!」

ユーナ「ノイジィ、近づかれすぎ!」

シオン「問題ありません、この距離なら地面を、持っていけますから!」

ユーナ「地面を抉った、あれなら・・・!」

ビリー「うぉ!?バランスが・・・!うわぁあああ!?」

シオン「ふふっ、動かない相手なら・・・!」

ユーナ「ノイジィ何を、待ちなさ・・・!」

タクト「うわぁぁあああああ!来るな、来るなよぉおおおおお!」

ユーナ「っ、あの子、もう少し静かに戦えないかな、まともに指示出しすら出来やしない!」

ダン「クソ!ちょこまか動きやがって!当たれ!当たれよ!」

タクト「ひっ、撃ってくんじゃねぇよぉ、追ってくんじゃねぇよぉ!
    無理だよ!殺さず殺されないなんて無理に決まってんだろぉおおおお!」

ユーナ「落ち着きなさい01!相手は所詮作業用、倒せばすぐには起きれない!」

タクト「そ、そんな事言われたって!こんな撃たれてたら!そんなの無理だって!」

ユーナ「あぁもう!それなら相手の弾が尽きるまでそうしてなさい!」

シオン「ここなら、撃ち放題ですよね、ふふっ、あはははは!」

ユーナ「っ、ノイジィ待ちなさい!」

シオン「大丈夫ですよぉ!当てませんから!当ててませんから!」

ユーナ「倒れた相手に跨りながら、地面に乱射・・・!?
    とんだトリガーハッピーだ、弾が勿体無い・・・!
    エンドレス!まだ終わらない!?」

トーマ「言われなくても分かってる!クッソ、なんでこんな簡単な仕事で焦らにゃならんのだ!」

カークス「くっ、あのレクレス、なんて腕だ、この私が遊ばれているなどと・・・!
     この距離ではどうにもならんか、では!」

トーマ「お、痺れ切らして突っ込んでくるかよ、なら俺も危ない橋渡るとしますかねぇ!」

カークス「銃しか持たぬ機体で距離を詰めるか、愚策だぞ、デスグラッサ!これで!」

トーマ「へっ、当たらねぇ、よ!」

カークス「ちぃ、まだだ、まだ!」

トーマ「まだはもうねぇ、そのブレードは放してもらうぜ!」

カークス「なっ!?」

トーマ「あーあー、聞こえるか?チェックメイトだ、動くなよ、動いたらコックピットをぶち抜くからな」

ユーナ「降伏してくれると嬉しいかなぁ、四人殺しといてって思うかもしれないけど、
    私たち、殺しが目的じゃないんだよね」

トーマ「さっきの通信の通りだ、素直に従えばこれ以上は殺さねぇ」

カークス「・・・分かった、どうすればいい?」

トーマ「まずは他二人に降伏だって言ってやってくれ、ウチのには殺すなって伝えてある」

カークス「ビリー、ダン、オープン回線だ、聞こえていただろう、ここまでだ」

ダン「そんな!まだ俺は!」

ビリー「分かった!分かったからもう撃つのをやめてくれぇ!」

トーマ「ノイジィ!」

シオン「っ!は、はい!」

トーマ「ケリだ、銃を下ろせ」

シオン「わ、分かりました」

カークス「ダン、止まるんだ、私たちでは勝てないんだ」

ダン「・・・分かりました」

タクト「止まった・・・!あのヤロウよくも・・・!」

トーマ「01!ケリだっつってんだろうが!」

タクト「だけど!あいつ俺の事を・・・!」

トーマ「うるせぇ!」

タクト「ひっ!」

