逆オレオレ詐欺

秋元 康介♂ オレオレ詐欺する人、ボケ。
藤堂 守♂ オレオレ詐欺する人、ツッコミ。
近衛 千佳♀ オレオレ詐欺し返す人、ボケ。



康介♂:
守♂:
千佳♀:



康介「き、緊張してきたな」

守「落ち着けコウ、お前の態度次第で全てが決まるんだからな」

康介「マモはピンチヒッターだから楽でいいよなぁ・・・」

守「バッカ、お前がやばくなった時に助け舟出す係りだぞ、巻き返しとか、より大変だぞ」

康介「俺が失敗しなきゃ出番ないんだろ、楽じゃねぇか」

守「いいから、ほれ、さっさとコールする」

康介「あいよぉ・・・・、えっと、0、5っと・・・」

千佳「もしもし、近衛です」

康介「あ、オレオレ、俺だけど」

千佳「俺・・・・、もしかして、あなた!?」

康介「ビクゥ、お、おう、俺だ、久しぶ・・・」

千佳「何で黙って出て行ったの!?」

康介「うぇ、な、なんでって・・・・」

千佳「まだ小さかったあの子と私をあなたが置いて出てったせいで、大変だったんだから!」

康介「ご、ごめん!あの、ちょ、ちょっとだけ待ってもらっていいか?」

千佳「もう、置いていかない・・・・?」

康介「お、置いてかない!だから待っててくれないか?」

千佳「うん、待ってる・・・・」

康介「ま、まもー!助けてー!」

守「お前、いきなりかよ、何やってんだ」

康介「違うんだ!」

守「は?」

康介「俺に、俺に子供がいたんだ、俺があいつら置いてったせいで大変らしいんだ!」

守「んな訳ねーだろ!落ち着け!お前彼女もいたことねぇじゃねぇかこの童貞!」

康介「バッカ!プロとならしたことあるわ!」

守「問題そこじゃねぇよ!そのプロと一緒に暮らしてた時期なんてあったんか!」

康介「・・・・・・・・あ」

守「はぁ・・・・、いいか、どうしてそうなったか知らんけど、帰れないって事を上手く利用して金を振り込ませろ」

康介「なるほど!さっすがマモ!」

守「いいから早く出ろ!怪しまれるぞ!」

康介「そうだった、よ、よし、も、もしも・・・・」

千佳「あなたぁ!」

康介「うわぁ!?」

千佳「よかった、また置いてかれたかと思ったじゃない・・・・」

康介「そ、そんな訳無いだろ、俺だって早く帰りたいんだ」

千佳「本当!?」

康介「あぁ、本当だよ、だけど帰れな・・・・」

千佳「やっぱりまた置いてかれるのねぇぇぇぇええええ!」

康介「そ、そうじゃなくて、早く帰りたいのは山々なんだけど」

千佳「なら早く帰ってきてよぉ!母一人子一人じゃどうにもならないの!」

康介「どうにもならない?」

千佳「生活費も、ローンも、借金も!」

康介「借金!?ち、ちなみに、いくら・・・・?」

千佳「一千万よ!」

康介「一千万!?ちょ、どうしようマ・・・!」

守「バカヤロウ!一回保留しやがれ!」

千佳「っ、何よ今のこ・・・・」

康介「保留した、まもー!」

守「なんでお前が金請求されてんだバカ!」

康介「だって、俺の嫁と子供がー!」

守「そこに戻るのかよ!落ち着け童貞!」

康介「だからプロとはした事あるつってんだろぉ!」

守「さっきの会話覚えてんじゃねぇか!バカコウ!」

康介「中学一緒だったじゃねぇか!マモもバカになっちまうぞ!」

守「学校の校じゃねぇ康介のコウだバカ!」

康介「おぉ!なるほど!」

守「納得してんじゃねぇ!今お前はオレオレ詐欺中なの!電話先は赤の他人!」

康介「え、俺に嫁と子供いねぇの・・・・?」

守「え、マジでショック受けるのやめよ?俺の心が痛いわ」

康介「と、とりあえず分かった・・・、俺、どうしたらいい・・・?」

守「そ、そうだな、お前は俺に借金してる、そのせいで帰れない、
  俺は借金取りやるから、途中で電話変われ」

康介「そうか・・・、俺、マモに借金してたんか・・・・」

守「お前、騙す側向いてないわ・・・、ま、まぁこれが成功したら返せるだろ?」

康介「そうか!俺、マモにお金返せるようにがんばるよ!」

守「分かった、とりあえず電話でようか」

康介「おう!よし、も、もしもし」

千佳「あなた!」

康介「何回もごめん、実は俺も借金してて、それで帰れないんだ・・・」

千佳「借金?あなたも?」

康介「あぁ、ちょっと、電話変わるな」

守「おぉ、テメェがこいつの嫁か?」

千佳「あんた、誰?」

守「俺か、俺はこいつの・・・」

千佳「この泥棒猫!」

守「はぁ!?」

千佳「ずるいわ!あの人をお金で縛るなんて!」

守「し、縛るも何も、金を借りたこいつがわる・・・・」

千佳「貴方がそう仕向けたんでしょ!あの人を放さないために!返して!」

守「返して欲しけりゃこいつがした借金耳揃えて・・・・」

千佳「返してよぉぉぉぉおおおおおおお!」

守「ほ、保留!」

康介「・・・・・・マモ?」

守「な、なんだこの電波女!?」

康介「そりゃ電話越しなんだから電波だろー」

守「そういう意味じゃねぇよ・・・、やめだ、こいつから金は取れねぇ・・・」

康介「マモ、俺だけじゃなくて嫁からも金取ろうとしてたのか!」

守「またそこに戻るのな!もうお前が話終らせろよ!」

康介「分かった!もしもし!俺だ、康介だ!」

守「こいつ名乗りやがったー!?」

千佳「康介!」

康介「あぁ、俺だ、お前は俺が守る」

千佳「嬉しい・・・、ねぇ、今どこにいるの?住所教えて?」

康介「東京都(以下略」

守「はぁぁぁあああああ!?」

千佳「ありがとう、それじゃすぐ向かうわね!」

康介「あぁ、待ってるよ」

守「お前、ばっかじゃねぇの!?」

康介「すぐ来るって!俺の嫁!」

守「いいから逃げるぞ!」

康介「な、なんでぇぇぇぇええええ!?」

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千佳「あぁー、面白かった、さって、110番110番ー」


じ・えんど



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シナリオの感想とか演じてみて台本としての感想とかいただけると作者がよろこぶかも・・・w