トーマ「お前もアームドメタルから降りろ、今すぐだ!」

タクト「わ、分かった!分かったよ!」

トーマ「はぁ・・・、つー訳だ、おっさん、あんたらも降りてくれ、
    全員が集まった所を確認したら俺も降りる」

カークス「・・・分かった」

ユーナ「エンドレス、私も降りてそっち行くね」

トーマ「おぅ、頼んだ」

シオン「あ、あの、私は・・・?」

ユーナ「ノイジィは指示があるまでそこで待機」

シオン「は、はい」

ユーナ「ん、プライベートコール?はいはい、こちらシーカー」

トーマ「ユーナぁ、俺しんどいー」

ユーナ「あはは、お疲れトーマ、もう少しだから頑張れー」

トーマ「うぃーっす・・・」

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ビリー「俺たち、これからどうなるんだ・・・」

ダン「殺しはしないって言ってたけどな」

カークス「その言葉が信用できる物であればいいのだが」

ビリー「っ、降りてきたぞ」

タクト「っと、ほ、本当に大丈夫なのかよぉ・・・、
    敵の前でアームドメタルから降りるとか聞いてねぇよぉ・・・」

ダン「なっ、子供・・・!?」

カークス「あんな少年が、あんな動きを・・・」

タクト「え、エンドレス!早く降りてきてくれよ!三人同時に襲われたら俺・・・!」

トーマ「分かってるよ!少しは静かに出来ねぇのか!
    よっと、すまねぇな、待たせたシュナイドリスの。俺がこの部隊の隊長、エンドレスだ」

カークス「シュナイドリスのブライアントだ、拘束もせずに対面とはどういうつもりだ」

トーマ「さっき言った通りだ、ここの設備やらその他諸々を貰いに来た、
    それ以上でもそれ以下でもねぇ」

ダン「ならなんであいつらをいきなり殺したんだ!交渉もなんもなしに!」

トーマ「それに関しちゃ俺の監督不行き届きだ、弁解するつもりもねぇ、
    だが目的に関しちゃ嘘は言ってねぇ」

カークス「ならば何故私たちを生かす?」

ユーナ「それに関しては私から説明させてもらうねぇ」

ビリー「っ、女・・・!?」

ユーナ「女が兵隊で悪いかな?」

ビリー「あ、いや、そういう訳じゃ・・・」

ユーナ「もうちょっと口は慎んでもらわないと、君たちは捕虜なんだから」

ダン「こんな自由に動ける状態で捕虜?ふざけるのも大概に・・・!」

ユーナ「ノイジィ」

シオン「はい、なんでしょうか?」

ユーナ「銃を町に向けなさい」

シオン「分かりました」

ダン「っ!ま、待ってくれ!わ、分かった!お、大人しくする!」

ユーナ「そこで静止」

シオン「はい、分かりました」

カークス「卑怯な・・・!」

トーマ「俺たちがしてるのは戦争だぜ、何を今更」

ユーナ「これは脅しであると同時に提案、ちゃんと選択の自由はあげる」

カークス「選択の自由、だと?」

ユーナ「そっ、誇りを守って死ぬか、誇りを捨てて犬となるか」

ビリー「ど、どういう事だよ」

ユーナ「デスグラッサに忠誠を誓い、自らの意思でデスグラッサの為に働いてもらう事になるかな、
    町の人たちを説得するのは君たち、指示を出すのも君たち、簡単でしょ?」

ビリー「そんな、国を、仲間を売れって言うのか!」

ユーナ「国を売れなんて言ってない、誇りを捨てろって言ってるんだよ」

ダン「そんな事出来るかよ!仲間を殺す手助けをしろってか?ふざけんな!」

ユーナ「出来なければ死ぬ、そして私たちは町の人たちを無理やり従わせる、それだけ」

ダン「っ・・・!」

カークス「・・・分かった、従おう」

ビリー「カークスさん!?」

カークス「従うほかあるまい、我々の誇り程度で命が救えるのだ、安いものだろう」

ビリー「・・・分かりました」

ユーナ「うん、それじゃ早速役割分担してくからよろしく、エンドレス」

トーマ「おうよ、若いの二人はここに残って町の管理だ、
    町の奴らと協力してデスグラッサに兵站の提供、分かったな」

ビリー「・・・あぁ」

ダン「兵站の・・・?」

カークス「つまりここを拠点にするという事だ、気をつけろよ」

ダン「・・・俺たちの行動に、みんなの命がかかってるって事ですね」

カークス「その通りだ」

ダン「分かりました、必ずやり遂げます、最後まで耐えて見せます」

トーマ「それでだ、おっさんは俺らに同行、レクレスとして働いてもらう」

カークス「なっ・・・!?」

ビリー「なんでカークスさんだけ・・・!」

トーマ「理由を話す必要はねぇ、俺の部下になってもらう、それだけだ」

カークス「・・・分かった、従おう」

トーマ「以上だ、若いの二人はもう行って良いぞ」

ダン「・・・カークスさん、どうかご無事で」

ビリー「必ず助け出しますから、その時まで・・・」

ユーナ「上司思いのいい子達だねぇ」

カークス「死んだ4人も、未来ある若者たちだった」

ユーナ「そっか、残念だったね」

カークス「っ、貴様、自分たちで殺しておいて・・・!」

ユーナ「じゃあなんて言葉をかければ貴方は満足だった?
    戦争中に綺麗事言えるほど全うな人生は歩んでないんだ、ごめんねぇ」

カークス「くっ、だとしてもだ!」

ユーナ「あなたとは後からちゃんと話すから、ちょっと待っててもらえる?」

カークス「なっ・・・!?」

ユーナ「ノイジィー!降りてきなさーい!」

シオン「はい!すぐに行きます!」

タクト「な、なぁ、いつまでここにいるんだ?早く移動しないと・・・」

トーマ「うるせぇ」

タクト「っ・・・!」

シオン「すみません、お待たせしました」

トーマ「二人ともそこ並べ」

シオン「っ、はい」

タクト「な、なんだって・・・、うぐ!?」

(トーマがタクトとシオンの胸倉を掴む)

トーマ「テメェらふざけんじゃねぇぞ!」

タクト「ぐっ、なに、なにが・・・!?」

シオン「ぅ、くる、し・・・!」

トーマ「それすら分かんねぇか、自分が何したかも理解できてねぇってか!」

シオン「ぐぅ、ごめ、んなさい・・・、ごめん、なさい・・・!」

トーマ「謝れば済むと思ってんのか、仕事舐めんじゃねぇぞ、戦場舐めてんじゃねぇぞ!」

カークス「おい!その手を放せ!苦しんでいるだろう!」

トーマ「ちっ」

タクト「っ、げほっげほっ、っはぁ、はぁっ・・・」

シオン「げほっげほっ・・・、ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

カークス「大丈夫か?」

シオン「すみ、ません・・・」

タクト「はぁ・・・はぁ・・・、んで・・・」

トーマ「あぁ?」

タクト「なんでだよ!俺は教わったとおりにやっただけなのに!
    殺さなきゃ殺されるって、だから殺しただけなのに、なんで!」

トーマ「テメェはもうスクール生じゃねぇんだぞ甘えんな!」

タクト「ひっ・・・!」

トーマ「指示聞けねぇ、注意も聞けねぇ、そんな傭兵ならいらねぇよ」

タクト「ちょ、ちょっと待ってくれよ・・・!」

トーマ「行くぞユーナ、おっさん」

タクト「待ってくれって言ってるじゃんかよ!
    あんなんじゃ何で怒られてるか分かんねぇって!」

シオン「命令違反してしまってすみませんでした、
    もう、次からはしませんから、見捨てないで・・・ください・・・」

ユーナ「次からしない、ね、途中で止めても止まらなかった子が出来るのかな?」

シオン「っ・・・」

トーマ「はぁ・・・、いいか、今回の仕事は俺とユーナの二人でもやろうと思えばやれたんだ、
    そこを、お前らなら出来ると思って作戦に参加させた、なのに何だこのザマは」

タクト「だ、だって、無理だよ、あんな数、無理なん・・」

トーマ「最初に大口を叩いたのはどこのどいつだ」

タクト「俺だけど、だけど・・・」

ユーナ「分かった、指示聞けないならサポートいらないね」

タクト「っ、それは・・・!」

ユーナ「君たち今回何一つ私の指示聞いてないよね?じゃあいらないよね?」

シオン「本当に、申し訳ありませんでした・・・」

ユーナ「なんでトーマが怒ってるか分かる?」

タクト「分かんねぇよ・・・、だってスクールで聞いた事と全然違うんだもん・・・、
    教えてくれよ・・・!」

ユーナ「君たちは傭兵になったんだ、今まで見たいにただ自分が生き残るだけじゃダメ、
    チーム組んでやってるんだから周り見てちゃんと動かないと」

シオン「はい・・・」

トーマ「それにだ、俺たちはクライアントに頼まれてやってんだ、
    言われた通りにやるんじゃただの素人、期待以上の成果を出してプロだろうが」

タクト「期待、以上・・・」

トーマ「ここまでは傭兵としてだ」

シオン「ここまでは・・・?」

トーマ「あぁ、・・・お前ら、殺さなくていい奴らを余分に4人も殺してんだぞ、
    殺せって言われてたなら仕方ねぇ、だけど今回は殺すなっつわれてたんだ」

ユーナ「自分の命を大切にするなら最低限相手の命も尊重しようね、
    死にたくないのは自分だけじゃないんだから」

タクト「・・・ごめんなさい」

シオン「すみませんでした・・・」

トーマ「だぁーもぅ!こういうマジメなの苦手だってのに!
    次から言われた事はちゃんとやれよ?やって出来ねぇ奴らじゃねぇんだろ?」

シオン「はい、必ず次はご期待に、いえ、期待以上にやってみせます」

タクト「頑張って、テンパらないようにする・・・!」

トーマ「それでよし!」

ユーナ「うん、それじゃささっと撤収しようか、次の指示があるまでどっかに潜伏しなきゃ」

トーマ「新入り二人は先にアームドメタル乗っとけ」

シオン「はい」

タクト「お、おぅ」

トーマ「はぁ・・・、おっさん」

カークス「カークスだ」

トーマ「あー、すまねぇ、その名前はしばらく使わねぇ、
    俺の下で働いてる間はウチの国の名前使ってもらうから」

カークス「・・・拒否権は、ないのだろう?」

トーマ「理解が早くて助かる、ってそうじゃなくて、
    ・・・悪かったな」

カークス「許さん」

トーマ「許してくれるとは思ってねぇよ」

カークス「ならば何故だ?」

トーマ「謝らずに済ますつもりがねぇだけだ」

カークス「・・・そうか」

トーマ「ん、っと言う訳で、さっきも言ったとおりマジメなの苦手なんでな、
    切り替えさせてもらうぜ、ユーナ、おっさんの機体、OS弄っといてくれ」

ユーナ「はーい、とりあえず5分頂戴、そしたら最低限の所までやれるから」

トーマ「オーケー」

カークス「OS?」

トーマ「分かんないなら気にすんな、ちょっとウチら仕様に変えさせてもらうだけだからな」

カークス「あ、あぁ、分かった」

トーマ「あー、そうだ自己紹介まだだった、トーマ=アサクラだ、よろしくな、おっさん」

カークス「・・・カークス・ブライアントだ」

トーマ「・・・おう、名前考えとく、もうちょっと待ってな」

ユーナ「何このOS-!超手直ししたいー!」

トーマ「そんなん後にしろー!5分つったのお前だろー!」

カークス「・・・ふぅ、一体、私は、いや、シュナイドリスはどうなるのだろうな・・・」

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ビリー「あいつら、行ったみたいだな」

ダン「そうだな」

ビリー「こっからどうする?」

ダン「ひとまず言われたとおりにするしかないだろ」

ビリー「そう、だよな・・・」

ダン「けど、特訓は続けるぞ」

ビリー「当たり前だろ、・・・バレないようにしなきゃな」

ダン「そう、だな・・・、何されるか分かったもんじゃないし」

ビリー「すぅーはぁー・・・、絶対にやるぞ、あいつらの思いを無駄にはしねぇ」

ダン「当たり前だ、シュナイドリスを、守るんだ」





to be continued...


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